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アリア編
110 最北端の村
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「いい景色だなー」
「道を歩くのがこんなに快適だったという事に感動すら覚えるわ」
五人組を追加し七人となったパーティーは村への道を歩いていた。
「見えた!アレが俺らの村です!」
「おーーー村だ!」
「門とかは無いんだな」
「まあ、村ですからね。でも見張りはいますよ」
コテツとアニキは長い旅路の末、とうとう人の集落へ辿り着いたのだ。
「お?お前ら帰って来れたようだな!森には入ったのか?」
見張りをしていたおっちゃんがカールたちに話し掛けて来た。
「ええ。全員死にかけましたよ・・・」
「なんだと!?」
「この二人に偶然助けてもらったのよ!」
レイラがオレらのことをおっちゃんに報告した。
「こいつらを助けてもらって感謝する!アホな奴らだが、こんなでも魔物に殺されたとあっちゃ夢見が悪い」
「アホとは失礼ね!」
「アホだろうが!魔の森は行くなとあれほど忠告したのに、『俺達ならそろそろ大丈夫だ。深くまで入るつもりは無い』だのデカい口叩きおって」
「い、行けると思ったのよ!ただちょっと運が悪く、ブラックウルフの大群に囲まれてしまっただけで」
「あの森はな、普通の森とはワケが違うんだ!少しでも奥に入ろうモノなら魔物の大群に囲まれるなんて事は珍しい事でも何でも無いわ!」
「う、ううー・・・」
「まあでも無事に帰って来られたんだ。今回の事を頭に刻み込んで二度と無茶はするなよ?あんたらも本当にありがとうな!」
「なあに、偶然通りかかっただけのことよ。彼らにゃ運があった。生きてりゃ体を鍛えまくっていつか森にリベンジも出来るだろうよ」
「おっと、あんまりヤツらを焚きつけないでくれよ?」
「ハハッ!それもそうだな」
「あう~、二人とも本当にありがとう!いつか恩返しが出来るように頑張ります」
このおっちゃん面倒見のいい人だな。さすが第一村人だけのことはある。
「ところでオレら二人が泊まれるとこってあるか?」
「なら俺ん家にでも泊まっていってくれ。汚い家だが」
「いや、それは悪い。あと旅の宿ってのにも興味があるんでな」
「この村に宿は一軒しか無いが、そこでいいか?」
「ああ。そこを紹介してくれ」
「宿ってお金いくらくらいするんだ?」
「えーと・・・町なら2000ギランくらいだと思うんだが・・・レイラ、ここはいくらだ?」
「1000ギランくらいじゃない?わかんないけど」
ギラン??円みたいなもんか?
「そのギランって何だ?ここの通貨単位か?」
「ギランも知らんって、あんたらどこから来たんだ?」
「そういえば雪原を越えて来たって言ってたわね」
「なっ!雪原を越えただと!?」
「えーとね、1000ギランで銀貨1枚よ」
「銀貨か。金貨しか持ってねーんだが」
アイテムボックスから金貨を取り出し手渡す。
「なんだ?この金貨は?見たことねえぞ」
「何これ!!綺麗な金貨ね!」
「別の大陸の金貨だろうか?悪いがこれは使えんなあ」
「とても珍しい金貨だし、町で換金したら金貨以上の値打ちが付くんじゃない?」
「そうだな。大手の商会に見せれば何かわかるかもしれん」
んーー、ここだと使えんのか。町で換金せんとダメくさいな。
「んじゃどうする?素材でも売る?」
「それしかねーよな。ここってドラゴン売るのは可能か?」
「は!?ドラゴンだあ???」
「ドラゴンなんてこの村で買い取れるわけないでしょう!」
「ぐぬぬ。んじゃこれは?」
マンティコアを出してみる。
「ひいいいぃぃ!!」
「な、なんだこりゃ!?人の顔した獣って・・・」
「これもダメなのかーーー!」
「コテツ、もっと普通のがいいんでねえか?」
「普通・・・普通って何だ?」
「森にいた極小魔石くらいのヤツ」
「そんなの金になるんか?」
森で最初に倒した茶色のクマとでっかい蜘蛛と、なんとなくいつもの骨剣を出した。
「ガストベアーとドレッドスパイダーか。よくこんなの倒したな」
「このショートソードもなかなか良い剣よ」
「魔物の素材は街のギルドで売った方が金になるぞ?ここにゃ加工出来るのなんてトングのじーさんくらいなもんだ。それに金もそんなに出せない。このショートソードなら武器屋で買い取って貰える筈だ」
「この剣なら私が欲しいくらいね」
「ほう。その剣を売ったら宿屋に泊まれるんか?」
「そうね。5000ギラン以上にはなると思う」
「おっしゃ!これで一泊出来るな!」
「んじゃその武器屋に案内頼めるか?」
「こっちよ。付いて来て」
「おっと、言うのが遅くなったが最北の村へようこそ!ここは大陸の一番北にあるからそう呼ばれているんだ。んじゃレイラ、ロマインによろしく言っといてくれよー」
「はーい」
「オーイ!私ちょっと武器屋に行って来るから、みんな適当に時間潰しててね」
「あ、ちょっと待った!レイラもこっち来て」
四人が談笑してるとこに移動し、クマと黒い狼を大量に出した。
「カールたちの取り分だぞ」
「「え!?」」
「いや、受け取れません!俺達は助けられたのに」
「オウルベアーなんて倒したのアナタたちじゃない!」
「命懸けで倒したのに収穫ナシじゃ報われないじゃん。いいから持ってきな。クマもプレゼントだ」
「「ありがとう!」」
すごく遠慮されたけど、最後にはなんとか受け取ってくれた。
「道を歩くのがこんなに快適だったという事に感動すら覚えるわ」
五人組を追加し七人となったパーティーは村への道を歩いていた。
「見えた!アレが俺らの村です!」
「おーーー村だ!」
「門とかは無いんだな」
「まあ、村ですからね。でも見張りはいますよ」
コテツとアニキは長い旅路の末、とうとう人の集落へ辿り着いたのだ。
「お?お前ら帰って来れたようだな!森には入ったのか?」
見張りをしていたおっちゃんがカールたちに話し掛けて来た。
「ええ。全員死にかけましたよ・・・」
「なんだと!?」
「この二人に偶然助けてもらったのよ!」
レイラがオレらのことをおっちゃんに報告した。
「こいつらを助けてもらって感謝する!アホな奴らだが、こんなでも魔物に殺されたとあっちゃ夢見が悪い」
「アホとは失礼ね!」
「アホだろうが!魔の森は行くなとあれほど忠告したのに、『俺達ならそろそろ大丈夫だ。深くまで入るつもりは無い』だのデカい口叩きおって」
「い、行けると思ったのよ!ただちょっと運が悪く、ブラックウルフの大群に囲まれてしまっただけで」
「あの森はな、普通の森とはワケが違うんだ!少しでも奥に入ろうモノなら魔物の大群に囲まれるなんて事は珍しい事でも何でも無いわ!」
「う、ううー・・・」
「まあでも無事に帰って来られたんだ。今回の事を頭に刻み込んで二度と無茶はするなよ?あんたらも本当にありがとうな!」
「なあに、偶然通りかかっただけのことよ。彼らにゃ運があった。生きてりゃ体を鍛えまくっていつか森にリベンジも出来るだろうよ」
「おっと、あんまりヤツらを焚きつけないでくれよ?」
「ハハッ!それもそうだな」
「あう~、二人とも本当にありがとう!いつか恩返しが出来るように頑張ります」
このおっちゃん面倒見のいい人だな。さすが第一村人だけのことはある。
「ところでオレら二人が泊まれるとこってあるか?」
「なら俺ん家にでも泊まっていってくれ。汚い家だが」
「いや、それは悪い。あと旅の宿ってのにも興味があるんでな」
「この村に宿は一軒しか無いが、そこでいいか?」
「ああ。そこを紹介してくれ」
「宿ってお金いくらくらいするんだ?」
「えーと・・・町なら2000ギランくらいだと思うんだが・・・レイラ、ここはいくらだ?」
「1000ギランくらいじゃない?わかんないけど」
ギラン??円みたいなもんか?
「そのギランって何だ?ここの通貨単位か?」
「ギランも知らんって、あんたらどこから来たんだ?」
「そういえば雪原を越えて来たって言ってたわね」
「なっ!雪原を越えただと!?」
「えーとね、1000ギランで銀貨1枚よ」
「銀貨か。金貨しか持ってねーんだが」
アイテムボックスから金貨を取り出し手渡す。
「なんだ?この金貨は?見たことねえぞ」
「何これ!!綺麗な金貨ね!」
「別の大陸の金貨だろうか?悪いがこれは使えんなあ」
「とても珍しい金貨だし、町で換金したら金貨以上の値打ちが付くんじゃない?」
「そうだな。大手の商会に見せれば何かわかるかもしれん」
んーー、ここだと使えんのか。町で換金せんとダメくさいな。
「んじゃどうする?素材でも売る?」
「それしかねーよな。ここってドラゴン売るのは可能か?」
「は!?ドラゴンだあ???」
「ドラゴンなんてこの村で買い取れるわけないでしょう!」
「ぐぬぬ。んじゃこれは?」
マンティコアを出してみる。
「ひいいいぃぃ!!」
「な、なんだこりゃ!?人の顔した獣って・・・」
「これもダメなのかーーー!」
「コテツ、もっと普通のがいいんでねえか?」
「普通・・・普通って何だ?」
「森にいた極小魔石くらいのヤツ」
「そんなの金になるんか?」
森で最初に倒した茶色のクマとでっかい蜘蛛と、なんとなくいつもの骨剣を出した。
「ガストベアーとドレッドスパイダーか。よくこんなの倒したな」
「このショートソードもなかなか良い剣よ」
「魔物の素材は街のギルドで売った方が金になるぞ?ここにゃ加工出来るのなんてトングのじーさんくらいなもんだ。それに金もそんなに出せない。このショートソードなら武器屋で買い取って貰える筈だ」
「この剣なら私が欲しいくらいね」
「ほう。その剣を売ったら宿屋に泊まれるんか?」
「そうね。5000ギラン以上にはなると思う」
「おっしゃ!これで一泊出来るな!」
「んじゃその武器屋に案内頼めるか?」
「こっちよ。付いて来て」
「おっと、言うのが遅くなったが最北の村へようこそ!ここは大陸の一番北にあるからそう呼ばれているんだ。んじゃレイラ、ロマインによろしく言っといてくれよー」
「はーい」
「オーイ!私ちょっと武器屋に行って来るから、みんな適当に時間潰しててね」
「あ、ちょっと待った!レイラもこっち来て」
四人が談笑してるとこに移動し、クマと黒い狼を大量に出した。
「カールたちの取り分だぞ」
「「え!?」」
「いや、受け取れません!俺達は助けられたのに」
「オウルベアーなんて倒したのアナタたちじゃない!」
「命懸けで倒したのに収穫ナシじゃ報われないじゃん。いいから持ってきな。クマもプレゼントだ」
「「ありがとう!」」
すごく遠慮されたけど、最後にはなんとか受け取ってくれた。
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