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669 爆裂レンチャン機
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ガチャも2週目に突入し、今度はチェリンがデラックスガチャの前に立った。
何だかんだで全員当たりを引き続けているので、まだもう少しこのビッグウェーブを継続させてほしいものだ。
「グミのおかげで少し緊張が解けたかも。青いカプセルからでも可愛いアイテムが出るのなら、もう怖いモノなど無いわ!」
そう言った彼女は、躊躇なく魔石を10個投入。
レバーが光ったのを確認すると、目を閉じて天に祈りを捧げた。
・・・ほう。いい具合に緊張が解れてるな。
例え青を引いたとしても良い物が手に入る前例が出来たので、『赤いカプセル以上を引かなければ負け』みたいなプレッシャーが消えたのだろうと推測される。
グミも猫リュックで気を良くしたので、おそらく次回からは欲まみれガチャにはならんと思う。親父は大バカ殿様なので、何考えてるかさっぱりわからんが。
ゆっくりと目を開いたチェリンが、無駄のないフォームでレバーを回した。
ガチャコン! キュピン!
「えっ!?もしかして当たりを引いたかも!!」
「銀カプセルの音だよ!!」
「回す時にイイ感じの空気だったから、良いのが出るような気がしたぞ!」
「そうそう!良かった時の感覚を意識すれば勝利はすぐそこだ」
チェリンが銀のカプセルを開けた。
「・・・なんか服じゃなくて、【下着】って書いてあるわね」
「下着でも十分当たりだよ!」
「いや待て!フンドシだって下着だぞ?」
「それだけは絶対にイヤ!!」
そんな会話をしていると、カプセルがポフッと下着に変化した。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「うわ~~~!黒い下着だよ!なんかすごくエロいね」
「クッソエロいな・・・」
「これはエロい。銀カプセルだから高級下着だぞ」
ミスフィートさんと和泉も持ってるから、三つ目の高級下着か。
さっきのネグリジェと組み合わせたら、堕とせない男はいないんじゃないか?
「下着が出たのは素直に嬉しいけど、なんで黒い下着なのよ!?」
「エロいから?」
「今日ガチャを回すまでは、どちらかと言えば清純派だったじゃない!!」
「たしかにエロ方面はカーラが担当だったかも」
「もう!絶対次こそは普通の服を手に入れてみせるから!」
ん~、どうなんだろな?
ガチャのドツボ連鎖を断ち切るのって、経験上結構難しそうだぞ。
「俺に任せておけ。変な流れを変えて来てやる!」
勇ましい言葉と共に、殿が立ち上がった。
そしてツカツカとデラックスガチャの前に移動し、魔石を入れ始める。
「男性服が出たら2回目にカウントするからな~」
「わかってる!さすがにもう金カプセルなんてのは引けないだろうから、逆に言えばイロモノから遠ざかることが出来るハズだ!もう普通に赤いカプセルでいい!」
「そんなこと言わないで虹カプセルを出しちゃえ!」
「逆に普通の服ってまだ一着も出ていないわね・・・」
そうこうしてる間にレバーが光ったので、全員口を閉じた。
「流れを変えるって言ったろ?」
親父は天に祈りも捧げず、軽い感じでレバーを回した。
ガチャコン
「チッ、やっぱり適当じゃダメか・・・」
「適当はもったいないよ!」
「魔物10体分だからね~」
「まあでも適当じゃダメだって知ることが出来たから、それはそれでアリかもな」
親父が取り出したのは、やはり青カプセルだった。
「カードに【雑貨】って書いてあるな?これじゃあ範囲が広すぎだろ」
「青や緑だと大体それだぞ。だからカードを見てもさっぱり中身が分からんのだ」
中から出てきたのは、『ちょんまげのヅラ』だった。
時代劇の役者が使うようなモノじゃなく、もっとアホっぽいヤツだ。
「おい・・・」
「なにこれーーーーー!」
「髪の毛??にしてはすごく変な髪型ね。ちょっと意味が分からないわ」
「全然流れ変わってねえじゃん!!しっかり月代まで剃り上がってるじゃん!」
鏡を渡すと、親父は何も言わずにヅラをかぶった。
「「あーーーーーっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」」
「うわーっはっはっはっはっは!!親父が完璧な大バカ殿様になった!」
(あーーーっひゃっひゃっひゃっひゃ!ぶほッ!ごへあッ!)
「まあ・・・男性服の枠を消費しなかっただけ良かったと思おう。チェリンちゃんもだが、俺にも変な流れが来ていることが確定したな」
「どうすれば良い流れになるのかしら?」
「私には可愛い流れが来てるよ!」
「確かにグミにも流れは来てるのか。じゃあ俺にも何か流れが来てるのか!?」
これってもしや、勝機到来の予感!?
時空魔法に近い何かが出るのなら、もう一度レジェンドを回すべきじゃないか?
レインボーで運を放出してしまった後だけど、良い流れを生かさないのはガチャプロとして失格だろ。ココは勝負に出るべきだ!
―――――マジックバッグから、特大の魔石を取り出した。
「まさか・・・、お前、もう一度レジェンドを回すつもりか!?」
「嘘!?まだそんな大きな魔石を持ってたの!?」
「流れを生かす作戦だね!!」
「その通り。本当に貴重な魔石だから、もっと運を溜め込んでから使うべきなんだろうけど、良い流れを生かせない腑抜けはガチャラー失格だろ!!」
「なんか、ガチャラーとか言ってるぞこいつ・・・」
再びレジェンドガチャの前に立った。
正直、大当たり直後だから現在残っている運に自信は無いが、パチンコやスロットなんかには『レンチャン』があるんだよ!
そう、俺の大当たりはまだ続いてる可能性があるんだ!
この台にレンチャン機能が搭載されているのかどうかは不明だが、まずレインボーを当てるのが至難の業だから、これは特大の魔石を複数所持している俺にしか試すことが出来ない、最初で最後の実験と言ってもいいだろう。
このミッションには、全人類の夢と希望が懸かっているのだ。
もう後退は無い。
ひたすら前へ突き進み、そこに希望があることを皆に伝えるのが俺の役目。
特大の魔石を投入し、レバーを光らせた。
ここまで来たらもう、流れに身を任せるのみ。
欲を捨てろ。
あの時と寸分違わない動きをトレースするんだ。
身体だけじゃなく心も。
心を天空へと飛ばせ。
宇宙を感じろ。
世界と一体となれ。
―――――ココだ。
ガチャコン
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
悲しい音と共に静寂が訪れ、ガチャ部屋に冷たい風が吹く。
「運なんか残っていませんでした。青カプセルゲットだぜ!」
ノオオオオオオオ!やってもうたーーーーーーーーーー!
この台にレンチャン機能なんて無いじゃん!クソガーーーーーーーーーー!!
何だかんだで全員当たりを引き続けているので、まだもう少しこのビッグウェーブを継続させてほしいものだ。
「グミのおかげで少し緊張が解けたかも。青いカプセルからでも可愛いアイテムが出るのなら、もう怖いモノなど無いわ!」
そう言った彼女は、躊躇なく魔石を10個投入。
レバーが光ったのを確認すると、目を閉じて天に祈りを捧げた。
・・・ほう。いい具合に緊張が解れてるな。
例え青を引いたとしても良い物が手に入る前例が出来たので、『赤いカプセル以上を引かなければ負け』みたいなプレッシャーが消えたのだろうと推測される。
グミも猫リュックで気を良くしたので、おそらく次回からは欲まみれガチャにはならんと思う。親父は大バカ殿様なので、何考えてるかさっぱりわからんが。
ゆっくりと目を開いたチェリンが、無駄のないフォームでレバーを回した。
ガチャコン! キュピン!
「えっ!?もしかして当たりを引いたかも!!」
「銀カプセルの音だよ!!」
「回す時にイイ感じの空気だったから、良いのが出るような気がしたぞ!」
「そうそう!良かった時の感覚を意識すれば勝利はすぐそこだ」
チェリンが銀のカプセルを開けた。
「・・・なんか服じゃなくて、【下着】って書いてあるわね」
「下着でも十分当たりだよ!」
「いや待て!フンドシだって下着だぞ?」
「それだけは絶対にイヤ!!」
そんな会話をしていると、カプセルがポフッと下着に変化した。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「うわ~~~!黒い下着だよ!なんかすごくエロいね」
「クッソエロいな・・・」
「これはエロい。銀カプセルだから高級下着だぞ」
ミスフィートさんと和泉も持ってるから、三つ目の高級下着か。
さっきのネグリジェと組み合わせたら、堕とせない男はいないんじゃないか?
「下着が出たのは素直に嬉しいけど、なんで黒い下着なのよ!?」
「エロいから?」
「今日ガチャを回すまでは、どちらかと言えば清純派だったじゃない!!」
「たしかにエロ方面はカーラが担当だったかも」
「もう!絶対次こそは普通の服を手に入れてみせるから!」
ん~、どうなんだろな?
ガチャのドツボ連鎖を断ち切るのって、経験上結構難しそうだぞ。
「俺に任せておけ。変な流れを変えて来てやる!」
勇ましい言葉と共に、殿が立ち上がった。
そしてツカツカとデラックスガチャの前に移動し、魔石を入れ始める。
「男性服が出たら2回目にカウントするからな~」
「わかってる!さすがにもう金カプセルなんてのは引けないだろうから、逆に言えばイロモノから遠ざかることが出来るハズだ!もう普通に赤いカプセルでいい!」
「そんなこと言わないで虹カプセルを出しちゃえ!」
「逆に普通の服ってまだ一着も出ていないわね・・・」
そうこうしてる間にレバーが光ったので、全員口を閉じた。
「流れを変えるって言ったろ?」
親父は天に祈りも捧げず、軽い感じでレバーを回した。
ガチャコン
「チッ、やっぱり適当じゃダメか・・・」
「適当はもったいないよ!」
「魔物10体分だからね~」
「まあでも適当じゃダメだって知ることが出来たから、それはそれでアリかもな」
親父が取り出したのは、やはり青カプセルだった。
「カードに【雑貨】って書いてあるな?これじゃあ範囲が広すぎだろ」
「青や緑だと大体それだぞ。だからカードを見てもさっぱり中身が分からんのだ」
中から出てきたのは、『ちょんまげのヅラ』だった。
時代劇の役者が使うようなモノじゃなく、もっとアホっぽいヤツだ。
「おい・・・」
「なにこれーーーーー!」
「髪の毛??にしてはすごく変な髪型ね。ちょっと意味が分からないわ」
「全然流れ変わってねえじゃん!!しっかり月代まで剃り上がってるじゃん!」
鏡を渡すと、親父は何も言わずにヅラをかぶった。
「「あーーーーーっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」」
「うわーっはっはっはっはっは!!親父が完璧な大バカ殿様になった!」
(あーーーっひゃっひゃっひゃっひゃ!ぶほッ!ごへあッ!)
「まあ・・・男性服の枠を消費しなかっただけ良かったと思おう。チェリンちゃんもだが、俺にも変な流れが来ていることが確定したな」
「どうすれば良い流れになるのかしら?」
「私には可愛い流れが来てるよ!」
「確かにグミにも流れは来てるのか。じゃあ俺にも何か流れが来てるのか!?」
これってもしや、勝機到来の予感!?
時空魔法に近い何かが出るのなら、もう一度レジェンドを回すべきじゃないか?
レインボーで運を放出してしまった後だけど、良い流れを生かさないのはガチャプロとして失格だろ。ココは勝負に出るべきだ!
―――――マジックバッグから、特大の魔石を取り出した。
「まさか・・・、お前、もう一度レジェンドを回すつもりか!?」
「嘘!?まだそんな大きな魔石を持ってたの!?」
「流れを生かす作戦だね!!」
「その通り。本当に貴重な魔石だから、もっと運を溜め込んでから使うべきなんだろうけど、良い流れを生かせない腑抜けはガチャラー失格だろ!!」
「なんか、ガチャラーとか言ってるぞこいつ・・・」
再びレジェンドガチャの前に立った。
正直、大当たり直後だから現在残っている運に自信は無いが、パチンコやスロットなんかには『レンチャン』があるんだよ!
そう、俺の大当たりはまだ続いてる可能性があるんだ!
この台にレンチャン機能が搭載されているのかどうかは不明だが、まずレインボーを当てるのが至難の業だから、これは特大の魔石を複数所持している俺にしか試すことが出来ない、最初で最後の実験と言ってもいいだろう。
このミッションには、全人類の夢と希望が懸かっているのだ。
もう後退は無い。
ひたすら前へ突き進み、そこに希望があることを皆に伝えるのが俺の役目。
特大の魔石を投入し、レバーを光らせた。
ここまで来たらもう、流れに身を任せるのみ。
欲を捨てろ。
あの時と寸分違わない動きをトレースするんだ。
身体だけじゃなく心も。
心を天空へと飛ばせ。
宇宙を感じろ。
世界と一体となれ。
―――――ココだ。
ガチャコン
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
悲しい音と共に静寂が訪れ、ガチャ部屋に冷たい風が吹く。
「運なんか残っていませんでした。青カプセルゲットだぜ!」
ノオオオオオオオ!やってもうたーーーーーーーーーー!
この台にレンチャン機能なんて無いじゃん!クソガーーーーーーーーーー!!
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