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459 オークの大群
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コカトリスを倒してバスに戻ったケンちゃんは、女性陣全員から生暖かい目で迎えられた。
全員に泣き顔を見られていたと気付いたケンちゃんが真っ赤になって後部座席まで逃げて行ったが、あの時から女性達のケンちゃんに接する態度が若干優しくなったのだから、女性にモテたいという点で考えれば良かったと思うんだけどな。
でも本人はツッパリ的なプライドで、アレを一生の不覚としか思ってないようだ。
それから数時間後。
バスは猫ちゃんの家へと順調に進んでいたのに、魔物がいっぱい出現し始めた。
「うっわ、オークの大群じゃん。めんどくせーな・・・」
「来る時に一度拙者が全滅させたでござるが、また大量に湧いたでござるな~」
「女性を見ると興奮して襲い掛かって来ます?」
「このメンバーは女性比率が高い故、全滅するまで向かって来るでござろうな」
「やっぱりアイツらはそういう生き物なのね・・・」
バスの中の女性の匂いを嗅ぎ取って襲い掛かってきそうだし、一旦降りて迎撃した方が良さそうだ。バスに攻撃されちゃたまらん。
「オークの大群だ!子供達以外、全員降りてヤツらを殲滅するぞ!あの豚共は女性を見ると興奮して襲い掛かって来る習性があるんで、容赦なく叩き潰せ!!」
それを聞いた女性陣が騒めき出す。
「ヒャッホウ!久々に大暴れ出来そうだぜ!!」
「あの魔物は女性の敵なんだよね!?」
「ウチも長旅の変な疲れで、そろそろ身体を動かしたかったにゃ!」
「私はバスから離れずに戦いたいから、バスの正面を担当するわね。ここから魔法をバンバン撃つので、みんな正面には行かないでね」
「「アイアイサーーー!!」」
流石は歴戦の猛者達だ。俺が指示を出さずとも全然問題無しだな!
今回俺は、ケンちゃんの武者修行の手伝いって感じで良さそうだ。
「よしケンちゃん、早速大暴れするチャンスだぞ。あのオークというヤツは女を攫って苗床にするような最低の魔物だから、マジで慈悲の心なんか必要無いからな!でもまだレベルが心許ないから、敵の中に突っ込まないよう冷静に戦え!!」
「ハ、ハイ!!・・・なるほど、酷いことをする魔物なら遠慮はいらねえな!」
これで遠慮なくオークをぶん殴ることが出来るようになったろ。すぐにケンちゃんのトラウマを払拭できる敵が出現したのは、逆に運が良かったのかもな・・・。
皆がバスから降りると、もう女の匂いを嗅ぎ取ったのかオークが雄叫びを上げた。
『ブフォオオオオオオオオオオオオ!!』
『『ブイイィィィィーーーーーーーーーー!!』』
考えることすらせず、本能だけでこちらへ突撃してくる。
もちろん隊列を組むなんてことも無い。近くにいたオークも遠くにいるオークも、全員が血走った目で駆け寄って来る。
そして案の定ヤツらの股間は・・・、実に見苦しい!!
「うにゃーーーー!アイツら最低にゃ!!」
「うわぁ・・・、なんか近寄りたくないんですけど!」
「気持ち悪ぃなオイ!!絶対に全滅させてやる!!」
「ストーンレイン!!」
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
パメラがいきなり派手な魔法を発動し、突如頭上から岩が雨のように降って来て、前を走っていたオークをどんどん潰していく。
どうやらオークに対して、パメラが一番嫌悪感を抱いていたようだ。
「うっひょーーーーー!パメラっちの大技見るの久々だな!!」
「躊躇なく凄い魔法を撃ったね・・・」
「ウチらも負けてられにゃいにゃ!!」
「行くぜえええええええ!!」
三人組もオークへ向かって突撃して行った。
「パ、パメラの姉貴の魔法・・・ヤバすぎねえっスか!?」
「クッソつえーだろ?アレが一流の魔法使いだ。ただしアレ程の魔法となるとMP消費も激しいから、戦争みたいな長丁場では使えんけどな」
「なるほど・・・。すぐにMPが無くなったら、もう戦えませんもんね」
「そういうこった。パメラって基本的にペース配分を考えて行動してるんだけど、オークの気持ち悪さについキレてしまったんだろな~。まあ気持ちはわかる」
戦争なんかではよっぽどのことがない限り派手な魔法は使わず、費用効果の優れた魔法を何発も撃つような戦い方をするのだ。
オークの数を考えると褒められた戦法ではないんだけども、キレてしまったものはしょうがない。俺もたまにやらかすから人のことは言えないんですよね。
今回はケンちゃんのお守りの予定なので、ついでにパメラのことも気にかけて、辛そうだったら助けに行こう。
「来たぞ!右の2体は俺が殺るからケンちゃんは左の1体と戦ってみろ。ハートは熱く、頭は冷静に!」
「了解っス!!」
ドガッ!
『ブゴオオオオオオオオオ!!』
ケンちゃんの金属バットがオークの頭に命中したが、いかんせんまだレベルが低く、敵を一撃で倒すことは出来なかった。
パメラという極上の女を目前にして、パンチパーマの男なんかに邪魔されたオークは当然怒り狂う。
持っていた棍棒でケンちゃんに殴りかかるが、レベルが低くとも喧嘩慣れしたケンちゃんはこれを躱し、体勢の乱れたオークの頭をまた殴りつける。
俺?
オーク2体くらい余裕で瞬殺ですよ。
オークの大群ならば北海道で一度壊滅させてるんだよね。
集落にいたのは500体くらいだったかな?
たぶんビームライフル無しでも1000体くらいまでならば倒せると思う。
あの時はむしろ、その後出現した蟻の大群の方がキツかった・・・。
強かったわけじゃないんだけど、ダンジョンの罠なんかで、壁が両側から迫って来て圧し潰される感じのヤバさだったな。
おっと!ケンちゃんが勝った。
「ハアッ、ハアッ、ハアッ、っしゃああああああああああ!!勝った!勝ったあああああああああああ!!」
パチパチパチパチ
「見事だ。今のでまたレベルが上がっただろうから、次はもっと楽に戦えるぞ!」
「よおおおおおおし!今ので自信がついたっス!限界までオークを倒して一気に強くなってやる!!」
「その意気だ!おっと次のオークが来てるな。次もケンちゃんは左の一体だ」
「了解!!」
それからしばらく戦闘が続き、結局700体近くのオークを殲滅した。
なかなか大変だったけど、レベルが上がりまくったケンちゃんだけじゃなく、ストレスを発散しまくった女性達も皆良い笑顔になっていたぞ。
全員に泣き顔を見られていたと気付いたケンちゃんが真っ赤になって後部座席まで逃げて行ったが、あの時から女性達のケンちゃんに接する態度が若干優しくなったのだから、女性にモテたいという点で考えれば良かったと思うんだけどな。
でも本人はツッパリ的なプライドで、アレを一生の不覚としか思ってないようだ。
それから数時間後。
バスは猫ちゃんの家へと順調に進んでいたのに、魔物がいっぱい出現し始めた。
「うっわ、オークの大群じゃん。めんどくせーな・・・」
「来る時に一度拙者が全滅させたでござるが、また大量に湧いたでござるな~」
「女性を見ると興奮して襲い掛かって来ます?」
「このメンバーは女性比率が高い故、全滅するまで向かって来るでござろうな」
「やっぱりアイツらはそういう生き物なのね・・・」
バスの中の女性の匂いを嗅ぎ取って襲い掛かってきそうだし、一旦降りて迎撃した方が良さそうだ。バスに攻撃されちゃたまらん。
「オークの大群だ!子供達以外、全員降りてヤツらを殲滅するぞ!あの豚共は女性を見ると興奮して襲い掛かって来る習性があるんで、容赦なく叩き潰せ!!」
それを聞いた女性陣が騒めき出す。
「ヒャッホウ!久々に大暴れ出来そうだぜ!!」
「あの魔物は女性の敵なんだよね!?」
「ウチも長旅の変な疲れで、そろそろ身体を動かしたかったにゃ!」
「私はバスから離れずに戦いたいから、バスの正面を担当するわね。ここから魔法をバンバン撃つので、みんな正面には行かないでね」
「「アイアイサーーー!!」」
流石は歴戦の猛者達だ。俺が指示を出さずとも全然問題無しだな!
今回俺は、ケンちゃんの武者修行の手伝いって感じで良さそうだ。
「よしケンちゃん、早速大暴れするチャンスだぞ。あのオークというヤツは女を攫って苗床にするような最低の魔物だから、マジで慈悲の心なんか必要無いからな!でもまだレベルが心許ないから、敵の中に突っ込まないよう冷静に戦え!!」
「ハ、ハイ!!・・・なるほど、酷いことをする魔物なら遠慮はいらねえな!」
これで遠慮なくオークをぶん殴ることが出来るようになったろ。すぐにケンちゃんのトラウマを払拭できる敵が出現したのは、逆に運が良かったのかもな・・・。
皆がバスから降りると、もう女の匂いを嗅ぎ取ったのかオークが雄叫びを上げた。
『ブフォオオオオオオオオオオオオ!!』
『『ブイイィィィィーーーーーーーーーー!!』』
考えることすらせず、本能だけでこちらへ突撃してくる。
もちろん隊列を組むなんてことも無い。近くにいたオークも遠くにいるオークも、全員が血走った目で駆け寄って来る。
そして案の定ヤツらの股間は・・・、実に見苦しい!!
「うにゃーーーー!アイツら最低にゃ!!」
「うわぁ・・・、なんか近寄りたくないんですけど!」
「気持ち悪ぃなオイ!!絶対に全滅させてやる!!」
「ストーンレイン!!」
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
パメラがいきなり派手な魔法を発動し、突如頭上から岩が雨のように降って来て、前を走っていたオークをどんどん潰していく。
どうやらオークに対して、パメラが一番嫌悪感を抱いていたようだ。
「うっひょーーーーー!パメラっちの大技見るの久々だな!!」
「躊躇なく凄い魔法を撃ったね・・・」
「ウチらも負けてられにゃいにゃ!!」
「行くぜえええええええ!!」
三人組もオークへ向かって突撃して行った。
「パ、パメラの姉貴の魔法・・・ヤバすぎねえっスか!?」
「クッソつえーだろ?アレが一流の魔法使いだ。ただしアレ程の魔法となるとMP消費も激しいから、戦争みたいな長丁場では使えんけどな」
「なるほど・・・。すぐにMPが無くなったら、もう戦えませんもんね」
「そういうこった。パメラって基本的にペース配分を考えて行動してるんだけど、オークの気持ち悪さについキレてしまったんだろな~。まあ気持ちはわかる」
戦争なんかではよっぽどのことがない限り派手な魔法は使わず、費用効果の優れた魔法を何発も撃つような戦い方をするのだ。
オークの数を考えると褒められた戦法ではないんだけども、キレてしまったものはしょうがない。俺もたまにやらかすから人のことは言えないんですよね。
今回はケンちゃんのお守りの予定なので、ついでにパメラのことも気にかけて、辛そうだったら助けに行こう。
「来たぞ!右の2体は俺が殺るからケンちゃんは左の1体と戦ってみろ。ハートは熱く、頭は冷静に!」
「了解っス!!」
ドガッ!
『ブゴオオオオオオオオオ!!』
ケンちゃんの金属バットがオークの頭に命中したが、いかんせんまだレベルが低く、敵を一撃で倒すことは出来なかった。
パメラという極上の女を目前にして、パンチパーマの男なんかに邪魔されたオークは当然怒り狂う。
持っていた棍棒でケンちゃんに殴りかかるが、レベルが低くとも喧嘩慣れしたケンちゃんはこれを躱し、体勢の乱れたオークの頭をまた殴りつける。
俺?
オーク2体くらい余裕で瞬殺ですよ。
オークの大群ならば北海道で一度壊滅させてるんだよね。
集落にいたのは500体くらいだったかな?
たぶんビームライフル無しでも1000体くらいまでならば倒せると思う。
あの時はむしろ、その後出現した蟻の大群の方がキツかった・・・。
強かったわけじゃないんだけど、ダンジョンの罠なんかで、壁が両側から迫って来て圧し潰される感じのヤバさだったな。
おっと!ケンちゃんが勝った。
「ハアッ、ハアッ、ハアッ、っしゃああああああああああ!!勝った!勝ったあああああああああああ!!」
パチパチパチパチ
「見事だ。今のでまたレベルが上がっただろうから、次はもっと楽に戦えるぞ!」
「よおおおおおおし!今ので自信がついたっス!限界までオークを倒して一気に強くなってやる!!」
「その意気だ!おっと次のオークが来てるな。次もケンちゃんは左の一体だ」
「了解!!」
それからしばらく戦闘が続き、結局700体近くのオークを殲滅した。
なかなか大変だったけど、レベルが上がりまくったケンちゃんだけじゃなく、ストレスを発散しまくった女性達も皆良い笑顔になっていたぞ。
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