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721 シルヴァラさんに大感謝される

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 罰ゲームに等しい記念撮影も終わり、これにて金カプセル漢気三本勝負イベントが終了した。

 しかし宇宙刑事編が終わったワケではない。
 俺はこの先命尽きるその時まで、宇宙刑事として生きねばならぬのだ。

 とりあえず自分の姿が見たかったので、最近ガチャ部屋に置かれたままの等身大の鏡の前に立ってみる。


「うむ。どこからどう見ても宇宙刑事シャアリバーンだな。重ね着したような感じがしないから、赤い流星の衣装の上から着ているわけではないのかな?」
「俺もそこは非常に気になっているのだが、たぶん着替えたような状態なんじゃねえか?大バカ殿様の衣装が中に収納されていたらもっと窮屈なハズだし」
「赤い流星のあの特殊なヘルメットが飛び出てねーもんな!」
「あーそっか!あのヘルメットの方が横幅がありますもんね」

 鏡で自分の姿を見ていたら、腰にホルスターが付いていることに気が付いた。

「そうそうこれ!」

 ホルスターから銃を抜いてみた。

「銃が標準装備されてるとかやばくない?サイダーの腰にもホルスターがぶら下がってますよね。ギャラバーンは丸腰だけど」
「シャアリバーンの銃はクライムバスター銃って名前だぞ!ちなみにオレのはビデオビーム銃だ!」
「確かにギャラバーンは丸腰だが、ビームなら撃てるぜ?」
「なにィ!?剣だけじゃなく銃も呼び出せるのか!」
「いや、ギャラバーンに銃など必要無い。手からビームが出せるんだよ」
「マジで?そっちの方が高性能じゃん!」
「ん~~~、実はそうでもない。威力が無さすぎて使い物にならんのだ」
「ビームなのに!?」
「オレのビデオビーム銃もポンコツだぞ!」
「エーーーーーーーーーー!じゃあこれも期待できねーじゃん!」

 でも確かに、銃を撃ちまくれたら反則すぎるもんな~。
 バランスを崩壊させない為に、威力を削がれたということなのだろう。

「ビームの威力が強すぎると格闘戦をする意味が無くなってしまいそうだし、オモチャの銃くらいで丁度いいんじゃねえか?」
「オレは今の仕様に満足してるぞ!やっぱパンチキックで戦った方が絶対おもしれーもん。どうしようもない時だけレーザーソードだ!」
「剣は得意だけど、体術は正直自信が無いんですよね~」
「体術ならやっぱ10階層のアビスゴブリンに教わるしかねーかもな。今度10階層で宇宙刑事合宿しようぜ!」
「アイツに素手で闘いを挑むのってかなりヤバそうだな~」
「そんなに強いのか?」
「刀で挑んでも生きるか死ぬかの大勝負になる最強ゴブリンだ」
「俺も何回か大怪我させられてるぞ!アイツとやるときは未だに緊張するしな」
「へ~~~」


 思えば清光さんが静かだなーと思ってガチャ部屋を見渡すと、向こうで黒い特攻服を広げてニヤニヤしていた。

 宇宙刑事の衣装を回避して喜んでいただけじゃなく、マジで特攻服を手に入れたことに感動してたのかも。

 視点を右に変えると、ニーニャさんとシルヴァラさんが、ウチの嫁軍団と談笑しているのが見えた。


 ・・・と思ったら、シルヴァラさんがこっちに歩いて来た。


「小烏丸には本当に感謝してるのよ!」


 ムム?


「シルヴァラさんが俺に感謝を?・・・んんん??何かしましたっけ?」


 彼女とはほとんど接点が無かったから、感謝されるような事をした記憶がまったく無いんですけど・・・。

 親父と虎徹さんも不思議そうな顔をしている。どっちも宇宙刑事マスクだけど。


「この前キヨミツを煽って焚きつけてくれたじゃない!おかげで、もう毎日寝る暇も無いくらい子作りを頑張ってるの!そろそろ妊娠した頃だと思うのよね~♪」


「「ブホッ!!」」


 ああ、ダンジョン交渉が成立して、清光さんにソロモンとか言われた時だ!

 ちょっとムカついたから、『すぐにでも孕ませるべきです!じゃないと俺の子が先輩ヅラしますよ?』とか言った記憶がある。

 そうか~!俺が清光さんを煽り倒したのが功を奏して、シルヴァラさんが大願成就したんだ。本当に良かったですなあ~。


 タタタタタッ


「そう、それにゃ!!キヨミツが本気で子作りを始めたからコテツもとうとうその気ににゃってくれたんにゃ!それからはもう毎日愛し合ってるにゃ!あたしも妊娠間違いにゃしにゃ!!」

「お、おい、ニーナ!ちょっと恥ずかしいから、ここでその話をするのは・・・」

「何だと!?三河でも子作りが流行し始めたのか!!」

「「詳しく聞かせて!!」」


 突然シルヴァラさんとニーニャさんが子作り事情を語り始めたので、ウチの嫁軍団が興味津々で飛びついてしまった。

 女三人寄れば姦しいと言うが、今日は女性だけで10人以上集まっている。しかも全員が夜伽を経験したばかりで、毎日そんな話で盛り上がっている人達なのだ。


「うっひょーーーーー!毎日とかメッチャ羨ましいんですけどーーーーー!」
「旦那様を毎日独占できるなんて本当に羨ましいですわね~」
「ウチらなんて一発勝負っスからね~。それで孕むのは難易度高いっス!」
「だが生まれた子供が同世代となれば友達になれそうだな!」
「そうそう!小烏丸がね、『今すぐ子作りしないと俺の子が先輩になるぞ!』って煽ってくれたみたいなのよ!」
「アハハハハハハ!それで清光くんが動くしかなくなったんだ!」
「コテツも、『オレの子を小烏丸の子の後輩にするわけにはいかねー!』って対抗心丸出しにしてたにゃ!」
「あーーーーっはっはっはっはっはっはっは!」


 視線を左側に戻すと、清光さんの笑顔が消えていて、完全にフリーズしていた。

 間違いなく、俺の顔も虎徹さんの顔も恥ずかしさで真っ赤になっているのだろうけど、宇宙刑事のマスクのおかげでバレずに済んだ。

 しかし嫁軍団の話は盛り上がる一方なので、とてもこんな部屋には居られないと、ガチャ部屋を脱出した。

 そして男四人は最初の部屋まで移動。

 嫁軍団の盛り上がりはまだまだ続きそうだったので、虎徹さんの宇宙刑事の衣装と清光さんの黒い特攻服をゆっくり強化しながら時間を潰すことにした。

 思わぬ付与サービスに二人は感謝してたけど、すごく変な空気だったのは言うまでもないだろう。
 
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