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ダンジョン編
85 最近の悩み
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「デラックスはしゅーりょー!でもまだ風ガチャとノーマルやるぞ」
「風ってあんまり回してないよな。おもしろい物が眠ってるかもしれん」
何が欲しいってのは具体的には無いんだけれども手抜きなどしない。
集中力を切らせば、それは敗北を意味するからだ。
ガチャコン!
「お?赤だ。まだ運は生きている」
「ほんといい流れだな」
書かれている文字は【弓】
[疾風の弓]
:エルダートレント製の弓。評価B
:矢の速度強化(中)命中率補正(小)
:衝撃耐性
「弓かー!初めて出したけど使うかな?」
「矢が付属の1本しかねえぞ。使うにしても矢を作るのめんどくねえか?」
「あーそっか。矢いっぱい作らなきゃダメじゃん」
「それに弓も使うならまた修行せんといかんぞ?そして弓の先生がおらん」
「そういや師匠ナシかー。ダメだな。とりあえずは暇潰し用のおもちゃだね」
壁に立てかけてある木を狙って弓を引いてみるが、矢が全然飛ばなかった。
「ムズイなこれ」
「適当に遊んでるうちに少しは上手くなるかもな」
アニキも弓を撃ってみたが矢は変なとこに飛んでった。
「んじゃノーマル行くぞー」
ガチャコン 青 醤油
ガチャコン 赤 シャンプー
ガチャコン 赤 鏡
ガチャコン 青 塩
ガチャコン 緑 みりん
「お?まあまあだ」
「シャンプーと鏡はいいな」
ガチャコン 赤 ハンガー
ガチャコン 緑 赤ワイン
ガチャコン 赤 ハサミ
「ハサミだ!!」
「やっと来たか!実は待ってたんだよコレ」
見本があればハサミの量産も可能だ。こんなのしょっちゅう見てたハズなのに、こうして改めて見ると繊細に作られてることがわかる。なるほどなあ・・・。
「アニキはガチャどうする?」
「今回はパスだな。もうちょい魔石貯まってからにする」
「んじゃ部屋戻ろう。クマ作らんと」
「俺はどうすっかなー」
ということで部屋に戻ってクマ掘りまくるぞ!
************************************************************
アニキは悩んでいた。
もう長い事散髪していないので髪の毛が伸び放題だからだ。
ハサミは手に入った。まあ自分で切るのが一番無難な選択だろう。だが正直自信が無い。となると、コテツと俺でそれぞれの頭を散髪する作戦が考えられるわけだが・・・。
コテツのほうを見ると、凄まじい集中力で一心不乱にクマを彫っている。
あのコテツに任せて本当に大丈夫なのか?
クマを掘ってる姿を見てわかるが、手先が器用なのは間違いない。しかしだ。
ぶっちゃけコテツは面白ければ何でもいいってタイプ。
もし俺が失敗してコテツの頭がモヒカンになってたとしても、モヒカンのまま普通に過ごすだろう。つるっぱげになったとしても、つるっぱげ上等と逆に開き直るような性格。
だが俺はそこまでプライドを捨てることは出来ん。
危険だ・・・。あまりにもリスクが高すぎる。
鏡を前にハサミで少し髪の毛を切ってみる。
ふむ・・・正面は行けそうだ。問題は後頭部。
ちょっとだけ後頭部にハサミを入れてみるが、やはり見えないから厳しい。
ぐぬぬぬぬ、どうすっか・・・。
「ダメだーー!腕が完全に鈍ってる!!この程度のクマにニスなど使えん」
コテツが職人に失敗したようだ。
「なあコテツ。誰かの髪の毛とか切ったことってあるか?」
「ん?無いぞ!」
「そうだよなあ。普通みんな床屋とか行くわな」
「髪の毛切りたいのか?」
「かなり伸びたからな。コテツも頭モサモサだろ」
「けっこう伸びたなー」
「今自分で少し切ってみたんだが、どうもしっくり来なくてな」
「なんだ、それならオレに任せろ!」
来たか・・・この恐れていた展開が。
一瞬の安請け合いが恐怖を加速させる。冷や汗が出て来たぞ・・・。
漢・清光、腹をくくれ!恐怖を乗り越えろ!
「わかった、やってくれ。コテツの髪は俺が切ろう」
「久々にサッパリ出来るな!」
散髪専用で身長に合わせた椅子を二つ作った。
「お客さん!今日はどんな感じにします?」
左手に手刀を作りコテツに見せる。
「指四本だ。あ、待て。コテツの指だと少し小さいな。親指までの五本分の長さだ。髪の毛全部その長さに統一して切ってくれ。まずは横も後ろも全部それでいい」
「んーー、こんな感じ?・・・親指までだとすげー切りにくいぞ」
「えーとな、指四本と親指でこう髪の毛を挟むだろ?んでそうだな・・・1㎝ちょいくらいはみ出た所で切るんだ」
「おーなるほど!めんどいからモヒカンとかで良くない?」
くっ、始まったか・・・。恐れていた悪ふざけが!!
「ノーだ!!!これは絶対だ。もし俺の頭がモヒカンになったら、コテツはつるっぱげになると思え」
「ハゲは嫌だぞ!しゃーない、真面目にやろう」
頭の輪郭だけ揃えて統一されるとマシュマロ頭になることが想定できたので、全体を満遍なく切ることを強く注文した。横と後ろは最後でいいだろう。
・・・・・
そうしてやっと散髪が終了した。気になる部分は当然あるが、思ったほど最悪の結果にはならないで済んだ。コテツが器用だったので最終的にはなかなかの散髪屋にまで育った。
んじゃ次はコテツの番だな。頑張ったし、つるっぱげは勘弁してやろう。
「風ってあんまり回してないよな。おもしろい物が眠ってるかもしれん」
何が欲しいってのは具体的には無いんだけれども手抜きなどしない。
集中力を切らせば、それは敗北を意味するからだ。
ガチャコン!
「お?赤だ。まだ運は生きている」
「ほんといい流れだな」
書かれている文字は【弓】
[疾風の弓]
:エルダートレント製の弓。評価B
:矢の速度強化(中)命中率補正(小)
:衝撃耐性
「弓かー!初めて出したけど使うかな?」
「矢が付属の1本しかねえぞ。使うにしても矢を作るのめんどくねえか?」
「あーそっか。矢いっぱい作らなきゃダメじゃん」
「それに弓も使うならまた修行せんといかんぞ?そして弓の先生がおらん」
「そういや師匠ナシかー。ダメだな。とりあえずは暇潰し用のおもちゃだね」
壁に立てかけてある木を狙って弓を引いてみるが、矢が全然飛ばなかった。
「ムズイなこれ」
「適当に遊んでるうちに少しは上手くなるかもな」
アニキも弓を撃ってみたが矢は変なとこに飛んでった。
「んじゃノーマル行くぞー」
ガチャコン 青 醤油
ガチャコン 赤 シャンプー
ガチャコン 赤 鏡
ガチャコン 青 塩
ガチャコン 緑 みりん
「お?まあまあだ」
「シャンプーと鏡はいいな」
ガチャコン 赤 ハンガー
ガチャコン 緑 赤ワイン
ガチャコン 赤 ハサミ
「ハサミだ!!」
「やっと来たか!実は待ってたんだよコレ」
見本があればハサミの量産も可能だ。こんなのしょっちゅう見てたハズなのに、こうして改めて見ると繊細に作られてることがわかる。なるほどなあ・・・。
「アニキはガチャどうする?」
「今回はパスだな。もうちょい魔石貯まってからにする」
「んじゃ部屋戻ろう。クマ作らんと」
「俺はどうすっかなー」
ということで部屋に戻ってクマ掘りまくるぞ!
************************************************************
アニキは悩んでいた。
もう長い事散髪していないので髪の毛が伸び放題だからだ。
ハサミは手に入った。まあ自分で切るのが一番無難な選択だろう。だが正直自信が無い。となると、コテツと俺でそれぞれの頭を散髪する作戦が考えられるわけだが・・・。
コテツのほうを見ると、凄まじい集中力で一心不乱にクマを彫っている。
あのコテツに任せて本当に大丈夫なのか?
クマを掘ってる姿を見てわかるが、手先が器用なのは間違いない。しかしだ。
ぶっちゃけコテツは面白ければ何でもいいってタイプ。
もし俺が失敗してコテツの頭がモヒカンになってたとしても、モヒカンのまま普通に過ごすだろう。つるっぱげになったとしても、つるっぱげ上等と逆に開き直るような性格。
だが俺はそこまでプライドを捨てることは出来ん。
危険だ・・・。あまりにもリスクが高すぎる。
鏡を前にハサミで少し髪の毛を切ってみる。
ふむ・・・正面は行けそうだ。問題は後頭部。
ちょっとだけ後頭部にハサミを入れてみるが、やはり見えないから厳しい。
ぐぬぬぬぬ、どうすっか・・・。
「ダメだーー!腕が完全に鈍ってる!!この程度のクマにニスなど使えん」
コテツが職人に失敗したようだ。
「なあコテツ。誰かの髪の毛とか切ったことってあるか?」
「ん?無いぞ!」
「そうだよなあ。普通みんな床屋とか行くわな」
「髪の毛切りたいのか?」
「かなり伸びたからな。コテツも頭モサモサだろ」
「けっこう伸びたなー」
「今自分で少し切ってみたんだが、どうもしっくり来なくてな」
「なんだ、それならオレに任せろ!」
来たか・・・この恐れていた展開が。
一瞬の安請け合いが恐怖を加速させる。冷や汗が出て来たぞ・・・。
漢・清光、腹をくくれ!恐怖を乗り越えろ!
「わかった、やってくれ。コテツの髪は俺が切ろう」
「久々にサッパリ出来るな!」
散髪専用で身長に合わせた椅子を二つ作った。
「お客さん!今日はどんな感じにします?」
左手に手刀を作りコテツに見せる。
「指四本だ。あ、待て。コテツの指だと少し小さいな。親指までの五本分の長さだ。髪の毛全部その長さに統一して切ってくれ。まずは横も後ろも全部それでいい」
「んーー、こんな感じ?・・・親指までだとすげー切りにくいぞ」
「えーとな、指四本と親指でこう髪の毛を挟むだろ?んでそうだな・・・1㎝ちょいくらいはみ出た所で切るんだ」
「おーなるほど!めんどいからモヒカンとかで良くない?」
くっ、始まったか・・・。恐れていた悪ふざけが!!
「ノーだ!!!これは絶対だ。もし俺の頭がモヒカンになったら、コテツはつるっぱげになると思え」
「ハゲは嫌だぞ!しゃーない、真面目にやろう」
頭の輪郭だけ揃えて統一されるとマシュマロ頭になることが想定できたので、全体を満遍なく切ることを強く注文した。横と後ろは最後でいいだろう。
・・・・・
そうしてやっと散髪が終了した。気になる部分は当然あるが、思ったほど最悪の結果にはならないで済んだ。コテツが器用だったので最終的にはなかなかの散髪屋にまで育った。
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