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526 ライオウに漢と認められる

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 赤い流星専用ザキュで皆の所に戻ろうと思ってたんだけど、壊れたランバル機を放置しておくわけにもいかず、やっぱり赤い流星専用ザキュはマジックバッグに収納してからランバル機の方に乗り込み、コックピットの扉を開けたまま帰還した。

 これって逆に足をやられた方が帰るの大変かもしれんね。
 見えないってだけなら、コックピットを開ければ視界が確保出来るわけだし。


「ご主人様お疲れ!最後すごく惜しかったな!」


 俺を見つけたセレスティーナが駆け寄って来たので、青いゴーレムを降りた。


「結構頑張ったんだけどな~。最後にとんでもない強敵が来ちまったんで、さすがに無理だったわ!」
「敵側のゴーレムに乗り込むのを見たが、一体どこへ行っていたのだ?」
「ああ、三河の大名は友達だって言ったろ?んで挨拶がてらに、ちょっとした取引もして来たんだ」
「ほう?向こうとも取引をしてくるとは、相変わらず抜け目が無いな!」
「すんげーお土産を貰って来たんで、後で見せてやるよ!」
「おーーーー!それは楽しみだな!!」


 ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン!


 黄金のライオウ機が近寄って来て、コックピットが開いた。
 中にいるライオウはとてもご機嫌だった。


「見事な暴れっぷりだったな!!」
「6機ほど撃破して来たぞ!でもゴーレムを壊しちまった。持ち主のランバルって人に謝りたいんだけど、どこにいるんだ?」
「コテツ機にダメージを与えたのを見たぞ!頭部を破壊されたとはいえ、十分過ぎる戦果だ!!ランバルも喜ぶだろう。謝る必要など無い!」
「そうなのか?じゃあ『漢を見せた』ってことでいいんだな?」
「文句無しの合格だ!!」
「んじゃ後程取引の続きを・・・、あっそうそう!三河の大名と少し話をして来たんで、同盟関係云々の話も大丈夫そうだわ」
「ほう?ならば明日からでもゴーレム製作に入れそうだな!ガッハッハッハッハ!!ランバル機はそこに置いたままで構わんから、連れの元へと戻るがいい!」
「了解だ!」


 複座型ゴーレムに乗り込み、仲間達のいる方へと歩いて行った。



 ・・・・・



 ガシャン

 コックピットの扉を開ける。


「こがっちお疲れ!」
「見てたよ!何機も撃破してたよね!」
「最後にやられたにゃ。雑魚にゃ」

 三馬鹿のお出迎えだ。ってかニャルルめ!

「あの白い機体は三河の副将だったんだよ!!まあやられたのは事実だから悔しいけど、次は俺が勝つぞ!」

 そんな負け惜しみを言いながらコックピットから出た。

「アニキだけ戦えるなんてズルい!!俺もバンバン撃ちたかったのに!」
「ああケンちゃん、今日はもう大将同士の対決やったら終了なんだってよ。でも一ヶ月後にまたゴーレム同士のいくさがあるんで、最後にそれに参加してから尾張に帰ろうと思ってる」
「マジっすか!?」
「もう尾張の隣くらいまで来ているのじゃろう?すぐ帰らなくてよいのかえ?」
「え~となあ。すぐに帰りたい気持ちもあるんだけど、甲斐大名との取引でゴーレムの情報がもらえることになってるんで、どっちみちその勉強で何日も滞在する必要があるんだよ。こういうのって後回しにすると面倒になっちまうから、今やるべきなんだ。レムの言う通り、早く帰りたい気持ちもあるんだけどさ・・・」

 ってか単純に、虎徹さんにリベンジしないとスッキリしねえんだよ!!

「ゴーレムの勉強には興味があるわ!子供達も参加させていいのかしら?」
「ああパメラ。参加はたぶん大丈夫だと思うけど、子供が聞いても難し過ぎてわからんかもしれんぞ?」
「わかるもん!」
「ねーーーー!」
「ああ悪い悪い!じゃあパメラと一緒に勉強頑張ってくれな!」

 あれ?

「ゼーレネイマスはどこだ?」
「そうそう!アニキに師匠がどこ行ったのか聞こうと思ってたんスよ!」
「いや知らん。もしかしてどこかの陣に紛れ込んでたのか!?」
「ええええええええええ!?師匠だけずるい!!」
「あの男ならやりかねん・・・。まあどうせいくさが終わってから帰るつもりだったし、ココにいりゃ戻ってくるだろ。それよりも皆に面白いモノを見せてやるぞ!三河の大名から、聖帝を撃破した祝いの品を貰って来たんだ!」

「「祝いの品??」」


 空いてるスペースまで歩いて行き、マジックバッグから赤い流星専用ザキュを取り出した。


「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」


 ガシャン

 コックピットの扉を開けると皆が群がって来た。


「これがご主人様が言っていたお土産かーーー!すごく格好良いじゃないか!!」
「めちゃめちゃ格好良いにゃ!!」
「すっげええええええええええええええ!他のゴーレムと全然見た目が違う!!」
「赤い流星専用機なんだぞ。だから見た目も真っ赤なんだ」
「こがっち!ちょっと動かしてみてくれよ!」
「皆の者、刮目せよ!」


 コックピットに乗り込み、何歩か下がってから剣を振り回してみせた。


 ブオン!ガシュッ!ジャキン!


「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」

「速い!」
「にゃにそれ!?動きが全然違うにゃ!!」
「マジでかっけええええええええええ!ってか三河って凄くね!?」
「小烏丸と懇意にしておるらしいから、特別製なのであろうの」
「こんな物をお土産に貰ってくるとか、よく考えたら異常よね・・・」
「こがっちといると、どんどん感覚がマヒしてくるよな!」
「流石はご主人様だな!」


 そして乗りたい者にはもったいぶらずに乗せてやり、いくさが終わるまでの間、赤い流星専用ザキュは皆のオモチャになったのだった。
 
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