七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
上 下
113 / 183
アリア編

113 村の見物

しおりを挟む
宿屋の女将さんとの交渉は成功したけど、とりあえずはお試しで味噌塩醤油を1個ずつだけとし、欲しくなったらその都度注文するということになった。商品に絶対の自信を持つアニキの余裕の交渉と言えよう。ただし村の雑貨屋さんにも商品を卸すことを伝えた。村の住民も欲しがる人はいるだろうと。
女将が直接オレらから買うメリットはある。雑貨屋を間に挟むと商品が少し高くなってしまうからな。


昨日は慌ただしかったので、今日はゆっくり村の見物だ。


「おお、あんちゃん達!昨日のご馳走は最高だったぜ!ありがとな!」

二人で歩いてると色んな人から挨拶され、そして感謝の言葉をもらう。
大盤振る舞いしたおかげで村の人達とはすっかり仲良しだ。

雑貨屋さんを見つけたので店主に交渉を持ち掛け、商品を売ることに成功した。
味噌塩醤油を20セット。30000ギランの売り上げだ。村では金貨を使うことはまずほとんど無いらしいので、銀貨30枚で受け取った。今んとこ宿屋くらいにしか金の使い道は無いけど、とにかくこれで一安心だ。

「小さい村だから見物もすぐ終わっちまったな」
「だな!ところでカール達の姿が見えんけど、どこにいるんだろ?」
「昨日解体した魔物を売りに町にでも行ったんじゃねえか?」
「あーそっか!マジックバッグでも無いとすぐダメになるもんな」
「うむ。俺らも早起きすれば街に付いて行けたのだが、まぁ寝過ごしちまったんでしょうがあるまい」
「ずっと旅してたから疲れてたのかも。あと寝るの遅かったし」

お祭りが終わったのって深夜だったからな。むしろ早起きのカール達がすげえ。

「そうだ、ダンジョン行ってドラゴン素材とか内臓を清めて来ない?」 
「あーそうだな。戻って来られるように村の風景は記憶したな?」
「バッチリだ!んじゃ転移!」


・・・・・


しっかりレバーとホルモンの処理をして泉に沈める。ドラゴン素材は量が多いのでアニキの部屋の泉も使って浄化することにした。それでも何回か分けてやる必要があるので、こればっかりは1日じゃ終わらない。

「昨日の祭りで海産物結構消費したから4階で補充して行こうぜ」
「ドラゴンと違って、海産物はいくらでも補充出来るのがいいよな」
「それよな。だから配るドラゴンはステーキ一人一枚にしたわけよ。ドラゴンは無くなった時に補充する当てがねえからな」
「探せばどこかにいるんだろうけどねー」
「こう言っちゃアレなんだが、大盤振る舞いした理由には俺らの居場所が欲しかったってのもあるんだわ。第一印象がいいと暮らしやすいだろ?」
「なるほど・・・。帰る場所がこんなダンジョンしか無いってのも寂しいしな」
「あの村にずっと住みたいってことでは無いんだが、第二の故郷とするにはかなりいい線行ってる」
「いい村だしオレは結構好きだぞ」
「ああ、田舎ゆえに悪人とかも居ない良い村だ」





************************************************************





「よーし、もう十分だろう。そろそろ村に戻んべ」
「と言っても今日狩りしなくても十分ストックはあったんだけどな」
「まあな。だが、いつまたどこかで大盤振る舞いするかわからんし」
「わははは!アニキのことだから、きっとどこかでまたやらかしそうだ」

そして転移で村に戻ってきた。


「お?そろそろ夕方くらいか」
「ダンジョンにいると明るさ変わらんから時間忘れるよなー」

宿に向かってテクテク歩く。

「おーーーーーい!」
「ん?」

背後から呼ばれて振り向くとカール達の姿が見えた。


「二人に頼みがあるんだ」
「頼み?」
「俺達を鍛えてもらえないだろうか?」

えーとたしか、この人はザックスだったな。

「今日素材を売りに街へ行って来たんだ。なのでちゃんと報酬は払える」
「ザックス、もっと最初から説明しなきゃ!」
「そ、そうか?じゃ説明を頼む」

「えーと、素材を売ったお金をどうしようかみんなで相談したのですよ。でも、それで新しい装備を買うよりも、まず自分らが強くならなきゃ意味が無いという結論になりまして」
「あなた方二人とも凄く強いでしょ?なので私たちを鍛えてもらいたいの」
「もう森で死にかけるなんて御免なんだ!」

「「お願いします!」」

みんな真剣な表情だ。アニキと顔を見合わせ頷く。

「わかった。ここに長居するつもりは無いので数日間ってとこだが、それでもいいなら鍛えてやる」
「おお!よろしくお願いします!」
「あーでも、そろそろ暗くなるぞ?」
「明日からで問題無いか?」
「それでお願いします」
「じゃあ明日の朝、森へ行く方の入り口に集合しようか」

「みんなそれでいいか?」
「それで問題ない」
「異議なーし」
「よっしゃ!絶対強くなってやるぜ!」
「わかりました」


というわけで明日から数日間、カール達を鍛えることになった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!

ほむらさん
ファンタジー
ヘルメット、マスク、そして赤い軍服。 幸か不幸か、偶然この服を手に入れたことにより、波乱な人生が幕を開けた。 これは、異世界で赤い流星の衣装を一生涯着続けることになった男の物語。 ※服は話の流れで比較的序盤に手に入れますが、しばらくは作業着生活です。 ※主人公は凄腕付与魔法使いです。 ※多種多様なヒロインが数多く登場します。 ※戦って内政してガチャしてラッキースケベしてと、バラエティー豊かな作品です。 ☆祝・100万文字達成!皆様に心よりの感謝を! 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。  

俺の家に異世界ファンタジーガチャが来た結果→現実世界で最強に ~極大に増えていくスキルの数が膨大になったので現実世界で無双します~

仮実谷 望
ファンタジー
ガチャを廻したいからそんな理由で謎の異世界ガチャを買った主人公はガチャを廻して自分を鍛えて、最強に至る。現実世界で最強になった主人公は難事件やトラブルを解決する。敵の襲来から世界を守るたった一人の最強が誕生した。そしてガチャの真の仕組みに気付く主人公はさらに仲間と共に最強へと至る物語。ダンジョンに挑戦して仲間たちと共に最強へと至る道。 ガチャを廻しまくり次第に世界最強の人物になっていた。 ガチャ好きすぎて書いてしまった。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

処理中です...