七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

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ダンジョン編

58 かかしくん1号

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「さあ来い!」
「んじゃ行くぞー。ファイヤー!」

アニキにファイヤーが命中。

「お?熱くもなんともないな」
「んじゃ次は、もっとMP込めた奴行くぞ!」
「あ、ちょっと待った」
「ん?」

「もし結界が壊れたら、俺たぶん丸焼けになるよな」
「あーそっか。危なくて実験出来ねーな」
「ってことで、身代わり人形作って来るからちょっと待ってろ」
「ほう?」

アニキが入口から出て行った。何作るんだろ?

「出来たぞー!今から実験の身代わりとなる<かかしくん1号>だ」
「なるほど、身代わりを土魔法で作ったのか」

たしかにアレなら結界が壊れても、かかしくんが滅びるだけなので安心だ。

「んじゃ、かかしくんにお化け結界の魔法かけてくれ」
「おっけー、かかしくんにお化け白!」

かかしくんに結界が装着された。薄っすらと白く光っている。
んじゃMP込めたファイヤーぶつけてみよう。

「・・・ファイヤー!」

かかしくん1号が完璧に耐えて見せる。へのへのもへじの顔が誇らしげだ。

「やるじゃねえか!かかしくん。次は最大のファイヤー行くぞ!」

「デンジャラスファイヤー!!!」

巨大ファイヤーがかかしくん1号に衝突した。しかしなんと無傷!余裕の表情だぞ。

「ほう・・・、魔法防御力は相当高いんじゃねえか?これならボス相手でも大丈夫だろう」
「正直予想外だなー。チビ結界の青とか剣ですぐ壊れたから」
「なるほど物理攻撃か。よし、ちょっと物理防御も試してみよう」

アニキがバットを持って、かかしくん1号と対面した。

「ていっ!」

ドガシャン!!

かかしくん1号はあっけなく死んだ。土魔法製なので頭が粉々だ。

「うーん、これじゃ黒山羊の槍くらったらアウトだ。2号作って来るから、次はそれに強い結界かけてみてくれ」

アニキがまた外へ行って、かかしくん2号を作って帰ってきた。

「よし、コイツに強いの頼む。あーそういや色で硬さ変わるんだったよな?」
「そうだぞ。チビ結界で実験したときは、緑が2発で壊れて赤は倒せなかった」
「なるほど。んじゃ緑は試すまでもないだろうから赤でやってくれ」
「あいおー」

えーと、たしか緑が倍のMPで赤はその倍か。お化け白は青と一緒でMP10使うから、緑が20で赤だと40だな。
・・・2人分でMP80って結構でけえな。チビ結界も出すだろうから、ボス戦ではMP切れしないよう注意しないとな。

「かかしくん2号にお化け赤!」

赤は初めてだったけど上手くいった。薄っすら赤く光ってて、かかしくん2号が地味にカッコイイ。へのへのもへじ顔もどこか得意げだ。

「よしやるか。でもこの前赤箱に攻撃した時は、たしか弾かれてバットひん曲がったんだよな・・・」
「まあ、もしバット壊れても、バット3号作るから気にせずやっちゃっていいよ」
「そうか?なら本気でフルスイングしてみるか」

アニキがバットを構える。あ、なんかで見たことあるぞ!アレはたしか一本足打法!?

「うおらァ!!!」

ガッギーーーーン!

「うおおおおあああああ、手がああああああああああ!手ええがああああああ!!!」

ブホッ!ぷくくく、前と一緒じゃん!!あれ痛いんだよなマジで。

「うぐぐぐ、また酷い目に合ったぜ・・・。でも防御はこれで完璧だろう。あ、やっぱりバットまたひん曲がっちまったか」
「形わかってるから、曲がったバット再利用ですぐ作れるよ。たださ、2人分でMP80だから、4回でMPほぼ無くなるんだよね」
「あーー、そんなにMP使うのか。箱出したりするとそれが3回とかに減っちまうな。そういやこのお化け結界はどれくらいの時間で消えるんだ?」
「わかんない。時計無いし、なんとなくで判断するしか」
「そっか。えーと、この赤お化け出してから5分くらい経った感じか?・・・消えるまで数えてみよう」


・・・・・


「あ、消えた」
「んー、・・・10分ちょいくらいか。バフォメットはたぶん、デュラハンより硬くは無いだろう。1時間もかかるようだとマズイが、4回分の40分で決着つければなんとかなるな」
「ボスの攻撃で壊れたりしたら40分もたないぞ」
「あーそっか、攻撃を受けての結界の張り直しでMP消費するのは避けたいとこだな」
「あと、咄嗟にチビ結界作っちまったら3回とかになる」
「そこだよな・・・、戦いで何が起きるかなんて未知数だ。しかしチビ結界は極力作らないように我慢してくれ。コテツはお化け結界に集中、咄嗟のアクシデントは俺が土壁作って対処する」

結界ってすげー便利だけど、これに頼るとMPすぐ無くなるのがネックだな。バフォメット戦では転移で逃げる分のMPすら残らないかもしれない。
どうしようもなくて逃げるしかなくなったら、隣の部屋までダッシュしかねえな。

「バフォメット戦の対策はまあこんなところだろう。そろそろメシにすっべ。レバーに続いてそろそろホルモンも食えなくなる頃だから必死に食うぞ!」


レバーが腐って食えなくなった時は愕然としたからなあ。今日は本気で食わないと!
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