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710 理由を聞いて納得

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「今ので決心がついた!私も小烏丸のお嫁さんになるわ!!」


 そう叫んだナターシャだったが、これには嫁軍団の方から怒涛のツッコミが入りまくった。


「いや、そもそもあんた嫁候補じゃん!」
「発足当初の頃から毎回嫁会議に出席していたではないですか!」
「っていうか、序列高いのにまだ夜伽してなかったの?」
「今回は小烏丸のお嫁さんだけが呼ばれたのかと思っていましたわ!」
「そういえば全員嫁」
「いや、普通に身分上位者から順に選ばれただけだぞ」
「チェリンとグミが抜け駆けしたけど」
「それは流星城にいなかったウチらが悪いっスね~」


 どうやら嫁軍団にしても寝耳に水だったようで、ナターシャが夜伽をしてなかったことに誰も気付いていなかったみたいだ。


「えーとね、最初は私もすぐ小烏丸と結ばれるつもりだったのよ。でもフローラがレイリア城主になっちゃったじゃない?せっかく大出世したのに、そのせいで後回しにされちゃったのが可哀相で、私もフローラと時期を合わせることにしたの」

 なるほど!親友のフローラの為に我慢してたのか。

「それで夜伽が終わった皆の様子を見て、本当に小烏丸と結婚するのが正解なのかもう一度よく考えてみたんだけど、やっぱり小烏丸の子を産んで育てるのが一番幸せな未来かなって再確認したところ・・・みたいな?」

 ナターシャの胸の内を聞いた嫁軍団が、親友の為に夜伽を我慢していたナターシャの優しさに感動し、目を潤ませている。

「最高かよ!」
「フローラの為にずっと我慢してたんだね・・・」
「素晴らしい友情ですわ!!」
「そうであったか。城主が後回しにされているのは私も心苦しく思っていたのだが、そろそろ流星城の嫁候補全員が夜伽を終わらせる頃ではないか?」
「今夜の嫁候補が最後の一人だったハズ」
「ということは明日夜伽じゃないですか!ナターシャ、精神統一しなくても大丈夫なのですか?」
「小烏丸と一緒にレイリア城に行って、向こうで夜伽をするつもりだったんだけど、そういえば精神統一のこと忘れてたかも!」


 マジか!今夜の嫁が最後の一人だったんかーーーい!

 しかしレイリア城まで行くとなると、何日も機関車の中って状態になってしまうじゃないか!今メチャメチャ忙しいんだけどな~。

 ・・・いや待てよ?

 そうだ!俺には転移があるじゃないか!!
 虎徹さんの転移で連れてってもらえば一瞬じゃん!

 どうせだから、レイリア城だけじゃなくミケネコ城にも連れてってもらおう。
 風景を記憶すれば、次からは単独で飛べるようになるハズだ。

 三河のレメシス城や、堺ダンジョンなんかも記憶しておきたいな・・・。

 あっ!虎徹さんの行動範囲で考えると、ゴーレム大戦をした信濃の決戦の地まで飛べるんじゃね?こいつはデケエぞ!!


「ナターシャ!虎徹さんに頼んで、明日にでもレイリア城に連れて行ってもらうことに決めたぞ!俺の時空魔法のレベルも上がってきたから、風景を覚えるだけで、もうかなり遠距離まで転移で飛べるようになっているハズ」


「「あーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」


「うそ!?小烏丸の転移魔法でレイリア城まで行けるようになるの!?」
「凄いではないか!ということは、ルーサイアにも一瞬で飛べるのか?」
「おそらくルーサイアにも飛べるようになるハズです。もしかしたら越後や陸奥まで飛べるようになるかも?一度現地までバイクで行く必要がありますけど」
「凄すぎじゃん!越後って、小烏丸があの甘いお菓子を買った国でしょ?」
「確か『大福』という名前だったような気がします」
「陸奥どころか、もしかしたら北海道まで行けるかも!?」
「大型船で海を越えるのが大変だから、北海道は時間に余裕ができたらだな」

 その時は当然、虎徹さんと清光さんも連れてくぜ!!

「エーーーーー!どうしよう?せっかくガチャが回せる絶好の機会なのに」
「ガチャはいつでも回せるよ!やっぱり夜伽を優先しなきゃ!」
「そうですわねえ。明日小烏丸と一緒にレイリア城に行って、向こうで精神統一に入るといいですわ」
「フローラと二人で夜伽に挑むのがオススメ」
「そうすれば二夜連続で出来るからメチャメチャお得」

「「なにィ!?」」

「それズルくない!?」
「でもフローラにあんな姿とか全部見られるから、諸刃の剣じゃないっスか!」
「くっ、フローラに全部見られるのは・・・。でもアリかもしれない!」
「結構興奮するからオススメ」
「親友ならむしろ見られるべき」

 このエロ双子は、なんてこと言っちゃってくれてんのよ!
 しかしナターシャとフローラの同時開催だと!?・・・アリかもしれない!

「とりあえず向こうで夜伽をするのは決定だから、小烏丸と一緒にレイリア城に行って来るわ。一緒に夜伽するかどうかはフローラ次第かな?」
「あ、そっか!フローラが嫌がるかもしれないもんね」

 それは困りますぞ!
 俺はすでにナイスバディな美女コンビと対戦するのを、心待ちにしているのだ!

「じゃあナターシャは、明日から2~3日お休みするってことだね」
「休んだ分、ナターシャのダンジョン滞在日数を延長するので、こちらは気にせず夜伽に励むといい」
「ありがとう!頑張って子供を授かってくる!」

 俺も超頑張るから、できれば二人同時でお願いします。

「ではそろそろガチャの続きを始めますわよ~!」
「えーと、一周したから次は隊長からだね」
「よし!良い流れを切らさないように本気でいくぞ!」
「がんばれーーーーー!」


 というわけで、明日は虎徹さんと一緒に転移ツアーすることに決定!
 連れて行ってくれるかどうかは虎徹さん次第だけど、断られることはないと思う。
 
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