16 / 183
ダンジョン編
16 ドア
しおりを挟む
「なあ、2人いるんだし打ち合いしてみねえか?」
「打ち合い?決闘か!?」
「いや決闘ってほど本気ではやらん。稽古だ稽古」
「おう、いいぞ!」
「あ、ちょっと待て。俺らには絶望的な弱点がある」
「な、なんだってー!?」
アニキが自分の体をペシペシ触る。
「装甲がやわすぎる。ぶっちゃけると防御力なんぞ皆無だ」
「おう!普通の服だしな!」
「なのであの大剣で戦ったらドラゴンの前に大怪我だ。ちょっと木刀作るわ」
「おお~木刀か~」
「あとよ、この部屋結構お宝いっぱいあるだろ?」
「お宝しかねーぞ」
「今は誰もいねーけど、泥棒が入るかもしれん。誰でも入って来れるしよ」
「んーたしかに」
「ドア付けた方がいいんでねーか?」
「おードアかー。出来るかなー?」
「あー、そうだなー・・・こう両手開きの作って」
「お城とかにある奴わかるか?こう押して開けるんだ。んで閂とかかける。俺もお城なんて生で見たことねーけど、なんとなくわかるべ?」
「かんぬき?ってのよくわかんねーけど、なんとなくわかったぞ」
「閂ってのは、まあ鍵みたいなもんだ」
「鍵かあ。どんな仕組みなんだろ?」
アニキも考えている。鍵は普通に使ってたけど、仕組みなんていちいち考えないよな?
「こう鍵を捻るだろ?すると鉄のストッパーがこう横から出てきて、外側にある穴に入るんだよたしか」
あーなんとなくかわるかもしれん。でも漠然としかわからん。
「あ、そうだ南京錠ならあるぞ。ホレ」
「おーさすがアニキだ。なんでこんなん持ってんだ?解剖してみていいか?」
「あー偶然だ。好きにしろよ、どうせ使うことなんかねーから」
「サンキュー、アニキ」
「んじゃま、作るとすっか」
「おう!」
ダブル職人の誕生である。アニキも木彫り職人目指すのかな?ライバルだ。やべえな気合い入れんと。
・・・・・
いやー苦戦した。ごちゃごちゃしてるし、バネとか俺クラスの職人じゃないと作るの無理だろ。でもこれ作った奴天才だわ。俺1人じゃ絶対考えつかねえよこんなん。
見たまんまコピーだからなんとか出来た。デカイのもいけると思う。
「アニキー・・・出来たけどすげー疲れたぞ」
「お?マジか。コテツおめーマジすげえわ。ん?でも鍵だけか?」
「ドアは明日にするー、もう今日は無理」
「そっか。まあ無理する必要はねーよ。木刀なら出来たぞ」
「おー、明日から特訓だな!」
「おう!無理しない程度になー。あー明日木取ってきてやんよ。ドアに使うだろ?」
「おー、アニキに任せたー」
やっぱアニキいい人だなー。頼りになるぜ。
************************************************************
―――――【神殿】―――――
「へーーー、ヤンキーけっこういい奴じゃない!ま、趣味じゃないけど」
人は見かけじゃ、わからないものね・・・。
ここに送ってしまったのはミスだったけど、仲良くしてくれて助かったわ。
・・・・・
それは子供とプロレスラーを、ダンジョンに送った少し後のことだった。
「殺すぞガキ!」
「あ?ヤッさんだろうが、引くつもりはねえぞコラ!」
「テメェちょっと調子に乗ってないか?このままじゃ洒落にならんぞ?」
「うっせぇ!やんのかやらんのかハッキリせえや!」
はぁ、なんで今度はヤクザとヤンキーが来るのよ・・・・・。
勇者だよね?絶対人選間違ってるでしょ!どうするのよこれ・・・。
「ほぉ、いい度胸だ。死んでも恨むなよ?クソガキ」
「上等だ!この野郎」
「はいストーーーップ!あんまりここで騒がないでくれる?」
あーめんどくさいなあ。どう見てもこの2人はないでしょ。
「あ?なんだテメェは」
「あ?なんだココは?」
はいS級ダンジョン行き確定。ヤクザのほうは・・、えーとココなんかいいんじゃない?
で、と。ヤンキーはココね。
「じゃあ、がーんばってねー」
2人は何が何だかわからないまま転送された。
・・・・・
「はぁ、疲れたわね。次こそまともなのが来ればいいけど」
送った先を一応確認してみる。
あっ!しまった!ヤンキーのほう、子供送った所じゃない!
うーん、大丈夫かなあ?まあ送ってしまったものはしょうがないわよね。
「うん。もう知ーらないっと」
次はイケメンが来るといいわねー。
この女神、結構適当である。
「打ち合い?決闘か!?」
「いや決闘ってほど本気ではやらん。稽古だ稽古」
「おう、いいぞ!」
「あ、ちょっと待て。俺らには絶望的な弱点がある」
「な、なんだってー!?」
アニキが自分の体をペシペシ触る。
「装甲がやわすぎる。ぶっちゃけると防御力なんぞ皆無だ」
「おう!普通の服だしな!」
「なのであの大剣で戦ったらドラゴンの前に大怪我だ。ちょっと木刀作るわ」
「おお~木刀か~」
「あとよ、この部屋結構お宝いっぱいあるだろ?」
「お宝しかねーぞ」
「今は誰もいねーけど、泥棒が入るかもしれん。誰でも入って来れるしよ」
「んーたしかに」
「ドア付けた方がいいんでねーか?」
「おードアかー。出来るかなー?」
「あー、そうだなー・・・こう両手開きの作って」
「お城とかにある奴わかるか?こう押して開けるんだ。んで閂とかかける。俺もお城なんて生で見たことねーけど、なんとなくわかるべ?」
「かんぬき?ってのよくわかんねーけど、なんとなくわかったぞ」
「閂ってのは、まあ鍵みたいなもんだ」
「鍵かあ。どんな仕組みなんだろ?」
アニキも考えている。鍵は普通に使ってたけど、仕組みなんていちいち考えないよな?
「こう鍵を捻るだろ?すると鉄のストッパーがこう横から出てきて、外側にある穴に入るんだよたしか」
あーなんとなくかわるかもしれん。でも漠然としかわからん。
「あ、そうだ南京錠ならあるぞ。ホレ」
「おーさすがアニキだ。なんでこんなん持ってんだ?解剖してみていいか?」
「あー偶然だ。好きにしろよ、どうせ使うことなんかねーから」
「サンキュー、アニキ」
「んじゃま、作るとすっか」
「おう!」
ダブル職人の誕生である。アニキも木彫り職人目指すのかな?ライバルだ。やべえな気合い入れんと。
・・・・・
いやー苦戦した。ごちゃごちゃしてるし、バネとか俺クラスの職人じゃないと作るの無理だろ。でもこれ作った奴天才だわ。俺1人じゃ絶対考えつかねえよこんなん。
見たまんまコピーだからなんとか出来た。デカイのもいけると思う。
「アニキー・・・出来たけどすげー疲れたぞ」
「お?マジか。コテツおめーマジすげえわ。ん?でも鍵だけか?」
「ドアは明日にするー、もう今日は無理」
「そっか。まあ無理する必要はねーよ。木刀なら出来たぞ」
「おー、明日から特訓だな!」
「おう!無理しない程度になー。あー明日木取ってきてやんよ。ドアに使うだろ?」
「おー、アニキに任せたー」
やっぱアニキいい人だなー。頼りになるぜ。
************************************************************
―――――【神殿】―――――
「へーーー、ヤンキーけっこういい奴じゃない!ま、趣味じゃないけど」
人は見かけじゃ、わからないものね・・・。
ここに送ってしまったのはミスだったけど、仲良くしてくれて助かったわ。
・・・・・
それは子供とプロレスラーを、ダンジョンに送った少し後のことだった。
「殺すぞガキ!」
「あ?ヤッさんだろうが、引くつもりはねえぞコラ!」
「テメェちょっと調子に乗ってないか?このままじゃ洒落にならんぞ?」
「うっせぇ!やんのかやらんのかハッキリせえや!」
はぁ、なんで今度はヤクザとヤンキーが来るのよ・・・・・。
勇者だよね?絶対人選間違ってるでしょ!どうするのよこれ・・・。
「ほぉ、いい度胸だ。死んでも恨むなよ?クソガキ」
「上等だ!この野郎」
「はいストーーーップ!あんまりここで騒がないでくれる?」
あーめんどくさいなあ。どう見てもこの2人はないでしょ。
「あ?なんだテメェは」
「あ?なんだココは?」
はいS級ダンジョン行き確定。ヤクザのほうは・・、えーとココなんかいいんじゃない?
で、と。ヤンキーはココね。
「じゃあ、がーんばってねー」
2人は何が何だかわからないまま転送された。
・・・・・
「はぁ、疲れたわね。次こそまともなのが来ればいいけど」
送った先を一応確認してみる。
あっ!しまった!ヤンキーのほう、子供送った所じゃない!
うーん、大丈夫かなあ?まあ送ってしまったものはしょうがないわよね。
「うん。もう知ーらないっと」
次はイケメンが来るといいわねー。
この女神、結構適当である。
3
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説

赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!
ほむらさん
ファンタジー
ヘルメット、マスク、そして赤い軍服。
幸か不幸か、偶然この服を手に入れたことにより、波乱な人生が幕を開けた。
これは、異世界で赤い流星の衣装を一生涯着続けることになった男の物語。
※服は話の流れで比較的序盤に手に入れますが、しばらくは作業着生活です。
※主人公は凄腕付与魔法使いです。
※多種多様なヒロインが数多く登場します。
※戦って内政してガチャしてラッキースケベしてと、バラエティー豊かな作品です。
☆祝・100万文字達成!皆様に心よりの感謝を!
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しています。


ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで商売をして生計を立てていく〜
西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」
主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。
生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。
その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。
だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。
しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。
そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。
これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。
※かなり冗長です。
説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる