117 / 183
アリア編
117 実戦演習
しおりを挟む
いつも修行している原っぱに集合し、魔の森の実戦演習に向けてミーティング中。
「とにかく一番重要なのは索敵だ。魔物に不意を突かれるってのが一番マズい」
「臆病なヤツほど長生きするって言うしな」
「「ハイッ」」
「今日俺らは手出ししない。後ろに付いてくだけだ」
「だ、大丈夫かな?」
「まだ連携に自信が無いわ」
「でもやるしかない!」
「安心しろ、死なせはしない。無理だと判断した時は加勢してやる。だがそうなった場合魔の森に行くのはまだ早かったという話しになるわけだ」
「みんな!とにかく慎重に行こう!」
「一人だけ前に行き過ぎるなんてことは絶対に無いようにするぞ」
「何があっても私が援護します」
みんな気合入ってるな。
オレらが助けに入らなくても、たぶん奥まで行かない限り大丈夫とは思うんよね。
けどドラゴンやマンティコアみたいなのが浅い所にいる可能性もある。万が一そんな相手がいたら全力で逃げないと生き残ることは出来ないだろう。
「ネイ、わかってるとは思うけど、とにかく弓で大事なのは位置取りだ。しかし位置取りに集中しすぎて横に回りすぎると、新たな敵に出会ってしまう可能性があるから周囲だけはしっかり確認するように」
「はいっ!」
「回り込むにしても横だけじゃなく、高い場所に登るって選択もあるという事を覚えといて」
「はいっ!」
「よし。細かい連携などは戦ってるウチに身に付くだろう。じゃあそろそろ森に向かうぞ」
「「おーーーーーっ!!」」
・・・・・
魔の森の前に到着。
陣形は、カールとザックスが前衛。レイラがその後ろで、ネイが後衛、ポイトが殿
しんがり
でネイの護衛ということになった。レイラとポイトはたまに交代し、どちらのポジションも出来るように経験を積んでいくって作戦だ。
「今日もし誰一人リタイアしなかったら、俺達から全員に褒美をやろう。気合入れてけ」
「「おーーーーーーっ!!」」
昨日宿屋でアニキと相談し、褒美は何がいいか色々考えたんだ。
なので全員頑張って報酬ゲット出来るといいな。
「みんな準備はいいな?じゃあ慎重に突撃!」
カールを先頭にみんな慎重に森を進む。
お?もはやモンスターの気配だ。結構近いぞ。
まず現れたのはジャイアントスパイダー。まあ名前そのまんまのデカい蜘蛛だ。
すかさず五人が隊形を組み、カールとザックスが蜘蛛に斬りかかる。
「らあッ!」
「せいっ!!」
ふむ。これくらいのモンスターなら余裕そうだな。
ダメージを重ね、最後はネイの矢が蜘蛛を貫きトドメを刺した。
「ネイ、お見事!」
「よしっ!」
「今日はいける!」
あー、こういう友情プレーも楽しそうだな。
次に出てきたのはガストベアー。レイラとネイが殺されかけた宿命の敵。
五人に緊張が走った。
カールとザックスが特攻し、レイラも槍のリーチを活かして攻撃。ネイは弓の射線上に前衛が重ならない位置に移動。ポイトはネイが狙われないように護衛。
見事な連携じゃないか。これなら不覚をとることもあるまい。
10分ほど戦い、ネイの矢がガストベアーの頭部を貫きトドメとなった。
「っしゃあああああああああ!」
「ハアッ、ハアッ、ハアッ」
「いける!今日はいけるぞ!」
「なかなかいい連携じゃないか。全員いい動きだが、特にネイの働きが光ってるな」
ほう・・・、アニキが褒めるとは。みんな成長したな。
「一人だけ別メニューでの特訓だったのに、ネイ本当に凄いわ!」
「弓の威力が前とは別格だな!」
「すげえ頼りになるぜ。援護は任せたぞ!」
「位置取りが本当に上手い!」
「みんなありがとう!」
見ててほっこりしますなあ。
奥地へは入らず側面を移動して行く。
ドレッドスパイダーを倒し、解体した後少し進むと、因縁のブラックウルフとエンカウントした。
「ブラックウルフだ!一匹だけなハズが無い。みんな気を付けろ!」
カールが注意を呼びかけた直後、視界に六匹のブラックウルフが現れた。
それぞれが特訓の成果を出し、次々と敵を葬って行く。
ネイを守るポイトの働きが見事だな。
そして戦いが終わった時、五人は二十匹ものブラックウルフを倒していたのだった。
・・・・・
「これにて実戦演習を終了とする。みんな良くやった!」
「「うおおおおおおおおおおおおお!!!」」
みんな強くなったな。これなら森の奥地に入り込まない限り大丈夫だろう。
「全員無事に生還したので約束通り、俺とコテツから褒美を与える!」
レイラとポイトには赤ゴブから手に入れたハルバートを。
ネイには弓ゴブから手に入れた青い弓。
カールにはダンジョン8階の手強い敵から手に入れた剣。
ザックスには、カールと同じ剣か剣ゴブリンの大剣を選択させ、ザックスは大剣を選んだ。
「ありがとうございます!・・・でも本当にいいんですか?こんないい武器をみんなが貰ってしまったら、明らかにお二人への報酬よりも出費のほうが上回ってしまいます」
「気にしなくていいぞ。オレら物だけはいっぱい持ってんだ。五人にこれらを渡したところで極貧になるなんてことは無いから」
「コテツの言う通りだ。その武器でさらに技を鍛え、この村を五人で守ってやってくれ」
「「はい!!」」
いつかカール達と出会った時、どれほどの使い手になってるか楽しみだな!
「とにかく一番重要なのは索敵だ。魔物に不意を突かれるってのが一番マズい」
「臆病なヤツほど長生きするって言うしな」
「「ハイッ」」
「今日俺らは手出ししない。後ろに付いてくだけだ」
「だ、大丈夫かな?」
「まだ連携に自信が無いわ」
「でもやるしかない!」
「安心しろ、死なせはしない。無理だと判断した時は加勢してやる。だがそうなった場合魔の森に行くのはまだ早かったという話しになるわけだ」
「みんな!とにかく慎重に行こう!」
「一人だけ前に行き過ぎるなんてことは絶対に無いようにするぞ」
「何があっても私が援護します」
みんな気合入ってるな。
オレらが助けに入らなくても、たぶん奥まで行かない限り大丈夫とは思うんよね。
けどドラゴンやマンティコアみたいなのが浅い所にいる可能性もある。万が一そんな相手がいたら全力で逃げないと生き残ることは出来ないだろう。
「ネイ、わかってるとは思うけど、とにかく弓で大事なのは位置取りだ。しかし位置取りに集中しすぎて横に回りすぎると、新たな敵に出会ってしまう可能性があるから周囲だけはしっかり確認するように」
「はいっ!」
「回り込むにしても横だけじゃなく、高い場所に登るって選択もあるという事を覚えといて」
「はいっ!」
「よし。細かい連携などは戦ってるウチに身に付くだろう。じゃあそろそろ森に向かうぞ」
「「おーーーーーっ!!」」
・・・・・
魔の森の前に到着。
陣形は、カールとザックスが前衛。レイラがその後ろで、ネイが後衛、ポイトが殿
しんがり
でネイの護衛ということになった。レイラとポイトはたまに交代し、どちらのポジションも出来るように経験を積んでいくって作戦だ。
「今日もし誰一人リタイアしなかったら、俺達から全員に褒美をやろう。気合入れてけ」
「「おーーーーーーっ!!」」
昨日宿屋でアニキと相談し、褒美は何がいいか色々考えたんだ。
なので全員頑張って報酬ゲット出来るといいな。
「みんな準備はいいな?じゃあ慎重に突撃!」
カールを先頭にみんな慎重に森を進む。
お?もはやモンスターの気配だ。結構近いぞ。
まず現れたのはジャイアントスパイダー。まあ名前そのまんまのデカい蜘蛛だ。
すかさず五人が隊形を組み、カールとザックスが蜘蛛に斬りかかる。
「らあッ!」
「せいっ!!」
ふむ。これくらいのモンスターなら余裕そうだな。
ダメージを重ね、最後はネイの矢が蜘蛛を貫きトドメを刺した。
「ネイ、お見事!」
「よしっ!」
「今日はいける!」
あー、こういう友情プレーも楽しそうだな。
次に出てきたのはガストベアー。レイラとネイが殺されかけた宿命の敵。
五人に緊張が走った。
カールとザックスが特攻し、レイラも槍のリーチを活かして攻撃。ネイは弓の射線上に前衛が重ならない位置に移動。ポイトはネイが狙われないように護衛。
見事な連携じゃないか。これなら不覚をとることもあるまい。
10分ほど戦い、ネイの矢がガストベアーの頭部を貫きトドメとなった。
「っしゃあああああああああ!」
「ハアッ、ハアッ、ハアッ」
「いける!今日はいけるぞ!」
「なかなかいい連携じゃないか。全員いい動きだが、特にネイの働きが光ってるな」
ほう・・・、アニキが褒めるとは。みんな成長したな。
「一人だけ別メニューでの特訓だったのに、ネイ本当に凄いわ!」
「弓の威力が前とは別格だな!」
「すげえ頼りになるぜ。援護は任せたぞ!」
「位置取りが本当に上手い!」
「みんなありがとう!」
見ててほっこりしますなあ。
奥地へは入らず側面を移動して行く。
ドレッドスパイダーを倒し、解体した後少し進むと、因縁のブラックウルフとエンカウントした。
「ブラックウルフだ!一匹だけなハズが無い。みんな気を付けろ!」
カールが注意を呼びかけた直後、視界に六匹のブラックウルフが現れた。
それぞれが特訓の成果を出し、次々と敵を葬って行く。
ネイを守るポイトの働きが見事だな。
そして戦いが終わった時、五人は二十匹ものブラックウルフを倒していたのだった。
・・・・・
「これにて実戦演習を終了とする。みんな良くやった!」
「「うおおおおおおおおおおおおお!!!」」
みんな強くなったな。これなら森の奥地に入り込まない限り大丈夫だろう。
「全員無事に生還したので約束通り、俺とコテツから褒美を与える!」
レイラとポイトには赤ゴブから手に入れたハルバートを。
ネイには弓ゴブから手に入れた青い弓。
カールにはダンジョン8階の手強い敵から手に入れた剣。
ザックスには、カールと同じ剣か剣ゴブリンの大剣を選択させ、ザックスは大剣を選んだ。
「ありがとうございます!・・・でも本当にいいんですか?こんないい武器をみんなが貰ってしまったら、明らかにお二人への報酬よりも出費のほうが上回ってしまいます」
「気にしなくていいぞ。オレら物だけはいっぱい持ってんだ。五人にこれらを渡したところで極貧になるなんてことは無いから」
「コテツの言う通りだ。その武器でさらに技を鍛え、この村を五人で守ってやってくれ」
「「はい!!」」
いつかカール達と出会った時、どれほどの使い手になってるか楽しみだな!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
140
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる