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713 俺もアイツと再会
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夜伽の話が纏まったみたいなので、そろそろ次へ進めなければならない。
虎徹さんを待たせているし、今日は色々な場所に行かねばならんのだ。
そういやミリーに『流星城ってどこ?』と聞かれたので、京の都に作った城のことだって教えてあげた。
思えば城の名前が決まったのって結構最近なので、レイリア城まで情報が届いてなかったようだ。距離の壁ってやっぱ大きいよな~。
「フローラとミリーに吉報だ!最近アリアダンジョンに行けるようになって、そこで新しい通信機を手に入れたので、各城に通信機を設置することになったぞ!」
突然話が変わったので二人はキョトンとしているが、通信機のことは知っているので、何が言いたいのか理解出来た様子。
「もしかして流星城と連絡がとれるようになるの!?」
「ミケネコ城は?」
「えーとな、レイリア城に設置するのは子機の方で、子機は親機としか通信することが出来ない。流星城に親機を置いてきたので、要件を伝えられるのは流星城だけってことになる。一旦流星城に情報を集めてから各城に用件を伝える流れだな」
「じゃあルーサイアにお魚送ってって頼みたい時は、流星城に依頼すれば、ミケネコ城にいるユリに伝えてもらえるってことかな?」
「そういうことだ!ただ一つだけ問題があって、新しく手に入れた通信機って、呼び出し音がメチャクチャうるせーんだよ。だから寝ている時間の通信機の使用は緊急時だけにしてほしいんだ」
「あははははははは!便利だけど騒音問題が発生してしまうのね~」
マジックバッグから、ビデオデッキくらいある通信機の子機を一つ取り出した。
その場で魔石をセットしてみせることで、魔石の交換の仕方を教えた。
「じゃあ通信機の使い方を教えるぞ。まずこのボタンを押す!」
ボタンを押した方は無音だが、緑色のランプが光った。
今ごろ流星城では爆音が鳴り響いているハズ。
『うるさっ!!予想の10倍くらいうるさいし!!』
「ご苦労さん、レイリア城の小烏丸だ。今フローラとミリーに通信機の使い方を教えている所なんで、これはただの練習だと思ってくれ」
『なんだ、練習なのね~』
「いったん通信機を切るので、今度はそちらから通信機の2番のボタンをおしてもらっていいか?2番がレイリア城にある通信機の番号だから、2番を押すことでレイリア城に用件を伝えることが出来るんだ」
『なるほど、やってみる!』
通信機を切った。
ピピピッ ピピピッ ピピピッ ピピピッ ピピピッ ピピピッ
フォーー フォーー フォーー フォーー フォーー フォーー
「「うるさっ!!」」
「な?とんでもない騒音だろ?」
フローラに通信機のボタンを押してもらい、実際に使って試してもらう。
「すごくうるさかった!」
『あれ?小烏丸じゃなくなってる!』
「フローラよ。なるほど・・・使い方は結構簡単かも!」
『あ、フローラだったんだ!私はポルンだよ。久しぶりだね~!』
「ポルンだったのね!久しぶり!元気だった?」
「ちょっと待った!!俺はそろそろ次の城に行かなきゃならんし、そこでも通信機の使い方を教えなきゃならんから、世間話は明日にしてもらっていいか?」
「あ、そっか!じゃあポルン、また明日お話しましょ!」
『うん、また明日・・・って、ワタシ明日もこの仕事なの!?』
最後にそんなセリフが聞こえてきたが、構わず通信機を切ってもらった。
「といった感じでメチャメチャ便利な魔道具なんだ!おそらく流星城の通信機はフル稼働するだろうけど、それほど頻繁にレイリア城に呼び出しは掛からないと思うので、通信機はどこか身近な場所にでも置いといてくれ」
「こんな面白くて便利なモノ、私は使いまくるわよ!」
「だろうな。流星城の電話番は地獄と呼ばれる仕事になりそうだ」
「でんわばん?」
「流星城で通信機を取り扱う仕事を任された人を電話番と呼ぶことにしたんだ。漢字で書くとこうだ」
紙に『電話番』と書いて見せた。
「よく分からないけど、番人っぽくていい呼び名じゃない?」
「だろ!じゃあそろそろ俺は別の城に行って来るぞ。転移で連れて来てもらったから、実は外に虎徹さんを待たせているんだよ」
「うそっ!可哀相だから早く行ってあげて!」
「ところで夜伽はいつになるんだ?精神統一とかするんだろ?」
「えーと・・・、ナターシャどうする?」
「今からの精神統一だけじゃ不十分だから、明日の夜がいいかしら?」
「そうね~」
「わかった。・・・おっと、聖水を渡すつもりだったのを忘れていた!」
「えっ!聖水!?」
「聖水ですって!?」
マジックバッグから、聖水がたっぷり入った大きな箱を出した。
とりあえずナターシャに預かってもらい、どこに置くかは城主らに任せる。
「まだ妊婦じゃない今が飲むチャンスだぞ!その辺の事情はナターシャから二人に説明してやってくれ」
「任せて!」
「さてと、俺も転移が使えるようになったんで、明日の食後にでも出現する」
「「な、なんですってーーーーーーーーーー!?」」
時空魔法の説明もナターシャに任せて、俺は城の外に出た。
「あれ?虎徹さんがいねえ・・・」
門兵に聞いたら野菜農園の方へ行ったというので、ガラスハウスへと向かった。
「うおおおおおおおおお!コーヒーノキが生い茂ってるじゃないか!!」
あれだけ可愛がっていたのに、此処に来るまで完全に忘れていた・・・。
そうだよ!俺は大事なコーヒーノキを、フローラとミリーに託してあったのだ!
本当に、よくぞここまで育ててくれた!もう彼女達には感謝しかない。
鉢植えから解放されたので、とうとう全力を出せるようになったのだろう。
この感じだと、伊勢がコーヒーの国になるのもそう遠い話じゃないぞ!
「小烏丸がいたし!もう話し合いは終わったのか?」
「あ、虎徹さん!待たせてしまってすみませんでした。話は終わったので、次はミケネコ城に連れて行って下さい!」
「おっけー」
虎徹さんがこっちに歩いて来て、コーヒーノキに気付いた。
「お?このピカピカした葉っぱ、なんか見たことあるぞ?」
「よく気付きましたね!これはコーヒーノキです」
「コーヒーノキだって!?」
「そういえば虎徹さんには鉢植えを抱えてる姿を見せていませんでしたね。実は北海道からコーヒーの苗木を抱えて連れ帰ったんですよ!」
「北海道から連れ帰ったってマジか!コーヒーとかすげーレア物じゃん!」
「この木を育てて、伊勢をコーヒーの産地にするのが俺の夢なんです!地球産なら成木となるまでに3年以上掛かるみたいですが、この世界の北海道に生えてたくらいですから、全然違う育ち方をする可能性もありますね」
「気の遠くなる話だな・・・。まあ頑張れ!」
「ですね~。気長にいきますよ!」
というわけで、俺は無事にコーヒーノキとの再会を果たした。
いや、お前忘れてただろって?
しゃーないやん!いきなり嫁まみれになって、毎日が天国地獄の生活なんだもの。
でもこうしていつでも会いに来られるようになったわけだから、定期的に様子を見に来ようと思う。
コーヒーノキを可愛がってくれたフローラとミリーにお礼をしなきゃな~。
受けた恩は、やはり夜伽で返すしかあるまいよ!
虎徹さんを待たせているし、今日は色々な場所に行かねばならんのだ。
そういやミリーに『流星城ってどこ?』と聞かれたので、京の都に作った城のことだって教えてあげた。
思えば城の名前が決まったのって結構最近なので、レイリア城まで情報が届いてなかったようだ。距離の壁ってやっぱ大きいよな~。
「フローラとミリーに吉報だ!最近アリアダンジョンに行けるようになって、そこで新しい通信機を手に入れたので、各城に通信機を設置することになったぞ!」
突然話が変わったので二人はキョトンとしているが、通信機のことは知っているので、何が言いたいのか理解出来た様子。
「もしかして流星城と連絡がとれるようになるの!?」
「ミケネコ城は?」
「えーとな、レイリア城に設置するのは子機の方で、子機は親機としか通信することが出来ない。流星城に親機を置いてきたので、要件を伝えられるのは流星城だけってことになる。一旦流星城に情報を集めてから各城に用件を伝える流れだな」
「じゃあルーサイアにお魚送ってって頼みたい時は、流星城に依頼すれば、ミケネコ城にいるユリに伝えてもらえるってことかな?」
「そういうことだ!ただ一つだけ問題があって、新しく手に入れた通信機って、呼び出し音がメチャクチャうるせーんだよ。だから寝ている時間の通信機の使用は緊急時だけにしてほしいんだ」
「あははははははは!便利だけど騒音問題が発生してしまうのね~」
マジックバッグから、ビデオデッキくらいある通信機の子機を一つ取り出した。
その場で魔石をセットしてみせることで、魔石の交換の仕方を教えた。
「じゃあ通信機の使い方を教えるぞ。まずこのボタンを押す!」
ボタンを押した方は無音だが、緑色のランプが光った。
今ごろ流星城では爆音が鳴り響いているハズ。
『うるさっ!!予想の10倍くらいうるさいし!!』
「ご苦労さん、レイリア城の小烏丸だ。今フローラとミリーに通信機の使い方を教えている所なんで、これはただの練習だと思ってくれ」
『なんだ、練習なのね~』
「いったん通信機を切るので、今度はそちらから通信機の2番のボタンをおしてもらっていいか?2番がレイリア城にある通信機の番号だから、2番を押すことでレイリア城に用件を伝えることが出来るんだ」
『なるほど、やってみる!』
通信機を切った。
ピピピッ ピピピッ ピピピッ ピピピッ ピピピッ ピピピッ
フォーー フォーー フォーー フォーー フォーー フォーー
「「うるさっ!!」」
「な?とんでもない騒音だろ?」
フローラに通信機のボタンを押してもらい、実際に使って試してもらう。
「すごくうるさかった!」
『あれ?小烏丸じゃなくなってる!』
「フローラよ。なるほど・・・使い方は結構簡単かも!」
『あ、フローラだったんだ!私はポルンだよ。久しぶりだね~!』
「ポルンだったのね!久しぶり!元気だった?」
「ちょっと待った!!俺はそろそろ次の城に行かなきゃならんし、そこでも通信機の使い方を教えなきゃならんから、世間話は明日にしてもらっていいか?」
「あ、そっか!じゃあポルン、また明日お話しましょ!」
『うん、また明日・・・って、ワタシ明日もこの仕事なの!?』
最後にそんなセリフが聞こえてきたが、構わず通信機を切ってもらった。
「といった感じでメチャメチャ便利な魔道具なんだ!おそらく流星城の通信機はフル稼働するだろうけど、それほど頻繁にレイリア城に呼び出しは掛からないと思うので、通信機はどこか身近な場所にでも置いといてくれ」
「こんな面白くて便利なモノ、私は使いまくるわよ!」
「だろうな。流星城の電話番は地獄と呼ばれる仕事になりそうだ」
「でんわばん?」
「流星城で通信機を取り扱う仕事を任された人を電話番と呼ぶことにしたんだ。漢字で書くとこうだ」
紙に『電話番』と書いて見せた。
「よく分からないけど、番人っぽくていい呼び名じゃない?」
「だろ!じゃあそろそろ俺は別の城に行って来るぞ。転移で連れて来てもらったから、実は外に虎徹さんを待たせているんだよ」
「うそっ!可哀相だから早く行ってあげて!」
「ところで夜伽はいつになるんだ?精神統一とかするんだろ?」
「えーと・・・、ナターシャどうする?」
「今からの精神統一だけじゃ不十分だから、明日の夜がいいかしら?」
「そうね~」
「わかった。・・・おっと、聖水を渡すつもりだったのを忘れていた!」
「えっ!聖水!?」
「聖水ですって!?」
マジックバッグから、聖水がたっぷり入った大きな箱を出した。
とりあえずナターシャに預かってもらい、どこに置くかは城主らに任せる。
「まだ妊婦じゃない今が飲むチャンスだぞ!その辺の事情はナターシャから二人に説明してやってくれ」
「任せて!」
「さてと、俺も転移が使えるようになったんで、明日の食後にでも出現する」
「「な、なんですってーーーーーーーーーー!?」」
時空魔法の説明もナターシャに任せて、俺は城の外に出た。
「あれ?虎徹さんがいねえ・・・」
門兵に聞いたら野菜農園の方へ行ったというので、ガラスハウスへと向かった。
「うおおおおおおおおお!コーヒーノキが生い茂ってるじゃないか!!」
あれだけ可愛がっていたのに、此処に来るまで完全に忘れていた・・・。
そうだよ!俺は大事なコーヒーノキを、フローラとミリーに託してあったのだ!
本当に、よくぞここまで育ててくれた!もう彼女達には感謝しかない。
鉢植えから解放されたので、とうとう全力を出せるようになったのだろう。
この感じだと、伊勢がコーヒーの国になるのもそう遠い話じゃないぞ!
「小烏丸がいたし!もう話し合いは終わったのか?」
「あ、虎徹さん!待たせてしまってすみませんでした。話は終わったので、次はミケネコ城に連れて行って下さい!」
「おっけー」
虎徹さんがこっちに歩いて来て、コーヒーノキに気付いた。
「お?このピカピカした葉っぱ、なんか見たことあるぞ?」
「よく気付きましたね!これはコーヒーノキです」
「コーヒーノキだって!?」
「そういえば虎徹さんには鉢植えを抱えてる姿を見せていませんでしたね。実は北海道からコーヒーの苗木を抱えて連れ帰ったんですよ!」
「北海道から連れ帰ったってマジか!コーヒーとかすげーレア物じゃん!」
「この木を育てて、伊勢をコーヒーの産地にするのが俺の夢なんです!地球産なら成木となるまでに3年以上掛かるみたいですが、この世界の北海道に生えてたくらいですから、全然違う育ち方をする可能性もありますね」
「気の遠くなる話だな・・・。まあ頑張れ!」
「ですね~。気長にいきますよ!」
というわけで、俺は無事にコーヒーノキとの再会を果たした。
いや、お前忘れてただろって?
しゃーないやん!いきなり嫁まみれになって、毎日が天国地獄の生活なんだもの。
でもこうしていつでも会いに来られるようになったわけだから、定期的に様子を見に来ようと思う。
コーヒーノキを可愛がってくれたフローラとミリーにお礼をしなきゃな~。
受けた恩は、やはり夜伽で返すしかあるまいよ!
応援ありがとうございます!
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