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438 越後屋
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まず皆で大福屋へ行き、大量の大福を受け取った。
今日はマイコとチャコも呼んで大福大会の予定だけど、朝から甘い物を食いまくるのもどうかと思い、大会は買い物が終わった午後からラビラビ亭で開催することにした。
ちなみに植物は宿屋に置いてきたので、今日の俺は植物マスクじゃないぞ!
女将さんには植物に触らないよう言っといたので、そこは安心していいだろう。
「じゃあここからは自由時間だ!好きに買い物を楽しんで来ていいけど、大福大会までには宿屋に戻って来いよ?」
「「アイアイサーーーーー!!」」
「私はミィとメメを連れて街を見るつもりだけど、バラバラに行動して大丈夫なの?また変なのに絡まれたりしたら・・・」
「絶対大丈夫とは言えないが、爆炎一夜とは和解したからな。まあ他にも危険な奴らはいるだろうけど、たぶん一人の方が絡まれる確率は下がると思うぞ?ああいう輩はむしろ集団に目を付けるんだ」
「なるほど・・・」
「もし揉め事が発生したらラビラビ亭に避難することにしよう。もしくは東門にいたような兵士に言えばきっと何とかしてくれる。アイツら兵士を恐れてるようだったから」
その辺の内情はまだ良く分かってないけど、暴走族が警察を警戒するような感じだったんだよな。
「ただ殺すのだけは禁止だ。命の危険を感じた場合は許可するが、大きな事件になってしまうと越後で足止めをくらってしまいかねない」
「一応武器を持った方が良くないか?」
「そうにゃねえ。丸腰はちょっと不安にゃ」
「ああ、刃物の携帯は国が許可していないので、街に入る前に作った木刀を皆に渡しておこう」
子供達以外に木刀と帯を手渡した。
「なかなか良い武器だ!」
ヒュンッ
ゴマちゃんだけじゃなく、全員が木刀の使い心地を確かめている。
「腰に帯を巻いてからこの輪っかを帯に装着してくれ。そこに木刀を入れると鍔の部分が引っ掛かるようにしてある」
言い出しっぺの俺も帯を身に付けた。うん、良い感じに引っ掛かってるな。
皆も帯を巻き終わったようだ。
「あ、買った物を入れるバッグも必要か」
皆にそこそこ大きいバッグを渡していった。もちろん子供達にもだ。
「でも出来るだけ喧嘩はせず、穏便に買い物を楽しもうや。今まで散々戦って来たんだから、たまには平和に旅を楽しむってのも良いもんだ。ってことでリンドンの街で楽しくお買い物だ!」
「「アイアイサーーーーー!」」
・・・・・
大通りに出ると、皆が思い思いの場所へと散って行った。
「さて、服屋とポマード屋を探すか」
ポマード屋なんてあるわけねーか。
整髪料ってどういう店に置いてあるんだろ?雑貨屋とかかな?
街を歩きながら雑貨屋を探す。
「お!あの店なんていいんじゃね?」
なんでも売ってる感じの店に入ってみた。いかにもな雑貨屋だ。
「いらっしゃい」
「ここって整髪料なんて置いてある?ポマードとか」
店主が俺の側まで歩いて来た。
「ああ、ここには無いな。整髪料が欲しいなら服屋に行った方がいい。しかし凄い恰好だな!悪ガキ共に絡まれるぞ?」
「さっき思いっきり絡まれたよ。ところで服屋がどこにあるのか教えて欲しいのだが、オススメの店とか無いだろうか?」
「この街で一番デカい店となると越後屋だな~。越後の街全てにある大手だ」
「越後屋だと!?なんかその名前って、裏で悪いことをしてそうな印象しか無いんだけど!」
「何だその偏見は!!裏で何かやってる可能性は否定できないが、別に普通の店だぞ?扱っている品物は主に服と整髪料だ」
イカンイカン。店主の言う通り、偏見で決めつけてはダメだな。
おっと、情報をくれたんだから何か買ってくか。・・・いや、コップを売ってやった方が店主も喜びそうだ。
「情報をくれたお返しに、非常にめずらしい物を売ってやろう」
「めずらしい物だと?」
店主にガラスのコップを見せたら、めちゃめちゃ驚いていた。
自分で使うも良し、人にあげるも良し、そのまま店で売っても良しってことで、格安の値段で売ってあげた。
あまり高価な物は、タダで貰うと遠慮されたりと時間がかかることになってしまうんで、格安で売るってのがみんな幸せなのですよ。
雑貨屋を出て、越後屋へ向かう。
「おっ、これが越後屋だろ!たしかにデカい店だ」
店内に入ると、いかにもな服屋といった感じで、いたる所に服が掛けられていた。
まずは服でも買おうと思い、店内を見て回る。
「「いらっしゃいませ!」」
店員が声を揃えての『いらっしゃいませ』だ。
流石大手だけあって、店員の教育が行き届いてるな。
三河の服屋レベルとは、やはり越後も侮れん。
しかしこの店に置いてある服って、なんか若者向け過ぎやしないかね?
ほぼ全てがヤンキーファッションというか・・・、あのツッパリ共を喜ばせるために作った店って感じ?
なので服を見ている客層も非常にガラが悪い。
これじゃあ一般客が入って来られないだろ?
まあツッパリだけの客層でも経営が成り立ってるってことなんだろうけど。
ただ、俺はこういう服とか結構好きなんだよね~。
まあ赤い流星の服を脱ぐなんて無理だから、買っても自分で着ることは無いだろうな。
気に入った服をサイズ関係なしにレジに運びまくる。
気付いた時には店員の姿が見えないほど服が山積みになっていた。
「これ全部くれ」
「ほ、本気ですか!?いや、買ってもらわないと困りますが・・・」
あ、マジックバッグに全部入るかな?
船に乗せれば確実なんだけど、ん~~~まあ大丈夫だろ。
中には一着20000ギラン(金貨2枚)もする高い服もあったけど、躊躇することなく全部購入した。
全ての服をマジックバッグに収納すると、店員が驚いた顔でこっちを見ていたのが印象的だった。
『この鞄って思ったよりいっぱい入るんだよワッハッハ』と言いながら整髪料売り場へと移動したが、異常なほど物が入る鞄の情報は上の人へと報告されていた。
今日はマイコとチャコも呼んで大福大会の予定だけど、朝から甘い物を食いまくるのもどうかと思い、大会は買い物が終わった午後からラビラビ亭で開催することにした。
ちなみに植物は宿屋に置いてきたので、今日の俺は植物マスクじゃないぞ!
女将さんには植物に触らないよう言っといたので、そこは安心していいだろう。
「じゃあここからは自由時間だ!好きに買い物を楽しんで来ていいけど、大福大会までには宿屋に戻って来いよ?」
「「アイアイサーーーーー!!」」
「私はミィとメメを連れて街を見るつもりだけど、バラバラに行動して大丈夫なの?また変なのに絡まれたりしたら・・・」
「絶対大丈夫とは言えないが、爆炎一夜とは和解したからな。まあ他にも危険な奴らはいるだろうけど、たぶん一人の方が絡まれる確率は下がると思うぞ?ああいう輩はむしろ集団に目を付けるんだ」
「なるほど・・・」
「もし揉め事が発生したらラビラビ亭に避難することにしよう。もしくは東門にいたような兵士に言えばきっと何とかしてくれる。アイツら兵士を恐れてるようだったから」
その辺の内情はまだ良く分かってないけど、暴走族が警察を警戒するような感じだったんだよな。
「ただ殺すのだけは禁止だ。命の危険を感じた場合は許可するが、大きな事件になってしまうと越後で足止めをくらってしまいかねない」
「一応武器を持った方が良くないか?」
「そうにゃねえ。丸腰はちょっと不安にゃ」
「ああ、刃物の携帯は国が許可していないので、街に入る前に作った木刀を皆に渡しておこう」
子供達以外に木刀と帯を手渡した。
「なかなか良い武器だ!」
ヒュンッ
ゴマちゃんだけじゃなく、全員が木刀の使い心地を確かめている。
「腰に帯を巻いてからこの輪っかを帯に装着してくれ。そこに木刀を入れると鍔の部分が引っ掛かるようにしてある」
言い出しっぺの俺も帯を身に付けた。うん、良い感じに引っ掛かってるな。
皆も帯を巻き終わったようだ。
「あ、買った物を入れるバッグも必要か」
皆にそこそこ大きいバッグを渡していった。もちろん子供達にもだ。
「でも出来るだけ喧嘩はせず、穏便に買い物を楽しもうや。今まで散々戦って来たんだから、たまには平和に旅を楽しむってのも良いもんだ。ってことでリンドンの街で楽しくお買い物だ!」
「「アイアイサーーーーー!」」
・・・・・
大通りに出ると、皆が思い思いの場所へと散って行った。
「さて、服屋とポマード屋を探すか」
ポマード屋なんてあるわけねーか。
整髪料ってどういう店に置いてあるんだろ?雑貨屋とかかな?
街を歩きながら雑貨屋を探す。
「お!あの店なんていいんじゃね?」
なんでも売ってる感じの店に入ってみた。いかにもな雑貨屋だ。
「いらっしゃい」
「ここって整髪料なんて置いてある?ポマードとか」
店主が俺の側まで歩いて来た。
「ああ、ここには無いな。整髪料が欲しいなら服屋に行った方がいい。しかし凄い恰好だな!悪ガキ共に絡まれるぞ?」
「さっき思いっきり絡まれたよ。ところで服屋がどこにあるのか教えて欲しいのだが、オススメの店とか無いだろうか?」
「この街で一番デカい店となると越後屋だな~。越後の街全てにある大手だ」
「越後屋だと!?なんかその名前って、裏で悪いことをしてそうな印象しか無いんだけど!」
「何だその偏見は!!裏で何かやってる可能性は否定できないが、別に普通の店だぞ?扱っている品物は主に服と整髪料だ」
イカンイカン。店主の言う通り、偏見で決めつけてはダメだな。
おっと、情報をくれたんだから何か買ってくか。・・・いや、コップを売ってやった方が店主も喜びそうだ。
「情報をくれたお返しに、非常にめずらしい物を売ってやろう」
「めずらしい物だと?」
店主にガラスのコップを見せたら、めちゃめちゃ驚いていた。
自分で使うも良し、人にあげるも良し、そのまま店で売っても良しってことで、格安の値段で売ってあげた。
あまり高価な物は、タダで貰うと遠慮されたりと時間がかかることになってしまうんで、格安で売るってのがみんな幸せなのですよ。
雑貨屋を出て、越後屋へ向かう。
「おっ、これが越後屋だろ!たしかにデカい店だ」
店内に入ると、いかにもな服屋といった感じで、いたる所に服が掛けられていた。
まずは服でも買おうと思い、店内を見て回る。
「「いらっしゃいませ!」」
店員が声を揃えての『いらっしゃいませ』だ。
流石大手だけあって、店員の教育が行き届いてるな。
三河の服屋レベルとは、やはり越後も侮れん。
しかしこの店に置いてある服って、なんか若者向け過ぎやしないかね?
ほぼ全てがヤンキーファッションというか・・・、あのツッパリ共を喜ばせるために作った店って感じ?
なので服を見ている客層も非常にガラが悪い。
これじゃあ一般客が入って来られないだろ?
まあツッパリだけの客層でも経営が成り立ってるってことなんだろうけど。
ただ、俺はこういう服とか結構好きなんだよね~。
まあ赤い流星の服を脱ぐなんて無理だから、買っても自分で着ることは無いだろうな。
気に入った服をサイズ関係なしにレジに運びまくる。
気付いた時には店員の姿が見えないほど服が山積みになっていた。
「これ全部くれ」
「ほ、本気ですか!?いや、買ってもらわないと困りますが・・・」
あ、マジックバッグに全部入るかな?
船に乗せれば確実なんだけど、ん~~~まあ大丈夫だろ。
中には一着20000ギラン(金貨2枚)もする高い服もあったけど、躊躇することなく全部購入した。
全ての服をマジックバッグに収納すると、店員が驚いた顔でこっちを見ていたのが印象的だった。
『この鞄って思ったよりいっぱい入るんだよワッハッハ』と言いながら整髪料売り場へと移動したが、異常なほど物が入る鞄の情報は上の人へと報告されていた。
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