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アリア編
116 強いって何だろう?
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訓練を初めて今日で6日目。
「ハッ!」
「なんのッ!」
いい動きになってきたんじゃない?構えも、そこから繰り出される攻撃もスムーズで無駄が減った。
そしてネイも矢に風魔法を纏わせることに成功。高速の矢が的をしっかり射抜いている。命中率もかなり上がったな。
「よし、全員集まれ!」
今回はネイも含めて全員集合。
「みんなかなりいい感じに育って来た。今ならブラックウルフの大群にも不覚をとらないだろう」
「よっしゃー!」
「本当でしょうか?」
「当然よ!」
「あまり実感は出来ないが・・・」
「私は連携が上手く行くか心配です」
「そこで明日の最終日、魔の森で実戦演習する予定だ」
「「おおおおおおおっ!!」」
「ただ未だに自信が無いのも何人かいるのはわかっている。俺とコテツに一発も攻撃を与えられていないからな。・・・そこで今日は俺とコテツの実力ってのを少しだけ見せてやる」
「「うおおおおおおおおおおおおお!!!」」
「コテツ、たまに修行前にやってた肩慣らし稽古で行くゾ」
「木刀じゃない方だな?」
「おう。俺はツーハンデッドソードを使う」
「んじゃオレはハルバートにすっか」
肩慣らし稽古とは、結界を使わずに鉄の武器で軽く打ち合うくらいの、本当に準備運動って感じの稽古だ。
「少しだけ見せると言ったが、この前コテツが言ってたように10%程度の軽い打ち合いだ。すなわち本気で戦う時は今見せる10倍強いと認識してくれ」
「10倍ってか全力の時は戦い方が全然変わるけどな」
「んじゃやるとすっか!」
武器を手に取り、五人組から少し離れてアニキと向かい合う。
「始めッ!」
いつも最初はゆっくりだ。首をコキコキ鳴らしながら歩きだす。
ガギン!!キンッキンッキンッキンッ!
「へ?」
「はやっ!」
「嘘だろ・・・」
「目で追うのがやっとなんですけど」
「っていうかこれで10%!?」
あー、やっぱ結構体が鈍ってんな。来るとき森で少し暴れたけど、アニキと稽古すると全然ダメなのがわかる。今なら死神に負けるぞこれ。
アニキも動きが硬いな。ちょっとギア上げるか!
やってるうちに楽しくなってきた。10%って言ったけど速度20%超えてしまってるな。アニキもノッてきた感じだし問題無いか。
そして10分ほど打ち合って稽古は終了した。
「まあこんな感じだ」
「ちょっと熱くなって速度20%出てたかも」
「あー確かに出てたかもしれんな」
「よくわかったわ。師匠がバケモノだったってことが」
「10%、いや20%でこれって、もうSランク並みなのでは・・・」
「俺達、思ったほど弱くないのかも?」
「ほえー」
「なるほど、ドラゴンを倒せるわけだ・・・」
今の稽古を見て、少しはいい刺激になってくれただろうか?
「あのー、ところで俺達が教わった剣術って流派はあるんですか?」
「当然ある。名前はリザード流剣術だ」
「リザード流?なんか変な名前だな」
「槍も同じ流派なの?」
「槍は違う名前だぞ。ゴブリン流槍術だ」
「・・・・・・」
「ゴブリンってあのゴブリンですか?魔物の」
「ウム。そのゴブリンだ」
「ちょっと何言ってるのか分からないんだけど」
「そのまんまだぞ。ゴブさんに槍を教わったのだ」
「・・・・・・」
「もしかしてリザード流というのも?」
「俺の師匠はリザードマンだ」
「たしかリザードマンって湿地帯にいる魔物だとか聞いたような」
「あー、あとデスナイトも師匠だ」
「わからない。全力で何言ってるのかわからない」
「デスナイト?は聞いたこと無いけど強そうな名前だな」
「無茶苦茶つええぞ。特訓中に斬られて重傷負ってな、結局コテツと二人で倒した」
「オレはちょっとしか戦ってないけど、かなり強いよなアイツ」
「とまあ理解不能な話しに思えるだろうがこれには理由があってな。俺とコテツには師匠ってのがずっといなかった。そして魔物と戦ってるうちに、リザードマンの使う剣技が見事な美しい剣だと気付いてな。そこで俺とコテツはリザードマンの剣技を盗むことにしたわけだ」
「その頃はオレもアニキと同じく剣使ってたんだ」
「んで修行の末に剣技を身に付け、リザード流剣術と名付けた」
「なるほど・・・。ん?ということはゴブリンも?」
「ゴブさんの槍使いが凄まじかったんで、ゴブさんに弟子入りしたんだぞ」
「んんん???ゴブリンって槍使うのそんな上手かったかな?」
「最近ずっと槍の修行してたじゃん。流派の元祖はゴブさんだ」
「いや、確かにあの構えは隙が無く素晴らしいとは思うわ。でも信じられない話しね」
「全部のゴブリンが槍使うの上手いわけじゃないぞ。みんな得意な武器が違うからな」
ゴブさんの凄さがどうもイマイチ伝わらんな。
「あんまり長話してると時間無くなるぞ。そろそろ修行の再開だ」
「おっとそうだった!」
「そうよ!明日で最後なんだし頑張らないと!」
これじゃイカンな。いつかゴブさんの凄さを熱弁する必要がありそうだ。
「ハッ!」
「なんのッ!」
いい動きになってきたんじゃない?構えも、そこから繰り出される攻撃もスムーズで無駄が減った。
そしてネイも矢に風魔法を纏わせることに成功。高速の矢が的をしっかり射抜いている。命中率もかなり上がったな。
「よし、全員集まれ!」
今回はネイも含めて全員集合。
「みんなかなりいい感じに育って来た。今ならブラックウルフの大群にも不覚をとらないだろう」
「よっしゃー!」
「本当でしょうか?」
「当然よ!」
「あまり実感は出来ないが・・・」
「私は連携が上手く行くか心配です」
「そこで明日の最終日、魔の森で実戦演習する予定だ」
「「おおおおおおおっ!!」」
「ただ未だに自信が無いのも何人かいるのはわかっている。俺とコテツに一発も攻撃を与えられていないからな。・・・そこで今日は俺とコテツの実力ってのを少しだけ見せてやる」
「「うおおおおおおおおおおおおお!!!」」
「コテツ、たまに修行前にやってた肩慣らし稽古で行くゾ」
「木刀じゃない方だな?」
「おう。俺はツーハンデッドソードを使う」
「んじゃオレはハルバートにすっか」
肩慣らし稽古とは、結界を使わずに鉄の武器で軽く打ち合うくらいの、本当に準備運動って感じの稽古だ。
「少しだけ見せると言ったが、この前コテツが言ってたように10%程度の軽い打ち合いだ。すなわち本気で戦う時は今見せる10倍強いと認識してくれ」
「10倍ってか全力の時は戦い方が全然変わるけどな」
「んじゃやるとすっか!」
武器を手に取り、五人組から少し離れてアニキと向かい合う。
「始めッ!」
いつも最初はゆっくりだ。首をコキコキ鳴らしながら歩きだす。
ガギン!!キンッキンッキンッキンッ!
「へ?」
「はやっ!」
「嘘だろ・・・」
「目で追うのがやっとなんですけど」
「っていうかこれで10%!?」
あー、やっぱ結構体が鈍ってんな。来るとき森で少し暴れたけど、アニキと稽古すると全然ダメなのがわかる。今なら死神に負けるぞこれ。
アニキも動きが硬いな。ちょっとギア上げるか!
やってるうちに楽しくなってきた。10%って言ったけど速度20%超えてしまってるな。アニキもノッてきた感じだし問題無いか。
そして10分ほど打ち合って稽古は終了した。
「まあこんな感じだ」
「ちょっと熱くなって速度20%出てたかも」
「あー確かに出てたかもしれんな」
「よくわかったわ。師匠がバケモノだったってことが」
「10%、いや20%でこれって、もうSランク並みなのでは・・・」
「俺達、思ったほど弱くないのかも?」
「ほえー」
「なるほど、ドラゴンを倒せるわけだ・・・」
今の稽古を見て、少しはいい刺激になってくれただろうか?
「あのー、ところで俺達が教わった剣術って流派はあるんですか?」
「当然ある。名前はリザード流剣術だ」
「リザード流?なんか変な名前だな」
「槍も同じ流派なの?」
「槍は違う名前だぞ。ゴブリン流槍術だ」
「・・・・・・」
「ゴブリンってあのゴブリンですか?魔物の」
「ウム。そのゴブリンだ」
「ちょっと何言ってるのか分からないんだけど」
「そのまんまだぞ。ゴブさんに槍を教わったのだ」
「・・・・・・」
「もしかしてリザード流というのも?」
「俺の師匠はリザードマンだ」
「たしかリザードマンって湿地帯にいる魔物だとか聞いたような」
「あー、あとデスナイトも師匠だ」
「わからない。全力で何言ってるのかわからない」
「デスナイト?は聞いたこと無いけど強そうな名前だな」
「無茶苦茶つええぞ。特訓中に斬られて重傷負ってな、結局コテツと二人で倒した」
「オレはちょっとしか戦ってないけど、かなり強いよなアイツ」
「とまあ理解不能な話しに思えるだろうがこれには理由があってな。俺とコテツには師匠ってのがずっといなかった。そして魔物と戦ってるうちに、リザードマンの使う剣技が見事な美しい剣だと気付いてな。そこで俺とコテツはリザードマンの剣技を盗むことにしたわけだ」
「その頃はオレもアニキと同じく剣使ってたんだ」
「んで修行の末に剣技を身に付け、リザード流剣術と名付けた」
「なるほど・・・。ん?ということはゴブリンも?」
「ゴブさんの槍使いが凄まじかったんで、ゴブさんに弟子入りしたんだぞ」
「んんん???ゴブリンって槍使うのそんな上手かったかな?」
「最近ずっと槍の修行してたじゃん。流派の元祖はゴブさんだ」
「いや、確かにあの構えは隙が無く素晴らしいとは思うわ。でも信じられない話しね」
「全部のゴブリンが槍使うの上手いわけじゃないぞ。みんな得意な武器が違うからな」
ゴブさんの凄さがどうもイマイチ伝わらんな。
「あんまり長話してると時間無くなるぞ。そろそろ修行の再開だ」
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