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511 次の街へ向かって出発
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ゴーレムを知るためにゴロンゴ工房で色々な知識を手に入れた俺達は、また一人20000ギランの高級宿に一泊してから、ようやく南に向かって進み始めた。
ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン!
ケンちゃん・ゴマちゃん・チャミィの操縦するゴーレムが、重量感のある音を出しながらトバルダの街を歩いて行く。
「楽かもしれんが、思ったより速くないのう」
「音も大きいし、普通に歩いた方が良くないか?」
「なにおう!?音がデカいのは事実だけど、速度はもう少し出せるぞ!今は皆に合わせて歩いているだけだ!」
ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン!
ゴマちゃんがアクセルをベタ踏みして先へ行ってしまった。
「アレが最大か~。確かにそれなりの速度は出ているが、旅をするならバスに乗った方が良さそうだな」
セレスティーナも操縦を楽しんでいたハズだけど、どうやら実用的に考えるらしく、ゴーレムにロマンを感じていたわけではないのかもしれない。
ケンちゃんはもう完全に男のロマンで操縦を楽しんでいる。ゴマちゃんも同様で、ゴーレムに乗ってるというだけで楽しくてしょうがない感じだな。
「こがにゃん!こがにゃん!」
「ん?」
「あとでませきちょーだい!」
珍しく、メメが俺におねだりをしてきた。
「魔石を欲しがるってことは、ゴーレムを作ってみるつもりなのか?」
「うん!!」
実はメメとチャミィも土魔法使いなのだ。
佐渡ヶ島では、パメラ師匠の元で一生懸命土魔法の練習をしていたから、今では二人とも結構な使い手に育っていた。
幼女のうちからゴーレム作りに目覚めれば、将来優秀なゴーレム職人に育つかもしれないな・・・。これは良い傾向だぞ!
「もちろんいいぞー!じゃあ街から出たらゴーレム作りの練習をしてみるか?」
「するーーーーー!!」
「こりゃあ楽しみだな!俺のゴーレムもメメに作ってもらおうか」
「みんなのぶんをつくらなきゃだからたいへんなのよ!」
「ハハハハ!それならパメラとチャミィにも頑張ってもらわないとだな!」
俺とメメの会話が聞こえたのだろう。パメラが近寄って来た。
「その場で作れる自信なんか無いわよ?っていうか絶対無理よ!」
「まあそりゃあな。話を聞いた感じだと、ゴーレムを作るのは一筋縄ではいかないだろう。まずは小さなゴーレム擬きを作ってみて、その後バスの中で試行錯誤してみるといいんじゃないか?」
「なるほど、いい暇潰しになりそうね!」
そんな会話をしながらトバルダの南門を出て外に出た。
さすがに門の前でゴーレムを作って遊ぶわけにもいかんから、しばらく南へ歩く。
「よし、この辺りなら問題無いだろう。そっちの木陰で休憩がてらにゴーレム作りだな。テーブルと椅子を人数分用意してもらえるか?」
「はいは~い」
パメラも慣れたもので、休憩所を作る所要時間は1分だった。
テーブルの上に、メメからおねだりされた魔石を置きまくる。
「にゃはははは!こんにゃのを見たら、あの店主ひっくり返るにゃね!!」
「魔石(中)であんなに驚いてたのに、魔石(大)が机の上に山盛りだからな!」
「ボク達が集めてた魔石がこんな貴重な物だとは思わなかったね~!」
「俺もまさかゴーレムの国に来るとは思ってなかったけど、魔石ってのは突然もの凄い価値が出たりするもんなんだよ。魔道具を動かすのにも必要だしな」
とかいいつつ、ガチャのことしか頭になかったけどな!!
「でも非常に価値のある魔石(大)を練習には使えないわね。とりあえず今回は魔石(中)でやってみるわ!ミィとメメもそれでいいかしら?」
「「うん!!」」
魔石(中)ならマジで腐るほどあるから、練習で無駄に溶かしてしまってもほとんどノーダメージなのだ。まあ回収している時は地獄だったんだけどさ。
三人は魔石(中)を握りしめて、テーブルから3メートルほど移動した。
残った人達はコーヒーを飲みながらゴーレム作りを見守る。
「あっ、今から作るのはバスの中で練習するのに使うから、まずは小さいゴーレムを作るのよ?それを動かせるようになったら大きいのに挑戦してみましょう!」
「「はーーーーーーーーーーーーーーい!!」」
パメラ先生の言うことを聞いていれば間違い無いからな。
先生モードの時はいつも以上に言葉使いが丁寧だし。
しかし子供達に勉強を教えてる姿を見るのって、ほっこりしますな~。
思えばゴロンゴ工房の店主って教え方が上手かったな。魔石に気を良くしていたのか、企業秘密と思われるテクニックも包み隠さず教えてくれたのだ。
コーヒーを飲んでいるギャラリー以上に三人は真剣に店主の説明を聞いていたので、ちゃんと理解していればいつか成功すると思うんだよね。
「なあこがっち!もしかしてゴーレムを3機しか買わなかったのって、パメラに作ってもらうつもりだったのか?」
「まあそれもあるけど、1日2日で作れるとは思っちゃいない。えーとな・・・、トバルダに来る前ゴーレムと並走したけど、移動するだけならバスの方が圧倒的に速かっただろ?」
「ああ、最初のゴーレムのことか!」
「だから旅をしている間はバスを使うだろうし、俺の感覚ではゴーレムって遊び道具なんだよね。オモチャなら3機もありゃ十分だ!軍用機ゴーレムなら自分の機体が欲しくなるかもしれんけど」
「なるほどな~。買ったヤツだと走りながら殴ったり出来ないし、たしかに遊び道具って感じかもな!農作業なんてしねえし」
あのオートマじゃ全くそそらんのですよ。
誰か、自由自在に動かせるゴーレムを俺に下さい!
「あーーーーーーーーー!ゴーレムが動いてるにゃ!!」
「なにッ!?」
見ると、メメの目の前にある小さなゴーレムがちょこちょこ動いていた。
ちょっと待てや。今作り始めたばかりだぞ?
もしかしてウチの子って天才!?
ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン!
ケンちゃん・ゴマちゃん・チャミィの操縦するゴーレムが、重量感のある音を出しながらトバルダの街を歩いて行く。
「楽かもしれんが、思ったより速くないのう」
「音も大きいし、普通に歩いた方が良くないか?」
「なにおう!?音がデカいのは事実だけど、速度はもう少し出せるぞ!今は皆に合わせて歩いているだけだ!」
ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン! ガシン!
ゴマちゃんがアクセルをベタ踏みして先へ行ってしまった。
「アレが最大か~。確かにそれなりの速度は出ているが、旅をするならバスに乗った方が良さそうだな」
セレスティーナも操縦を楽しんでいたハズだけど、どうやら実用的に考えるらしく、ゴーレムにロマンを感じていたわけではないのかもしれない。
ケンちゃんはもう完全に男のロマンで操縦を楽しんでいる。ゴマちゃんも同様で、ゴーレムに乗ってるというだけで楽しくてしょうがない感じだな。
「こがにゃん!こがにゃん!」
「ん?」
「あとでませきちょーだい!」
珍しく、メメが俺におねだりをしてきた。
「魔石を欲しがるってことは、ゴーレムを作ってみるつもりなのか?」
「うん!!」
実はメメとチャミィも土魔法使いなのだ。
佐渡ヶ島では、パメラ師匠の元で一生懸命土魔法の練習をしていたから、今では二人とも結構な使い手に育っていた。
幼女のうちからゴーレム作りに目覚めれば、将来優秀なゴーレム職人に育つかもしれないな・・・。これは良い傾向だぞ!
「もちろんいいぞー!じゃあ街から出たらゴーレム作りの練習をしてみるか?」
「するーーーーー!!」
「こりゃあ楽しみだな!俺のゴーレムもメメに作ってもらおうか」
「みんなのぶんをつくらなきゃだからたいへんなのよ!」
「ハハハハ!それならパメラとチャミィにも頑張ってもらわないとだな!」
俺とメメの会話が聞こえたのだろう。パメラが近寄って来た。
「その場で作れる自信なんか無いわよ?っていうか絶対無理よ!」
「まあそりゃあな。話を聞いた感じだと、ゴーレムを作るのは一筋縄ではいかないだろう。まずは小さなゴーレム擬きを作ってみて、その後バスの中で試行錯誤してみるといいんじゃないか?」
「なるほど、いい暇潰しになりそうね!」
そんな会話をしながらトバルダの南門を出て外に出た。
さすがに門の前でゴーレムを作って遊ぶわけにもいかんから、しばらく南へ歩く。
「よし、この辺りなら問題無いだろう。そっちの木陰で休憩がてらにゴーレム作りだな。テーブルと椅子を人数分用意してもらえるか?」
「はいは~い」
パメラも慣れたもので、休憩所を作る所要時間は1分だった。
テーブルの上に、メメからおねだりされた魔石を置きまくる。
「にゃはははは!こんにゃのを見たら、あの店主ひっくり返るにゃね!!」
「魔石(中)であんなに驚いてたのに、魔石(大)が机の上に山盛りだからな!」
「ボク達が集めてた魔石がこんな貴重な物だとは思わなかったね~!」
「俺もまさかゴーレムの国に来るとは思ってなかったけど、魔石ってのは突然もの凄い価値が出たりするもんなんだよ。魔道具を動かすのにも必要だしな」
とかいいつつ、ガチャのことしか頭になかったけどな!!
「でも非常に価値のある魔石(大)を練習には使えないわね。とりあえず今回は魔石(中)でやってみるわ!ミィとメメもそれでいいかしら?」
「「うん!!」」
魔石(中)ならマジで腐るほどあるから、練習で無駄に溶かしてしまってもほとんどノーダメージなのだ。まあ回収している時は地獄だったんだけどさ。
三人は魔石(中)を握りしめて、テーブルから3メートルほど移動した。
残った人達はコーヒーを飲みながらゴーレム作りを見守る。
「あっ、今から作るのはバスの中で練習するのに使うから、まずは小さいゴーレムを作るのよ?それを動かせるようになったら大きいのに挑戦してみましょう!」
「「はーーーーーーーーーーーーーーい!!」」
パメラ先生の言うことを聞いていれば間違い無いからな。
先生モードの時はいつも以上に言葉使いが丁寧だし。
しかし子供達に勉強を教えてる姿を見るのって、ほっこりしますな~。
思えばゴロンゴ工房の店主って教え方が上手かったな。魔石に気を良くしていたのか、企業秘密と思われるテクニックも包み隠さず教えてくれたのだ。
コーヒーを飲んでいるギャラリー以上に三人は真剣に店主の説明を聞いていたので、ちゃんと理解していればいつか成功すると思うんだよね。
「なあこがっち!もしかしてゴーレムを3機しか買わなかったのって、パメラに作ってもらうつもりだったのか?」
「まあそれもあるけど、1日2日で作れるとは思っちゃいない。えーとな・・・、トバルダに来る前ゴーレムと並走したけど、移動するだけならバスの方が圧倒的に速かっただろ?」
「ああ、最初のゴーレムのことか!」
「だから旅をしている間はバスを使うだろうし、俺の感覚ではゴーレムって遊び道具なんだよね。オモチャなら3機もありゃ十分だ!軍用機ゴーレムなら自分の機体が欲しくなるかもしれんけど」
「なるほどな~。買ったヤツだと走りながら殴ったり出来ないし、たしかに遊び道具って感じかもな!農作業なんてしねえし」
あのオートマじゃ全くそそらんのですよ。
誰か、自由自在に動かせるゴーレムを俺に下さい!
「あーーーーーーーーー!ゴーレムが動いてるにゃ!!」
「なにッ!?」
見ると、メメの目の前にある小さなゴーレムがちょこちょこ動いていた。
ちょっと待てや。今作り始めたばかりだぞ?
もしかしてウチの子って天才!?
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