七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
上 下
125 / 183
アリア編

125 もはや恒例となったステーキ

しおりを挟む
「うむ。ウィンドドラゴンのステーキだ」
「ウィンドドラゴン!え?それってもしや魔の森のですか?」
「そうそう!ここ来る時に見つけて倒して来たんだよ」
「ひえーーーっ、よくドラゴンなんて倒せましたね。お二人ともやはり高名な冒険者だったのですな」
「冒険者ランクはFだぞ!」
「え?F?」
「登録したばっかだからな」
「なるほどそういう理由でしたか。お二人が着ている服を見て只者ではないと思っておりましたが、ドラゴンを倒せるほどでしたとは」
「お?この服の価値がわかるとは流石店長だ」
「ハッハッハ。ここまで繊細に作られた服を見たのは初めてですよ。付与魔法がかかっていて防御力も高いと推測しています」
「いい読みだ。鉄の鎧より頑丈なハズだ。これに命を救われたこともある」
「ほう・・・鉄の鎧よりもですか」
「ねえねえ!早くドラゴン食べたーい!」

「おっと悪い!話し込んでしまった。店長、厨房はあるかい?」
「こちらです。アンナ、早いがもう店を閉めるようメルに言ってきてくれ」
「はーい!」

あのおねーさんの名前はメルっていうのか。

厨房はこの部屋の奥にあった。


・・・・・


ジュワーーッパチパチパチッ

肉が焼ける音だけでご飯一杯いけるな!

「うわあ~!いい匂~い!」
「ドラゴンを食べるのは本当に久々なので緊張しますなあ」
「お?食ったことはあるんだな」
「10年も昔の話しですよ」
「私は初めてよ!あーいい匂い!」

おねーさんとアンナちゃんは初めてか。秘伝のタレを用意しとこう。

人数分のステーキが焼き上がった。
今日はみんなに米も振舞ってみよう。炊き上がった米がそのままアイテムボックスに入ってるのて、いつでもホカホカご飯が食べられるのだ。

「これは一体何ですかな?」
「米だけど、食ったこと無いのか?」
「初めて見ます。しかしいい香りだ」
「ご飯は最高だぞ!ステーキにも絶対合うぞ」
「ほほう。では頂いてみましょう」
「ステーキはそのままでも美味いけど、このタレに付けるとさらに美味いんで試してみて!ああ、最初の一口はそのまま食べたほうがいいかも」
「じゃあ召し上がってくれ!」

「うわ~~~~~!!おいし~~~~~~!」
「ハフッ、ハフッ、素晴らしい味付けだ!これは胡椒かな?」
「はあ・・・幸せ・・・」

やっぱりドラゴンは誰が食っても大絶賛だな!おねーさんなんか泣いてるぞ。

「ステーキをおかずに、ご飯も食べてみてくれ」

「おお、なるほど。これは美味い」
「ホクホクね!」
「これなあに?」
「ステーキにそのタレを付けるとさらに最強だ!ご飯が進むぞー!」

「おおおおお!なんて美味いタレだ!この複雑な味の正体は一体・・・」
「うわ~~!こっちのほうがおいしい!」
「・・・・・・はふ~っ」

こうして楽しい夕食は大絶賛に終わった。


「この肉はプレゼントだ。後で自分らで食ってもいいし、知り合いに食べさせたりするといいだろう」

アニキが肉の塊をドンと置いた。
特大ステーキ10枚分くらいはある量だな。

「い、いいんですか?こんなに・・・」
「店長には世話になってるからな。受け取ってくれ」
「ありがとう。メル、肉の包装を頼む」
「任せてー!」

アンナちゃんには肉が大きすぎたようで、現在床にノックダウン中。

「ドラゴンの肉をご所持しているという事は、素材もお持ちですかな?」
「もちろんあるぞ」
「売りに出す気はおありですか?」
「売ろうかどうしようかコテツと話し合ったばかりだな。正直な所ラガー金貨の件で金は出来たので、どっちでもいいって状態だ」
「見せてもらっていいでしょうか?」
「構わんぞ。コテツ、出してくれ」

ウィンドドラゴン素材は地味に浄化していって最近全部終わった所だ。アイテムボックスから色々出して見せる。

「え?今どこから出したのです?マジックバッグは持って無いように見えますが」
「アイテムボックスだぞ」
「アイテムボックス!?ま、まさか時空魔法!?」
「お?店長、時空魔法のこと知ってるんか」
「お、驚きました!現世に時空魔法の所持者が実在してるとは・・・」
「やっぱレアなのか?」
「レアも何も伝説の魔法です!人には絶対話さないほうがいいですよ。面倒な事になりかねませんので」
「そうなのか」
「時空魔法の使い手にしかマジックバッグを作ることが出来ませんからね。貴方を監禁して作らせようとする者まで出て来るかもしれない」
「ほー。マジックバッグ作れるなんて初めて知ったぞ」
「噂だけなので真実はわかりません。現存するマジックバッグはその昔、時空魔法の使い手が作った物だという噂だけが残ってるのです」
「やっぱマジックバッグは貴重品だったんだな」

アイテムボックスからマジックバッグを取り出す。

「おお!?それはマジックバッグですか?」
「うむ。最近これ全然使ってないけど」
「はぁ~今日は本当に驚いてばかりだ・・・。マジックバッグ持ちが目の前に二人いるってだけでも衝撃ですが」


ダンジョンの1階で見つかったから、それほどのレアだとは認識して無かった。まあ便利すぎるのは間違いないからそりゃ貴重品だよな。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!

ほむらさん
ファンタジー
ヘルメット、マスク、そして赤い軍服。 幸か不幸か、偶然この服を手に入れたことにより、波乱な人生が幕を開けた。 これは、異世界で赤い流星の衣装を一生涯着続けることになった男の物語。 ※服は話の流れで比較的序盤に手に入れますが、しばらくは作業着生活です。 ※主人公は凄腕付与魔法使いです。 ※多種多様なヒロインが数多く登場します。 ※戦って内政してガチャしてラッキースケベしてと、バラエティー豊かな作品です。 ☆祝・100万文字達成!皆様に心よりの感謝を! 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。  

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで商売をして生計を立てていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

クラスまるごと異世界転移

八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。 ソレは突然訪れた。 『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』 そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。 …そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。 どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。 …大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても… そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...