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ダンジョン編
88 第三回ゴブリン杯
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「赤結界が破壊されたらすぐ聖水を飲むこと。ビンを懐に入れて剣を手放した時、すぐ赤結界をかけ直すよ」
「それでOKだ。怪我が治すまでも無い場合はこっちから赤結界って言うわ」
「わかった」
そう、とうとう第三回ゴブリン杯の開催である。
現チャンピオンのゴブさんにアニキが挑戦するのだ。
前回オレが勝ったような気がするけど、なぜかゴブさんがチャンピオンのままらしい。
アニキからチャンピオンベルトを返還される。オレがクマ彫ってる時に暇潰しに作ってたようだ。頼まれて仕上げを手伝ったんだけど、金貨や宝石を散りばめたやたらと豪華な重量感たっぷりのチャンピオンベルトだ。
んで本来はゴブさんから返還されるモノなんだけど、ゴブさんは話を聞いてくれないのでアニキからということになった。オレがチャンピオンな気がするのだが解せぬ。
実況席も事前に作ってあり、その上にはマイクやゴングまでも用意されてある。実況席は今アイテムボックスの中だ。ゴングだけすぐ鳴らす必要があるので手に持った。
「ッしゃー!行くぞ!」
「殿の出陣じゃーーー!」
・・・・・
「チャンピオンベルトを頂きに来たぜ!」
「グギャギャギャギャギャ!」
カーーーーーン!
試合開始のゴングが鳴らされた。実況席を取り出して素早く席に着く。
『おっといきなりアニキの速攻だー!しかし簡単に弾かれた!さすがはチャンピオンといったところでしょう』
ゴブさんの守りは鉄壁。あの守りを崩すにはフェイントを何度もかける必要がある。もしくは捌ききれないほどの連撃を叩き込むかだ。
『今度はゴブさんが行った!なんて重そうな一撃なんだ!しかしアニキの読みが冴え渡る!普通の攻撃じゃ当たりそうもありません』
「これならどうだ?」
『これは・・・出た!アニキ必殺の燕返し!』
『なんと!?ゴブさんこれを完全に見切っていた!カウンターだ!』
「ぐおっ!!」
結界が破壊され、アニキは少し後方に弾き飛ばされた。
「コテツ、結界だ!」
怪我は大したこと無かったようだ。アニキが剣を手放したのを確認し、すかさず赤結界をかけ直す。
「雑魚とばっか戦ってたから、やはり勘が鈍ってやがる!だがそろそろ体が温まってきたぜ」
そこからしばらく一進一退の攻防が続く。
ゴブさんの流れるようなコンボも見事だが、アニキの先読みもすげえな。オレはどちらかというと、その都度目で見て反射で避けるタイプなんだけど、アニキは相手の武器の軌道を読んで対処していく感じ。慣れると相手のフェイントまでも先読みしてくる。
次第にアニキの攻撃がゴブさんにヒットし始めた。
『カウンターにカウンターを返し、そこからアニキ怒涛の4連撃!ゴブさんこれは厳しい!』
アニキの結界が切れた。
「アニキ!結界切れたぞ!」
「いや、いい!このまま行く!」
そこからはまさに圧巻。ゴブさんもハルバートで防ぎつつ反撃の突きを入れたりしているのだが、アニキは掠らせもしない。やっぱアニキつえーなー。
そして本日二度目の燕返しが今度は綺麗に決まり、直後にゴブさんの首が宙を舞った。
『これは完全に決まったー!!アニキの勝利だー!!!』
カンカンカンカーン!
試合終了のゴングが鳴り響いた。
「いよっシャーーーーーーーーー!!!」
『これでチャンピオンベルトがアニキの手に』
「いや、それは違うぞ!」
なにィ!?
「赤結界壊された時点で、すでに俺は一度負けてるんだよ。なので今の勝利を入れても五分五分だ。コテツがチャンピオンじゃ無かったのも同じ理由だな」
「おーーなるほど!たしかにオレも赤結界壊されたもんな」
「ってことでまだチャンピオンは赤ゴブリンだ。無傷で勝ったらベルトを腰に巻いてもいいぞ」
「おー、チャンピオンへの道はなかなか厳しいぜ」
最初に二人でゴブさん倒したのなんて、試合どころかエキシビジョンみたいなもんだしな。やはり無傷で圧倒してこそ真のチャンピオンだろう!
「いやーホントいい戦いだった。ボス以外じゃ、やっぱ赤ゴブが飛びぬけて強いな。・・・あ!」
「ん?どうしたアニキ」
「4階のゴブリンまだ見てねえ!」
「あーーーッ!!」
そうだった!ボスを先に見に行って、ネクロが結界何度も消してきたもんだから、奥の通路のこと完全に頭から飛んでしまったのか!
「でも4階だから海鮮ゴブリンだぞ?」
「いやいや、ボスは強そうだったろ?それに弱いゴブリンが存在するとは思えねえな」
「1階のゴブさんからすでにつえーもんな」
「1階のは素手、2階が棍棒、3階は槍、4階のはきっと剣か弓が来るだろう」
「剣ならアニキの師匠になるかもな!」
「そう、それよ!正直な所リザード先生じゃ師匠としてはちょっと物足りんのだ。コテツみたいに強い師匠の下でガッツリ鍛えてみたい」
「んじゃ、ネクロマンサー行く前にゴブさんチェックだな」
「弓じゃダメなんだ。是非とも剣使いであってくれ!」
弓の師匠も欲しいけど、まずはアニキに剣の師匠が出来ますように!
「それでOKだ。怪我が治すまでも無い場合はこっちから赤結界って言うわ」
「わかった」
そう、とうとう第三回ゴブリン杯の開催である。
現チャンピオンのゴブさんにアニキが挑戦するのだ。
前回オレが勝ったような気がするけど、なぜかゴブさんがチャンピオンのままらしい。
アニキからチャンピオンベルトを返還される。オレがクマ彫ってる時に暇潰しに作ってたようだ。頼まれて仕上げを手伝ったんだけど、金貨や宝石を散りばめたやたらと豪華な重量感たっぷりのチャンピオンベルトだ。
んで本来はゴブさんから返還されるモノなんだけど、ゴブさんは話を聞いてくれないのでアニキからということになった。オレがチャンピオンな気がするのだが解せぬ。
実況席も事前に作ってあり、その上にはマイクやゴングまでも用意されてある。実況席は今アイテムボックスの中だ。ゴングだけすぐ鳴らす必要があるので手に持った。
「ッしゃー!行くぞ!」
「殿の出陣じゃーーー!」
・・・・・
「チャンピオンベルトを頂きに来たぜ!」
「グギャギャギャギャギャ!」
カーーーーーン!
試合開始のゴングが鳴らされた。実況席を取り出して素早く席に着く。
『おっといきなりアニキの速攻だー!しかし簡単に弾かれた!さすがはチャンピオンといったところでしょう』
ゴブさんの守りは鉄壁。あの守りを崩すにはフェイントを何度もかける必要がある。もしくは捌ききれないほどの連撃を叩き込むかだ。
『今度はゴブさんが行った!なんて重そうな一撃なんだ!しかしアニキの読みが冴え渡る!普通の攻撃じゃ当たりそうもありません』
「これならどうだ?」
『これは・・・出た!アニキ必殺の燕返し!』
『なんと!?ゴブさんこれを完全に見切っていた!カウンターだ!』
「ぐおっ!!」
結界が破壊され、アニキは少し後方に弾き飛ばされた。
「コテツ、結界だ!」
怪我は大したこと無かったようだ。アニキが剣を手放したのを確認し、すかさず赤結界をかけ直す。
「雑魚とばっか戦ってたから、やはり勘が鈍ってやがる!だがそろそろ体が温まってきたぜ」
そこからしばらく一進一退の攻防が続く。
ゴブさんの流れるようなコンボも見事だが、アニキの先読みもすげえな。オレはどちらかというと、その都度目で見て反射で避けるタイプなんだけど、アニキは相手の武器の軌道を読んで対処していく感じ。慣れると相手のフェイントまでも先読みしてくる。
次第にアニキの攻撃がゴブさんにヒットし始めた。
『カウンターにカウンターを返し、そこからアニキ怒涛の4連撃!ゴブさんこれは厳しい!』
アニキの結界が切れた。
「アニキ!結界切れたぞ!」
「いや、いい!このまま行く!」
そこからはまさに圧巻。ゴブさんもハルバートで防ぎつつ反撃の突きを入れたりしているのだが、アニキは掠らせもしない。やっぱアニキつえーなー。
そして本日二度目の燕返しが今度は綺麗に決まり、直後にゴブさんの首が宙を舞った。
『これは完全に決まったー!!アニキの勝利だー!!!』
カンカンカンカーン!
試合終了のゴングが鳴り響いた。
「いよっシャーーーーーーーーー!!!」
『これでチャンピオンベルトがアニキの手に』
「いや、それは違うぞ!」
なにィ!?
「赤結界壊された時点で、すでに俺は一度負けてるんだよ。なので今の勝利を入れても五分五分だ。コテツがチャンピオンじゃ無かったのも同じ理由だな」
「おーーなるほど!たしかにオレも赤結界壊されたもんな」
「ってことでまだチャンピオンは赤ゴブリンだ。無傷で勝ったらベルトを腰に巻いてもいいぞ」
「おー、チャンピオンへの道はなかなか厳しいぜ」
最初に二人でゴブさん倒したのなんて、試合どころかエキシビジョンみたいなもんだしな。やはり無傷で圧倒してこそ真のチャンピオンだろう!
「いやーホントいい戦いだった。ボス以外じゃ、やっぱ赤ゴブが飛びぬけて強いな。・・・あ!」
「ん?どうしたアニキ」
「4階のゴブリンまだ見てねえ!」
「あーーーッ!!」
そうだった!ボスを先に見に行って、ネクロが結界何度も消してきたもんだから、奥の通路のこと完全に頭から飛んでしまったのか!
「でも4階だから海鮮ゴブリンだぞ?」
「いやいや、ボスは強そうだったろ?それに弱いゴブリンが存在するとは思えねえな」
「1階のゴブさんからすでにつえーもんな」
「1階のは素手、2階が棍棒、3階は槍、4階のはきっと剣か弓が来るだろう」
「剣ならアニキの師匠になるかもな!」
「そう、それよ!正直な所リザード先生じゃ師匠としてはちょっと物足りんのだ。コテツみたいに強い師匠の下でガッツリ鍛えてみたい」
「んじゃ、ネクロマンサー行く前にゴブさんチェックだな」
「弓じゃダメなんだ。是非とも剣使いであってくれ!」
弓の師匠も欲しいけど、まずはアニキに剣の師匠が出来ますように!
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