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473 新たな魔王。・・・魔王?
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薄気味悪い男の次に現れたのは、フルアーマー姿の金髪美女だった。
その女性の呼び掛けに対し、仲間が全員俺を指差した。
「うおーーーーーーい!一瞬でバラすなや!!」
「だって面倒臭そうだし・・・」
「こがにゃんにゃら連戦も余裕にゃ!」
「こがっちガンバレ~!」
あの三馬鹿め!それでも仲間か!!
・・・いや、全員がこっちを指差してたな。たしかに俺をご指名っぽいけどさ!?
「その赤い奴だな!?私と勝負しろ!!」
「嫌どす。魔王はもうお腹いっぱいなの」
「な、なんだと!?それでも貴様は騎士か!!」
いや、騎士ではない。
金髪美女が長い髪を靡かせ、カツカツと歩み寄り、すぐ目の前で胸を張る。
「さあ剣を抜け!本当にゼーレネイマスより強いのか確かめさせてもらう!!」
「そんなことより、あンたも魔王なの?全然魔王っぽくないんだけど・・・」
「来ないのならば私から行くぞ!!」
金髪美女がロングソードを抜き、問答無用とばかりに斬りかかって来た。
あのさ・・・、まだこっちは剣を抜いてないし、少しは人の話を聞きなさいよ!
ブンッ
って、思ったより剣速がイマイチだな。武器合ってんのか??
ガギンッ!
瞬時に抜いた刀で金髪美女のロングソードを叩き折った。
げしっ
「なッ!?」
そして右足を蹴って転ばせ、馬乗りになり、彼女の首に刀を突き付ける。
「降参か?」
金髪美女は悔しそうに顔を歪めた。
「くっ、殺せ!!」
「・・・・・・・・・・・・」
こ、このセリフは・・・、え?まさか彼女は『くっころ』さんなのか!?
そういや、さっき俺も図星をつかれた時に『くっ、殺せ!!』って思ったわけだけど、まさかアレが『くっころ』フラグになってしまったのか!!
いや、でも魔王だよな!?
この人、どこからどう見ても姫騎士とかそういうのなんだけど!!
「もしや、殺す気など初めから無かったのだな!?・・・そうか、犯すなら好きなだけ犯せばいい!どれだけ凌辱されようとも私の心は折れぬからな!」
「いや、突然何とち狂ったこと言ってんだこの人は!?」
嫌な予感がして周りを見ると、女性陣全員がジト目でこっちを見ていた。
「くっ、むしろ俺を殺せ!!どうしてくれるんだ、この空気!!」
「男性経験など無いが、初めては痛いと聞く。だが私は耐えきってみせるぞ!」
「おい、その口撃ホントやめて下さい!俺のライフはとっくにゼロですから!!」
なんて恐ろしい女なんだ・・・!
余裕で勝ったと思ったのに、俺にここまでのダメージを負わせるとは。
「なあこがっち。とりあえず、その女から降りたら?」
ゴマちゃんの冷静な指摘により我に返った。
いや、冷静というより、俺を蔑んでるようにも感じたが。
馬乗りを解除し、立ち上がった。
でも『くっころ』さんは、大地に寝そべったままだ。
当然無視して、さっきまで俺と戦闘していた魔王の側まで歩いて行く。
「まだ名前を聞いてなかったな。えーと、闇魔法の魔王。その姫騎士みたいな人って本当に魔王なのか?」
地面に寝そべっている『くっころ』さんを指差す。
「俺っちは『ズウィード』。んで、そいつの名は『セレスティーナ』ダ。れっきとした魔王だゼ?」
「マジで?ああ、俺は小烏丸だ。でもさあ、なんかあの人めちゃめちゃ弱かったんだけど・・・。武器が重いんじゃないか?あのフルアーマーにしても・・・」
「昔は強かったゾ?でもセレスティーナはすぐ他ノ者の影響を受ける奴でナ、アリアで何度も敗北した女騎士に憧れて、ソの女のような恰好をするヨうになっタ。此処ニ来てからはゼーレネイマスに敗北シて、フルアーマー姿になったナ」
うわぁ、自ら弱くなる方向へ進んで行くとは、さすがくっころさんだ・・・。
「なんかロングソードも簡単に折れたんだが、アレって鉄製だよな?」
「もう鉄の武器しか持ってないんジゃねーカ?ゼーレネイマスにも魔剣を折られていたからナ」
おおう、なんて不憫なくっころさんだ・・・。
少し同情するけど、俺の天敵な気がするから放っておこう。
彼女に関わると、自分が不幸な目にあう予感しかしねえ。
「情報ありがとな、ズウィード。よし、これで変なイベントは終わり!そろそろ別宅に移動しよう」
「ええ?この倒れてる人をそのまま置いてくの?ちょっと酷くないかしら?」
パメラがもっともらしい意見を言うが、私にも悲しいことはあるのだよ。
「ヤダ。くっころさんに関わると俺が不幸になる!」
「もう手遅れだと思うにゃ。コイツ絶対懲りてにゃいにゃ」
ニャルルが地面に寝そべるくっころさんを指差した。
「ニャルルよ、彼女をそっとしといてやるんだ。その指差す行動ですら俺の命取りになりかねん」
「さっきから、その『クッコロサン』って呼んでるのは何なんだよ!?たしか『セレスティーナ』って名前じゃなかったか?」
「説明しよう。負けた時に『くっ、殺せ!』といった発言をする女騎士を、略して『くっころ』と呼ぶんだ。そして女騎士はオークに弱いという噂もある」
「キシってにゃんにゃ?」
「ああ、『騎士』ってのは、主君に忠誠を誓う名誉ある称号なんだけど、まあ『戦士』の違う呼び方とでも思っといてくれ」
「あははははははは!何だよそれ!!」
とにかく、やっと猫ちゃんの別宅に向かうことが出来そうだ。
なんで隣の家まで行くちょっとの間に、魔王と連戦しなきゃならねえんだよ!!
―――しかし小烏丸はまだ知らない。『くっころ』さんはしつこいのだ。
◇
(´・ω・`)「自分で言うのもなんだけど、この話めっちゃ好きかも」
「わかります!」
その女性の呼び掛けに対し、仲間が全員俺を指差した。
「うおーーーーーーい!一瞬でバラすなや!!」
「だって面倒臭そうだし・・・」
「こがにゃんにゃら連戦も余裕にゃ!」
「こがっちガンバレ~!」
あの三馬鹿め!それでも仲間か!!
・・・いや、全員がこっちを指差してたな。たしかに俺をご指名っぽいけどさ!?
「その赤い奴だな!?私と勝負しろ!!」
「嫌どす。魔王はもうお腹いっぱいなの」
「な、なんだと!?それでも貴様は騎士か!!」
いや、騎士ではない。
金髪美女が長い髪を靡かせ、カツカツと歩み寄り、すぐ目の前で胸を張る。
「さあ剣を抜け!本当にゼーレネイマスより強いのか確かめさせてもらう!!」
「そんなことより、あンたも魔王なの?全然魔王っぽくないんだけど・・・」
「来ないのならば私から行くぞ!!」
金髪美女がロングソードを抜き、問答無用とばかりに斬りかかって来た。
あのさ・・・、まだこっちは剣を抜いてないし、少しは人の話を聞きなさいよ!
ブンッ
って、思ったより剣速がイマイチだな。武器合ってんのか??
ガギンッ!
瞬時に抜いた刀で金髪美女のロングソードを叩き折った。
げしっ
「なッ!?」
そして右足を蹴って転ばせ、馬乗りになり、彼女の首に刀を突き付ける。
「降参か?」
金髪美女は悔しそうに顔を歪めた。
「くっ、殺せ!!」
「・・・・・・・・・・・・」
こ、このセリフは・・・、え?まさか彼女は『くっころ』さんなのか!?
そういや、さっき俺も図星をつかれた時に『くっ、殺せ!!』って思ったわけだけど、まさかアレが『くっころ』フラグになってしまったのか!!
いや、でも魔王だよな!?
この人、どこからどう見ても姫騎士とかそういうのなんだけど!!
「もしや、殺す気など初めから無かったのだな!?・・・そうか、犯すなら好きなだけ犯せばいい!どれだけ凌辱されようとも私の心は折れぬからな!」
「いや、突然何とち狂ったこと言ってんだこの人は!?」
嫌な予感がして周りを見ると、女性陣全員がジト目でこっちを見ていた。
「くっ、むしろ俺を殺せ!!どうしてくれるんだ、この空気!!」
「男性経験など無いが、初めては痛いと聞く。だが私は耐えきってみせるぞ!」
「おい、その口撃ホントやめて下さい!俺のライフはとっくにゼロですから!!」
なんて恐ろしい女なんだ・・・!
余裕で勝ったと思ったのに、俺にここまでのダメージを負わせるとは。
「なあこがっち。とりあえず、その女から降りたら?」
ゴマちゃんの冷静な指摘により我に返った。
いや、冷静というより、俺を蔑んでるようにも感じたが。
馬乗りを解除し、立ち上がった。
でも『くっころ』さんは、大地に寝そべったままだ。
当然無視して、さっきまで俺と戦闘していた魔王の側まで歩いて行く。
「まだ名前を聞いてなかったな。えーと、闇魔法の魔王。その姫騎士みたいな人って本当に魔王なのか?」
地面に寝そべっている『くっころ』さんを指差す。
「俺っちは『ズウィード』。んで、そいつの名は『セレスティーナ』ダ。れっきとした魔王だゼ?」
「マジで?ああ、俺は小烏丸だ。でもさあ、なんかあの人めちゃめちゃ弱かったんだけど・・・。武器が重いんじゃないか?あのフルアーマーにしても・・・」
「昔は強かったゾ?でもセレスティーナはすぐ他ノ者の影響を受ける奴でナ、アリアで何度も敗北した女騎士に憧れて、ソの女のような恰好をするヨうになっタ。此処ニ来てからはゼーレネイマスに敗北シて、フルアーマー姿になったナ」
うわぁ、自ら弱くなる方向へ進んで行くとは、さすがくっころさんだ・・・。
「なんかロングソードも簡単に折れたんだが、アレって鉄製だよな?」
「もう鉄の武器しか持ってないんジゃねーカ?ゼーレネイマスにも魔剣を折られていたからナ」
おおう、なんて不憫なくっころさんだ・・・。
少し同情するけど、俺の天敵な気がするから放っておこう。
彼女に関わると、自分が不幸な目にあう予感しかしねえ。
「情報ありがとな、ズウィード。よし、これで変なイベントは終わり!そろそろ別宅に移動しよう」
「ええ?この倒れてる人をそのまま置いてくの?ちょっと酷くないかしら?」
パメラがもっともらしい意見を言うが、私にも悲しいことはあるのだよ。
「ヤダ。くっころさんに関わると俺が不幸になる!」
「もう手遅れだと思うにゃ。コイツ絶対懲りてにゃいにゃ」
ニャルルが地面に寝そべるくっころさんを指差した。
「ニャルルよ、彼女をそっとしといてやるんだ。その指差す行動ですら俺の命取りになりかねん」
「さっきから、その『クッコロサン』って呼んでるのは何なんだよ!?たしか『セレスティーナ』って名前じゃなかったか?」
「説明しよう。負けた時に『くっ、殺せ!』といった発言をする女騎士を、略して『くっころ』と呼ぶんだ。そして女騎士はオークに弱いという噂もある」
「キシってにゃんにゃ?」
「ああ、『騎士』ってのは、主君に忠誠を誓う名誉ある称号なんだけど、まあ『戦士』の違う呼び方とでも思っといてくれ」
「あははははははは!何だよそれ!!」
とにかく、やっと猫ちゃんの別宅に向かうことが出来そうだ。
なんで隣の家まで行くちょっとの間に、魔王と連戦しなきゃならねえんだよ!!
―――しかし小烏丸はまだ知らない。『くっころ』さんはしつこいのだ。
◇
(´・ω・`)「自分で言うのもなんだけど、この話めっちゃ好きかも」
「わかります!」
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