七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
上 下
20 / 183
ダンジョン編

20 震えが止まらん

しおりを挟む
「どうした?アニキ、何をそんなに慌てて、とりあえず落ち着け」
「バ、バカ野郎!これが落ち着いていられるか!特攻服だぞ!特攻服!」
「え?これそんなに凄いのか?」
「ちょ、ちょっとそれ良く見せてくれ!」
「お、おう」

アニキに手渡す。おー・・・なんかプルプル震えてるぞ。

「・・・・・・、コテツ、これ譲ってくれ!石なら速攻集めて来てやる!」
「いや、アニキにはよく集めて貰ってたし、タダでいいよ。アニキ使いなよ」
「いいのか?じゃあ貰うぞ。おぉ・・・やべえ、手が震える」

「よ、よし。着替えよう」

アニキが喜んでくれて良かった。気合い入れてガチャっただけのことはあったな。

「おーアニキ!背中の『天下無双』がカッコイイな!」

「・・・・・」

アニキは泣いていた。男泣きとかいう奴か。わかるぜ!その気持ち。

「コテツよ・・・、俺は今までこんな素晴らしい特攻服に出会ったことがねえ。着心地、肌触り、そして圧倒的なフォルム!全てが完璧だ。もう脱ぐことは無いだろう」
「いやアニキ、たまには着替えようぜ。臭くなるぞ」
「些細な問題だ。むしろ脱ぐほうが辛いと言ってもいい」
「でもよーアニキ、他の色のも出るかもしれねーぞ?」
「!!?な、なん・・・だと!?確かにそうだ。誰がこれ一着だけだと決め付けた!?そうか、これは始まりだったのか」
「当然だ!ガチャの可能性は無限だぞ!」
「ガチャか、すげえな・・・。正直、子供のオモチャだと思っていた。今なら、お前が興奮してた理由がよくわかる」
「よーし、そろそろ次いくぞー!他のも色々あるんだ。んじゃまずノーマルいってみっか」

えーと(小)1個か。紫の石多いから、これから使ってくかね。
ボックスに(小)入れて、と。よし光った。

「行くぜー!」

ノーマルだろうが手加減はせんよ。集中!考えるな、感じろ!

ここだ。
菩薩のような穏やかな心、無心に近づくほど冴え渡る。

ガチャコン

「色は!?・・・チッ、青か。いや諦めるのはまだ早い。中を見てからだ」

開けてみる。カードに書かれた文字は・・・塩?
ポフッと塩の入った袋に変わった。ご丁寧に『塩』と書いてある。

「なんだ塩か。・・・いやいや、これはアリだ!肉に味が付くぞ!」
「おお!いいじゃねえか!へー、ガチャって何でも出るんだな」

いや、ガチャで塩が出たのはさすがのオレでも初めてだ。てかココじゃなけりゃ塩なんか出たらぶん投げるとこだ。

「青って、説明見た感じ1番ハズレなんだろ?ハズレで塩ってコレ結構凄くねえか?」

たしかに凄いかもしれん。焼き肉のタレとか出るかな?

・・・・・

ガチャコン

「ふむ、緑か。まあ開けてみよう」

カードには【胡椒】と書いてある。
ポフッと小瓶に入った胡椒に変わった。粉にしてあってすぐ使える奴だ。

「おっしゃ!これで塩コショウでステーキが焼けるぞ!」
「いいじゃねえか!緑で胡椒ってことは胡椒は塩よりちょっと価値高いんだな」
「アニキ、醤油とかも欲しいよな?もうちょいノーマル続けてみるぞ」
「出るといいが、何が用意されているかは謎だな」

ガチャコン!

「お?力強い音が、あっ赤だ!」

カードには【歯ブラシ】と書かれていてポフッと変化した。

「よっしゃー!これは欲しいと思ってた一品だ」
「おおおお!もう一本当ててくれ、それは俺も欲しい。つーか俺もひとっ走り魔石集めて来るわ。出来れば自分の物は自分で出したいしな」
「あいよー」

大剣を担ぎアニキはダッシュで飛び出して行った。
よし、こっちは当然続行だ。

ガチャコン

青か。おーやった!味噌だ。やっぱ青も全然悪くねえぞコレ。

ガチャコン 青 塩
ガチャコン 赤 鉛筆削り
ガチャコン 赤 紙50枚
ガチャコン 赤 フライパン
ガチャコン 緑 サラダ油

そしてやっと醤油が青から出てくれた。うーん、銀以上はなかなか出ねえな。しかしフライパンと油が手に入ったのはナイスだ。よく考えたらステーキ焼くのにこういうの必要じゃん。
お?アニキが帰ってきたぞ。早かったな。

「あークソ、なんか入れ物持ってけば良かったぜ」

シャツの中からジャラジャラと魔石を取り出す。30個くらいかな?

「アニキー、醤油とか油とか出たぞ!ほら、ここにあるのが今出したやつ」
「ほーーお、肉焼くの楽しみだな。なんだコレ?鉛筆削り?コレだけあって鉛筆はねーのか」
「まだ出てない。でも少しわかってきた。赤は雑貨が出る」
「ほー、やっぱ色によって傾向があるわけか。よし、俺も回すぞ!」
「おー!とうとうアニキが動く時が来たか。どれいく?」
「当然デラックスだ!」

なるほど、違う色の服狙いだもんな。
アニキがデラックスガチャに魔石(小)を10個投入する。レバーが光った。

「これは緊張するな・・・。ちなみに運は悪い方だ」
「とにかく集中だ!そして無心になるんだ。欲を出すと失敗する」
「お、おう。なるほどな、要は気合いか」

アニキの集中がマックスになった。お、回した!

ガチャコン

「クソがー!青かよ!いや、まだ中を確認するまでは」


出てきたのはでっかい鞄だった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!

ほむらさん
ファンタジー
ヘルメット、マスク、そして赤い軍服。 幸か不幸か、偶然この服を手に入れたことにより、波乱な人生が幕を開けた。 これは、異世界で赤い流星の衣装を一生涯着続けることになった男の物語。 ※服は話の流れで比較的序盤に手に入れますが、しばらくは作業着生活です。 ※主人公は凄腕付与魔法使いです。 ※多種多様なヒロインが数多く登場します。 ※戦って内政してガチャしてラッキースケベしてと、バラエティー豊かな作品です。 ☆祝・100万文字達成!皆様に心よりの感謝を! 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。  

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~

日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!  斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。  偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。 「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」  選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

クラスまるごと異世界転移

八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。 ソレは突然訪れた。 『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』 そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。 …そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。 どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。 …大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても… そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...