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480 佐渡ヶ島の探索は一旦終了

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 セレスティーナに裸の価値を余すことなく伝え、本作戦は見事成功に終わったと判断し、今日はもう探索をやめて家に帰ることにした。

 ってか、肝心な探索の方は全然進まなかったんですけどね!
 まあ暇潰しみたいなもんだから、大した問題じゃないんだけどさ。

 ただ色々あって疲れたのか、帰り道のくっころさんは大人しかった。
 何か考え込んでるようだったので、良い方向に行くよう、邪魔はしないでおいた。


 皆の所へ戻る頃にはもう夕方になっており、一日の修行を終えた仲間達が解散する場面だったので、お疲れさんの言葉と共に、その場にいた皆に唐揚げを振舞った。

 そして俺はパメラハウスに戻ったわけだけど、なぜかケンちゃんは師匠であるゼーレネイマスにくっついて行き、その代わりレムとセレスティーナがこっちに来るという、ちょっとした入れ替わりが発生した。

 とはいえニャルルは猫ちゃんの家に行ったので、女性陣が全員集合ってわけではないけど、なんかまた女性比率が高い家になってしまったぞ・・・。


 そして翌日。

 清々しい目覚めの後、外に出て朝の鍛錬をしてから洗面所で顔を洗い、朝飯を食うためにリビングへと入る。

 しかし目に飛び込んで来た光景で、思わず腰を抜かしそうになった。


「ブホッッッッッッッッッッ!なんだこりゃああああああーーーーーーー!!」


 ―――全員、裸エプロンだった。子供達二人までもだ!!


「「アーーーーーッハッハッハッハッハッハ!!」」


 やられたッッッ!セレスティーナめ、俺の性癖をバラしやがったな!!


「こがっちが裸エプロン大好きだったとは思わなかったぜ!」
「でもこれは、やってる方もすごく恥ずかしいわね・・・」
「セレにゃんさんの情報は正しかったよ!こがにゃんさんがすごく動揺してる!」
「裸を見られるのは平気なのじゃが、これは少し恥ずかしいのじゃ・・・」
「ほら!言った通りだろう?ご主人様が狼狽えている」

「こんなん誰だって狼狽えるわ!!なんで子供達まで裸エプロンなんだよ!?」

「「こがにゃんのエッチーーーーー!」」

 チャミィとメメが、幼女らしからぬ挑発的なポーズをしている。
 いや、さすがに幼女を見て欲情はしませんよ!?

「それにしてもエプロンなんて持ってる人、パメラくらいじゃなかったか?」

「昨日猫ちゃんに布を貰って来て、みんなで作ったんだよ!」
「紐を付けるだけだったから簡単だったぜ?」

「この一発ギャグのためだけに、何ちょっと頑張っちゃってんのよ!?」

「小烏丸って女性の裸を見ても結構平然としてるじゃない?一泡吹かせる方法があるならば、実践するに決まってるわ!」

「いやいやいや!平然としてるように取り繕ってはいるけど、心の中ではいつも動揺してるっつーの!ミスフィート軍での生活で、多少女体慣れしている所はあるが」


 あ、そうか!
 今日はケンちゃんがいないから、この作戦を実行したんだなきっと。

 彼がここに来てから、エッチぃイベントが少なくなってたけど、この瞬間を逃さず有効利用するとはなかなかやりおるわ・・・。

 まあそんなこんなで、わちゃわちゃした朝の一騒動を終え、皆は魔法の特訓をするため外へ散って行った。


 そして俺も、佐渡ヶ島の探索二日目に突入だ!





 ************************************************************





 修行を開始した皆から少し離れた場所に移動し、バイクに跨る。


「今日も北へ向かうのか?」
「そうだなぁ~、でもこの場所ってたぶん佐渡ヶ島の中央だろ?真っ直ぐ北上すると海まで結構な距離だと思うんだよ・・・ってオイ!」

 振り返ると、当然のようにくっころさんがバイクに跨っていた。

「なんだ?」
「どうせ今日も付いて来るんだろな~って思ってたからそれはいい。でもまたスカートじゃねえか!タイヤに巻き込まれると本当に危ないんだって!」
「ご主人様も心配性だな~。でも今日は大丈夫だぞ!」

 セレスティーナがバイクから降りる。
 そして両手でスカートの裾を持ち上げた。

「ほらな!」
「あっ、ミニスカートだったのか!なるほど、それなら昨日のよりは大丈夫そうだな。いや、でも風でめくれ上がるぞ!?やっぱズボンの方がいいって」
「それも大丈夫だ!ほら!」

 セレスティーナがスカートの裾をさらに持ち上げ、白と水色のしましま模様のパンツが見えた。

「何が大丈夫なんだよ!?普通に可愛いパンツが見えてるって!!」
「そう!パンツを履いているのだ!!」
「・・・・・・いや、そりゃパンツは履いてるだろうけど」

 どういうこっちゃ?相変わらずくっころさんの考えてることがわからねえ・・・。

「ま、まあいいか。んじゃそろそろ出発するぞー、後ろに乗ってくれ!」
「たしかバイクといったか?この乗り物は速くて素晴らしいな!」
「まあな。これは自分で作ったモノじゃないんだけどさ、自慢の乗り物だぞ!」


 バイクを走らせ、3kmほど走ったところでふと気付く。

 そしてスピードを落として停車させた。


「なぜ止まった?」
「ちょっとバイクから降りてくれ」

 セレスティーナが頭に『?』を浮かべながらバイクから降りた。

「上の服も昨日の服と違うじゃん!!」
「はあ?そりゃそうだろう。服は毎日着替えるモノだぞ?」
「着替えたってことは、また防御力ゼロじゃねえか!!」
「・・・あ」


 結局今日もセレスティーナに服を脱いでもらい、その場で服の強化を始めた。
 彼女は縞パンにトップレスという、とんでもない姿で横に立っている。


「パンツ一枚だけの姿で道端に立っているというのも、なかなか興奮するな!」

「ん?何か言ったか?」
「何でもない。付与を続けてくれ!」


 こんなことなら、家にいる時に着替えの服も何枚か強化してやれば良かった。
 昨日渡した剣は腰にぶら下げていたから、それは良かったけど・・・。
 
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