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729 美女コンビ最終日。そしてミリーが可愛い
しおりを挟む「へ、変態大王・・・恐るべし・・・」
ガクッ
最後まで抵抗を続けていたナターシャがとうとう力尽きた。
「ふぅ、何とか撃破したか。お前もよき強敵だった・・・」
ナターシャとフローラをタオルでふきふきしてから布団をかぶせた。
「かつて、俺の大好物である幼女風にも拘らず、闘い続けた双子姉妹がいた。その強敵も俺の中に生きている」
時計を見ると6時55分。
うお、タイムリミットギリギリじゃないか!
こりゃ朝食をとっている時間は無いな。ダンジョンでイカでも焼いて食うか。
ピピン隊はまだ放っておいてもいいだろう。コピーが終わったら報告しに来るハズだから、その時に『無線綴じ』を頼もう。
すごいブーイングが予想されるけど、これはルシオを救う為なんだ!
体力さえ回復すれば、彼も元気な姿で現れるんじゃないかな~。
まあ俺もこんな有様だから、人の心配をしている余裕は無いんだけどさ・・・。
とにかく最大の山場は乗り越えた。これで少しは時間に余裕もできるだろう。
次の相手はミリーだし、昼夜逆転生活も今日で最後だな!
美女コンビが子を授かっていることを祈りつつ、流星城へ転移した。
・・・・・
「そうだ!まだちょっと早いんだけど、全員、魔石を100個ほど残しといてくれ」
「どうしてよ?」
「少し前に虎徹さんが宇宙刑事サイダー欲しさに魔石を横領して、ガチャをぶん回しまくった話をしたろ?」
「三河軍に囲まれて袋叩きにされたってヤツっスね!」
「でもその時は結局出なくてさ、次の日また挑戦したいのと、あと罪の意識もあったようで、手に入れたアイテムを売り捌く為に『コテツ商店』を開いたんだ。もちろん金が欲しいわけじゃないから、どれでも一つ魔石10個で買える店だ」
「む?魔石が10個あったらガチャが回せるではないか」
ミスフィートさん、その言葉を待っていた!
「重要なのは『好きなアイテムを選べる』ってところです。ガチャは必ずしも欲しいアイテムが手に入るわけじゃない。例えば可愛いテーブルが欲しくても、そう簡単には出ないのです」
「確かに『服』という広い範囲ならいいが、一点狙いは難しいか」
「だからチャンスだと思い、『コテツ商店』で家具なんかを大量に仕入れておいたんです。そうすれば軍の皆に横流しできるじゃないですか。ただ手持ちの魔石がほとんど無くなってしまったんで、買値と同じ魔石10個は回収したい」
「そうか!皆の為を思って、代わりに買っておいてくれたのだな!」
今の説明で言いたいことが伝わったようで、皆ウンウン頷いている。
「可愛いベッドとかも有りますの?」
「もちろんあるぞ!女性服の呪いが掛かった俺が選んだ家具だぜ?女性が好みそうな家具がどういった物なのか、大体分かってるつもりだ!」
「アタシは可愛いのよりカッコイイ家具がいいんだけど?」
「安心しろ。格好良い系もいっぱい揃えてある!」
「これは期待できそうね!」
「じゃあさ、城に帰ったら見せてもらっていい?」
「そうだな~。夜伽があるから30分くらいしか時間を取れないけどいいか?」
「今日は見るだけだから、それで十分っス!」
「楽しみですわね~♪」
先にダンジョンに来ているメンバーが好みの家具を選んでしまうことになるけど、その辺は身分上位者の特権かな?
とかいって一番得をしたのは、尾張に帰国していなかったチェリンとグミなんだけどね。コテツ商店で直接買い物できたしラッキーだったよな~。
親父は玄人志向な家具を選んでいたから、他の人に影響はなかろう。
・・・というわけで、夕食後に小烏丸商店をオープンすることが決まり、嫁軍団をダンジョン4階層に送り込んでから、俺はイカ焼きを食って就寝。
いつもの時間に起きてから、アイテムボックスの拡張を開始した。
気付くといつの間にか虎徹さんが床に転がっており、ガヤガヤと嫁軍団がガチャ部屋から戻って来たので、『今日もご苦労さん!』と労ってから流星城へ帰還。
今日も狩りを頑張って全員腹を空かせていたから、まずは食堂で夕食を頂く。
いつもならすぐに風呂に入って夜伽に備えるんだけど、女性らは基本的に長風呂なので、その前に小烏丸商店をオープンすることにした。
玉座の間に移動し、家具をガンガン並べていく。
「うっひょ~~~~~!家具の放出が止まらないっスーーーーー!」
「まさかここまで選び放題だとは思わなかった!」
「驚きましたね!これなら間違いなく欲しい物が見つかりますよ」
「凄いな!私も家具が欲しくなったぞ!」
「遠慮しないで買っちゃえばいいよ!こんなにいっぱいあるんだから」
「あーーーーっ!豪華なベッドが出ましたですわ!あんなの絶対買いますわ!!」
「ビックリ。欲しい物がありすぎて目移りする!」
「これを買わないなんて有り得ない。ガチャを我慢する価値がある!」
今日はウィンドウショッピングだと分かっているので、放出をストップした。
皆の立っている所まで引き返す。
「さっきは魔石を100個ほど残してくれって言ったけど、最大20点まで買っていいからな!」
「エーーーーーーーーーー!?20個までなの?」
「この後ダンジョンを攻める人達の分も残さなきゃならないからな~。足軽大将からは一人5点までにする予定だ。身分上位者は城持ちだったり部下も大勢いるから、家具も必要だろうと思って20点にしたんだ」
「なるほど!むしろ優遇されていたのですね」
「十分。足りなかったらガチャで手に入れればいいだけ」
そんなこんなで、嫁軍団は30分かけて家具を見て回った。
もうみんな買う気マンマンって感じだから、明日からガチャを控え目にするんじゃないかな?まあその辺の調整は個人に任せる。
というわけで嫁軍団のウィンドウショッピングも終わり、風呂に入ってレイリア城へと転移した。
ガチャッ
「あ、とうとう来ちゃった!!」
ドキドキしながら待っていた感じのミリーを見て微笑み、ゆっくりドアを閉めた。
「ねえ小烏丸くん。わたしと出会った時のこと覚えてる?」
「出会った時?」
ミリーと出会ったのって、反乱軍のアジトの中だったか?
・・・いや、違う!
ジャバルグ軍の悪党共に人質に取られていたんだ!
ミスフィートさんも手が出せず、絶体絶命のピンチって状態だったハズ。
「そうだ!ジャバルグ軍に追い詰められていたんだ。アレは本当に危なかったな!ミスフィートさんも大ピンチだったし、ホント間に合って良かったよ」
すぐ思い出せたのが功を奏したのか、ミリーが微笑んだ。
「わたしね、あの時『もうここまでかな?』って諦めてたの。そしたら赤い恰好をした変な人が現れて、ジャバルグ軍のヤツらを瞬殺したの!」
「赤い変な人言うなし!」
「あははっ!でもあの時の小烏丸くん、本当に格好良かった・・・」
ミリーが優しく微笑みながら涙を零した。
「あの日からずっと大好きでした。そして死ぬまで大好きです」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
彼女の可愛らしい告白を聞いて、涙腺が完全に崩壊した。
がばッ
「うおおおおおおおおおお!!ミリー、一生大切にするからな!!」
「・・・うん!」
―――――当然ながら、日が昇るまで蹂躙した。
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