717 / 798
717 罰ゲームの回避に集中する
しおりを挟む
二口目のカレーでまたもや床をゴロゴロ転がる羽目になったが、聖水のおかげで何とか一命を取り留めた。
もちろん清光さんも甚大なダメージを負っているので、一瞬にして噴き出した汗をタオルで拭いている。
「ふーーーーー、そろそろ続きを始めっか・・・」
「あ、そうか!罰ゲームが過酷すぎて順番すら分からなくなってましたよ。でも清光さんって宇宙刑事になる為に生まれてきたようなもんですし、次で決まりかな?」
「残念ながら俺の両親は普通の一般人だ。父親が宇宙刑事という超エリートの家系である小烏丸こそが二代目に相応しいだろう。悔しいが俺には荷が重すぎる」
「大丈夫です。親友が宇宙刑事サイダーになったじゃないですか!清光さんが宇宙刑事になることを心から望んでいる虎徹さんを信じるのです!」
向こうを見ると、虎徹さんが清光さんを見ながらサムズアップしていた。
「くッ!」
これ以上は泥沼に嵌ると思ったのだろう。
清光さんがデラックスガチャに魔石を入れ始めた。
虎徹さんがサムズアップしたおかげもあり、開始前の舌戦で結構なダメージを与えることに成功したので、あとは金カプセルが出るのを待つばかりだな。
ガチャコン! キュピピピン!
「「きたああああああああああーーーーーーーーーー!」」
「なにィ!一発で金カプセルだと!?」
「今、宇宙刑事ギャラバーンと宇宙刑事サイダーの顔がカットインしてましたよ!間違いなく宇宙刑事確定演出です!」
俺の会心のセリフが刺さったのか、清光さんがコメカミに青筋を立てながらカプセルを開けた。
「嘘だろ?何でまた【服】なんだよ!!」
「やったーーーーー!清光さん万歳!宇宙刑事万歳!」
―――――しかし出てきたのは、黒い羽織袴だった。
「よっしゃ、ぐおおおおなんてこったーーーーー!またダメだったか!!」
「クッソ・・・、うおおおおお!やったぞーーーーーーーーーー!」
清光さんは喜びかけ、俺も一瞬悔しがってしまったので、審判二人の眉間に皺が寄っている。このままじゃマズイと思い、畳み掛けるように全力で誤魔化す。
「いや~、絶対に宇宙刑事が出たと思ったんだけどな!すごく残念だぜーーー」
「やはり運命の女神は俺に微笑んだかな?あの衣装は人を選びますからね~」
ピーーーーーーーーーーッ!
「今のは際どいぞ?どうする?」
「イエローってとこじゃね?」
「そうだな。じゃあ普通のカレー二人分だ」
「はいは~い」
すかさず言動を反転させたのが功を奏し、俺も清光さんもギリギリのところでレッドカードを回避することが出来た。
「危ねえ!またレッドをくらうとこだった」
「あの激辛カレーをもう二口は致命傷になり兼ねませんからね」
「つーか、朝からカレーのおかわりも地味にキツイぞ・・・」
「と言っても、食う選択肢しかないですし」
決戦の為に、しっかり朝メシを食ってきたのは失敗だったかもしれん。
清光さんも罰ゲームの内容を知らなかったから、たぶん俺と同じ状態だろう。
でも何だかんだでカレーは美味しかった。
「ふーーーーー、二本目か・・・」
「チャンスが無限にある小烏丸が羨ましいぜ。俺は二回外してしまったからもう無理だ。せめてお前が宇宙刑事に就任する姿を瞼に焼き付けるとしよう」
「無限ではないですね!次に清光さんが宇宙刑事の衣装をゲットしてしまう可能性の方が遥かに高いですし、正直もう完全に諦めてますよ」
「そもそも宇宙刑事シャアリバーンといえば赤いコンバットスーツだものな。赤い服が良く似合うお前が宇宙刑事に就任する為のイベントだったか・・・」
くッ!とうとう『シャアリバーン』という名前まで出して来よったわ。
俺も清光さんのターンの時に、『宇宙刑事』と何度も口に出すことでフラグを立てにいってるんだけど、向こうも全く同じ事をしてくるから、自分のターンではどうしても劣勢になってしまう。
これ以上やると洗脳されるだけだから、とっとと始めた方がいいな・・・。
デラックスガチャに魔石を10個投入し、一つ深呼吸した。
落ち着け。冷静になれ。まずは金カプセルだ!
緑 赤 銀
ガチャコン! キュピピピン!
「「金カプセルの音だーーーーーーーーーー!」」
「うお!思ったより早く出た!」
「レバーを回す姿が、シャアリバーンの変身ポーズとシンクロしてたぞ!これで決まったな!」
シャアリバーンがガチャを回してる姿を想像してしまったじゃないか!
「ブホッ!何で【服】ばっか出るんだ!?」
「よっしゃ!やはりお前こそが真の宇宙刑事だ!」
―――――カプセルから出てきたのは、豪華絢爛なピンク色の着物だった。
「・・・くそーーーーー!女性服の呪いが掛かってたんだったーーーーー!」
「呪いって・・・、フ、フハハハハ!お前には無理だと思ってたよ!」
虎徹さんと親父が顔を見合わせて審議している。
いや、今のはセーフだよな?
ピーーーーーーーーーーッ!
「何でだよ!」
「今回はちゃんと悔しがったのにおかしくね!?」
今のがなぜ審議対象になったのか、親父の方から説明されるようだ。
「服が出た後ではなく、問題なのはカプセルが服に変化する前だ。お前【服】ばっかりだと文句を言ってたよな?」
「その時、アニキも『よっしゃ!』って喜んでた」
「「ハッ!?」」
「とはいえ、レッドってほどでも無いからイエローだな」
「次から気を付けるように!」
結局あの部分が審議に引っ掛かってしまったようで、俺と清光さんは三皿目のカレーライスを食わされることになった。
いや、もうお腹いっぱいなんですけど!!
もちろん清光さんも甚大なダメージを負っているので、一瞬にして噴き出した汗をタオルで拭いている。
「ふーーーーー、そろそろ続きを始めっか・・・」
「あ、そうか!罰ゲームが過酷すぎて順番すら分からなくなってましたよ。でも清光さんって宇宙刑事になる為に生まれてきたようなもんですし、次で決まりかな?」
「残念ながら俺の両親は普通の一般人だ。父親が宇宙刑事という超エリートの家系である小烏丸こそが二代目に相応しいだろう。悔しいが俺には荷が重すぎる」
「大丈夫です。親友が宇宙刑事サイダーになったじゃないですか!清光さんが宇宙刑事になることを心から望んでいる虎徹さんを信じるのです!」
向こうを見ると、虎徹さんが清光さんを見ながらサムズアップしていた。
「くッ!」
これ以上は泥沼に嵌ると思ったのだろう。
清光さんがデラックスガチャに魔石を入れ始めた。
虎徹さんがサムズアップしたおかげもあり、開始前の舌戦で結構なダメージを与えることに成功したので、あとは金カプセルが出るのを待つばかりだな。
ガチャコン! キュピピピン!
「「きたああああああああああーーーーーーーーーー!」」
「なにィ!一発で金カプセルだと!?」
「今、宇宙刑事ギャラバーンと宇宙刑事サイダーの顔がカットインしてましたよ!間違いなく宇宙刑事確定演出です!」
俺の会心のセリフが刺さったのか、清光さんがコメカミに青筋を立てながらカプセルを開けた。
「嘘だろ?何でまた【服】なんだよ!!」
「やったーーーーー!清光さん万歳!宇宙刑事万歳!」
―――――しかし出てきたのは、黒い羽織袴だった。
「よっしゃ、ぐおおおおなんてこったーーーーー!またダメだったか!!」
「クッソ・・・、うおおおおお!やったぞーーーーーーーーーー!」
清光さんは喜びかけ、俺も一瞬悔しがってしまったので、審判二人の眉間に皺が寄っている。このままじゃマズイと思い、畳み掛けるように全力で誤魔化す。
「いや~、絶対に宇宙刑事が出たと思ったんだけどな!すごく残念だぜーーー」
「やはり運命の女神は俺に微笑んだかな?あの衣装は人を選びますからね~」
ピーーーーーーーーーーッ!
「今のは際どいぞ?どうする?」
「イエローってとこじゃね?」
「そうだな。じゃあ普通のカレー二人分だ」
「はいは~い」
すかさず言動を反転させたのが功を奏し、俺も清光さんもギリギリのところでレッドカードを回避することが出来た。
「危ねえ!またレッドをくらうとこだった」
「あの激辛カレーをもう二口は致命傷になり兼ねませんからね」
「つーか、朝からカレーのおかわりも地味にキツイぞ・・・」
「と言っても、食う選択肢しかないですし」
決戦の為に、しっかり朝メシを食ってきたのは失敗だったかもしれん。
清光さんも罰ゲームの内容を知らなかったから、たぶん俺と同じ状態だろう。
でも何だかんだでカレーは美味しかった。
「ふーーーーー、二本目か・・・」
「チャンスが無限にある小烏丸が羨ましいぜ。俺は二回外してしまったからもう無理だ。せめてお前が宇宙刑事に就任する姿を瞼に焼き付けるとしよう」
「無限ではないですね!次に清光さんが宇宙刑事の衣装をゲットしてしまう可能性の方が遥かに高いですし、正直もう完全に諦めてますよ」
「そもそも宇宙刑事シャアリバーンといえば赤いコンバットスーツだものな。赤い服が良く似合うお前が宇宙刑事に就任する為のイベントだったか・・・」
くッ!とうとう『シャアリバーン』という名前まで出して来よったわ。
俺も清光さんのターンの時に、『宇宙刑事』と何度も口に出すことでフラグを立てにいってるんだけど、向こうも全く同じ事をしてくるから、自分のターンではどうしても劣勢になってしまう。
これ以上やると洗脳されるだけだから、とっとと始めた方がいいな・・・。
デラックスガチャに魔石を10個投入し、一つ深呼吸した。
落ち着け。冷静になれ。まずは金カプセルだ!
緑 赤 銀
ガチャコン! キュピピピン!
「「金カプセルの音だーーーーーーーーーー!」」
「うお!思ったより早く出た!」
「レバーを回す姿が、シャアリバーンの変身ポーズとシンクロしてたぞ!これで決まったな!」
シャアリバーンがガチャを回してる姿を想像してしまったじゃないか!
「ブホッ!何で【服】ばっか出るんだ!?」
「よっしゃ!やはりお前こそが真の宇宙刑事だ!」
―――――カプセルから出てきたのは、豪華絢爛なピンク色の着物だった。
「・・・くそーーーーー!女性服の呪いが掛かってたんだったーーーーー!」
「呪いって・・・、フ、フハハハハ!お前には無理だと思ってたよ!」
虎徹さんと親父が顔を見合わせて審議している。
いや、今のはセーフだよな?
ピーーーーーーーーーーッ!
「何でだよ!」
「今回はちゃんと悔しがったのにおかしくね!?」
今のがなぜ審議対象になったのか、親父の方から説明されるようだ。
「服が出た後ではなく、問題なのはカプセルが服に変化する前だ。お前【服】ばっかりだと文句を言ってたよな?」
「その時、アニキも『よっしゃ!』って喜んでた」
「「ハッ!?」」
「とはいえ、レッドってほどでも無いからイエローだな」
「次から気を付けるように!」
結局あの部分が審議に引っ掛かってしまったようで、俺と清光さんは三皿目のカレーライスを食わされることになった。
いや、もうお腹いっぱいなんですけど!!
11
お気に入りに追加
1,225
あなたにおすすめの小説
おばあちゃん(28)は自由ですヨ
美緒
ファンタジー
異世界召喚されちゃったあたし、梅木里子(28)。
その場には王子らしき人も居たけれど、その他大勢と共にもう一人の召喚者ばかりに話し掛け、あたしの事は無視。
どうしろっていうのよ……とか考えていたら、あたしに気付いた王子らしき人は、あたしの事を鼻で笑い。
「おまけのババアは引っ込んでろ」
そんな暴言と共に足蹴にされ、あたしは切れた。
その途端、響く悲鳴。
突然、年寄りになった王子らしき人。
そして気付く。
あれ、あたし……おばあちゃんになってない!?
ちょっと待ってよ! あたし、28歳だよ!?
魔法というものがあり、魔力が最も充実している年齢で老化が一時的に止まるという、謎な法則のある世界。
召喚の魔法陣に、『最も力――魔力――が充実している年齢の姿』で召喚されるという呪が込められていた事から、おばあちゃんな姿で召喚されてしまった。
普通の人間は、年を取ると力が弱くなるのに、里子は逆。年を重ねれば重ねるほど力が強大になっていくチートだった――けど、本人は知らず。
自分を召喚した国が酷かったものだからとっとと出て行き(迷惑料をしっかり頂く)
元の姿に戻る為、元の世界に帰る為。
外見・おばあちゃんな性格のよろしくない最強主人公が自由気ままに旅をする。
※気分で書いているので、1話1話の長短がバラバラです。
※基本的に主人公、性格よくないです。言葉遣いも余りよろしくないです。(これ重要)
※いつか恋愛もさせたいけど、主人公が「え? 熟女萌え? というか、ババ專!?」とか考えちゃうので進まない様な気もします。
※こちらは、小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる