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ダンジョン編
87 おもちゃで遊ぼう
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コテツは朝からニヤけていた。もちろんベッドを囲むクマ達が素晴らしいからだ。やはり巨大クマを作ったのは正解だったな。荒削りとはいえ、その迫力は他を大きく凌駕する。
ただちょっとニス臭くて気分悪くなるのが問題点か。
「さて起きるか」
ふとアニキのほうを見ると、麻雀牌を持ってニヤけていた。
わかるぞ!その気持ち!
顔を洗ってごはんを食べて歯を磨く。
「アニキ、赤ゴブそろそろじゃね?」
「うむ。今日やるぞ!第三回ゴブリン杯だ。」
第一回は二人で倒した時のヤツだな。
「オレがゴブさん倒したのたぶん午後だけど、それまで待つの暇だな」
「あーそっか。今行ってもまだ少し早いな。テキトーに遊んで時間潰すか」
・・・・・
「王手だ!」
というわけで暇潰しにアニキと将棋をやってみた。
「なんの!こっちもスペシャル王手だ!」
アニキの角がオレの王を盤外へ弾き飛ばす。
「ああーーーー!!!」
「王手されたら逃げるか守るかせんとイカンぞ」
「まだだ!」
オレの飛車がアニキの王を盤外へ弾き飛ばした。
「これで相打ちだな!」
「いやいやいやいや、将棋は王を討ち取られた時点で負けだ」
「アニキよ、戦場で王がやられたからってその場で降伏するのか?こっちも相手の王を追い詰めているんだ。せめて相打ちまで持ってくでしょう!」
「ぬう、確かにその状況なら一太刀くらい浴びせるかもしれんな・・・。というかその発想は無かった。将棋ってのは普通ルールに従って遊ぶゲームだからな」
「残念ながら今回はそのルールが通用しない相手だったようだな!ハッハッハ」
「しょうがねーな。今回の所は引き分けでいいだろう」
ふーーっ、間一髪の際どい戦いだったぜ。諦めたらそこで試合終了ですよ。
「次は麻雀と行きたい所だが、今日はゴブとの戦いが控えてるからルール全部教えてる時間がねえな」
「トランプでもあれば良かったなー」
「そういやトランプの存在忘れてたわ。紙で作れないことも無いが、ペラペラの紙じゃすぐ皺になるだろうし裏の絵も透けて見えそうだ。何かいい素材ねえかな・・・」
「プラスチック素材のトランプすげー使いやすかったよね」
「あったなー。手作り必須な状況になるとアレを作った技術力の高さがよくわかるわ。絵とか描いてんのに手に付いたりせず、しかもあの薄さだぞ」
「たしかにすげーな!」
ここでトランプを作るとなると、何かを薄く削って絵描いてニス塗ってって感じになる。まず硬い物を薄く切るってのが難しい。専用の道具作るしかないかもなー。
「ギロチンみたいなの作ったら硬い物でも薄く切れないかな?」
「あー、なるほど・・・。土台に固定してギロチンでスパッと行くわけか。いい考えかもしれんな。ミリ単位で何枚も量産出来るかは疑問だが」
「あとはカードにする素材だよね。木でもいいけどさ」
「ミノタウロスの角もほぼ使い切ってしまったしな。どっちみちカード向きではないと思うが」
「思えばカードである必要って無いのかも?」
「麻雀牌風のトランプか。それも一つの手ではあるが、シャッフルが手間だな」
「んーーやっぱカードタイプのほうがいいかー」
これは課題だな。まず薄く切る道具を作ってみよう。料理にも使えそうだし。
そこで一つ閃いた。
「ギロチンで閃いたんだけどさ、刃をオリハルコンで作ったらスッパスパ切れそうじゃない?」
「オリハルコンの包丁とか、骨まで簡単に切断しそうだな」
「はッ!オリハルコンの彫刻刀もアリじゃん!」
「オリハルコンはまだ残ってんのか?」
「ガントレットって中空洞じゃん?だから思ったよか使わなかったんよ。なのでインゴット1本ちょいくらい残ってるぞ」
「ギロチン風出刃包丁、普通の包丁、彫刻刀、色々作れそうだな。あとついでに小型ノコギリとかどうだ?」
「いける!包丁は刃にだけオリハルコン使って、持つ部分は別の素材使うとかしたら今言ったの全部いけるかもしれん」
「物によっては刃以外を鉄にするとか、そういう作戦も可能かもしれんぞ?ガラスカッターなんて先端のダイヤモンドでガラスを切るしな」
なるほど・・・先端だけをオリハルコンって作戦もアリか。問題はオリハルコンと鉄を繋ぐ部分を滑らかに、そして外れないように出来るかどうかだ。これは難しいですよ?
「ウーーーン・・・難しそう」
「まあオリハルコンの節約を考えなければ、持つ場所以外全部オリハルコンにしたほうが良い物が出来ると思うぞ。一部分だけって作戦はコストを減らすための苦肉の策だしな」
「フムフム。とりあえず鉄との合体技はやめとこ。持つ部分は流石にオリハルコンの無駄なので木か何かで作るけど。いや、オリハルコンに釣り合う素材じゃなきゃダメだな。ドラゴンの骨とか使ってみっか」
「そいつはおもしれえ!異常なほど高級な包丁が完成しそうで笑えるな」
オリハルコンとドラゴンの骨で作った最高級包丁。どんだけの値打ちなんだろね?
ただちょっとニス臭くて気分悪くなるのが問題点か。
「さて起きるか」
ふとアニキのほうを見ると、麻雀牌を持ってニヤけていた。
わかるぞ!その気持ち!
顔を洗ってごはんを食べて歯を磨く。
「アニキ、赤ゴブそろそろじゃね?」
「うむ。今日やるぞ!第三回ゴブリン杯だ。」
第一回は二人で倒した時のヤツだな。
「オレがゴブさん倒したのたぶん午後だけど、それまで待つの暇だな」
「あーそっか。今行ってもまだ少し早いな。テキトーに遊んで時間潰すか」
・・・・・
「王手だ!」
というわけで暇潰しにアニキと将棋をやってみた。
「なんの!こっちもスペシャル王手だ!」
アニキの角がオレの王を盤外へ弾き飛ばす。
「ああーーーー!!!」
「王手されたら逃げるか守るかせんとイカンぞ」
「まだだ!」
オレの飛車がアニキの王を盤外へ弾き飛ばした。
「これで相打ちだな!」
「いやいやいやいや、将棋は王を討ち取られた時点で負けだ」
「アニキよ、戦場で王がやられたからってその場で降伏するのか?こっちも相手の王を追い詰めているんだ。せめて相打ちまで持ってくでしょう!」
「ぬう、確かにその状況なら一太刀くらい浴びせるかもしれんな・・・。というかその発想は無かった。将棋ってのは普通ルールに従って遊ぶゲームだからな」
「残念ながら今回はそのルールが通用しない相手だったようだな!ハッハッハ」
「しょうがねーな。今回の所は引き分けでいいだろう」
ふーーっ、間一髪の際どい戦いだったぜ。諦めたらそこで試合終了ですよ。
「次は麻雀と行きたい所だが、今日はゴブとの戦いが控えてるからルール全部教えてる時間がねえな」
「トランプでもあれば良かったなー」
「そういやトランプの存在忘れてたわ。紙で作れないことも無いが、ペラペラの紙じゃすぐ皺になるだろうし裏の絵も透けて見えそうだ。何かいい素材ねえかな・・・」
「プラスチック素材のトランプすげー使いやすかったよね」
「あったなー。手作り必須な状況になるとアレを作った技術力の高さがよくわかるわ。絵とか描いてんのに手に付いたりせず、しかもあの薄さだぞ」
「たしかにすげーな!」
ここでトランプを作るとなると、何かを薄く削って絵描いてニス塗ってって感じになる。まず硬い物を薄く切るってのが難しい。専用の道具作るしかないかもなー。
「ギロチンみたいなの作ったら硬い物でも薄く切れないかな?」
「あー、なるほど・・・。土台に固定してギロチンでスパッと行くわけか。いい考えかもしれんな。ミリ単位で何枚も量産出来るかは疑問だが」
「あとはカードにする素材だよね。木でもいいけどさ」
「ミノタウロスの角もほぼ使い切ってしまったしな。どっちみちカード向きではないと思うが」
「思えばカードである必要って無いのかも?」
「麻雀牌風のトランプか。それも一つの手ではあるが、シャッフルが手間だな」
「んーーやっぱカードタイプのほうがいいかー」
これは課題だな。まず薄く切る道具を作ってみよう。料理にも使えそうだし。
そこで一つ閃いた。
「ギロチンで閃いたんだけどさ、刃をオリハルコンで作ったらスッパスパ切れそうじゃない?」
「オリハルコンの包丁とか、骨まで簡単に切断しそうだな」
「はッ!オリハルコンの彫刻刀もアリじゃん!」
「オリハルコンはまだ残ってんのか?」
「ガントレットって中空洞じゃん?だから思ったよか使わなかったんよ。なのでインゴット1本ちょいくらい残ってるぞ」
「ギロチン風出刃包丁、普通の包丁、彫刻刀、色々作れそうだな。あとついでに小型ノコギリとかどうだ?」
「いける!包丁は刃にだけオリハルコン使って、持つ部分は別の素材使うとかしたら今言ったの全部いけるかもしれん」
「物によっては刃以外を鉄にするとか、そういう作戦も可能かもしれんぞ?ガラスカッターなんて先端のダイヤモンドでガラスを切るしな」
なるほど・・・先端だけをオリハルコンって作戦もアリか。問題はオリハルコンと鉄を繋ぐ部分を滑らかに、そして外れないように出来るかどうかだ。これは難しいですよ?
「ウーーーン・・・難しそう」
「まあオリハルコンの節約を考えなければ、持つ場所以外全部オリハルコンにしたほうが良い物が出来ると思うぞ。一部分だけって作戦はコストを減らすための苦肉の策だしな」
「フムフム。とりあえず鉄との合体技はやめとこ。持つ部分は流石にオリハルコンの無駄なので木か何かで作るけど。いや、オリハルコンに釣り合う素材じゃなきゃダメだな。ドラゴンの骨とか使ってみっか」
「そいつはおもしれえ!異常なほど高級な包丁が完成しそうで笑えるな」
オリハルコンとドラゴンの骨で作った最高級包丁。どんだけの値打ちなんだろね?
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