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アリア編
150 悩殺
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「ない事もないけど、でもなんで急に服を?」
今まで勉強するためにココに毎日通ってたわけだけど、服の話なんてしたの初めてじゃないか?
「さっきの店長の顔見たでしょ!?完全にあの人に見惚れていたわ」
「あー、そんな感じだったな」
「いきなり出て来た人に負けるわけには行かないのよ!」
「えーと、すなわちアレか?メル姉は店長が好きなんか?」
「はいちょっとこっち来て」
物陰に連れて行かれた。
ドン!
こ、これが噂の壁ドンとか言うヤツか!?
「店長には、いえ、誰にも絶対言っちゃダメよ?わかった?」
「あ、ええ、ハイ」
「とにかく!このままじゃあの人に負けてしまうわ!店長を悩殺出来る服が私にも必要なのよ!」
うーむ、たしかにナルティアさんの色気は凄まじかったからな。
近くにあんな人がいたら店長といえどイチコロかもしれん。
「わかった、メル姉。色気重視の服でいいんだな?」
「ええ、それで頼むわ。あのピンクの服に匹敵する服を!」
「あーそれならオレの手元にある服じゃ力不足だな。女物の服ならアニキの得意分野だ。ちょっと行って貰って来るよ」
「そうなの?それじゃあ任せたわね」
壁ドン地獄から脱出し隣の部屋に入った。
「27歳ですか!?実にお若い」
「店長、この格好でかき氷を作ってる店員がいたら、確実に人気になるとは思わんか?」
「え、ええ。それは間違いないでしょう。今近くにいるだけでもドキドキしますからねえ」
「そんな・・・、はう~」
アニキ怒涛の説得で店長が完全に圧されてるな。
「なーアニキ!色っぽい服を一着くれ」
「はあ?」
「メル姉がご所望だ。緊急案件らしいぞ。負けられない戦いがそこにあるのだ」
察したアニキがニヤリと笑って、マジックバッグから赤いチャイナ服を取り出した。
「これなら文句あるまい?」
「おお、これなら間違いなく色気で引けを取ることは無い!サンキュー」
ついでに持ってけとオシャレな黒い靴を渡され、メル姉の所に戻って来た。
なんでアニキはオレの知らない女物グッズいっぱい持ってんだよ!?
「ど、どうだった!?」
「バッチリ完璧な服が見つかったぜ!」
チャイナ服を広げてメル姉に見せる。
「わああああああああああ!!凄いじゃない!これなら勝てるわ!」
「この靴も履けばさらに完璧となろう」
「きゃ~!この靴も凄いじゃない!」
「さあ、ここはオレに任せて着替えて来るのだ」
「い、行って来るわね!」
そうしてこの日、トーレス商会に二人の看板娘が爆誕した。
************************************************************
「じゃあ店長、この三人のことは任せた」
「ええ。アンナもきっと年の近い友達が出来れば喜ぶでしょうな」
「お二人とも、何から何まで本当にありがとうございました」
「いいってことよ。礼なら店長に言ってくれ。俺らは店長に丸投げしただけだからな」
「わははははは!たしかにそうだな!」
ナルティアさん一家はここに住み込みで働かせてもらえる事となった。
店長の懐の深さには頭が下がるよ。そりゃあモテるわけだ。
「コテツくん、キヨミツくん。素敵な服をありがとう!」
「さっき渡したシャンプーとリンスで髪を洗えば、きっと勝負も優勢になることだろう」
「頑張るわ!」
「お兄ちゃんたち、本当にどうもありがとー!」
「またあそんでね」
「おう!今はちょうど居ないけど、ここにはアンナちゃん先生っていう君らと同い年くらいの女の子がいるので、文字を教えてもらうといいぞ」
「うん!わかったー」
これにて一件落着だ!みんなにしばしの別れを告げ王都に転移した。
「くううぅぅぅぅーーーっ!いやー疲れたな」
「ああ。まだ王都で何もやっとらんのに別件で大仕事をしちまったな」
「ちょうどトーレス商会で店員募集してたのがナイスだった」
「あの店にその仕事を持ち込んだもの俺らだけどな」
「それもそうだ。わはははは!」
そのまま春風亭に戻ってひとっ風呂浴び、すぐにメシ食ってぐっすり就寝した。
************************************************************
「さーて今日こそ王都見学すっぞ」
「行列んとこ行くのはやめよう」
「思えばルークはパンが欲しかったんだよな?なんでガチャなんだ?」
「あー聞くの忘れてたなー。ここのガチャからはパンが出るのかもしれん」
「ルークが大きな魔石持ってたとは思えんから、極小魔石のガチャかもな」
「なるほど。それならダンジョンガチャに無かったからそうなのかも」
ダンジョンの(小)魔石はここじゃ(中)扱いだからな。ここにはきっとオレらのダンジョンには存在しない極小魔石専用のガチャがあるのだろう。
「北が貴族街で西の奥は貧民街だったから、あと行ってないのは南だな」
「東は街に入って来たルートだからな。今日は素直に南側を攻めてみっか」
「オッケーイ。んじゃしゅっぱーーーつ!」
さーて南には何があるかな?
今まで勉強するためにココに毎日通ってたわけだけど、服の話なんてしたの初めてじゃないか?
「さっきの店長の顔見たでしょ!?完全にあの人に見惚れていたわ」
「あー、そんな感じだったな」
「いきなり出て来た人に負けるわけには行かないのよ!」
「えーと、すなわちアレか?メル姉は店長が好きなんか?」
「はいちょっとこっち来て」
物陰に連れて行かれた。
ドン!
こ、これが噂の壁ドンとか言うヤツか!?
「店長には、いえ、誰にも絶対言っちゃダメよ?わかった?」
「あ、ええ、ハイ」
「とにかく!このままじゃあの人に負けてしまうわ!店長を悩殺出来る服が私にも必要なのよ!」
うーむ、たしかにナルティアさんの色気は凄まじかったからな。
近くにあんな人がいたら店長といえどイチコロかもしれん。
「わかった、メル姉。色気重視の服でいいんだな?」
「ええ、それで頼むわ。あのピンクの服に匹敵する服を!」
「あーそれならオレの手元にある服じゃ力不足だな。女物の服ならアニキの得意分野だ。ちょっと行って貰って来るよ」
「そうなの?それじゃあ任せたわね」
壁ドン地獄から脱出し隣の部屋に入った。
「27歳ですか!?実にお若い」
「店長、この格好でかき氷を作ってる店員がいたら、確実に人気になるとは思わんか?」
「え、ええ。それは間違いないでしょう。今近くにいるだけでもドキドキしますからねえ」
「そんな・・・、はう~」
アニキ怒涛の説得で店長が完全に圧されてるな。
「なーアニキ!色っぽい服を一着くれ」
「はあ?」
「メル姉がご所望だ。緊急案件らしいぞ。負けられない戦いがそこにあるのだ」
察したアニキがニヤリと笑って、マジックバッグから赤いチャイナ服を取り出した。
「これなら文句あるまい?」
「おお、これなら間違いなく色気で引けを取ることは無い!サンキュー」
ついでに持ってけとオシャレな黒い靴を渡され、メル姉の所に戻って来た。
なんでアニキはオレの知らない女物グッズいっぱい持ってんだよ!?
「ど、どうだった!?」
「バッチリ完璧な服が見つかったぜ!」
チャイナ服を広げてメル姉に見せる。
「わああああああああああ!!凄いじゃない!これなら勝てるわ!」
「この靴も履けばさらに完璧となろう」
「きゃ~!この靴も凄いじゃない!」
「さあ、ここはオレに任せて着替えて来るのだ」
「い、行って来るわね!」
そうしてこの日、トーレス商会に二人の看板娘が爆誕した。
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「じゃあ店長、この三人のことは任せた」
「ええ。アンナもきっと年の近い友達が出来れば喜ぶでしょうな」
「お二人とも、何から何まで本当にありがとうございました」
「いいってことよ。礼なら店長に言ってくれ。俺らは店長に丸投げしただけだからな」
「わははははは!たしかにそうだな!」
ナルティアさん一家はここに住み込みで働かせてもらえる事となった。
店長の懐の深さには頭が下がるよ。そりゃあモテるわけだ。
「コテツくん、キヨミツくん。素敵な服をありがとう!」
「さっき渡したシャンプーとリンスで髪を洗えば、きっと勝負も優勢になることだろう」
「頑張るわ!」
「お兄ちゃんたち、本当にどうもありがとー!」
「またあそんでね」
「おう!今はちょうど居ないけど、ここにはアンナちゃん先生っていう君らと同い年くらいの女の子がいるので、文字を教えてもらうといいぞ」
「うん!わかったー」
これにて一件落着だ!みんなにしばしの別れを告げ王都に転移した。
「くううぅぅぅぅーーーっ!いやー疲れたな」
「ああ。まだ王都で何もやっとらんのに別件で大仕事をしちまったな」
「ちょうどトーレス商会で店員募集してたのがナイスだった」
「あの店にその仕事を持ち込んだもの俺らだけどな」
「それもそうだ。わはははは!」
そのまま春風亭に戻ってひとっ風呂浴び、すぐにメシ食ってぐっすり就寝した。
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「さーて今日こそ王都見学すっぞ」
「行列んとこ行くのはやめよう」
「思えばルークはパンが欲しかったんだよな?なんでガチャなんだ?」
「あー聞くの忘れてたなー。ここのガチャからはパンが出るのかもしれん」
「ルークが大きな魔石持ってたとは思えんから、極小魔石のガチャかもな」
「なるほど。それならダンジョンガチャに無かったからそうなのかも」
ダンジョンの(小)魔石はここじゃ(中)扱いだからな。ここにはきっとオレらのダンジョンには存在しない極小魔石専用のガチャがあるのだろう。
「北が貴族街で西の奥は貧民街だったから、あと行ってないのは南だな」
「東は街に入って来たルートだからな。今日は素直に南側を攻めてみっか」
「オッケーイ。んじゃしゅっぱーーーつ!」
さーて南には何があるかな?
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