七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

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ダンジョン編

1 始まり

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戦場となった大平原。幾度も蹂躙され、この戦いは最早敗戦濃厚だった。

「もう無理だ・・・。このままじゃ全滅する。撤退しよう」
「隊長!我々がここで引いたら街はどうなるのです!?」
「しかしこれ以上もうどうしようも・・・」

「おい!あれってもしや」
「白と黒・・・」
「なにィ!?アレが噂の白と黒だと??」
「見たこと無いからわからんが、もしそうならこの戦いに勝てるぞ!」


死屍累々の戦場へ突如女の声が響き渡る。


『みんなに勇気を!!!生きる全ての人たちに届け!私の歌!』


その歌声は激しく美しく、聴く者は魂まで燃え上がる。

「ぐ、ぐおおおおおお!!」
「力が・・・湧いてくる!?」
「な、何が起きた!?」

力尽き、倒れていた戦士が次々と立ち上がる。


・・・・・


「アニキ、今回もハズレだ。見た感じここにはいねぇぞ」
「まあいいさ、戦場で暴れてりゃどこかで出会うだろ」
「そうだな。んじゃいっちょ派手に行こうぜ!」
「奴が出て来るまでの根比べだ!今回は赤でいいぞ。コテツ」
「オッケイ!赤結界!アニキにも赤結界!」

「んじゃ行くぜ。特攻!」



そう。これは未来に起きる戦いの記録。―――――時は遡る―――――

************************************************************





オレは黒田虎徹!小五だ。
この世にはびこる悪と戦うために毎日体を鍛えている。
基本は拳法だが武器も使える。どんな状況でも戦えてこそ一人前だからな。
勉強もそれなりにはやってるぞ!
家に帰ってまではやらんが、テストで惨敗すると母ちゃん怖ぇからしゃーない。
将来の夢はこれと言えるものはない。プロレスとか格闘技とか面白そうだけど。
拳法鍛えてるから格闘技がいいんだろうか?ボクシングはキック使えんしなー。
武器で戦う格闘技って無いのかな?すぐ怪我するからダメなんかな?とにかくだ。

今日も学校が終わってからいつものように過酷な修行をして来たわけだが、超のどが渇いた。
公園の水もうめぇが今はコーラの気分だからコンビニでも行くか!

「怒りの~炎が~大地を~焼き尽くす~。デデッデデッデデッデデッ」

魂まで燃え上がれ!灼熱のギガブレストのオープニング曲を歌いながらコンビニへ向かう。
自販機でもいいんだがこの辺に無いんだよなー。
信号を渡り郵便局の前を通って・・・お、あったあったアレだ。

あと10メートルまで来たところで、コンビニから見るからにただ者じゃない奴が出てきた。

「うおっ!」

なんで上半身裸のマッチョがコンビニに!?頭に袋かぶってるし意味わかんねー!
強盗か!?悪は滅ぼさなければならん!


「怪しい奴め!そこを動くな!」
シュタタタタタタタ

「!?」

「ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!」

ガッガッガッガッ

全身を使ってパンチキックを繰り出す。厳しい修行で鍛えた我が拳法をくらうがよい!

「チィ!」

何発か当てたが効いた感じがしねぇ。あの筋肉は伊達じゃないな。
まさか昼間から強盗に出くわすと思ってなかったから武器も何もない。
だがそれでもやらねばならぬ!正義は勝たねばならぬのだ!

「フンッ!」

チョップが来た!当たるかよ!
サッと避ける。この日のために修行をして来たと言っても過言ではない。
この程度の攻撃じゃオレは倒せませんよ?(ニヤリ)
お?袋マッチョがちょっと怒ってらっしゃる。

「フンフンフンフンフンフン!」

チョップの乱れ打ちが来た。手足を使ってそれを防ぐ。
うおおおおなんて重たい攻撃だ!やべえぞ。コイツやっぱつええ!

「ふはははは!やるじゃねえか変な奴!」

熱くなってきたぜえええ!そろそろ本気で・・・



その時足元から巨大な魔方陣が現れ2人は白い光に包まれた。




************************************************************




神が住む天、人間が住む地、その隙間ともいえる場所。そこには異空間があり、神の作った神殿が存在する。
異世界から勇者召喚された者はまずここに転送され、女神から加護を受け取り召喚された地へと送られることとなっている。



「なぜ2人なのかは知りませんが、あなた方は勇者召喚により、私たちの世界、『アリア』に召喚されました。アニメや小説とかでよくある、剣と魔法の世界です。女神アリエッタ様の眷属、シャルロットが主上の名において加護を授け」

「うおおおらああああああ!」
「フオオオオオオオオオオオオオオ!」

ドガガガガガガ!ドガッ!ドガッ!ドゴォ

袋の男は混乱していた。
コンビニに買い物に来ただけなのに、なぜ小学生からもの凄い攻撃を受けているのか?しかもけっこう痛い。・・・この子供格闘技やってないか?
とはいえ、流石に小学生に負けるわけはいかない。

「フンッ!」

少し懲らしめてやろうと振り下ろしのチョップを繰り出す。
しかし華麗に避ける小学生。ドヤ顔だ。ちょっとムカつきますね。

「フンフンフンフンフンフン!」

そうこうしてる間に魔法陣で召喚されたのだがこの2人、まったく気付いていなかった。


「おーい」


「わかった、いいだろう!これでもくらえ!!!」

右ハイキックからのー、左ハイキック!さらに右ハイキック!!空中コンボだオラ!

「ウィアアアアアアアアアアッ!!!」

「聞きなさいよ。ちょっとこっちを見・・・」

三段蹴りを全て防いだだと!?このマッチョやっぱつええ。だがな!

「!!」

「ふははははー!見える、見えるぞ!その程度の技じゃオレには届かんよ!」

「チイッ!」

かかと落としだと!?うおっ!!そこからタックルか!?

「あぶねー!その筋肉は反則だぞ!オレじゃなかったら死んでるなおい!」


「・・・もういいわ。加護は無し!転移場所は・・そうね、人が寄りつかないあそこのS級ダンジョンに決定。小部屋に泉付けとけば部屋から出ない限り死にはしないでしょう。迷宮から出られないように入り口も塞いで、と」

もう1人の袋の男を見る。

「あっちは、んーーー・・最果ての島にしましょう。筋肉すごいし大丈夫でしょう。てかもう知らん。勇者なんて来なかった」

そもそもなんで子供とプロレスラーが勇者に選ばれてるのよ?意味わかんないし。

「まあいいわ。がんばってね~」


そして2人はとんでもない所へサクッと転送されたのであった。
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