105 / 183
アリア編
105 雪原突破
しおりを挟む
それからの足取りは非常に軽かった。土が所々に現れるようになり、今はもう足もほとんど雪に埋まっていない。
雪の中に植物を発見。
「おおおおお!アニキこれっ!」
「やっと緑色が来たか!なんの植物かはわからんが、雪の中でも生きようと頑張るなんて根性あるな」
植物を発見した。たったそれだけのことなのに楽しくてしょうがない!
ごく普通のことなのに二人のテンションは上がりっぱなしだ。
そしてとうとう雪原を突破した。緑はほとんど無いが足元は完全に土だ。
「やっと銀世界を超えたぞおおおおおおおおお!!!」
「長かった・・・、何度心が折れそうになったことか」
「一人だったら間違いなく途中でへこたれてたな」
「うむ。その前にダンジョン突破が出来ていまい。ソロで突破となるとたぶん3倍は時間かかるぞ」
「だねー。下手するとまだデュラハンあたりかも」
「ああ、あそこはバンシーがやべえしな。あと俺の場合はネクロマンサーんとこ一人で突破なんて不可能かもしれねえ。魔法くらいながらデスナイトだぞ?」
「それはオレも無理な気がする。結界してもすぐキャンセルされるし」
アニキと二人だから突破出来たんだ。今じゃ一人でダンジョン攻略なんて考えられないな。
「よし、ココに一つ砦作っておくわ」
「雪原突破記念だな!」
「それもあるが、狙いは一応転移ポイントだな」
「あーそっか。いつでもこの場所に来られるように目印は必要だ」
アニキが砦を作り始めた。
なんかいつもより気合入っててかなり豪華だぞ。もうこれ城じゃん!
「よし!完成だ」
「アニキ、これはもうほとんど城だろ!」
「形だけな。中は普通だ」
扉を開けて中に入ってみる。
物が何も無いのでガランとしてるが十分すげえぞ。
「いつもより広いし普通に住めるじゃん!」
「そりゃまあ一応な。雪原突破でテンション上がってたせいだ」
アニキが壁に『天下無双』と彫った。
いつも設置するオブジェはコテツの強い要望によってクマになった。
「完璧だな!心に深く刻み込まれたぞ」
「ハハッ。こうなったら内装も気合入れるか」
部屋の中央に円卓を設置し、椅子もぐるっと囲むように配置。
暖炉、厨房、食事をするテーブル、そしてベッド。
城にはこれも必須だろうと玉座を置き、隣には王妃用も。
「完成だ!」
「アニキもう建築士としても生きていけるだろ」
「まあMPありゃ楽勝だな。ただ作ったはいいが、ここに住むことは無かろう」
「だな。もっとどんどん先に進みたいし」
「しかしこの後、まだ先へ進むからマジでここ使わん可能性が高いな」
「んじゃここでメシだけ食って行こうぜ」
「そうすっか。城完成記念ってことで黒龍のホルモンを焼くぞ!」
「いいねー!」
ホルモン焼きはとんでもない美味さだった。
・・・・・
景色を楽しみながらゆっくり進んで行く。
歩いているうちに少しずつ緑も増えて行き、心がウキウキしてくる。
「ん?何かいるぞ」
「どこ?」
「あーかなり遠くだが、先に見えるあの木陰」
「ほんとだ。人じゃないな・・・動物か?」
「鹿っぽいな」
近づくと鹿は驚いて逃げていった。
「俺ら食い物に困ってないから、無暗に動物殺すつもりなんぞ無いんだがな」
「アニキ、今気付いたけど死神のローブ着たままだ!」
「ああ!確かにもうこれ脱いでもいいな」
ということで二人ともローブを脱ぎアイテムボックスに収納した。
「うぃ~、脱いでもほどんど寒さを感じないな」
「まあ着てる服が耐性付きだからだろう。空気はまだ冷たいぞ」
「今って冬なんだろか?ずっと雪原にいたから季節とかわからん」
「わからんな。あの雪原は永久に吹雪いてる場所な気もするし」
「誰か人がいたら聞いてみようぜ」
「人か・・・。俺ら以外に人間いるのかも疑問ではある」
いるよな?というかいてくれなきゃ困る。もうモンスターはお腹いっぱいだ。
どんどん進んで行くと、木が生い茂って来てしまいには森になった。
「うーむ・・・この森に入って行くしかねーのか」
「森を回り込む手も無いわけじゃないが、見渡す限り森が平行している。迂回するのも大変だぞこりゃ」
「雪原の次はジャングルだ」
「なんでこう極端なんだよ?ここは」
「こんなだからオレらのダンジョンに人が来ないんじゃない?」
「きっとそういうことなんだろな」
だがこれしきのことでオレらが止まるわけが無い。方針は一つ。特攻あるのみ!
もう真っすぐ突っ切ることとし、森に突入した。
「まだ寒いからか虫がいないのが救いだ」
「虫はヤダ。それならモンスターと戦うほうが全然いい」
「俺もだ。虫の大群に遭遇したら聖水ぶっかけてやる」
「汚物は消毒に限るな」
どんどん先へ進む。
ただこうも木が多いと、真っすぐ進んでるのかわからなくなるな。
「アニキ、ちょっと上から見てみるわ」
少し開けた場所に出たので提案してみた。
「そうだな。真っすぐ進まなきゃ間違いなく迷子になるだろう」
チビ結界を作りながらどんどん上昇して行く。
すぐ消えたら困るのでチビ結界は緑だ。
上空から見渡すと後方に森の終わりが見えたので、進んできたルートは大体把握した。
先はまだずっと森が続いている。こりゃ目印が必要だな。
確認し終わったので地面に降りた。
「アニキ、ここに高い塔作ってくれ。今オレが向いてる方向が進む方向だってわかるように」
「なるほど目印か。いい作戦だ!」
というわけで目印となる高い塔をここに作り上げたのだった。
雪の中に植物を発見。
「おおおおお!アニキこれっ!」
「やっと緑色が来たか!なんの植物かはわからんが、雪の中でも生きようと頑張るなんて根性あるな」
植物を発見した。たったそれだけのことなのに楽しくてしょうがない!
ごく普通のことなのに二人のテンションは上がりっぱなしだ。
そしてとうとう雪原を突破した。緑はほとんど無いが足元は完全に土だ。
「やっと銀世界を超えたぞおおおおおおおおお!!!」
「長かった・・・、何度心が折れそうになったことか」
「一人だったら間違いなく途中でへこたれてたな」
「うむ。その前にダンジョン突破が出来ていまい。ソロで突破となるとたぶん3倍は時間かかるぞ」
「だねー。下手するとまだデュラハンあたりかも」
「ああ、あそこはバンシーがやべえしな。あと俺の場合はネクロマンサーんとこ一人で突破なんて不可能かもしれねえ。魔法くらいながらデスナイトだぞ?」
「それはオレも無理な気がする。結界してもすぐキャンセルされるし」
アニキと二人だから突破出来たんだ。今じゃ一人でダンジョン攻略なんて考えられないな。
「よし、ココに一つ砦作っておくわ」
「雪原突破記念だな!」
「それもあるが、狙いは一応転移ポイントだな」
「あーそっか。いつでもこの場所に来られるように目印は必要だ」
アニキが砦を作り始めた。
なんかいつもより気合入っててかなり豪華だぞ。もうこれ城じゃん!
「よし!完成だ」
「アニキ、これはもうほとんど城だろ!」
「形だけな。中は普通だ」
扉を開けて中に入ってみる。
物が何も無いのでガランとしてるが十分すげえぞ。
「いつもより広いし普通に住めるじゃん!」
「そりゃまあ一応な。雪原突破でテンション上がってたせいだ」
アニキが壁に『天下無双』と彫った。
いつも設置するオブジェはコテツの強い要望によってクマになった。
「完璧だな!心に深く刻み込まれたぞ」
「ハハッ。こうなったら内装も気合入れるか」
部屋の中央に円卓を設置し、椅子もぐるっと囲むように配置。
暖炉、厨房、食事をするテーブル、そしてベッド。
城にはこれも必須だろうと玉座を置き、隣には王妃用も。
「完成だ!」
「アニキもう建築士としても生きていけるだろ」
「まあMPありゃ楽勝だな。ただ作ったはいいが、ここに住むことは無かろう」
「だな。もっとどんどん先に進みたいし」
「しかしこの後、まだ先へ進むからマジでここ使わん可能性が高いな」
「んじゃここでメシだけ食って行こうぜ」
「そうすっか。城完成記念ってことで黒龍のホルモンを焼くぞ!」
「いいねー!」
ホルモン焼きはとんでもない美味さだった。
・・・・・
景色を楽しみながらゆっくり進んで行く。
歩いているうちに少しずつ緑も増えて行き、心がウキウキしてくる。
「ん?何かいるぞ」
「どこ?」
「あーかなり遠くだが、先に見えるあの木陰」
「ほんとだ。人じゃないな・・・動物か?」
「鹿っぽいな」
近づくと鹿は驚いて逃げていった。
「俺ら食い物に困ってないから、無暗に動物殺すつもりなんぞ無いんだがな」
「アニキ、今気付いたけど死神のローブ着たままだ!」
「ああ!確かにもうこれ脱いでもいいな」
ということで二人ともローブを脱ぎアイテムボックスに収納した。
「うぃ~、脱いでもほどんど寒さを感じないな」
「まあ着てる服が耐性付きだからだろう。空気はまだ冷たいぞ」
「今って冬なんだろか?ずっと雪原にいたから季節とかわからん」
「わからんな。あの雪原は永久に吹雪いてる場所な気もするし」
「誰か人がいたら聞いてみようぜ」
「人か・・・。俺ら以外に人間いるのかも疑問ではある」
いるよな?というかいてくれなきゃ困る。もうモンスターはお腹いっぱいだ。
どんどん進んで行くと、木が生い茂って来てしまいには森になった。
「うーむ・・・この森に入って行くしかねーのか」
「森を回り込む手も無いわけじゃないが、見渡す限り森が平行している。迂回するのも大変だぞこりゃ」
「雪原の次はジャングルだ」
「なんでこう極端なんだよ?ここは」
「こんなだからオレらのダンジョンに人が来ないんじゃない?」
「きっとそういうことなんだろな」
だがこれしきのことでオレらが止まるわけが無い。方針は一つ。特攻あるのみ!
もう真っすぐ突っ切ることとし、森に突入した。
「まだ寒いからか虫がいないのが救いだ」
「虫はヤダ。それならモンスターと戦うほうが全然いい」
「俺もだ。虫の大群に遭遇したら聖水ぶっかけてやる」
「汚物は消毒に限るな」
どんどん先へ進む。
ただこうも木が多いと、真っすぐ進んでるのかわからなくなるな。
「アニキ、ちょっと上から見てみるわ」
少し開けた場所に出たので提案してみた。
「そうだな。真っすぐ進まなきゃ間違いなく迷子になるだろう」
チビ結界を作りながらどんどん上昇して行く。
すぐ消えたら困るのでチビ結界は緑だ。
上空から見渡すと後方に森の終わりが見えたので、進んできたルートは大体把握した。
先はまだずっと森が続いている。こりゃ目印が必要だな。
確認し終わったので地面に降りた。
「アニキ、ここに高い塔作ってくれ。今オレが向いてる方向が進む方向だってわかるように」
「なるほど目印か。いい作戦だ!」
というわけで目印となる高い塔をここに作り上げたのだった。
3
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説

赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!
ほむらさん
ファンタジー
ヘルメット、マスク、そして赤い軍服。
幸か不幸か、偶然この服を手に入れたことにより、波乱な人生が幕を開けた。
これは、異世界で赤い流星の衣装を一生涯着続けることになった男の物語。
※服は話の流れで比較的序盤に手に入れますが、しばらくは作業着生活です。
※主人公は凄腕付与魔法使いです。
※多種多様なヒロインが数多く登場します。
※戦って内政してガチャしてラッキースケベしてと、バラエティー豊かな作品です。
☆祝・100万文字達成!皆様に心よりの感謝を!
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。


ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで商売をして生計を立てていく〜
西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」
主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。
生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。
その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。
だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。
しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。
そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。
これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。
※かなり冗長です。
説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる