七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
上 下
85 / 183
ダンジョン編

85 最近の悩み

しおりを挟む
「デラックスはしゅーりょー!でもまだ風ガチャとノーマルやるぞ」
「風ってあんまり回してないよな。おもしろい物が眠ってるかもしれん」

何が欲しいってのは具体的には無いんだけれども手抜きなどしない。
集中力を切らせば、それは敗北を意味するからだ。

ガチャコン!

「お?赤だ。まだ運は生きている」
「ほんといい流れだな」

書かれている文字は【弓】


[疾風の弓]
:エルダートレント製の弓。評価B
:矢の速度強化(中)命中率補正(小)
:衝撃耐性


「弓かー!初めて出したけど使うかな?」
「矢が付属の1本しかねえぞ。使うにしても矢を作るのめんどくねえか?」
「あーそっか。矢いっぱい作らなきゃダメじゃん」
「それに弓も使うならまた修行せんといかんぞ?そして弓の先生がおらん」
「そういや師匠ナシかー。ダメだな。とりあえずは暇潰し用のおもちゃだね」

壁に立てかけてある木を狙って弓を引いてみるが、矢が全然飛ばなかった。

「ムズイなこれ」
「適当に遊んでるうちに少しは上手くなるかもな」

アニキも弓を撃ってみたが矢は変なとこに飛んでった。

「んじゃノーマル行くぞー」


ガチャコン 青 醤油
ガチャコン 赤 シャンプー
ガチャコン 赤 鏡
ガチャコン 青 塩
ガチャコン 緑 みりん

「お?まあまあだ」
「シャンプーと鏡はいいな」


ガチャコン 赤 ハンガー
ガチャコン 緑 赤ワイン
ガチャコン 赤 ハサミ

「ハサミだ!!」
「やっと来たか!実は待ってたんだよコレ」

見本があればハサミの量産も可能だ。こんなのしょっちゅう見てたハズなのに、こうして改めて見ると繊細に作られてることがわかる。なるほどなあ・・・。

「アニキはガチャどうする?」
「今回はパスだな。もうちょい魔石貯まってからにする」
「んじゃ部屋戻ろう。クマ作らんと」
「俺はどうすっかなー」

ということで部屋に戻ってクマ掘りまくるぞ!





************************************************************





アニキは悩んでいた。
もう長い事散髪していないので髪の毛が伸び放題だからだ。
ハサミは手に入った。まあ自分で切るのが一番無難な選択だろう。だが正直自信が無い。となると、コテツと俺でそれぞれの頭を散髪する作戦が考えられるわけだが・・・。

コテツのほうを見ると、凄まじい集中力で一心不乱にクマを彫っている。

あのコテツに任せて本当に大丈夫なのか?
クマを掘ってる姿を見てわかるが、手先が器用なのは間違いない。しかしだ。
ぶっちゃけコテツは面白ければ何でもいいってタイプ。
もし俺が失敗してコテツの頭がモヒカンになってたとしても、モヒカンのまま普通に過ごすだろう。つるっぱげになったとしても、つるっぱげ上等と逆に開き直るような性格。
だが俺はそこまでプライドを捨てることは出来ん。

危険だ・・・。あまりにもリスクが高すぎる。

鏡を前にハサミで少し髪の毛を切ってみる。
ふむ・・・正面は行けそうだ。問題は後頭部。
ちょっとだけ後頭部にハサミを入れてみるが、やはり見えないから厳しい。
ぐぬぬぬぬ、どうすっか・・・。

「ダメだーー!腕が完全になまってる!!この程度のクマにニスなど使えん」

コテツが職人に失敗したようだ。

「なあコテツ。誰かの髪の毛とか切ったことってあるか?」
「ん?無いぞ!」
「そうだよなあ。普通みんな床屋とか行くわな」
「髪の毛切りたいのか?」
「かなり伸びたからな。コテツも頭モサモサだろ」
「けっこう伸びたなー」
「今自分で少し切ってみたんだが、どうもしっくり来なくてな」
「なんだ、それならオレに任せろ!」

来たか・・・この恐れていた展開が。
一瞬の安請け合いが恐怖を加速させる。冷や汗が出て来たぞ・・・。
漢・清光、腹をくくれ!恐怖を乗り越えろ!

「わかった、やってくれ。コテツの髪は俺が切ろう」
「久々にサッパリ出来るな!」

散髪専用で身長に合わせた椅子を二つ作った。

「お客さん!今日はどんな感じにします?」

左手に手刀を作りコテツに見せる。

「指四本だ。あ、待て。コテツの指だと少し小さいな。親指までの五本分の長さだ。髪の毛全部その長さに統一して切ってくれ。まずは横も後ろも全部それでいい」
「んーー、こんな感じ?・・・親指までだとすげー切りにくいぞ」
「えーとな、指四本と親指でこう髪の毛を挟むだろ?んでそうだな・・・1㎝ちょいくらいはみ出た所で切るんだ」
「おーなるほど!めんどいからモヒカンとかで良くない?」

くっ、始まったか・・・。恐れていた悪ふざけが!!

「ノーだ!!!これは絶対だ。もし俺の頭がモヒカンになったら、コテツはつるっぱげになると思え」
「ハゲは嫌だぞ!しゃーない、真面目にやろう」

頭の輪郭だけ揃えて統一されるとマシュマロ頭になることが想定できたので、全体を満遍なく切ることを強く注文した。横と後ろは最後でいいだろう。


・・・・・


そうしてやっと散髪が終了した。気になる部分は当然あるが、思ったほど最悪の結果にはならないで済んだ。コテツが器用だったので最終的にはなかなかの散髪屋にまで育った。

んじゃ次はコテツの番だな。頑張ったし、つるっぱげは勘弁してやろう。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!

ほむらさん
ファンタジー
ヘルメット、マスク、そして赤い軍服。 幸か不幸か、偶然この服を手に入れたことにより、波乱な人生が幕を開けた。 これは、異世界で赤い流星の衣装を一生涯着続けることになった男の物語。 ※服は話の流れで比較的序盤に手に入れますが、しばらくは作業着生活です。 ※主人公は凄腕付与魔法使いです。 ※多種多様なヒロインが数多く登場します。 ※戦って内政してガチャしてラッキースケベしてと、バラエティー豊かな作品です。 ☆祝・100万文字達成!皆様に心よりの感謝を! 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。  

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで商売をして生計を立てていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

クラスまるごと異世界転移

八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。 ソレは突然訪れた。 『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』 そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。 …そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。 どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。 …大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても… そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...