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515 軍用ゴーレム
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指輪を持って武者震いしていたハクロウだったが、椅子から立ち上がったと思ったら鋭い目で俺を見ながら一言。
「今すぐ御屋形様の元に向かうぞ!信濃最南端にあるハーディス城だ!」
「・・・・・・は!?」
え?今すぐ行くの!?この街に来てから俺達まだ何もしてないんですけど?
宿屋に泊っただけじゃん!
「む、そういえば民間ゴーレムでは移動に時間がかかるな。幼児二名は誰かと相乗りするとしても、9機の軍用ゴーレムが必要か・・・」
「え?軍用ゴーレムに乗れるのか!!」
やったぜ!!バスの方が絶対速いんだけど、軍用ゴーレムには是非とも乗ってみたいと思っていたから言わんでおこう!
「なあなあ、それって初心者でも操縦可能なのか?」
「ぐぬぬぬぬ、少し練習する必要があるか・・・」
交渉を俺に任せて違う席で駄弁っていた仲間達に声を掛ける。
「おいみんな!軍用ゴーレムに乗れるぞ!!」
弾んだ大声で話し掛けたので、全員が振り向いた。
「「軍用ゴーレム!?」」
「ただし操縦を覚えたら、すぐ信濃最南端まで出発だけどな」
「もう出発なの!?まだ街を散策してないよ!!」
「だが軍用ゴーレムは気になるのう」
「軍用ゴーレムか。戦闘用ならば興味はある」
シャイナ・レム・ゼーレネイマスという、普段絡むことが少ない三人が反応した。
「「軍用ゴーレムキタコレ!!」」
と思ったら次の瞬間、ゴーレム大好きゴマちゃん・ケンちゃん・ニャルルから歓声があがった。パメラと子供達もワーワー喜んでいる。
「今相乗りとか聞こえたのだが、小烏丸と相乗りができるのか!?操縦席の中ならば裸になっても他人に見られることはない・・・。これは千載一遇の好機!!」
セレスティーナが一人でブツブツ言っているが、離れているのでよく聞こえんな。彼女も軍用ゴーレムに何か思う所があるのだろう。
「では訓練場に移動するぞ。操縦に慣れたら出発だ!」
というわけで、俺達は軍用ゴーレムを操縦する訓練をすることになった。
************************************************************
訓練場に行くと、すでに軍用ゴーレムが何機も動いており、甲斐軍の兵士に混ざっての訓練となるようだった。
ハクロウが格納庫のシャッターを開けると、その中にゴーレムがずらっと並んでいるのが見えて、感動で武者震いしてしまった。
乗る前にハクロウから軽く操縦方法を説明される。
しかし民間ゴーレムに乗った経験があると言うと、『ならば後は実際に操縦して覚えろ』の一言で、並んである適当なゴーレムにそれぞれが搭乗した。
残念ながら子供用ゴーレムが無かったので、子供達はパメラと共に複座型の大きなゴーレムに乗り込んだ。
操縦席に座り起動ボタンを押すと、ただの蓋の裏だと思っていた場所に外の景色が映って驚いた。その左右にも画面が広がっていて視界は広い。
「すげえ!ゴーレムの目で見た景色がここに投影されているのか!」
もうこれだけで民間ゴーレムとの違いは明らかだった。
興奮しながら操縦席をチェックする。
足のペダルは民間ゴーレムとほぼ一緒だ。
しかしこっちの方が実用性に優れた作りなのが一目でわかる。
そして民間ゴーレムとの一番の違いは、左右のレバーだ。
赤い流星が出てくる例のアニメで見た操縦席に酷似しているので、おそらくこのレバー操作で方向転換や視点の角度を変えたりするのだろう。
ただレバーの下に四角いボタンが三つ付いていて、それを試そうと思いアクセルペダルを踏んで格納庫の外に出た。
ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン!
いいね!!
民間ゴーレムより明らかに軽快な動きだ。
アクセルペダルを強く踏み込んでみる。
ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!
「おおおおおおおおおおお!思ったより速いぞ!!」
ブレーキペダルを踏んで停止しようとすると、少し強く踏み過ぎたようで、ゴーレムが後ろに飛び跳ねた。
「何だと!?逆噴射みたいなことも出来るのか!!」
レバー操作で体勢を立て直して着地した。
「危ねッ!」
しかしこれは素晴らしいな!自在性や反応速度が明らかに違う。
やっとゴーレムの操縦が楽しくなってきたぞ!
右レバーの親指の所に付いているボタンを押してみた。
「・・・ん?反応せんな」
続けて四角いボタンを上から順に押してみる。
ブン
お!?モニターにゴーレムの右手が映ったぞ!
剣を持っていないので最初は意味が分からなかったが、振り下ろし・一閃・振り上げの三種のモーションが登録されているようだった。
よく見たら正面のパネルに目立つボタンがあったので押してみると、ゴーレムが剣を抜いたのがわかった。
ブン!
ブン!
ブン!
「こりゃ素晴らしい!!」
そしてもう一個の目立つボタンを押してみると、剣を戻してから筒みたいなモノを両手で持った。
「嘘だろ!?これってもしかして・・・」
もし読みが正解ならココで使うわけにゃいかん。
周囲をぐるりと見回すと、的としか思えない凹んだ壁があったので、その壁の正面に回り込んだ。
そして親指のボタンを押してみる。
ポチッ
ドンッ!!
筒から発射された石礫のようなモノが、壁に当たって弾けた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!バズーカまで使えるのかよ!!」
軍用ゴーレムすっげーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
こんなの面白すぎだろ!今すぐにでも誰かと戦ってみてえぞ!!
その時モニター画面に誰かのゴーレムが映ったので、何だろうと思って訝しんでると、コックピットを開けろというジェスチャーをしているのがわかった。
ガシャン
そこにいたのはハクロウだった。
俺と同じようにコックピットを開いている。
「お主、軍用ゴーレムに乗ったことがあるのか?」
「いや、今日が始めてだ」
「初めての操縦でそれか!?」
「ところで誰かと戦ってみたいんだけど!!」
「却下だ。急いで御屋形様の所に向かうと言ったろう!」
「デスヨネーーーーーーー!」
結局戦闘まではさせてもらえませんでした!!
ゼーレネイマスとなら、おそらく楽しい勝負が出来ると思ったんだけどな~。
まあ、この先いくらでもチャンスはあるだろ!
「今すぐ御屋形様の元に向かうぞ!信濃最南端にあるハーディス城だ!」
「・・・・・・は!?」
え?今すぐ行くの!?この街に来てから俺達まだ何もしてないんですけど?
宿屋に泊っただけじゃん!
「む、そういえば民間ゴーレムでは移動に時間がかかるな。幼児二名は誰かと相乗りするとしても、9機の軍用ゴーレムが必要か・・・」
「え?軍用ゴーレムに乗れるのか!!」
やったぜ!!バスの方が絶対速いんだけど、軍用ゴーレムには是非とも乗ってみたいと思っていたから言わんでおこう!
「なあなあ、それって初心者でも操縦可能なのか?」
「ぐぬぬぬぬ、少し練習する必要があるか・・・」
交渉を俺に任せて違う席で駄弁っていた仲間達に声を掛ける。
「おいみんな!軍用ゴーレムに乗れるぞ!!」
弾んだ大声で話し掛けたので、全員が振り向いた。
「「軍用ゴーレム!?」」
「ただし操縦を覚えたら、すぐ信濃最南端まで出発だけどな」
「もう出発なの!?まだ街を散策してないよ!!」
「だが軍用ゴーレムは気になるのう」
「軍用ゴーレムか。戦闘用ならば興味はある」
シャイナ・レム・ゼーレネイマスという、普段絡むことが少ない三人が反応した。
「「軍用ゴーレムキタコレ!!」」
と思ったら次の瞬間、ゴーレム大好きゴマちゃん・ケンちゃん・ニャルルから歓声があがった。パメラと子供達もワーワー喜んでいる。
「今相乗りとか聞こえたのだが、小烏丸と相乗りができるのか!?操縦席の中ならば裸になっても他人に見られることはない・・・。これは千載一遇の好機!!」
セレスティーナが一人でブツブツ言っているが、離れているのでよく聞こえんな。彼女も軍用ゴーレムに何か思う所があるのだろう。
「では訓練場に移動するぞ。操縦に慣れたら出発だ!」
というわけで、俺達は軍用ゴーレムを操縦する訓練をすることになった。
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訓練場に行くと、すでに軍用ゴーレムが何機も動いており、甲斐軍の兵士に混ざっての訓練となるようだった。
ハクロウが格納庫のシャッターを開けると、その中にゴーレムがずらっと並んでいるのが見えて、感動で武者震いしてしまった。
乗る前にハクロウから軽く操縦方法を説明される。
しかし民間ゴーレムに乗った経験があると言うと、『ならば後は実際に操縦して覚えろ』の一言で、並んである適当なゴーレムにそれぞれが搭乗した。
残念ながら子供用ゴーレムが無かったので、子供達はパメラと共に複座型の大きなゴーレムに乗り込んだ。
操縦席に座り起動ボタンを押すと、ただの蓋の裏だと思っていた場所に外の景色が映って驚いた。その左右にも画面が広がっていて視界は広い。
「すげえ!ゴーレムの目で見た景色がここに投影されているのか!」
もうこれだけで民間ゴーレムとの違いは明らかだった。
興奮しながら操縦席をチェックする。
足のペダルは民間ゴーレムとほぼ一緒だ。
しかしこっちの方が実用性に優れた作りなのが一目でわかる。
そして民間ゴーレムとの一番の違いは、左右のレバーだ。
赤い流星が出てくる例のアニメで見た操縦席に酷似しているので、おそらくこのレバー操作で方向転換や視点の角度を変えたりするのだろう。
ただレバーの下に四角いボタンが三つ付いていて、それを試そうと思いアクセルペダルを踏んで格納庫の外に出た。
ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン!
いいね!!
民間ゴーレムより明らかに軽快な動きだ。
アクセルペダルを強く踏み込んでみる。
ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!ガシン!
「おおおおおおおおおおお!思ったより速いぞ!!」
ブレーキペダルを踏んで停止しようとすると、少し強く踏み過ぎたようで、ゴーレムが後ろに飛び跳ねた。
「何だと!?逆噴射みたいなことも出来るのか!!」
レバー操作で体勢を立て直して着地した。
「危ねッ!」
しかしこれは素晴らしいな!自在性や反応速度が明らかに違う。
やっとゴーレムの操縦が楽しくなってきたぞ!
右レバーの親指の所に付いているボタンを押してみた。
「・・・ん?反応せんな」
続けて四角いボタンを上から順に押してみる。
ブン
お!?モニターにゴーレムの右手が映ったぞ!
剣を持っていないので最初は意味が分からなかったが、振り下ろし・一閃・振り上げの三種のモーションが登録されているようだった。
よく見たら正面のパネルに目立つボタンがあったので押してみると、ゴーレムが剣を抜いたのがわかった。
ブン!
ブン!
ブン!
「こりゃ素晴らしい!!」
そしてもう一個の目立つボタンを押してみると、剣を戻してから筒みたいなモノを両手で持った。
「嘘だろ!?これってもしかして・・・」
もし読みが正解ならココで使うわけにゃいかん。
周囲をぐるりと見回すと、的としか思えない凹んだ壁があったので、その壁の正面に回り込んだ。
そして親指のボタンを押してみる。
ポチッ
ドンッ!!
筒から発射された石礫のようなモノが、壁に当たって弾けた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!バズーカまで使えるのかよ!!」
軍用ゴーレムすっげーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
こんなの面白すぎだろ!今すぐにでも誰かと戦ってみてえぞ!!
その時モニター画面に誰かのゴーレムが映ったので、何だろうと思って訝しんでると、コックピットを開けろというジェスチャーをしているのがわかった。
ガシャン
そこにいたのはハクロウだった。
俺と同じようにコックピットを開いている。
「お主、軍用ゴーレムに乗ったことがあるのか?」
「いや、今日が始めてだ」
「初めての操縦でそれか!?」
「ところで誰かと戦ってみたいんだけど!!」
「却下だ。急いで御屋形様の所に向かうと言ったろう!」
「デスヨネーーーーーーー!」
結局戦闘まではさせてもらえませんでした!!
ゼーレネイマスとなら、おそらく楽しい勝負が出来ると思ったんだけどな~。
まあ、この先いくらでもチャンスはあるだろ!
応援ありがとうございます!
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