上 下
793 / 798

793 ダンジョンメンバー総入れ替え

しおりを挟む
 琵琶湖のお魚大会は最高に楽しかった。

 ただかなり長い時間釣りをしていたので、腹いっぱいになった頃にはもう18時になろうとしていた。

 かなり目立つ壁ではあるが、ディグダム城に残った奴らは1000人もの兵士を壊滅させた俺達を恐れているだろうし、探す余裕も無いだろうということで、ケンちゃん達は清光さんが作った謎の壁の中に家を建てて一泊することになった。

 翌日の朝レザルド軍の兵士に囲まれてる可能性はあるが、そうなったら皆殺しにして進むだけだし、無理そうなら転移でどこかに飛べばいいだけなので、深く考える必要も無いだろう。

 家は清光さんがパッと建ててくれたので、『じゃあまた明日な~!』と、元メタルヒーローの四人は転移で帰還した。

 もちろん俺はアリアダンジョン組を迎えに行かねばならないので、親父を連れてガチャ部屋に転移し、良いアイテムをゲットしてホクホク顔のピピン達を回収してから流星城に帰還した。

 今のメンバーはダンジョン最終日だから、かなり無理して暴れまくって疲れていたようだが、誰もがやり切ったって表情でとても満足していたぞ!





 ************************************************************





 身分上位者との嫁バトルを全て乗り越えた俺はもう無双状態で、当然のように睡眠時間をたっぷり確保し、新メンバーと共にアリアダンジョンにやって来た。


「ダンジョンかと思ったら部屋じゃねえか!」
「意味わかんない!どういうこと?」
「ココはどこにゃ?」
「もうアリアダンジョンだぞ。ダンジョンの中に虎徹さんが部屋を作ったんだ」
「なるほど。確かに壁がダンジョンっぽいな!」
「ダンジョンに部屋を作るとは面白いことをするのう!」


 というわけで今回のメンバーは、ゴマちゃん、シャイナ、ニャルル、セレスティーナ、レムの5名だ。

 残念ながらパメラは学校の教師見習いを鍛えるのに忙しいから、旅のメンバー全員集合とはならなかったが、本当に頑張ってくれているので、パメラとルルとマリアナを同じメンバーにし、身分の枠外であるチャミィ+メメ+メルティー様+ララの子供組4名を参加させていいって事にするつもり。

 先生達の準備が整ったら開校するって流れなので、どこにダンジョン攻略を入れるか悩むとこなのだが、やっぱ学校が始まる前じゃなきゃダメだよな~。

 ぶっちゃけると、ウチの子達に学校を仕切ってもらいたいと思ってるんで、開校前にレベル上げしておくのはアリなのだ。4階層なら子供達でも楽勝だから、耐性さえ上げてしまえば大暴れすることが出来るだろう。

 ちなみに城主達は論功行賞が終わったばかりで非常に忙しいので、ユリやフィオリーナなんかは今回の参加を見送ったのだ。でも次回あたり参加できるように仕事を頑張ると張り切っていたぞ!


「ねえ小烏丸。やっぱ最初にゴブリンよね?」
「説明は全部終わったのか?」
「うん」
「じゃあゴブリンだ!そこからの流れは分かってると思うんで、あとは全てソフィアに任せる。俺はそろそろ行かねばならん」
「了解!そっちも頑張ってね!」
「おう!みんなアリアダンジョンとガチャを楽しんでくれな!」

「「アイアイサーーーーーーーーーー!!」」


 今回のメンバーは全員強いし、引率のソフィアが付いていれば大丈夫だろう。
 彼女はリーダーシップがあって頼もしい女性なのだ。

 引率を誰に頼むか迷ったんだけど、お嬢は大和の国に行ってしまったし、ルシオは夜伽で生きる屍と化すだろうし、アイヴィーやボヤッキーはどうも隙があって、信頼できるかとなると少し怪しいので、ソフィアを選択したわけです。

 ゴブリン通路から『うにゃあああああ!』とか聞こえてきたが、構わず琵琶湖ハウスに転移した。


「お、全員起きてるな」
「敵に囲まれてる様子はあるか?」
「無人だ。我らが街を去った事に気が付いていないようだ」
「んじゃオレらはダンジョンに戻るぞ!」
「清光さん、壁の撤去だけお願いします」
「家はどうする?」
「またここに戻って来るわけですし、残しておけば何かに使えるかも?」
「家があれば釣り人が寝泊りできますね!」
「残しておいて下さい!」
「わかった」


 次の街まで遠いので、メタルヒーローが全員ついて行く必要は無いのだ。

 なので今回は俺一人だけゼーレネイマス達と行動を共にし、清光さんと虎徹さんは労役デーだ。親父はすでに道路公団の仕事に向かった。サボり過ぎてグミの怒りが有頂天なので、『顔出すのが怖えよ!』と震えていたな。


「撤去完了だ。明日は俺とサイダーが近江を担当するってことでいいんだろ?」
「はい。でも転移係が一人同行する必要があるってだけで、スピルバーンは労役してて構いませんよ?」
「労役よりこっちの方がいいに決まってるだろ!魔石集めは二日に一回で十分だ」
「ギャラバーンは?」
「仕事をサボり過ぎてヤバイんで、イルミラに到着するまで仕事させときます」
「わはははははは!メタルヒーローの私生活が意外と忙しいのウケる!」
「こう見えて全員社畜だからな!」
「んじゃ今日も労役頑張りますか~」
「労役って、言うほど社畜か!?」
「細かいことは気にすんな!」


 清光さんと虎徹さんが姿を消した。
 普段から騒がしい人達なので、居なくなるとちょっと寂しいな。


「ピカピカが1人になった!」
「みんな色々と忙しいんだよ」
「でも確かに、次の街まで散歩するだけっスからね~」
「今日中に村が見つかればいいんだけど・・・」
「ああ、スピルバーンがいないと寝る場所に困るもんな」
「わっはっはっは!それなら俺に任せてくれ!」

 セイヤに??どういうこっちゃ。

「京の都で大工でもやってたんか?」
「違いますよ!こう見えて土魔法が使えるんです!」
「本当に!?凄いじゃない!」
「へーーーー!そいつは知らなかった」
「それなら村が見つからなくても大丈夫だね!」

 セイヤが土魔法使いだったとはな~。
 ダンジョンでどれほど鍛えたのか見物だな。

「よし、そろそろ行くぞ」

「「ういっス!!」」


 メタルヒーローは俺一人になってしまったが、同行者が五人いるし寂しいって程ではないな。北海道での旅を思い出すぜ・・・。

 さて、一日中歩き続けるツアーの始まりだ!
 
しおりを挟む
感想 418

あなたにおすすめの小説

ド底辺から始める下克上! 〜神に嫌われ無能力となった男。街を追放された末、理を外れた【超越】魔法に覚醒し、一大領主へ成り上がる。

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
この世界では、18の歳になると、創造神・ミーネより皆に魔力が授けられる。 捨て子だったハイネは教会に拾われたこともあり、どれだけ辛いことがあっても、ミーネを信奉し日々拝んできたが………   魔力付与式当日。 なぜかハイネにだけ、魔力が与えられることはなかった。日々の努力や信仰は全く報われなかったのだ。 ハイネは、大人たちの都合により、身体に『悪魔』を封印された忌み子でもあった。 そのため、 「能力を与えられなかったのは、呪われているからだ」 と決めつけられ、領主であるマルテ伯爵に街を追放されてしまう。 その夜、山で魔物に襲われ死にかけるハイネ。 そのとき、『悪魔』を封印していた首輪が切れ、身体に眠る力が目覚めた。 実は、封印されていたのは悪魔ではなく、別世界を司る女神だったのだ。 今は、ハイネと完全に同化していると言う。 ハイネはその女神の力を使い、この世には本来存在しない魔法・『超越』魔法で窮地を切り抜ける。 さらに、この『超越』魔法の規格外っぷりは恐ろしく…… 戦闘で並外れた魔法を発動できるのはもちろん、生産面でも、この世の常識を飛び越えたアイテムを量産できるのだ。 この力を使い、まずは小さな村を悪徳代官たちから救うハイネ。 本人は気づくよしもない。 それが、元底辺聖職者の一大両者は成り上がる第一歩だとは。 ◇  一方、そんなハイネを追放した街では……。 領主であるマルテ伯爵が、窮地に追い込まれていた。 彼は、ハイネを『呪われた底辺聖職者』と厄介者扱いしていたが、実はそのハイネの作る護符により街は魔物の侵略を免れていたのだ。 また、マルテ伯爵の娘は、ハイネに密かな思いを寄せており…… 父に愛想を尽かし、家を出奔し、ハイネを探す旅に出てしまう。 そうして、民や娘からの信頼を失い続けた伯爵は、人生崩壊の一途を辿るのであった。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉

まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。 貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

処理中です...