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677 チェリンが黒ナースに!

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 黒いナース服を広げたままのチェリンだったが、アレはたぶん『良い服をゲットしたけど、やっぱりエロいのよね』って心の葛藤と戦ってるんだと予想される。

 ネグリジェや下着を着用して披露するのは無理でも、黒のナース服なら色っぽいってだけでそこまで恥ずかしくもないんじゃないかと思うんだが、まあそこは本人の気持ちの問題だからな~。

 サンタ服もまあ・・・いや、アレはちょっと浮かれ気分な感じで恥ずかしいか。
 何にしても着替えるかどうかは本人次第だな。

 俺も親父も、チェリンが黒のナース服に着替えてくれることを心の底から願っているわけですが!

 しかし残念ながら踏ん切りがつかないようなので、とりあえず親父がガチャを回すことになった。


「もう殿様セットはいらんからな!!」
「いらんこと言わん方がいいぞ。その言葉が呼び水となる可能性がある」
「もしかして、私って自滅しちゃったの!?」
「次は可愛いのを願うといいよ!」
「あ、そっか!言われてみると確かに、攻めの気持ちを忘れていたわ!」
「なるほど、攻めの気持ちか・・・」


 親父が悟りを開いたような顔になり、魔石を投入してガチャのレバーを光らせた。


 ガチャコン


「くそっ、ダメか!!」
「グミはその状態からでも当たりを引き続けているぞ?」
「本番はカプセルを開けてからよ!」
「猫のコップとか出るかもだよ!」
「いや、俺はそこまで可愛いのを求めているわけじゃないんだが・・・」

 グミの頭の中は、可愛いグッズで埋め尽くされているようだ。

「青いカプセルかよ!せめて緑ならワンチャンあったのにな」


 ガードには雑貨と書かれていたのだが、出てきたのは黒いハイソックスだった。


「どうやら殿様の流れは終わったようだ。にしてもコレは・・・」
「親父の攻めの気持ち、しかと見届けた!」
「ちょっと待てや!エロ方面で攻めようなどとは思ってないぞ!しかしチェリンちゃんの流れに引き寄せられたのか?頭の片隅に黒いナース服がチラついていた可能性は否定できん・・・。とりあえずコレはチェリンちゃんにあげよう」

 チェリンが抱えてるナース服の上に、親父が黒のハイソックスを乗せた。

「ぐぬぬぬぬ、確かに黒だから服には合ってると思うけど・・・。なんだか釈然としないわね。でもありがとう!」
「私もそろそろ服が欲しいな~」
「そろそろグミちゃんも運が回復する頃じゃねえか?」
「その前に俺の運がどうなってるのかだな。まだノーマルガチャをぶん回すべきだって気もするけど、やっぱり我慢できないからデラックスだ!」


 そう言いながらデラックスガチャの前に立ち、魔石を投入した。


「使える物が出るなら青でも構わん。とにかく実用的なヤツで頼む!」


 ガチャコン


 あまり良い予感はしなかったんだけど、案の定青カプセルだった。


「アカン。俺の運はもう死んでいる」
「虹カプセルを引き当てた後遺症はデカそうだな・・・」
「もう少しノーマルガチャを回すべきだったかもしれないわね」
「まだ中を見るまでわからないよ!」


 カプセルから出てきたのは、なかなかオシャレな黒いブーツだった。
 思わず、俺と親父の視線がチェリンに向いた。


「もしや俺もチェリンの流れに引き寄せられたのか!?」
「小烏丸まで続いたとなると、その可能性が高いな」

 チェリンが抱える黒いナース服の上に、黒いブーツも乗せた。
 これにてエロナースの完成だ。

「ありがとう!このブーツは嬉しいかも!」
「今持ってる服とか関係なしに普通に可愛いよね!」

 言われてみると確かに、どんな服にも合いそうなブーツだな。
 チェリンも喜んでいるし、意外と良い物をゲットしたかもしれん!


「こうなったらもう、着替えてくるしかないわね・・・」


「「な、なんだってーーーーー!?」」


 チェリンがとうとうその気になったぞ!!
 親父と顔を見合わせ、固い握手を交わした。


「あ、ちょっと待った!15分ほど時間をくれ。ブーツにサイズ自動調節機能を付与しよう。あと汚れ耐性もだな。服にサイズ自動調節機能は付いてるよな?」
「えーと・・・、あ、それは付いてるわね!汚れ耐性は付いてないわ」
「今までに数え切れないほど女性服を手に入れてきたから、大体どんな付与されているのか知ってるんだ。でも絶対じゃないからな~」


 自動修復を付与するには結構時間が掛かるんだけど、サイズ自動調節機能はなぜかそこまで難易度が高くないのだ。

 俺がチェリンにサイズ自動調節機能のことを聞いたので、親父とグミが、『なるほど、メロンか・・・』と察したような顔をしている。

 折角のナース服をダメにしてしまわないよう、この付与だけは絶対なのだ!

 ただ、デラックスの赤カプセルクラスのレア度が無いとサイズ自動調節機能は付与されていないので、靴なんかは自力で付与しなきゃならんわけです。


 俺が付与してるのをただ待ってるのも時間の無駄なので、三人はガチャを続行することになった。



「よし、付与完了!」


 集中していたので三人の声をシャットアウトしていたのだが、グミが猫柄のマグカップを持っているのを見て驚いた。まさか狙って出したとでもいうのか!?


「グミすげえな!本当にそれをゲットするとは・・・」


 俺の声を聞き、三人が振り返った。


「猫のコップが出たよ!!」
「グミちゃん凄すぎだよな。まさか本当に引き当てるとは!」
「付与は終わったの?」
「とりあえず最低限の付与だけどな。もう着替えても大丈夫だぞ」
「じゃあ隣の部屋で着替えてくるわね!」


 チェリンが、服などをいっぱい抱えてガチャ部屋を出て行った。


「今、黒い下着も持って行かなかったか?」
「持ってったな。この際だから下着も着用してみるつもりなのかもしれん」
「二人とも!期待したって下着までは見えないよ?」
「いや、それは分かっているのだが・・・」
「妄想が捗るであります!」
「もう!二人とも鼻の下伸ばしちゃって!!」


 そんな会話をして盛り上がっていると、部屋の入り口から黒いナースが登場した。


「「ふぉおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」


 そのあまりの破壊力に、俺と親父がよく分からん謎の奇声を発した。


「わああああああああ!チェリンすごく綺麗!!」
「えーと、その、変じゃない??」
「エロエロなのかと思ったけど、意外とエロ格好良いかも!」
「やっぱり評価からエロは外せないのね・・・」


 確認したいハズなので、全身を見ることが出来るスタンドミラーを置いた。


「ほわ~~~~~~~~~~~~~~~!」


 恥ずかしさで顔を真っ赤にしているチェリンだったが、自分のその妖艶な格好良さに目をキラキラさせていた。
 
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