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ダンジョン編

83 留年確実

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「思えばそろそろ卒業の季節くらいか。ここに来て何日経過したかはさっぱりわからんが、たぶんそれくらいは経っただろう」

ずっとダンジョンだしな。何日経ったかなんてもうまったくわからん。

「もうずっと学校行ってねーぞ」
「うむ。俺なんか間違いなく留年だ。元々学校サボりまくってて単位ギリギリだったからな。卒業くらいはするつもりだったんだが、なぜかこんなダンジョンに来てしまったし、もうどうしようも無いだろう」
「留年はやだなー」
「小学生も留年とかあるんだっけかなあ?けどダンジョンに飛ばされた訳だし情状酌量の余地はあるだろ。まあそういうわけでコテツも六年生だぞ。中二病まであと2年だ」
「絶対中二病なんかにならんぞ!」
「ハハハッ!まあここには変に影響されるような娯楽も無いし大丈夫だろう」
「アニキ、さすがに2年後もダンジョンにいるのは勘弁だぞ」
「確かにその通りだ。問題はここが何階まであるのかだな」

1階を攻略するのに早くても一ヶ月くらいかかるとして、えーと2年だから・・・、30階まであったら中二病か。さすがにダンジョンがそこまで深いとは思いたくない。

「せめて10階までにしてくれ!」
「んーーー、キレのいい数字的に5階が1度目のチャンスだな。そこ超えると次のチャンスは10階か。まあダンジョンの法則なんぞ知らんからテキトーな予測なんだが」
「結局なるようにしかならんよね」
「そういうこった」

それにしても六年生かー。ずっとモンスター倒してたから実感がないな。父ちゃん母ちゃんは元気にやってるんだろか?オレいきなりいなくなったから探してるよなやっぱ。無事にやってるってだけでも伝えたいけどダンジョンだし無理だ。

「ところで、ゴブさん沸くまでたぶん2~3日かかるけど今日どうする?」
「それよなー。そこらの雑魚なら1時間で沸くのに、アイツだけ3日くらいかかりやがって。まあ中ボスよか強いからむしろ早い方なのかもしれんが」
「そういや中ボスも沸くの遅すぎ!ゴーレム沸くの一ヶ月くらいかかったんじゃない?あっ!キマイラがそろそろかも!」
「あー、キマイラなー。ソイツ見たこと無いから一度戦ってみたいとこだ」
「アイツは強いぞ!」
「火吐くとか言ってたよな。盾持ってけばソロでも何とかならんかな?」
「んー盾から体はみ出たら燃やされるかも。オレはたしかあの時、宇宙人マークⅡで突撃して倒したんだよね。炎で視界が真っ赤になったぞ」
「それなら盾じゃ厳しいか。ヒットアンドアウェイ作戦のがいいかもしれんな」

炎を避けて吐き終わったらすぐ突撃かな?次の炎来るまでに一発くらわすのは、やろうと思えば出来るかもしれんね。

「とにかく赤ゴブが沸くまで、まだまだ時間があるからガチャでも行くか?」
「ずっと修行だったから運すげー貯まってそう!それにデラックスまだ1回しかやってないから(中)魔石いっぱいあるぞ!」
「俺は地味に回してるから少ししか出来ん。そういやマジックポーションまた一本出したぞ」
「おおおおー!えーと・・・それで3つ目だっけ?」
「三本目だな。ライフポーションも毒消しポーションも大量だ。あと麻痺を治すヤツと、何か怪しい筋力増強のドーピング薬もある。んでこの前報告した銀から出た大当たりくさい万能ポーションだ。どんな状態異常でも治るみたいだぞ。一本しかねーけど」
「アニキ頑張ったなあ。お疲れッス!」
「さすがに水ガチャはもう、これくらいでいいだろう?」
「十分だ!そういやデラックスはやったん?」

たしかミノタウロスの魔石山分けした時、アニキも1回しかデラックスやらんかったはず。

「フッ・・・特攻服の壁は果てしなく高く険しいようだ。結果だけ言うと、えーとな・・・警察服とタキシード。んでナース服がかぶって、あとは長靴とバスタオルとエプロンか?まあこんなとこだ」
「やっぱ特攻服の難易度たけーな!」
「あ、そうそう!コテツにお土産あったんだ。えーとコレだ!」

「ランドセルじゃん!赤いからそれ女物だし!全然いらんぞ!!!」
「くはははっ!わかんねーぞー?その黒衣に似合う可能性ワンチャンあるだろ!」
「その手には乗らんですよ!」

そう言いながら期待に答え、赤いランドセルを背負ってみる。

「プハハハハハハハっ!」
「窮屈だなあコレ、ていっ!」

床に放り投げた。もうアニキも満足だろう。

「鑑定して笑ったんだが、そのランドセルって力5%アップ付いてるんだぞ」
「でもいらんわ!むしろ力5%アップはアニキ向きじゃん!もう装備するしかないぞ」
「高校卒業くらいの年齢でランドセルはマズいだろ!強くなる為だけにそのような業を背負う訳にはイカン!」


ランドセルだけに背負うってか!そうだ。いつかアニキにもランドセル背負わせたいからアイテムボックスに入れて置こう。隙あらばランドセル作戦だ!
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