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516 策士セレスティーナ
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自分は苦労することなく軍用ゴーレムを操縦出来たが、仲間達のほとんどが悪戦苦闘していた。
ブレーキペダルの繊細さもだが、やはり左右のレバー操作は何度も練習しないとわかりにくいのかもしれない。
ただ、アホの子として名高いニャルルが、すでに素晴らしい動きをみせていた。
本能であそこまで感覚を掴んでいるとは、アレが噂の『新型』ってヤツなのかもしれないな!
アニメでは、普通の人よりも勘が鋭く、無線式の攻撃用兵器『ファムル』を何個も同時に使いこなすことが出来るという特殊能力を持っていた。さすがにゴーレムではちょっと無理だろうけど。
主人公が『新型』に目覚めて行くストーリーに、視聴者は皆武者震いしたもんだ。
赤い流星は残念ながら『新型』としての能力に恵まれている方ではなかったが、類稀なセンスで主人公とやり合っていたのだから、それはそれで凄まじい男と言える。
自分もロボットアニメを嗜んでいたお陰で操縦に戸惑うことが無かった感じだけど、それだと『新型』の枠組みには入らない。
やはり俺はそういう面でも『赤い流星』なのか・・・。
「ダメだー全然ゴーレムを上手く操ることが出来ないー!(棒)」
声のする方を見ると、すぐ近くのゴーレムのコックピットが開いていて、中からセレスティーナが出てくる所だった。
ってか軍用ゴーレムって外部の音までしっかり聞こえるんだな!
ゴーレムイヤーと連動してるんかな?耳は付いてなかった気もするけど。
とにかく民間ゴーレムと性能が違い過ぎる!
ハクロウが近寄って行ったので、俺もそっちに移動する。
「何があった?」
「どうやら私はゴーレムの操縦が苦手のようだ。このままでは皆の足を引っ張ってしまうだろう。この中で一番操縦が上手い者と複座型ゴーレムに乗って目的地に向かいたいのだが、それは可能か!?」
ハクロウが顎に手を当てて考えている。
「仕方あるまい。複座型のゴーレムで俺の後ろに乗ってもらうか・・・」
セレスティーナの顔が青くなった。
「待った!!あれだ、えーと・・・、まだよく知らぬ者と長い時間一緒というのは息が詰まりそうだ。仲間内で一番操縦が上手い人の後ろがいい!!」
ハクロウがニャルル機に目を向けると、セレスティーナがなぜか慌てふためいた。
「いや、安全面で考えると赤い流星の後ろの方が良いか・・・」
「わかった!!では小烏丸と一緒に乗ろうではないか!!」
すっげえ食い気味に決断したな。っていうか俺も複座型に乗るってことかい!
一人の方が色々遊べそうだったんだけどな~。まあしゃーないか・・・。
コックピットを開いた。
「二人乗りは構わんけど、軍用ゴーレムって外部の音も聞こえるんだな!もしかして中の人の声も相手に伝えたり出来るのか?」
ハクロウがゴーレムから降りて、こっちに歩いて来た。
「そういえば説明していなかったな。ここにある三つのボタンで、[音が漏れないようにする][声を聞かせる][全ての音を遮断する]と切り替えることが出来るぞ。普段は左のボタンを押しておき、音が漏れないようにするのが常識だ。外部に音がだだ洩れでは屁も出来ないだろう?」
「ハハハハ!確かに!!しかし軍用ゴーレムの性能は素晴らしいな!」
「民間ゴーレムと一緒にされては困るな!よし、複座型に乗り換えてもらうぞ。格納庫までついて来てくれ」
「あいよ!」
格納庫に向かうと、セレスティーナもゴーレムに乗ってついて来た。
「・・・普通に操縦出来ているように見えるんだが?」
歩くことくらいは出来るって感じなのかな?まあでも操縦に自信が無いと言ってるのに、何日もゴーレムで旅させるわけにもいくまい。
複座型ゴーレムに乗り換えると、セレスティーナも笑顔で後部座席に着いた。
理由はわからんけど、後部座席の方が少し高い位置にある。
「後ろの席にも何か色々ボタンがついているぞ?」
「何だろな?まあ後でハクロウに聞いてみよう。今はまだ触らないでおいてくれ」
「わかった」
その後しばらく皆がゴーレムの操縦に慣れるのを待ち、手の空いたハクロウから複座型ゴーレムの説明を受けることが出来た。
要は前に乗ってる人が近接戦闘をし、後ろの人が射撃を担当する感じだ。
なので武器をバズーカに持ち替えるわけじゃなく、両肩に付いている大砲から石礫を飛ばすのだ。
ただし砲撃をすると魔石の消耗も激しくなるので要注意だ。
要は土魔法と一緒。MPの代わりに魔石のエネルギーを消費するらしい。
自爆しないよう、砲台の前に自機の手や剣が出ない様に攻撃モーションも変更されているので、自分としてはそれがちょっと不服だったり・・・。
赤い流星としては、射撃も全部自分でやりたいからね!!
まあでも今回は移動に使うだけだから我慢しよう。
「よし、移動するだけなら全員問題無いだろう!すぐハーディス城に向かって出発するが、到着までに大きな街が二つあるので、そこで食料を補充しながら進むことになる。何か質問はあるか?」
「次の街まで1日じゃ到着しないよな?どこで寝る?」
「当然野宿だ!とはいえゴーレムの中に寝るのだから、虫やゴブリンに襲われる心配は無いぞ!」
やっぱ野宿なのね。
めんどいから、今はパメラハウスのことは話さんでもいいか。
「ゴーレムの中で走りながら食事をする感じか?」
「正解だ。用を足す為に定期的に休憩をとるが、我慢できない時は言ってくれ。はぐれてしまうと余計な時間が掛かってしまうからな」
「了解した」
「他に質問が無いのなら出発するぞ?」
誰も質問をしなかったので、それぞれゴーレムに乗り込んだ。
次の街までの食料と水は事前に渡されていて、ゴーレムに積んである。
ジャガピが城門を開き、俺達は街の中へ飛び出した。
先頭を走るハクロウを見失わないように、遅れずついて行く。
ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン!
そして街を出て殺風景な道を走っている時、結構地獄だということに気付き、セレスティーナに愚痴をこぼした。
「1日くらいならいいけど、たぶん1週間以上この状態が続くわけだよな?地味に辛いぞこれは!」
後ろを振り返ると、素っ裸のセレスティーナがそこにいた。
「うおおおおおおおおおおおい!!なんで裸になってんだよ!!」
「ドレスアーマーって結構重いんだぞ?」
「それはわかるが、全部脱がなくたっていいだろう!?」
「この方が楽なのだ!まあ気にするな!」
「死ぬほど気になるっつーねん!!」
そういやセレスティーナって裸族の人だったか・・・。
最近は大人しくしてたのに、なぜこんな状況で再発しやがった!?
後ろに裸の女性を乗せて1週間以上も旅をするのかよ!!
まいったな・・・。ここは天国ですか?地獄ですか?
ブレーキペダルの繊細さもだが、やはり左右のレバー操作は何度も練習しないとわかりにくいのかもしれない。
ただ、アホの子として名高いニャルルが、すでに素晴らしい動きをみせていた。
本能であそこまで感覚を掴んでいるとは、アレが噂の『新型』ってヤツなのかもしれないな!
アニメでは、普通の人よりも勘が鋭く、無線式の攻撃用兵器『ファムル』を何個も同時に使いこなすことが出来るという特殊能力を持っていた。さすがにゴーレムではちょっと無理だろうけど。
主人公が『新型』に目覚めて行くストーリーに、視聴者は皆武者震いしたもんだ。
赤い流星は残念ながら『新型』としての能力に恵まれている方ではなかったが、類稀なセンスで主人公とやり合っていたのだから、それはそれで凄まじい男と言える。
自分もロボットアニメを嗜んでいたお陰で操縦に戸惑うことが無かった感じだけど、それだと『新型』の枠組みには入らない。
やはり俺はそういう面でも『赤い流星』なのか・・・。
「ダメだー全然ゴーレムを上手く操ることが出来ないー!(棒)」
声のする方を見ると、すぐ近くのゴーレムのコックピットが開いていて、中からセレスティーナが出てくる所だった。
ってか軍用ゴーレムって外部の音までしっかり聞こえるんだな!
ゴーレムイヤーと連動してるんかな?耳は付いてなかった気もするけど。
とにかく民間ゴーレムと性能が違い過ぎる!
ハクロウが近寄って行ったので、俺もそっちに移動する。
「何があった?」
「どうやら私はゴーレムの操縦が苦手のようだ。このままでは皆の足を引っ張ってしまうだろう。この中で一番操縦が上手い者と複座型ゴーレムに乗って目的地に向かいたいのだが、それは可能か!?」
ハクロウが顎に手を当てて考えている。
「仕方あるまい。複座型のゴーレムで俺の後ろに乗ってもらうか・・・」
セレスティーナの顔が青くなった。
「待った!!あれだ、えーと・・・、まだよく知らぬ者と長い時間一緒というのは息が詰まりそうだ。仲間内で一番操縦が上手い人の後ろがいい!!」
ハクロウがニャルル機に目を向けると、セレスティーナがなぜか慌てふためいた。
「いや、安全面で考えると赤い流星の後ろの方が良いか・・・」
「わかった!!では小烏丸と一緒に乗ろうではないか!!」
すっげえ食い気味に決断したな。っていうか俺も複座型に乗るってことかい!
一人の方が色々遊べそうだったんだけどな~。まあしゃーないか・・・。
コックピットを開いた。
「二人乗りは構わんけど、軍用ゴーレムって外部の音も聞こえるんだな!もしかして中の人の声も相手に伝えたり出来るのか?」
ハクロウがゴーレムから降りて、こっちに歩いて来た。
「そういえば説明していなかったな。ここにある三つのボタンで、[音が漏れないようにする][声を聞かせる][全ての音を遮断する]と切り替えることが出来るぞ。普段は左のボタンを押しておき、音が漏れないようにするのが常識だ。外部に音がだだ洩れでは屁も出来ないだろう?」
「ハハハハ!確かに!!しかし軍用ゴーレムの性能は素晴らしいな!」
「民間ゴーレムと一緒にされては困るな!よし、複座型に乗り換えてもらうぞ。格納庫までついて来てくれ」
「あいよ!」
格納庫に向かうと、セレスティーナもゴーレムに乗ってついて来た。
「・・・普通に操縦出来ているように見えるんだが?」
歩くことくらいは出来るって感じなのかな?まあでも操縦に自信が無いと言ってるのに、何日もゴーレムで旅させるわけにもいくまい。
複座型ゴーレムに乗り換えると、セレスティーナも笑顔で後部座席に着いた。
理由はわからんけど、後部座席の方が少し高い位置にある。
「後ろの席にも何か色々ボタンがついているぞ?」
「何だろな?まあ後でハクロウに聞いてみよう。今はまだ触らないでおいてくれ」
「わかった」
その後しばらく皆がゴーレムの操縦に慣れるのを待ち、手の空いたハクロウから複座型ゴーレムの説明を受けることが出来た。
要は前に乗ってる人が近接戦闘をし、後ろの人が射撃を担当する感じだ。
なので武器をバズーカに持ち替えるわけじゃなく、両肩に付いている大砲から石礫を飛ばすのだ。
ただし砲撃をすると魔石の消耗も激しくなるので要注意だ。
要は土魔法と一緒。MPの代わりに魔石のエネルギーを消費するらしい。
自爆しないよう、砲台の前に自機の手や剣が出ない様に攻撃モーションも変更されているので、自分としてはそれがちょっと不服だったり・・・。
赤い流星としては、射撃も全部自分でやりたいからね!!
まあでも今回は移動に使うだけだから我慢しよう。
「よし、移動するだけなら全員問題無いだろう!すぐハーディス城に向かって出発するが、到着までに大きな街が二つあるので、そこで食料を補充しながら進むことになる。何か質問はあるか?」
「次の街まで1日じゃ到着しないよな?どこで寝る?」
「当然野宿だ!とはいえゴーレムの中に寝るのだから、虫やゴブリンに襲われる心配は無いぞ!」
やっぱ野宿なのね。
めんどいから、今はパメラハウスのことは話さんでもいいか。
「ゴーレムの中で走りながら食事をする感じか?」
「正解だ。用を足す為に定期的に休憩をとるが、我慢できない時は言ってくれ。はぐれてしまうと余計な時間が掛かってしまうからな」
「了解した」
「他に質問が無いのなら出発するぞ?」
誰も質問をしなかったので、それぞれゴーレムに乗り込んだ。
次の街までの食料と水は事前に渡されていて、ゴーレムに積んである。
ジャガピが城門を開き、俺達は街の中へ飛び出した。
先頭を走るハクロウを見失わないように、遅れずついて行く。
ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン!
そして街を出て殺風景な道を走っている時、結構地獄だということに気付き、セレスティーナに愚痴をこぼした。
「1日くらいならいいけど、たぶん1週間以上この状態が続くわけだよな?地味に辛いぞこれは!」
後ろを振り返ると、素っ裸のセレスティーナがそこにいた。
「うおおおおおおおおおおおい!!なんで裸になってんだよ!!」
「ドレスアーマーって結構重いんだぞ?」
「それはわかるが、全部脱がなくたっていいだろう!?」
「この方が楽なのだ!まあ気にするな!」
「死ぬほど気になるっつーねん!!」
そういやセレスティーナって裸族の人だったか・・・。
最近は大人しくしてたのに、なぜこんな状況で再発しやがった!?
後ろに裸の女性を乗せて1週間以上も旅をするのかよ!!
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