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ダンジョン編

94 レジェンド(4回目&5回目)

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気高く聳え立つレジェンドガチャ。挑むのはこれで4回目。そしてオレも5回目をすぐ回すことになる。
コンディションはまあまあだ。アニキは結構血を流したから悪いのかもしれない。しかしボス討伐後なので、精神力は間違い無く満ち溢れていると言える。

「俺から行く。この前我慢した分、運の上乗せがあればいいのだが」
「順番的にアニキだな。今日は精神が高まりすぎてるから少しリラックスしたほうがいいぞ!」

ガチャを引く時に大事なことは三つ。

・コンディションをしっかり整える。
・極限まで精神を集中。
・欲望に飲まれてはいけない。

今日のアニキを分析すると、コンディションは最悪に近い。しかし高度な修行と思わぬレジェンド魔石のゲットで精神の高揚は有頂天だから、これによって相殺されることだろう。
問題なのは欲望よ・・・。アニキはどうもこの部分に欠点を抱えている。
レジェンドガチャに勝つには欲望をいかに打ち消すかが重要だ。

アニキが座禅を組み精神統一に入った。


・・・・・


「始めよう。レジェンドと二度目の舞踏会ダンスだ」

魔石(大)をセット。レバーが光る。

アニキの精神に乱れは無い。いい集中が出来ているな。


ガチャコン

「ノーーーーー!!緑かよ!!!」
「ぐはっ!・・・いや、まだだ!諦めるのはまだ早いぞ!」

カードに書かれている文字は【服】

アニキが絶望の淵から蘇る。カードがカプセルごと服に変化。

そして完膚なきまでに崩れ落ち、大地に膝をついた。


「コテツ、俺は致命傷で動けん。代わりにお約束を頼む」


オレが介錯をせねばなるまいよ。アニキの手から服を奪い取る。



「セーラー服じゃねえか!」

コテツが床にセーラー服を叩きつけた。
アニキ、成仏しろよ・・・。


・・・・・


そして次はオレの番だ。アニキの二の舞にならんように本気を出すぞ!

精神統一の前にレジェンドガチャに魔石(大)をセット。レバーが光る。
この作業を先にやるか、それとも精神統一の後にやるかはいつも悩む部分だ。
今回は集中した後に即レバーを回す方針で行く。

アニキの絶望シーンを忘れろ!一片たりとも心に残してはならぬ。悪いイメージは次に影響を与えてしまうから。
そう・・・宇宙だ。一旦心を無にしてから研ぎ澄ませろ。

目を開きレバーを回す。


ガチャコン!キュピピピン!


「よっしゃあああああああッ!とらえたぞ金!」
「マジか!超大物到来か!?」

カードに書かれている文字は【アクセサリー】

「ん?これは指輪っスか」


[月の指輪]
:神が作り出したと伝えられる指輪。素材は不明。評価SS
:装備者のMPが2倍になる。
:自動修復(強)サイズ自動調節 衝撃耐性+


「ブホッ!」
「評価SSだとぉ!?大当たりじゃねえか!」

ヤバイ。これはヤバイ。今まで苦労して来たMP問題が一気に解決した!

「コテツのガチャ運ってマジで恐ろしいモノがあるな。しかしもっと早くコレが出ていればデスナイトで倍の修行が出来たものを・・・」
「だなー!ボス戦ですらもっと楽に戦えたと思うぞ」
「まあそこで苦労したおかげで指輪をゲット出来たんだから文句言っちゃイカンか」

運のめぐり合わせってヤツだぁね。それにしてもこの指輪ホントすげえ!
さっそく左手の中指に装着してみた。

ステータスで確認すると、MPがなんと!・・・なんと、ちょびっとしか無い。
ボス戦でMPほとんど使い切ってたんだった!わはははは。
満タンの時確認しないとダメだな。

「MPほとんど無いから倍になってもちょっぴりだったぞ!」
「確かに検証するにも今日はタイミングが悪かったな」
「色々ありすぎてもうヘトヘトだな」
「さっきまでは完璧な1日だったんだが俺は最後が悪すぎた。骨折り損のくたびれ儲けってヤツか」
「まさかレジェンドにセーラー服が入ってるとは予想外だな!」
「でもそれは逆に特攻服入ってる可能性も出たわけだ。どんなに困難な道でも俺は特攻服を追い求めるぜ!」
「あーでもデスナイトの剣が凄かったから骨折り損ってことも無いんじゃない?鎧もすげー強かったし」
「まあな。ネクロセットにしてもかなり強かったから、ボスの装備品目当てで戦うのもアリと言えよう。ガチャの存在が無かったらきっと重要な死活問題だったろうよ」

ガチャがあるだけオレらって恵まれてるのかもね。もし普通のダンジョンだったら、手作りの鎧とかモンスターから奪った装備品で暮らしてたに違いないから。

「アニキ、腹減ったからそろそろメシにしようぜ」
「だな。頑張った褒美にホタテでも焼くか!」
「おーー!ホタテいいねえ!焼きイカとセットで頼む!」
「この前ご飯も大量に炊いてストックしたから、海産物を焼けばすぐ食えるぞ」

想像しただけで涎が出て来たぞ!さあ帰ろ。すぐ帰ろ。




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――――――――――――そして1年の月日が流れた―――――――――――――
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「え?マジで??オレたちの冒険は「おい、それだけはやめろ!」」


(※普通に続きます。)
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