七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

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ダンジョン編

12 新たなる敵

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「ホッ!とあっ!」

狼3匹を難なく倒す。今日は先に行きたいので毛皮は後回しだ。
あーちなみに犬じゃなかったので狼だと判断した。犬かもしれんけど。

「おっと、緑の石だけは持っていこう」

大体の場所はわかってるので、サクッと石だけ取り出す。

「おおう、、これはちょっと迷子になりそうですよ?」

前後左右に道がある状態だ。
えーと、こうやってこう来たわけだからー・・・、あーもう敵の種類で判断したほうが早いな。
骨ゾーンのあと、右が狼で真っ直ぐが木で、とにかく骨ゾーンまで戻ればすぐ部屋だ。
なんとなく右にしよっと。テクテク進んで行く。

「お!?お前はクマさんじゃないか!!」

こいつは強そうだ。クマばっか彫ってたから、とうとう出てきやがったか。
立ったら2M以上ありそうだなー。毛は黒くて硬そうだ。
だがその程度でビビるオレではない!特攻じゃ!

スタタタタタタタタタ

先制攻撃!クマの胴体を斬り裂いた。

「ヴォアアアアアアアア!!!!」

立ち上がって爪を振り下ろて来た。

「よっと!」

力は強そうだが、スピードはそれほどじゃないな。

「トドメだ!」

剣を一閃し首を落とした。

よーし、クマ倒したぞー。
思ったほど強敵じゃなかったな。1階?だからか、強い敵はそんなにいないのかもしれない。
・・・あー、いたな。すっげー凶悪なドラゴンが。ゴブさんもか。
とにかく初めてのモンスターだし、これは1回持って帰ろう。
クマの毛皮もアリかもしれん。爪もいいな。頭は・・・いらん。置いていこう。

・・・・・

「とうちゃーく。クマ獲ったどーーーー!」

もちろん他に誰もいないので独り言だ。他に誰か人いねーのかな?そろそろ人間と会話してえぞ。ゴブさんとは会話にならんしな。

さて、クマの毛皮でも作るかね~。
さすがにもうグロは慣れた。狩人にそんな甘えは許されんのだ。ちょっと形は違うけど、まあいつもの切り方でOKだろ。

毛皮を剥いで、例の如く泉でお清めに入った。
爪は何かに使えそうだからとっとくことにした。お!これがベアークロウって奴か。んーー、言うほど強そうでもないな。んで、あと赤い石が出てきたのでお宝BOX行きだ。

「うーむ、クマ肉かあ・・・」

清めてはみたけど、どうも獣臭くてあんまり食べる気せん。
ちょっと焼いてみたけど、やっぱり美味いってほどでもない。これはゴブさん行きだろう。なんて幸せな野郎だ。タダで肉食い放題とか、今度金請求せんとな。

ゴブさんに、ガンガン投げつけたら怒ってたが当然無視した。



・・・・・・



一心不乱にクマを彫っていた。
フフッ。いつものオレじゃないぜえ?

「見ろ!この立派なヒゲを!」

鼻の下にチョビヒゲ程度ではない。アゴまでモジャモジャだ。
捗るわぁ。滾るぜえ。やっと木彫り職人になれた気がする。

うむ。説明しよう。
クマの毛皮が完成したのだが、まあ手触りも悪くなかった。銀の毛皮よりは劣るってくらいで、別に全然問題はない。銀の毛皮が無かったら普通に主役だ。
だが、その色に衝撃の秘密があったのだよ。そう、付けヒゲに出来ると!
気付いた時鳥肌が立ったよ。年甲斐もなくな。

問題は何で顔に付けるかだったのだが、樹液でベトベトになってる木があってな。これは使えると確信したね。あとはホラ、この通り!

カーーーーン・・・・・彫刻刀で削るけたたましい音が鳴り響く。

(ブホッ!!!アーーーーーーーーーーーッハッハッハッハ!!フッ、バフッ!アハハッハッハッハ!バカだ!コイツ絶対バカだ!)

(何してるのかと思ったらコッチの方向いくのね。プハッ!ぷくくくく・・・)

「むっ!?誰だ!!」

周りを見るが誰もいない。うーむ、気のせいか。

(意外と勘が良いわよね?この子。あっ!魔石集めてるのかー。わかってるじゃない!でもここじゃ換金出来ないわよ?)

(うーん、そうねー。あっ閃いた!いいの作ってあげようかしら。たしかこの前、調味料とか欲しがってたわよね)

(ってことはー、えーと何種類か作って-・・・、ふふふ、まあ楽しみにしてなさい!)

コテツが木彫りに熱中してる間に、何かが決まったようである。
少し先の話になるが、コテツはこれにもの凄い衝撃を受けることとなる。


・・・・・


「完成だ・・・。渾身の力作と言えよう」

まず大きさが違う。いつもの倍だ。見よ!この咥えたシャケの踊るような臨場感。
うーむ、絵の具あればなあ・・・。これじゃまだ完成とは言えんか。

「絵の具くれー!」(はいはい)

ん?
よし、今日は非常に調子がいい。そうだ!ナイフとか作ってみっか。
小さいの欲しかったんだよなー。今ならきっといい物が出来る。
クマはとりあえず1番いい場所に置いた。



「うむ。いいナイフだ」

数種類のナイフを作った。実用性だけじゃなく、見栄えにも気を使う。
やべえな。木彫り職人として生きていくつもりだったが、鍛冶も結構な腕だ。
まあ一つの職に拘ることもあるまい。


アゴがむっちゃ痒くなったので、付けヒゲはちょっと封印することにした。
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