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523 三河の白い奴

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 ―――――三河軍・虎徹視点―――――


 またもや青いゴーレムにより、味方のゴーレムが一機撃墜された。

 アレで何機目だ!?

 この後、ライオウ軍家老のマグナスとバトルがあるから黙って見てたけど、あの暴れん坊を倒さなきゃ味方が大損害を受ける事になる。

 つーか、あの青い機体って家老ランバルだよな?
 なんで九の陣に家老が二人もいるんだ?意味わかんねーーーーー!

 でもなんか戦い方がランバルっぽくねーんだよな~。
 アイツはもっとゴリゴリの肉弾戦をするタイプだったハズだ。

 ウーム・・・ここで考えててもしゃーねえか。
 マグナスとやる前に、青いゴーレムでウォーミングアップだ!


『コテツ、行きまーーーーーす!』


 ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!


 チッ!接敵する前にまた一機やられたか!
 もうやらせねーぞ!

 青いゴーレムの頭に照準を合わせてトリガーを引いた。


 ボシュッ!


『なにッ!オレの砲撃を避けた!?』


 盾で防がれたのならまだわかるんだけど、華麗に避けられたって事は気付かれていたのか!やるじゃねえかランバル!!

『危ねッ!』

 他のゴーレムと戦いながらこっちに撃ち返して来やがった!
 なかなか器用な真似してくれるじゃねえの!!

 ボシュッ!

 ボシュッ!

 ボシュッ!


『あああああああああああああ!ウチのゴーレムを盾に使いやがって!!』


 ランバルってあんな戦い方も出来たのかよ!
 くそッ、こうなりゃ肉弾戦だ!!


 ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!


 くそう、砲撃がうぜえな。でも逃がしゃしねえぜ!
 アニキが作った最新型のゴーレムをナメんじゃねえぞ!

 よし、追い詰めた。
 味方のゴーレムが邪魔で、そっち側には逃げられないだろ!


 ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!


 お?ランバルめ、武器を剣に持ち替えたな?
 ならばこっちも剣だ!派手に斬り合おうじゃないの!

 ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!


『いっけーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』





 ************************************************************



 ―――――甲斐軍・青い流星視点―――――



 すごく良い感じだったのに、なんか強そうなゴーレムが出て来たぞ?

 白いゴーレムか・・・。
 もしかしてアレって三河軍七の陣の指揮官じゃないか?

 砲撃が飛んで来たのでサッと避けた。
 でもなんかムカついたから撃ち返してやろう。

 ボシュッ!

 おっと目の前にも敵がいたんだった。

 ガギン!

 黄色ゴーレムの剣を盾で防いだ。

 どうすっかな~、ゴーレム二機相手はちょっとキツイぞ。
 って白い奴がガンガン撃って来たーーーーーーーーーーー!


「あ、そうだ。この黄色を盾にしよう」


 ドゴーーーーーン!


 おおう、すげー威力だ!
 やっぱあの白い奴は性能がワンランク上だな!

 ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!

 怒って追いかけて来たけど、向こうのゴーレムの方が性能上だし逃げます!


 ボシュッ!

 ボシュッ!

 ボシュッ!


 あっ、やべえ!味方のゴーレムが邪魔で逃げ切れん!

 ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!


「しゃーねえ、こうなったら斬り合いで勝負だ!」


 武器をバズーカから剣に持ち替えた。

 ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!


『いっけーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』


 ・・・ちょっと待て。この声って虎徹さんじゃね?
 ってそれどころじゃねえ!袈裟斬りか!!

 敢えて白い奴の懐に潜り込み、左手に持った盾で腕の方を弾いた。


「ここで左ミドルキックだ!」

 ガゴッ!!

『どわッッ!』

 くおおおおおおおおお!硬いの蹴ったらこっちも衝撃凄いじゃん!
 ゴーレムの足が折れそうだし、この蹴りボタンあんまり意味ねえぞ!!

 ガギン!

 しかし休んでる暇など無く、こっちも袈裟斬りで返したらデカい盾で防がれた。


「こりゃダメだ、パワーで負けてるもん。ならばこうだ!」


 バックステップで下がってから、盾を放り投げて剣の両手持ちに切り替えた。
 これならあの盾をぶった斬ることも可能なハズ!

 ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!

 白い奴が盾を前に出して突っ込んで来たので、こっちも前に出て剣を一閃。

 ギンッ!

 しかし敵ゴーレムの足に当たった感触はなく、斬ったのは盾だけだった。


「いない!?・・・上か!!」


 見えたのは宙から剣を振り下ろす白いゴーレムの姿。
 咄嗟に剣を振り上げる。


 ゴギーーーーーーーーーン!

 プチュン!


「あーーーーーーーーーっ!モニター画面が消えて何も見えなくなったぞ!!」


 おそらく頭を破壊されたんだ。あ~あ、俺の負けか~~~。
 頭を破壊されたら負けってのは、こういう理由からだったのね。

 コックピットの扉を開けて外に飛び出した。


「見事だな!しかし小僧、自分の力で勝ったのではないぞ。そのゴーレムの性能のおかげだということを忘れるな!」


 赤い流星のセリフではないが、有名なあの捨てゼリフを吐いてから後ろを向いて走り出す。


『って、ランバルじゃなくて赤い流星じゃねえか!!ちょっと待て、話がある!』


 ん?何だろ?
 シーン的に立ち去る寸前だったけど、よく考えたら指輪を渡すチャンスじゃん。

 負けて悔しいから今はそんな気分じゃないんだけど、無視するのもアレなんで、虎徹さんの方へと歩いて行った。
 
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