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453 この世界の成り立ち
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自慢の大型船は佐渡ヶ島を目指して進んで行く。
船旅は基本的に底引き漁くらいしかすることが無いので、それ以外は皆に好きなことをさせている。
一番大変なのは、チームの総長という立場だったのに一番下っ端となってしまったケンちゃんだ。
メンバーが強すぎるからしゃーないんだけども、自分が成長するには恵まれている環境だということを教えてあげたら、本人も納得いったらしく闘志を漲らせていた。
女性陣はカードゲーム、ケンちゃんは剣の修行という状況になったので、俺は歴女女神様である猫ちゃんに色々話を聞いてみることにした。
「上杉猫丸ですか。強そうで可愛らしい名前ですね」
「可愛らしいのニュアンスが求めているモノと違うでござる!でも織田小烏丸って名前も拙者と近い感じでござるな!」
「苗字はともかく、『小烏丸』ってのは刀からとった名前だって親父に聞きました。ん?そういえば『猫丸』って名前の刀もありませんでしたっけ?そうだそうだ!菅原道真が自ら鍛え上げた神刀だったような・・・」
「そんな変な名前の刀があったでござるか!?」
「変な名前って、自分の名前じゃないっスか!!」
あれ?そういや俺の知ってる日本人ってみんな名前が刀っぽくねえか!?
偶然かなあ?しかしこれには何か深い意味があるのかもしれん・・・。
◇
※緊急ネタバレ
・織田小烏丸→[小烏丸]
刀工・天国により、奈良時代末期から平安時代中期に作られたとされる刀。
・上杉猫丸→[猫丸]
上記の通り、菅原道真が自ら鍛え上げたとされている神刀。
・加藤清光→[加州清光]
新選組一番隊組長の沖田総司が所持していたと言われている刀。
・黒田虎徹→[長曽祢虎徹]
新選組局長の近藤勇が所持していたと言われている刀。
・北条和泉→[和泉守兼定]
新選組副長の土方歳三が所持していたと言われている刀。
小烏丸の言った通り、全員刀から名付けました。勘の良い方は気付いてたかもしれませんが、苗字も戦国時代の武将から適当に頂きました。
日本人限定の設定なので、現地人のミスフィートさんなどには当て嵌まりません。
この先また日本人が出て来たら、この法則に則った名前が付きますので、その時は『この刀が来たか!』なんて思ったりしてみて下さい。
◇
「この世界についてずっと疑問に感じてたことがいくつかあったのですが、聞いてもいいでしょうか?」
「構わないでござるよ?」
おおーーー!女神様が気軽に質問出来そうなフレンドリーな性格で良かった!
「ネタバレが過ぎるとこの先の人生がつまらないモノになってしまうと思うので、細かくは聞きません。なのでザックリした質問だけ」
石油とかゴムが手に入る場所なんてのは神様に教えてもらっちゃダメだ。
そういうのは自分で見つけることで感動があるのだから。
「どうして日本だけしか無い世界にしたのでしょうか?」
核心に迫る質問だけど、やっぱり理由くらいは知っておきたいのです。
「地球を再現してる余裕が無かったからにござる。それに歴女と呼ばれる人種であった故、日本だけあれば拙者には十分だったでござるよ」
「・・・余裕が無かった?」
「拙者、変な性格だったせいか神界でいじめられていたのでござるが、とうとう我慢の限界が来て、上司を二柱ほど木っ端微塵に粉砕してやったでござるよ」
マジかよ!?
「拙者の言い分を聞いてくれる神などいないでござる故、その後は逃亡に逃亡を重ね、アリアの世界まで逃げ込んだのでござる」
「神様規模でそれをやるとは凄まじいですね・・・」
「そしてとうとう追い詰められてしまったので、アリアの中に無理矢理世界を構築してそこに逃げ込んだのでござる」
「ってことは、逃げ切れたのですか!?」
「拙者こう見えて強いでござる故、逃亡生活の間にも三柱ほど撃破したのもあってか、他の神達は討伐するのを止めて、拙者をこの世界に封印することを選択したのでござるよ」
猫ちゃんスゲーーー!!話を聞いてるだけでめっちゃ応援したくなるぞ!
「それでここに閉じ込められてしまったわけでござるが、どうせ行く当てなど無いでござる故、拙者の創った世界で楽しく暮らしてる所にござる」
「色々と大変でしたね・・・。なるほど、余裕が無かったって意味が良くわかりました。そんな状況なのにこれほどの世界を創ったってのが逆に凄いです!!」
「褒められても何も出ないでござるよ!!」
・・・ちょっと待て。そんな事情ってことはだ。
「えーと・・・、話を聞いた感じでは結構ギリギリな状態ですよね?やっぱり、この世界に紛れ込んだ日本人が元の世界に帰るのは無理そうですか?」
「残念ながら拙者には無理でござる。アリア側からガッチリ封印されてしまってるでござるからなあ・・・。でも小烏丸殿はどうやってこの世界に来たでござるか?」
俺が地球の穴から落ちて来たことや、他に和泉という女性も同じように落ちて来たことを説明した。
「なるほど!おそらくアリアで勇者召喚みたいなことを何度もやったでござるな!?それで地球と空間が繋がりかけて・・・」
猫ちゃんがしばらく考え込んだ。
「虎徹殿が次元魔法でアリアに行けるのでござるよな?向こうの神と接触することが出来れば、もしかすると帰れる可能性があるのかもしれぬでござるな」
マジか!?いや待て。神様とどうやって会うの?
「向こうの神様と?えーと・・・、神様って地上にいるんですかね?」
「普通は地上になどいないモノでござる。人間が神様に会いたいと言って会えるくらいならば、地球の人々はもっと信心深いでござろう?」
かはっ!特に日本人なんか、ほとんど神様を信じてねえよ!!
こりゃ厳しいな。
まあ、俺は帰るって選択肢が増えても帰らないだろうけどさ・・・。
船旅は基本的に底引き漁くらいしかすることが無いので、それ以外は皆に好きなことをさせている。
一番大変なのは、チームの総長という立場だったのに一番下っ端となってしまったケンちゃんだ。
メンバーが強すぎるからしゃーないんだけども、自分が成長するには恵まれている環境だということを教えてあげたら、本人も納得いったらしく闘志を漲らせていた。
女性陣はカードゲーム、ケンちゃんは剣の修行という状況になったので、俺は歴女女神様である猫ちゃんに色々話を聞いてみることにした。
「上杉猫丸ですか。強そうで可愛らしい名前ですね」
「可愛らしいのニュアンスが求めているモノと違うでござる!でも織田小烏丸って名前も拙者と近い感じでござるな!」
「苗字はともかく、『小烏丸』ってのは刀からとった名前だって親父に聞きました。ん?そういえば『猫丸』って名前の刀もありませんでしたっけ?そうだそうだ!菅原道真が自ら鍛え上げた神刀だったような・・・」
「そんな変な名前の刀があったでござるか!?」
「変な名前って、自分の名前じゃないっスか!!」
あれ?そういや俺の知ってる日本人ってみんな名前が刀っぽくねえか!?
偶然かなあ?しかしこれには何か深い意味があるのかもしれん・・・。
◇
※緊急ネタバレ
・織田小烏丸→[小烏丸]
刀工・天国により、奈良時代末期から平安時代中期に作られたとされる刀。
・上杉猫丸→[猫丸]
上記の通り、菅原道真が自ら鍛え上げたとされている神刀。
・加藤清光→[加州清光]
新選組一番隊組長の沖田総司が所持していたと言われている刀。
・黒田虎徹→[長曽祢虎徹]
新選組局長の近藤勇が所持していたと言われている刀。
・北条和泉→[和泉守兼定]
新選組副長の土方歳三が所持していたと言われている刀。
小烏丸の言った通り、全員刀から名付けました。勘の良い方は気付いてたかもしれませんが、苗字も戦国時代の武将から適当に頂きました。
日本人限定の設定なので、現地人のミスフィートさんなどには当て嵌まりません。
この先また日本人が出て来たら、この法則に則った名前が付きますので、その時は『この刀が来たか!』なんて思ったりしてみて下さい。
◇
「この世界についてずっと疑問に感じてたことがいくつかあったのですが、聞いてもいいでしょうか?」
「構わないでござるよ?」
おおーーー!女神様が気軽に質問出来そうなフレンドリーな性格で良かった!
「ネタバレが過ぎるとこの先の人生がつまらないモノになってしまうと思うので、細かくは聞きません。なのでザックリした質問だけ」
石油とかゴムが手に入る場所なんてのは神様に教えてもらっちゃダメだ。
そういうのは自分で見つけることで感動があるのだから。
「どうして日本だけしか無い世界にしたのでしょうか?」
核心に迫る質問だけど、やっぱり理由くらいは知っておきたいのです。
「地球を再現してる余裕が無かったからにござる。それに歴女と呼ばれる人種であった故、日本だけあれば拙者には十分だったでござるよ」
「・・・余裕が無かった?」
「拙者、変な性格だったせいか神界でいじめられていたのでござるが、とうとう我慢の限界が来て、上司を二柱ほど木っ端微塵に粉砕してやったでござるよ」
マジかよ!?
「拙者の言い分を聞いてくれる神などいないでござる故、その後は逃亡に逃亡を重ね、アリアの世界まで逃げ込んだのでござる」
「神様規模でそれをやるとは凄まじいですね・・・」
「そしてとうとう追い詰められてしまったので、アリアの中に無理矢理世界を構築してそこに逃げ込んだのでござる」
「ってことは、逃げ切れたのですか!?」
「拙者こう見えて強いでござる故、逃亡生活の間にも三柱ほど撃破したのもあってか、他の神達は討伐するのを止めて、拙者をこの世界に封印することを選択したのでござるよ」
猫ちゃんスゲーーー!!話を聞いてるだけでめっちゃ応援したくなるぞ!
「それでここに閉じ込められてしまったわけでござるが、どうせ行く当てなど無いでござる故、拙者の創った世界で楽しく暮らしてる所にござる」
「色々と大変でしたね・・・。なるほど、余裕が無かったって意味が良くわかりました。そんな状況なのにこれほどの世界を創ったってのが逆に凄いです!!」
「褒められても何も出ないでござるよ!!」
・・・ちょっと待て。そんな事情ってことはだ。
「えーと・・・、話を聞いた感じでは結構ギリギリな状態ですよね?やっぱり、この世界に紛れ込んだ日本人が元の世界に帰るのは無理そうですか?」
「残念ながら拙者には無理でござる。アリア側からガッチリ封印されてしまってるでござるからなあ・・・。でも小烏丸殿はどうやってこの世界に来たでござるか?」
俺が地球の穴から落ちて来たことや、他に和泉という女性も同じように落ちて来たことを説明した。
「なるほど!おそらくアリアで勇者召喚みたいなことを何度もやったでござるな!?それで地球と空間が繋がりかけて・・・」
猫ちゃんがしばらく考え込んだ。
「虎徹殿が次元魔法でアリアに行けるのでござるよな?向こうの神と接触することが出来れば、もしかすると帰れる可能性があるのかもしれぬでござるな」
マジか!?いや待て。神様とどうやって会うの?
「向こうの神様と?えーと・・・、神様って地上にいるんですかね?」
「普通は地上になどいないモノでござる。人間が神様に会いたいと言って会えるくらいならば、地球の人々はもっと信心深いでござろう?」
かはっ!特に日本人なんか、ほとんど神様を信じてねえよ!!
こりゃ厳しいな。
まあ、俺は帰るって選択肢が増えても帰らないだろうけどさ・・・。
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