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ダンジョン編

50 試し斬り

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「フッ!」

ビュオン!

お?なんかいい音になってきたんでない?

「魔剣グランディスか・・・、魔剣だけあって凄いなこれは。斬撃強化だの何だのわらわら付いてる分、やっぱ普通の剣とは感覚が違う」

へーーー、オレが持ってる装備で付与が掛ったのって防具ばっかなんだよな。ダマ剣に衝撃耐性付いてたけど良くわからんかった。まあ耐性だしな~、なんだか強化っての付いてれば感覚違うのかもしれない。

「ちょっと試し斬り行ってみっか。コテツはどうする?」
「うーーーーーん、汚すの嫌なんだよなあ・・・」

ピッカピカの美しいボディーに血なんか付いたら可哀相すぎる。

「確かに綺麗なのは見てわかるが、剣って敵を倒さなきゃ作った意味が無いだろう?それってミスリルだったよな?鉄の剣との違いを確かめる必要はあると思うぞ」

ぐぬぬぬぬ、アニキが言うのももっともだ。実験から戻ったら聖水殺菌消毒すればいいか・・・。

「うーーーん、わかった。行く」


・・・・・


ってことで、やって来ましたゴブさん宅。骨は硬そうなので今日はこっち。

「オレが行ってもいい?」
「構わんぞ。そういや前にアイツと決着付けたがってたよな?」
「それはもうやったんだけど、間違って転移使ってサクッと倒してしまったから、正々堂々戦うのはアニキと出会って以来だ」
「なるほど。まああの当時より遥かに強くなった筈だし、苦戦はしないだろう」
「とは思う。まあ行ってくる!」

よし、転移だ!、いや違う、転移はダメだ!また間違うとこだった。

シュタタタタタタタ

「HEY、ゴブさん!久々に来たぞ」

「グギャギャギャギャ!!」

そうか、お前も久々で退屈してたようだな。
おっと!挨拶代わりのゴブリンパンチか!そう何度もくらわんよ。

いつもながらの重そうなパンチだが躱す。さすがゴブさん、腰が入ったいい拳だ。
だが、オレはあれから何度も修羅場をくぐって来たのだ。もうキミの拳は届かない。

「ぐはっ!」

届いた。

裏拳だとお!?今までそんな技無かったろうが!!
くそう、油断しだわ!もう決着をつける。

ミスリルソードを一閃。

「あれ?」

手応え無し。外したか!?


後ろを見るとゴブさんが二つになって倒れていた。


「・・・この剣、スゲーかも。ほとんど斬った感触無かった」
「マジかよ!いい剣作ったな!」
「っていうかね、今までのより軽くてなんか変な感じ」

軽くなった分剣速が上がって、しかも切れ味も良かったから感触無かったのかも。
ただやっぱ軽いから、ゴーレムやデュラハン相手だとぶっ壊れると思う。メイスとかと使い分けしなきゃダメだな。

「コテツ、魔石取り忘れてるぞ」

おっとそうだった。あわてて魔石を取り出す。
大事な魔石を忘れるとはオレも耄碌したもんだ。

「よし、んじゃ次は俺の番だな」
「魔剣の切れ味楽しみだな!」

ゴブさんの次ってなんのモンスだっけ?あ、見えた。そっかあの犬か!毛皮じゃん。

「サクッと行く」

ダダダダダダ

「ギャウン!」

一撃っすな。近くまで走って追いつく。

「・・・コテツが言ってたのわかったわ。切れ味が良すぎて凄く変な感じだ。そしてダメな所もわかった。コレ見てみ?破壊強化も付いてたから、これじゃ素材をダメにしてしまう」

あー・・・確かに斬り傷の範囲デカくて、毛皮を獲るとなると少し質が下がるな。

「なるほど、強すぎてもダメなんだな」
「ボスくらいの敵ならむしろ破壊力あったほうがいいが、素材を獲りたい場合この魔剣は使えん」

時と場合によって使い分けは必要なわけか。それ考えるとオレのミスリルソードは、切れ味完璧だから素材集めにピッタリじゃん!あー、犬は確か鉄球のほうがいいって結論でたけどね。

「そうだ!ならアニキ、このダマ剣使う?」
「ん?あー、そういやそんな剣もあったな。でもそれはいいわ、普段はツーハンデットソードで十分だ」
「そっか。でも今思うとその剣ちょっと武骨な作りなんで、また今度新しいの作るよ」
「んーー、武骨っちゃ武骨かもだが俺は気に入ってるぞ。コレ」

気に入ってると言われるとちょっと嬉しいね。職人やった甲斐あったな

「んじゃまたインゴット見つけたらなんか作る」
「インゴットか。中ボスで手に入れたんだよな?ってことは次は3階ボスか4階の中ボスってとこだろう。こんなダンジョンだし、どこかで鉱石でも掘れればあるのかもしれんが、鉱石の精製なんぞ出来んしな」

あーそっか!洞窟みたいなとこにいるわけだし、掘れば何か鉱石あってもおかしくはない。

「壁掘ってくのちょー大変そうだぞ。ツルハシも作らなきゃいかん」
「まあそれは気が向いたらだな。剣はガチャで出せばいいだけだし、今んとこ必要無かろう」

洞窟掘るようになったらもう完全な職人だな。そういうの嫌いではない。

「よし、んじゃここからは二手に分かれて、適当に試し斬りしながら魔石集めんべ」
「おっけー!んじゃオレ2階行ってくる」



ってことで今日は3階じゃなく2階へGOだ!クソ猿いたら魔石集めどころじゃないしな。
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