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アリア編

134 いつぞやのチンピラ

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「間違い無くゴブリンキングだ」

受付の前での騒ぎを聞きつけて出現したのがこのおっさんだ。

「えーと君達、ゴブリンは何体いた?」

「昨日そのカウンターに300体出して、その後すぐゴブリンキング倒しに行って、後半戦で倒したのは400体くらいか?」
「全部で700体か。まだ他にもいそうだな」
「その倍、もしくは3倍くらいいそうだったぞ」

おっさんは考えている。


「緊急依頼は継続する!ゴブリンキングはもういないので全ランクが参加していい。ゴブリン退治の報酬はいつもの倍だ。西の森からゴブリンを一掃するつもりで討伐してくれ!」

「「おーーーーーーーーー!」」

みんな我先にと外に飛び出して行った。
オレらはもうゴブリンに興味無いから行かんつもりだ。ゴブリンキング倒したし参加しなくてもいいだろ。

「思えば依頼受けて無かった。もう倒しまくった後だけど依頼って受けられるん?」
「常時依頼だから問題ないな。ゴブリンキングの方もこんな状況だから依頼達成としよう」
「やったぜ!」
「コテツ、まだゴブリンの耳削いでねえぞ。後で広いとこ行って処理せんと」
「おっけー」

奥のカウンターにキングと側近を持って行きサインを貰う。

「ゴブリン系はキングでも素材にならんから、こっちで処理するが構わんか?」
「それでいいぞ」

受付に移動して報酬を受け取った。

「んじゃゴブリンの処理しに行くぞー」


ギルドの外に出ると、10人ほどの冒険者に囲まれた。

「よお、テメーら。付いて来な!要件はわかるよな?」

ん?・・・あー!いつぞやのチンピラじゃん。

「知らんわボケ。邪魔だから前からどけや」
「んだとコラ!」
「人数見てから物言った方がいいぞガキ」
「あ?雑魚が10人程度集まった所で俺らをどうにか出来るとでも思ってんのか」
「オイオイ、俺達はCランクだぞ?デカい口叩きやがって。殺すぞコラ」

チンピラの相手とかめんどくせーな。
しかしアニキはこういうのすんげー慣れてそうだよな。

「おい黒いオメエ。この前は不意打ちなんぞしてくれやがって、タダじゃ置かねえからな?」
「不意打ちじゃなきゃ避けられるとでも?」
「ったりめえだボケ!」

ドガッ
「ぐあっ!!」

チンピラが一人吹っ飛んで行った。
アニキがやったようだな。こっちも始めっか。

「怪我したらゴブリン狩り行けなくなるぞ?」
「んなもんどーでもいいんだよ!」
「ほーー。なら遠慮なくぶん殴るぞ」

「グヘッ」

腹にパンチしてみたら簡単に当たった。チンピラは悶絶している。

ボグッ!

横っ面を殴るとグレグ?とかいうヤツが吹き飛んで行った。
不意打ちじゃなくても弱いじゃんねえ。

バキッドガッゴギッベキッ


・・・・・


ものの数分でチンピラは全滅した。

「これでもう絡んで来ねーだろ」
「チンピラってめんどくせーな!」


そのまま街を出て、草も生えてないような荒れ地を探す。

良い感じの場所を見つけたので、ゴブリンをどんどん出して耳と魔石を確保。
最後にデンジャラスファイヤーで火葬した。


「んじゃ街戻ってギルドだ」
「今ならゴブの報酬2倍だからおいしいぞ」

ギルドに戻り、ゴブリン400体分の報酬を受け取った。

「ところでどれくらい依頼やったらランク上がるの?」
「えーとゴブリンキングも倒してるので、強さに関してならすでにCランクとかになっててもおかしくないのですが、受けた依頼の数が非常に少ないのですぐに昇格という訳にもいきません」
「討伐依頼の他に街の雑用仕事もいくつか受けて下さい。Dランクまでは依頼を受けていれば上がっていきますが、Cランクから先は毎回昇格試験があります。それとCランク以上に成るには護衛の依頼も受ける必要があります」
「なるほど。地味な依頼も必要なのか」
「結構面倒だな。でもまあ強いだけの粗暴な人間を高ランクに据える訳にもいかんか」
「ランク昇格への条件が揃えばこちらからお伝えする事になっています」
「了解した。んじゃ俺らが出来そうな雑用でも探すか」
「ドブ浚いはやらんぞ」
「それは俺も嫌だ」


掲示板で雑用仕事を探す。
街の清掃、皿洗い、ドブ浚い、煙突掃除、荷物運び、警備員、などと色々ある。
そして面白いのを見つけた。

「なあアニキ、この鍛冶屋の助手っての気になるんだが」
「ほう?やってみりゃいいんじゃねえか?同じ仕事をする必要もあるまい」
「アニキはどーするんだ?」
「そうだな・・・、荷物運びなんてマジックバッグありゃ楽勝だしコレにすっか」
「おーなるほど!たしかに楽勝だな」

というわけで二手に分かれて依頼を受けることに決定した。

受付に鍛冶屋の場所を詳しく聞いて、今回はオレだけがそこに向かう。


・・・・・


「んーー、アレか?」

少し街外れに鍛冶屋はあった。外にまでコンキンと音が聞こえてくる。


「ギルドの依頼で助手をやりに来たですぞー!」

・・・・・・誰も出て来んな。


しゃーないので中に入って行くと、髭もじゃのおっさんが一心不乱に剣を叩いていた。
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