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584 和泉、策が奏功し過ぎてめっちゃ溺れる

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 結局今日は、船と機関車のエンジンを作りまくった。
 頃合いを見てシドにタイヤを見せに行ったので、そっちもバッチリだ。

 とにかくエンジンさえあれば、機関車の方はドワーフ達が何とかしてくれると思う。むしろエンジンの完成を待ってたくらいじゃないかな?

 とはいえ機関車の量産が大変なのは間違いないから、船の方は職を求めている一般人から従業員を募集して、俺の監視下で作らせるのがいいだろうな。

 正直、今まで俺だけが頑張り過ぎていたのだ。

 道路や建物を作らせまくっているエルフ達も負担が大きいので、ここから頑張ってもらうのは軍人やエルフ・ドワーフではなく、一番数の多い人族が中心となる。

 すでに尾張や伊勢では一般人に幾多の仕事を与えており、数多くの職人が誕生しているのだが、それ以外の新領地はほぼ手付かずの状態と言っていいだろう。

 そろそろ本気で行動を開始しないと、甲斐の国から派遣されて来る労働者達に、仕事を割り振ることすら出来やしない。

 もう遊んでる暇など無いのだ!



「あ~~~、すっごく緊張するーーーーーーーーーー!!」



 ベッドの上には、なぜか鬼っ娘の衣装を纏った和泉が女の子座りをしていた。
 別名、ペタン座りとも言うんだっけかな?

 しかし、赤い流星が鬼っ娘と一夜を共にするという非常にカオスな状況に、俺も驚きを隠せないでいた。


「おい和泉、なぜその衣装なんだ?いくら何でも絵面がヤバ過ぎるだろう!こんなのファンに知られたら、半殺しどころか1万回くらい殺されても文句言えないぞ!」
「確かに!!でもコレを着たらね、小烏丸が興奮するかなって思ったの!」
「正直に言いましょう。めっちゃ良いです!!」
「あははははははっ!」

 遊んでる暇など無いとか言ってたくせに、遊んでるようにしか見えないだって?
 バカモン!!夜のお勤めは決して遊びではない。ガチの真剣勝負なのだ!

「だがその衣装を纏ったのが運の尽きだったな。今日の俺は手加減することなど出来ない。覚悟はいいか?」
「くッ・・・、望むところだっちゃ!!」



 そして、赤い流星vs鬼っ娘という、まさかの異種格闘技戦が幕を開けた。





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「もうね、あの男は鬼畜だよ!!気絶すら許してもらえなかったんだよ!?」
「んんん?エロエロ将軍でしたけど、ワタクシには優しかったですわよ?」
「なんか和泉だけズルイぞ!アタシん時も、それくらい本気で来いよな~!!」
「朝まで攻められ続けて、私、一睡もしてないんだからね!」


 昨日と同様、玉座の前に入ろうとした所で絶対安静組の声が漏れ聞こえてきて、内容が内容だけに一歩も動けなくなった。

 ・・・鬼畜は言い過ぎじゃないっスかね?

 嫁レベル10程度のチョロ嫁に対して、朝まで攻撃の手を緩めなかったのは確かにやり過ぎた感があるけども、それは逆に和泉に魅力があったからそうなったわけで、作戦大成功と喜ぶ場面じゃないですか!

 ただミスフィートさんはいないようだ。
 いい加減、溜まりに溜まってた仕事を始めたんだと思う。


「えーと、夜伽が終わったらもう側室なんだよね?」
「だな!小烏丸に抱かれるまでは側室候補で、抱かれたら側室!わかりやすいと思わない?」
「結婚式ではなく夜伽が基準なのもおかしな感じですけども、納得のいく線引きではありますわね~」


 そうだったのか!!みんな側室候補だったから、正式に『側室』と呼ぶのは結婚式待ちなのかと思ってた。

 そういえば結婚式って、いつ挙げる予定なんだろう?
 あまりの嫁の多さに、どんな式になるのか想像もつかないんだけど・・・。


「結婚式っていつ頃になりそう?」
「少なくとも近畿地方を平定してからだね。尾張各地にいる側室候補が夜伽をするのを待つかどうかはわかんない。だってどんどん嫁が増えてくし!」
「確かにそれを考えると、キリが無いですわね~」
「一周してからじゃないと、初夜イベントがーーーーー!!」
「いや、もうアタシら初夜の後じゃん!」
「結婚式の後でもう一度抱かれるにいたしましても、御子を授かっていた場合、控えた方がよろしいのではなくって?」
「あっ、それもそうか!」
「初夜じゃなくて、懐妊できなかった勢の二週目って感じか!」


 俺にとっても重要な話が始まったんだけど、いつまでも立ち聞きしているのはどうかと思ったので、一旦ここを離れることにした。

 今俺が中に入ると、せっかくの話し合いに水を差してしまうからな。

 夕方まで自室で眠りたかったんだけど、しょうがないから違う場所で寝よう。
 寝過ごしたら大変だから、人がいるとこにすっか・・・。

 結局人に何かを頼む時って、パメラの顔が真っ先に思い浮かぶんですけどね!
 本当に頼りになる人物なので、若干依存症になってるかもしれない。


 城の3階にある大きな作業部屋にはおらず、パメラは前回と同様に1階の作業部屋を使っていた。城の外でテストもしていたから、確かにそっちの方がいいか。


「ここで寝るの?音がうるさいと思うわよ?」
「徹夜明けだから余裕。俺への気遣いは無用なんでガンガンやってくれ。ただ午後4時になったら起こしてほしいんだ。ダンジョンの送迎があるからさ」

 勝手にパメラの左手首に腕時計を着けた。
 女性は右手首とか聞いた事あるけど、どう考えても利き手は自由な方がいいし。

「やっぱり男物だとちょっとブカブカだな~。これだと作業の邪魔になるか。まあ、その辺の机の上にでも置いて、定期的に時間だけチェックしてくれ」

 反応が無いのでパメラを見ると、なぜか彼女は顔を赤くしてボーっとしていた。

「あ、うん。せっかくだからこのまま着けとく!」
「・・・まあいいか。じゃあお休み~」
「お休みなさい!」


 パメラがゴーレムを操作する音が意外と眠気を誘い、気付いた時には深い眠りについていた。
 
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