上 下
739 / 803

739 バイクでドワンゴさんの城に向かう

しおりを挟む
 三河で購入した塗料をエルフ達にお届けし、パメラの授業は最終段階のペイント作業へと移行した。

 ミスフィートさん達も全員赤い流星専用ザキュに試乗したので、とりあえず俺の出番は終了かな?

 ゴーレムも預けたので、あとは彼女らが自主的に特訓してくれるだろう。
 本当は俺もやらなきゃダメなんだけど、忙しすぎて無理だ。

 とりあえず今日はもう何もする気が起きなかったので、再びアリアダンジョンに転移し、ミリーが可愛い服をゲットして大喜びしている姿を見て皆で祝福してから流星城に戻って来た。

 恩賞の服が全然足りてないから、明日は俺もガチャを回しまくらんとな~。
 女性服以外にも面白い物が出るといいんだけど。

 風呂に入ってサッパリしてから身嗜みを整え、トラネコ城へと転移した。


 バタン


「フィオリーナ、本当に長い間待たせちまってすまなかったな」
「ホントだよ!賞味期限が切れたらどうするのさ!?」
「賞味期限とかあったのかよ!」
「当たり前です!いつまでも若いと思ったら大間違いなんだから!」


 そんな会話をしながらも次第に夜伽ムードになっていき、彼女の服を脱がせたところで目を見開いた。


「おお!すごく可愛らしい下着じゃないか!」

 その言葉を聞き、フィオリーナが笑顔になった。

「良かった~、小烏丸が気付いてくれた!」
「あっ、もしかしてコレって最新式の下着なのか!?」
「そうなの!このデザインは私専用だから、店に行っても買えないんだよ!」 
「へーーーーー!自分専用の下着とは面白い!」
「もちろん他の下着も全部気合入れて作ってるから、トラネコの女性はみんな可愛い下着を着けてるんじゃないかな?たぶん服よりも下着の方が可愛い」
「なんかバランス悪い街だな!旦那さんは喜ぶかもしれんけど」
「服の方も追いつかせないとだよね~」


 昔、フィオリーナに下着の第一人者になるよう勧めたことがあったんだけど、彼女は本当に下着の研究を続けていて、トラネコ城主になったのを切っ掛けに『フィオーラ』という自分のブランドを立ち上げたのだ。

 ただいきなりの下着専門店は敷居が高く、正直客の入りがイマイチだったようで、大量のエルフ達を抱え込み、アパレルショップとして恩賞の服を参考にした服を売りに出したところ、これが大ヒット。

 今や尾張の国では、『フィオーラ』の服を着ているのが一種のステータスとなっているようだ。

 地球にも同じ名前のメーカーとかありそうだけど、こっちには無いだろうし気にしたら負けだ。それにフィオリーナの名前をもじっただけだしな。

 当初はルーサイアがオシャレの街になるハズだったんだけど、今やトラネコの方がオシャレな街として女性達の憧れの街となったのです。

 とはいえオシャレ特化の街なんで、街並みなんかはルーサイアの方が圧倒的なんだけどね~。


「こんな可愛い下着で夜伽に臨むとは、覚悟の上なんだろうな!?」
「私はこの日の為に研究を重ねてきたのよ?全力で掛かって来なさい!」
「お前の覚悟、しかと受け取った!では尾張軍師小烏丸、参る!」


 ―――――当然この夜はめっちゃ荒ぶった。





 ************************************************************





 翌日。

 お嬢達をダンジョンに放流した後、一人ガチャ部屋に籠ってデラックスガチャをぶん回しまくった。

 狙いは恩賞の服くらいなので、いい具合にリラックスしてたのが良かったのか、思った以上に女性服を手に入れることが出来た。

 これだけあれば、論功行賞で服が足りないって状況にはならないと思う。

 魔石が足りなくて、中ボスクラスの大きな魔石を結構消費してしまったのが少し痛かったけど、まあ必要経費なんでしゃーない。

 北海道と佐渡ヶ島で腐るほど集めておいたので、まだまだ大量に残ってるし問題あるまい。

 ガチャは昼前に終了したので、次の任務としてバイクでドワンゴさんの城へ向かうことにした。

 論功行賞までに、ドワンゴさんの城でセーブしなくちゃならんのだ。
 絶対一日じゃ辿り着けないけどね。

 美濃から流星城まで来るのに機関車だと何日も掛かってしまうからさ、だったら俺が転移で送迎しますと提言してしまったもんで、論功行賞の日時が早まったという経緯があるわけですよ。

 どっちみちミスフィート領の全てを網羅するつもりだったから、これもいい機会でしょう!

 いずれ摂津国・和泉国・丹波国にもセーブしに行かなきゃならんのだけど、そっちは道路が舗装されていないのでちょっと大変そう。

 まあ、その時はその時か~。

 本当は伊勢のパラスナグア城にもセーブしに行かにゃならんのだが、伊勢の国ってめっちゃ広いんだよね・・・。だから今回は普通に機関車で来てもらうことになっている。っていうかもうすでに機関車で移動中だろう。

 というわけで尾張と美濃の国境まで転移し、そこからドワンゴさんの城目指してバイクを走らせた。



 ガタガタン!


「うおっ!」


 線路に沿って移動してるんだけど、舗装されてないから結構怖いぞ!

 機関車で来れば楽だったんだけど、軍用機関車は専ら輸送用として尾張から京の都の往復に使われてるんだよね~。

 ミスフィート領はデカくなっちまったってのに、機関車の数が足りなすぎる!
 ドワンゴさんとこに着いたら機関車を作ってもらおう。

 ただ美濃の開拓に人手が必要なのも確かなんで、今こそ甲斐の国から労働力を派遣してもらう時だな。ゴーレムがわらわらやって来たらビックリしそうだが。

 よーし、セーブが終わったらライオウの城に行って交渉だ!
 
しおりを挟む
感想 419

あなたにおすすめの小説

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

追放シーフの成り上がり

白銀六花
ファンタジー
王都のギルドでSS級まで上り詰めた冒険者パーティー【オリオン】の一員として日々活躍するディーノ。 前衛のシーフとしてモンスターを翻弄し、回避しながらダメージを蓄積させていき、最後はパーティー全員でトドメを刺す。 これがディーノの所属するオリオンの戦い方だ。 ところが、SS級モンスター相手に命がけで戦うディーノに対し、ほぼ無傷で戦闘を終えるパーティーメンバー。 ディーノのスキル【ギフト】によってパーティーメンバーのステータスを上昇させ、パーティー内でも誰よりも戦闘に貢献していたはずなのに…… 「お前、俺達の実力についてこれなくなってるんじゃねぇの?」とパーティーを追放される。 ディーノを追放し、新たな仲間とパーティーを再結成した元仲間達。 新生パーティー【ブレイブ】でクエストに出るも、以前とは違い命がけの戦闘を繰り広げ、クエストには失敗を繰り返す。 理由もわからず怒りに震え、新入りを役立たずと怒鳴りちらす元仲間達。 そしてソロの冒険者として活動し始めるとディーノは、自分のスキルを見直す事となり、S級冒険者として活躍していく事となる。 ディーノもまさか、パーティーに所属していた事で弱くなっていたなどと気付く事もなかったのだ。 それと同じく、自分がパーティーに所属していた事で仲間を弱いままにしてしまった事にも気付いてしまう。 自由気ままなソロ冒険者生活を楽しむディーノ。 そこに元仲間が会いに来て「戻って来い」? 戻る気などさらさら無いディーノはあっさりと断り、一人自由な生活を……と、思えば何故かブレイブの新人が頼って来た。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

見よう見まねで生産チート

立風人(りふと)
ファンタジー
(※サムネの武器が登場します) ある日、死神のミスにより死んでしまった青年。 神からのお詫びと救済を兼ねて剣と魔法の世界へ行けることに。 もの作りが好きな彼は生産チートをもらい異世界へ 楽しくも忙しく過ごす冒険者 兼 職人 兼 〇〇な主人公とその愉快な仲間たちのお話。 ※基本的に主人公視点で進んでいきます。 ※趣味作品ですので不定期投稿となります。 コメント、評価、誤字報告の方をよろしくお願いします。

処理中です...