七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
上 下
27 / 183
ダンジョン編

27 チャーシュー

しおりを挟む
「なあコテツ」

コンキンコンキン

部屋に戻ってアニキの剣の修理をしているわけだが、ゴーレム用の武器も必要なんよな。オレは黒ゴブの棍棒あるから必要ないかもしれん。

「どうした?アニキ」

アニキは鑑定の特訓中だ。

「ゴーレム用の武器よ、ハンマーとか金棒ってさっきは言ったが、やっぱり金属バットにしてくれ。中身は空洞じゃなくて鉄ギッシリの壊れない奴で頼む」
「バットかー。悪くないな」
「あとよ、ラーメン作る時に使うようなデッカイ鍋も頼む。高さがあるやつな。剣集めてくっからよ」
「ほう?ラーメン作るのか?」
「いや、さすがに小麦粉も無い状態でラーメンは作れん。醤油いっぱいあるからよ、ドラゴンのバラ肉でチャーシュー作ろうと思ってな」
「おおおおおお!!!チャーシュー食いたいぞ!!」
「だろ?ドラゴンチャーシューだぞ?どう考えても美味いに決まってる」
「鍋とバットはまかせろ!」
「頼むわ。んじゃちょっと剣集めて来るぜ」

アニキの剣は修理中なのでバスタードソードを渡した。
とりあえずはアニキの剣だな。といってももうほとんど直ってるんだが、歪みがあってはならない。職人に妥協は許されないのだ。

その後アニキが持ち帰った剣で、金属バットと寸胴鍋を完成させた。鍋を火にかける時の土台と、ついでに包丁も5種類ほど作ってみた。

「バットってそんな感じよな?」
「おう、いい感じだぜ。かなり手にしっくりくる。」

アニキが素振りをしている。根本のぷっくりしてる所も再現したから、スッポ抜けはしないハズだ。

「よーし、んじゃチャーシュー作っぞー!」
「おー!」

鍋に醤油をドボドボ入れていく。んでどうやら酒も入れるようだ。

「人によって作り方も色々あるが、俺はこのシンプルな味付けが好きでな」

バラ肉を程よい大きさにカットし、鍋にどんどん投下していく。
・・・なるほど、あんまり大きい塊だと醤油が中まで染み込まないもんな。

「よし、あとは火にかけるだけだが・・・土台あったよな?」
「おう!さっき作っといたぞ」
「流石コテツだな。注文し忘れてたのに先読みして作っていたか」

そして火にかけて1時間ほどコトコト煮込んだ。その間にアニキが、俺も先読みだと言って箸を5セットほどと長い箸も作っていた。

「おーなるほど!長い箸は鍋から肉を取り出す用だったのか」
「おうよ!そーそー今度オタマも作ってくれ。スープとか作ったら必要になる」
「わかったー」

料理用の器具は全部揃える必要あるな。原始人生活から一歩前進だ!



・・・・・



「うめえええええええええええええ!!!」
「素材が高級だと、ここまで凄い物が出来上がるんだな・・・」

ドラゴンチャーシュー
こいつぁすげえぜ・・・。非常にご飯が食べたいであります!

「アニキ、ご飯が食いたいぞ」
「食いてえなあ。せめて小麦粉ありゃラーメン作れるかもしれんのによ」
「ラーメン食いてー」
「ウチの実家がラーメン屋でよ、材料さえ揃えばなんとか作れるんだがな。小麦粉と、かん水もしくは重曹、あとは卵でもあれば良い麺が作れるハズだ」
「かん水?」
「んとな、アルカリ性の水じゃなきゃもっちりした麺にならんのよ。普通の水だと、うどんになっちまう」
「その辺は聖水でなんとかなるぞ」
「いや、飲んだ感じのあの美味さとか考えても、たぶんかん水の変わりにはならんな」
「そっかー。どっちみち小麦粉無いしダメか」
「野菜とかも手に入る感じじゃないから、ここ脱出してからだろなあ」

ガチャから調味料は出るけど、食材その物は出たこと無いんだよね。
でも出てない色とかまだあるから出る可能性は無くもないか。

「ふー食った食った」
「チャーシューにしとけばいつでも食えるから半分ずつ持っとくか。あーコテツ、入れ物いっぱい作った方がいいかもしれん。チャーシュー入れたいのもあるが、聖水とか2人とも持ってたほうがいい。いつどこで怪我するかわからんしな」
「おーそうだな。聖水の入れ物ってどんなのがいいんだ?」
「普通にでかい水筒でいいんじゃねえか?コテツのように鍛冶出来ない場合は、動物の皮とかで袋作ったりするのだろうけど」
「水筒か。・・・蓋ってどんなだっけ?」
「ああ、そういや蓋の事考えてなかった。思い浮かぶのはねじる奴だな。ペットボトルの蓋もアレねじるタイプよな」
「おーなんとなくわかってきたぞ。内側にねじねじの出っ張り付ければいいか」
「言いたい事はわかる。たぶんそれだ」
「んじゃサクッと作る」
「任せた。俺は鑑定のレベル上げするわ」


ってことで入れ物を4個、水筒を2個完成させた。ねじねじが最初上手くいかず作り直したが、まあ理想通りのが出来たと思う。

「アニキ!出来たぞ」
「お疲れさん。お?いいんじゃね?」

チャーシューを切って入れ物に収納し、水筒にたっぷり聖水を補給した。

「さて行くか。・・・レジェンドを回しに!」
「とうとうこの時が来たか!」
「今回はコテツがやっていいぞ。ドラゴン戦で俺は1度離脱してるしな」
「でもトドメさしたのはアニキだぞ」
「まあそうだが、最後まで戦線を維持したコテツのほうが貢献度は高い。俺は次でいいわ」
「そっかー、わかった。んじゃ気合い入れて本気でガチャるぞ!」


レジェンドですよレジェンド!やっべーな・・・超ワクワクするぜ!
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!

ほむらさん
ファンタジー
ヘルメット、マスク、そして赤い軍服。 幸か不幸か、偶然この服を手に入れたことにより、波乱な人生が幕を開けた。 これは、異世界で赤い流星の衣装を一生涯着続けることになった男の物語。 ※服は話の流れで比較的序盤に手に入れますが、しばらくは作業着生活です。 ※主人公は凄腕付与魔法使いです。 ※多種多様なヒロインが数多く登場します。 ※戦って内政してガチャしてラッキースケベしてと、バラエティー豊かな作品です。 ☆祝・100万文字達成!皆様に心よりの感謝を! 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。  

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで商売をして生計を立てていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

クラスまるごと異世界転移

八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。 ソレは突然訪れた。 『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』 そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。 …そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。 どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。 …大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても… そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...