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717 罰ゲームの回避に集中する
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二口目のカレーでまたもや床をゴロゴロ転がる羽目になったが、聖水のおかげで何とか一命を取り留めた。
もちろん清光さんも甚大なダメージを負っているので、一瞬にして噴き出した汗をタオルで拭いている。
「ふーーーーー、そろそろ続きを始めっか・・・」
「あ、そうか!罰ゲームが過酷すぎて順番すら分からなくなってましたよ。でも清光さんって宇宙刑事になる為に生まれてきたようなもんですし、次で決まりかな?」
「残念ながら俺の両親は普通の一般人だ。父親が宇宙刑事という超エリートの家系である小烏丸こそが二代目に相応しいだろう。悔しいが俺には荷が重すぎる」
「大丈夫です。親友が宇宙刑事サイダーになったじゃないですか!清光さんが宇宙刑事になることを心から望んでいる虎徹さんを信じるのです!」
向こうを見ると、虎徹さんが清光さんを見ながらサムズアップしていた。
「くッ!」
これ以上は泥沼に嵌ると思ったのだろう。
清光さんがデラックスガチャに魔石を入れ始めた。
虎徹さんがサムズアップしたおかげもあり、開始前の舌戦で結構なダメージを与えることに成功したので、あとは金カプセルが出るのを待つばかりだな。
ガチャコン! キュピピピン!
「「きたああああああああああーーーーーーーーーー!」」
「なにィ!一発で金カプセルだと!?」
「今、宇宙刑事ギャラバーンと宇宙刑事サイダーの顔がカットインしてましたよ!間違いなく宇宙刑事確定演出です!」
俺の会心のセリフが刺さったのか、清光さんがコメカミに青筋を立てながらカプセルを開けた。
「嘘だろ?何でまた【服】なんだよ!!」
「やったーーーーー!清光さん万歳!宇宙刑事万歳!」
―――――しかし出てきたのは、黒い羽織袴だった。
「よっしゃ、ぐおおおおなんてこったーーーーー!またダメだったか!!」
「クッソ・・・、うおおおおお!やったぞーーーーーーーーーー!」
清光さんは喜びかけ、俺も一瞬悔しがってしまったので、審判二人の眉間に皺が寄っている。このままじゃマズイと思い、畳み掛けるように全力で誤魔化す。
「いや~、絶対に宇宙刑事が出たと思ったんだけどな!すごく残念だぜーーー」
「やはり運命の女神は俺に微笑んだかな?あの衣装は人を選びますからね~」
ピーーーーーーーーーーッ!
「今のは際どいぞ?どうする?」
「イエローってとこじゃね?」
「そうだな。じゃあ普通のカレー二人分だ」
「はいは~い」
すかさず言動を反転させたのが功を奏し、俺も清光さんもギリギリのところでレッドカードを回避することが出来た。
「危ねえ!またレッドをくらうとこだった」
「あの激辛カレーをもう二口は致命傷になり兼ねませんからね」
「つーか、朝からカレーのおかわりも地味にキツイぞ・・・」
「と言っても、食う選択肢しかないですし」
決戦の為に、しっかり朝メシを食ってきたのは失敗だったかもしれん。
清光さんも罰ゲームの内容を知らなかったから、たぶん俺と同じ状態だろう。
でも何だかんだでカレーは美味しかった。
「ふーーーーー、二本目か・・・」
「チャンスが無限にある小烏丸が羨ましいぜ。俺は二回外してしまったからもう無理だ。せめてお前が宇宙刑事に就任する姿を瞼に焼き付けるとしよう」
「無限ではないですね!次に清光さんが宇宙刑事の衣装をゲットしてしまう可能性の方が遥かに高いですし、正直もう完全に諦めてますよ」
「そもそも宇宙刑事シャアリバーンといえば赤いコンバットスーツだものな。赤い服が良く似合うお前が宇宙刑事に就任する為のイベントだったか・・・」
くッ!とうとう『シャアリバーン』という名前まで出して来よったわ。
俺も清光さんのターンの時に、『宇宙刑事』と何度も口に出すことでフラグを立てにいってるんだけど、向こうも全く同じ事をしてくるから、自分のターンではどうしても劣勢になってしまう。
これ以上やると洗脳されるだけだから、とっとと始めた方がいいな・・・。
デラックスガチャに魔石を10個投入し、一つ深呼吸した。
落ち着け。冷静になれ。まずは金カプセルだ!
緑 赤 銀
ガチャコン! キュピピピン!
「「金カプセルの音だーーーーーーーーーー!」」
「うお!思ったより早く出た!」
「レバーを回す姿が、シャアリバーンの変身ポーズとシンクロしてたぞ!これで決まったな!」
シャアリバーンがガチャを回してる姿を想像してしまったじゃないか!
「ブホッ!何で【服】ばっか出るんだ!?」
「よっしゃ!やはりお前こそが真の宇宙刑事だ!」
―――――カプセルから出てきたのは、豪華絢爛なピンク色の着物だった。
「・・・くそーーーーー!女性服の呪いが掛かってたんだったーーーーー!」
「呪いって・・・、フ、フハハハハ!お前には無理だと思ってたよ!」
虎徹さんと親父が顔を見合わせて審議している。
いや、今のはセーフだよな?
ピーーーーーーーーーーッ!
「何でだよ!」
「今回はちゃんと悔しがったのにおかしくね!?」
今のがなぜ審議対象になったのか、親父の方から説明されるようだ。
「服が出た後ではなく、問題なのはカプセルが服に変化する前だ。お前【服】ばっかりだと文句を言ってたよな?」
「その時、アニキも『よっしゃ!』って喜んでた」
「「ハッ!?」」
「とはいえ、レッドってほどでも無いからイエローだな」
「次から気を付けるように!」
結局あの部分が審議に引っ掛かってしまったようで、俺と清光さんは三皿目のカレーライスを食わされることになった。
いや、もうお腹いっぱいなんですけど!!
もちろん清光さんも甚大なダメージを負っているので、一瞬にして噴き出した汗をタオルで拭いている。
「ふーーーーー、そろそろ続きを始めっか・・・」
「あ、そうか!罰ゲームが過酷すぎて順番すら分からなくなってましたよ。でも清光さんって宇宙刑事になる為に生まれてきたようなもんですし、次で決まりかな?」
「残念ながら俺の両親は普通の一般人だ。父親が宇宙刑事という超エリートの家系である小烏丸こそが二代目に相応しいだろう。悔しいが俺には荷が重すぎる」
「大丈夫です。親友が宇宙刑事サイダーになったじゃないですか!清光さんが宇宙刑事になることを心から望んでいる虎徹さんを信じるのです!」
向こうを見ると、虎徹さんが清光さんを見ながらサムズアップしていた。
「くッ!」
これ以上は泥沼に嵌ると思ったのだろう。
清光さんがデラックスガチャに魔石を入れ始めた。
虎徹さんがサムズアップしたおかげもあり、開始前の舌戦で結構なダメージを与えることに成功したので、あとは金カプセルが出るのを待つばかりだな。
ガチャコン! キュピピピン!
「「きたああああああああああーーーーーーーーーー!」」
「なにィ!一発で金カプセルだと!?」
「今、宇宙刑事ギャラバーンと宇宙刑事サイダーの顔がカットインしてましたよ!間違いなく宇宙刑事確定演出です!」
俺の会心のセリフが刺さったのか、清光さんがコメカミに青筋を立てながらカプセルを開けた。
「嘘だろ?何でまた【服】なんだよ!!」
「やったーーーーー!清光さん万歳!宇宙刑事万歳!」
―――――しかし出てきたのは、黒い羽織袴だった。
「よっしゃ、ぐおおおおなんてこったーーーーー!またダメだったか!!」
「クッソ・・・、うおおおおお!やったぞーーーーーーーーーー!」
清光さんは喜びかけ、俺も一瞬悔しがってしまったので、審判二人の眉間に皺が寄っている。このままじゃマズイと思い、畳み掛けるように全力で誤魔化す。
「いや~、絶対に宇宙刑事が出たと思ったんだけどな!すごく残念だぜーーー」
「やはり運命の女神は俺に微笑んだかな?あの衣装は人を選びますからね~」
ピーーーーーーーーーーッ!
「今のは際どいぞ?どうする?」
「イエローってとこじゃね?」
「そうだな。じゃあ普通のカレー二人分だ」
「はいは~い」
すかさず言動を反転させたのが功を奏し、俺も清光さんもギリギリのところでレッドカードを回避することが出来た。
「危ねえ!またレッドをくらうとこだった」
「あの激辛カレーをもう二口は致命傷になり兼ねませんからね」
「つーか、朝からカレーのおかわりも地味にキツイぞ・・・」
「と言っても、食う選択肢しかないですし」
決戦の為に、しっかり朝メシを食ってきたのは失敗だったかもしれん。
清光さんも罰ゲームの内容を知らなかったから、たぶん俺と同じ状態だろう。
でも何だかんだでカレーは美味しかった。
「ふーーーーー、二本目か・・・」
「チャンスが無限にある小烏丸が羨ましいぜ。俺は二回外してしまったからもう無理だ。せめてお前が宇宙刑事に就任する姿を瞼に焼き付けるとしよう」
「無限ではないですね!次に清光さんが宇宙刑事の衣装をゲットしてしまう可能性の方が遥かに高いですし、正直もう完全に諦めてますよ」
「そもそも宇宙刑事シャアリバーンといえば赤いコンバットスーツだものな。赤い服が良く似合うお前が宇宙刑事に就任する為のイベントだったか・・・」
くッ!とうとう『シャアリバーン』という名前まで出して来よったわ。
俺も清光さんのターンの時に、『宇宙刑事』と何度も口に出すことでフラグを立てにいってるんだけど、向こうも全く同じ事をしてくるから、自分のターンではどうしても劣勢になってしまう。
これ以上やると洗脳されるだけだから、とっとと始めた方がいいな・・・。
デラックスガチャに魔石を10個投入し、一つ深呼吸した。
落ち着け。冷静になれ。まずは金カプセルだ!
緑 赤 銀
ガチャコン! キュピピピン!
「「金カプセルの音だーーーーーーーーーー!」」
「うお!思ったより早く出た!」
「レバーを回す姿が、シャアリバーンの変身ポーズとシンクロしてたぞ!これで決まったな!」
シャアリバーンがガチャを回してる姿を想像してしまったじゃないか!
「ブホッ!何で【服】ばっか出るんだ!?」
「よっしゃ!やはりお前こそが真の宇宙刑事だ!」
―――――カプセルから出てきたのは、豪華絢爛なピンク色の着物だった。
「・・・くそーーーーー!女性服の呪いが掛かってたんだったーーーーー!」
「呪いって・・・、フ、フハハハハ!お前には無理だと思ってたよ!」
虎徹さんと親父が顔を見合わせて審議している。
いや、今のはセーフだよな?
ピーーーーーーーーーーッ!
「何でだよ!」
「今回はちゃんと悔しがったのにおかしくね!?」
今のがなぜ審議対象になったのか、親父の方から説明されるようだ。
「服が出た後ではなく、問題なのはカプセルが服に変化する前だ。お前【服】ばっかりだと文句を言ってたよな?」
「その時、アニキも『よっしゃ!』って喜んでた」
「「ハッ!?」」
「とはいえ、レッドってほどでも無いからイエローだな」
「次から気を付けるように!」
結局あの部分が審議に引っ掛かってしまったようで、俺と清光さんは三皿目のカレーライスを食わされることになった。
いや、もうお腹いっぱいなんですけど!!
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