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427 城とカジノが完成!
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陸奥の国は広大だ。
俺が北海道から上陸したのは最北端の青森県だったけど、ゼネトス軍を滅ぼしたことでナルティア軍は、青森県・岩手県・宮城県・福島県という四県をも支配することになったのだ。
ゼネトスの居城は福島県にあった。
ほぼ最前線に居城があった理由はおそらく、他国を侵略するのと他国からの侵略を防ぐ両方の狙いがあったと推測される。
しかしこれは、陸奥の左側に位置する出羽の国を無視したような戦略だ。
出羽の大名を軽視していたのか、同盟を結んでいたのか、理由はさっぱりわからないけど、さすがにその位置は攻めすぎだろうということで、ナルティアの居城は宮城県に建てることが決定した。
ゼネトスの居城だった『チワワ城』も、城門を吹き飛ばした程度のダメージで落とすことが出来たので、重臣の誰かを城主に据えて、そのまま南への防衛に使うつもりだ。
しかし『チワワ城』って・・・。
城の名前を聞いた時は、思わずジャバルグの『トラネコ城』を思い出してしまったよ。しかしこの世界にはチワワという種類の犬はいないらしいので、新城を犬みたいにするのはやめといた。
なので城の名前をどうするかナルティア達に相談した所、「「小烏丸城!」」とかふざけたこと抜かしおったので、そんなのは当然却下した。
話合いの結果、新城の名前は『ルクセリア城』に決定した。
ナルティア軍の始まりの街であり、俺達が出会った街の名前でもある。
陸奥最北の地にもルクセリアの街があるからちょっと紛らわしいんだけども、『まあ別にいいんでない?』と軽い感じでスルーされた。
その流れで、城下街の名前をどうすんだ?って聞いたら命名を頼まれてしまったんだけど、巨大カジノを建設中だったこともあってギャンブルの街しか連想出来なくなり、『ベガス』と呟いたらそれに決定してしまった。
―――そしてとうとうベガスの街に、巨大カジノが誕生した。
************************************************************
「なんか、やりすぎてしまったような気がする・・・」
街の中央に聳え立つ、4階建ての巨大カジノ。
さすがにルクセリア城よりは背が低いが、やるなら徹底的にやっちまえ!という意気込みから、凄まじい数の照明によって建物はギンギラギンに光り輝いている。
中に入ると、1階にあるのはまさかの健康ランドだ。
もちろん大浴場やプールを使用することができ、風呂の後は食堂・売店・マッサージ店などで夢のひと時を味わえる桃源郷。
ギャンブルに興味が無い人でも、ここを目的に人が集まるのは確実だ。
そして階段を上がると目の前に広がるのは、この施設のメインでもあるカジノだ。
2階では、カードゲームやビリヤード、そしてルーレットなどで、ディーラー相手に華やかなゲームを楽しむことが出来るのだ。
だが問題なのは3階。
本物のギャンブラーにとってはここが主戦場となる。
ここにディーラーなどはいない。
もくもくと煙草の煙が充満する中で、客と客でガチの真剣勝負が繰り広げられるのだ。
凶器の持ち込みや、麻雀牌やトランプなどを持ち逃げされないように、入場時と退出時にボディーチェックはあるが、基本的にここは無法地帯だ。
場所代さえ払えば、後は好きにやってもらう。
基本は麻雀・トランプ・チンチロリンだが、強制するわけではないので、客同士の話し合いでどんな賭け事をやろうが構わない。
死人が出ない様に警備員は配備してあるが、客同士の揉め事に店は一切介入しない。
まあ軍の兵士が真っ先に常連になるだろうから、最悪のケースにはならないようそれぞれが目を光らせておけとは言ってある。
開店前から無法地帯を用意してる俺の感性もどうかと思うが、予め目の届く場所に裏の世界を作っておくってのは、逆転の発想でアリだと思うんだよね。
やるなら見えない所でやらずに、ここでやってくれってわけです。
そして4階なんだけど、ここは宿泊施設となっている。
金持ちや大勝ちした人が狙いなので、全室が豪華な部屋で宿泊料も高い。
ガラスの窓があれば、部屋からベガスの街を見下ろすことが出来るんだけど、今は残念ながら無理だ。
ここを仕上げるために、尾張に帰ってガラスを持って来るという目標が出来た。
正直この国の未来が気になってしょうがないので、俺は間違いなく陸奥へ戻って来るだろうな。しかもその時はきっと清光さんと虎徹さんも一緒だ。あの二人がこんな面白い国に興味を持たないわけがない!というか俺が自慢する!!
清光さんはともかく、虎徹さんさえ一度連れて来ることが出来れば、転移魔法で簡単に行き来できるようになるのが大きい。そしてこの国にさえ来てしまえば北海道も目と鼻の先なのだ。あの二人にとってもメリットしかないだろう。
問題なのは信濃の国か・・・。
たしか三河は信濃とドンパチやってるって話だったと思う。
三河から信濃を通らずに陸奥まで行くのって、実は結構大変かもしれん・・・。
うーむ、まあその辺の話は尾張に帰ってからゆっくり考えよう。
「おーーーい!小烏丸!!」
お?やっと来たか。
んじゃ陸奥を出発する前に、皆でパーーーッと遊ぶとしますか!!
俺が北海道から上陸したのは最北端の青森県だったけど、ゼネトス軍を滅ぼしたことでナルティア軍は、青森県・岩手県・宮城県・福島県という四県をも支配することになったのだ。
ゼネトスの居城は福島県にあった。
ほぼ最前線に居城があった理由はおそらく、他国を侵略するのと他国からの侵略を防ぐ両方の狙いがあったと推測される。
しかしこれは、陸奥の左側に位置する出羽の国を無視したような戦略だ。
出羽の大名を軽視していたのか、同盟を結んでいたのか、理由はさっぱりわからないけど、さすがにその位置は攻めすぎだろうということで、ナルティアの居城は宮城県に建てることが決定した。
ゼネトスの居城だった『チワワ城』も、城門を吹き飛ばした程度のダメージで落とすことが出来たので、重臣の誰かを城主に据えて、そのまま南への防衛に使うつもりだ。
しかし『チワワ城』って・・・。
城の名前を聞いた時は、思わずジャバルグの『トラネコ城』を思い出してしまったよ。しかしこの世界にはチワワという種類の犬はいないらしいので、新城を犬みたいにするのはやめといた。
なので城の名前をどうするかナルティア達に相談した所、「「小烏丸城!」」とかふざけたこと抜かしおったので、そんなのは当然却下した。
話合いの結果、新城の名前は『ルクセリア城』に決定した。
ナルティア軍の始まりの街であり、俺達が出会った街の名前でもある。
陸奥最北の地にもルクセリアの街があるからちょっと紛らわしいんだけども、『まあ別にいいんでない?』と軽い感じでスルーされた。
その流れで、城下街の名前をどうすんだ?って聞いたら命名を頼まれてしまったんだけど、巨大カジノを建設中だったこともあってギャンブルの街しか連想出来なくなり、『ベガス』と呟いたらそれに決定してしまった。
―――そしてとうとうベガスの街に、巨大カジノが誕生した。
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「なんか、やりすぎてしまったような気がする・・・」
街の中央に聳え立つ、4階建ての巨大カジノ。
さすがにルクセリア城よりは背が低いが、やるなら徹底的にやっちまえ!という意気込みから、凄まじい数の照明によって建物はギンギラギンに光り輝いている。
中に入ると、1階にあるのはまさかの健康ランドだ。
もちろん大浴場やプールを使用することができ、風呂の後は食堂・売店・マッサージ店などで夢のひと時を味わえる桃源郷。
ギャンブルに興味が無い人でも、ここを目的に人が集まるのは確実だ。
そして階段を上がると目の前に広がるのは、この施設のメインでもあるカジノだ。
2階では、カードゲームやビリヤード、そしてルーレットなどで、ディーラー相手に華やかなゲームを楽しむことが出来るのだ。
だが問題なのは3階。
本物のギャンブラーにとってはここが主戦場となる。
ここにディーラーなどはいない。
もくもくと煙草の煙が充満する中で、客と客でガチの真剣勝負が繰り広げられるのだ。
凶器の持ち込みや、麻雀牌やトランプなどを持ち逃げされないように、入場時と退出時にボディーチェックはあるが、基本的にここは無法地帯だ。
場所代さえ払えば、後は好きにやってもらう。
基本は麻雀・トランプ・チンチロリンだが、強制するわけではないので、客同士の話し合いでどんな賭け事をやろうが構わない。
死人が出ない様に警備員は配備してあるが、客同士の揉め事に店は一切介入しない。
まあ軍の兵士が真っ先に常連になるだろうから、最悪のケースにはならないようそれぞれが目を光らせておけとは言ってある。
開店前から無法地帯を用意してる俺の感性もどうかと思うが、予め目の届く場所に裏の世界を作っておくってのは、逆転の発想でアリだと思うんだよね。
やるなら見えない所でやらずに、ここでやってくれってわけです。
そして4階なんだけど、ここは宿泊施設となっている。
金持ちや大勝ちした人が狙いなので、全室が豪華な部屋で宿泊料も高い。
ガラスの窓があれば、部屋からベガスの街を見下ろすことが出来るんだけど、今は残念ながら無理だ。
ここを仕上げるために、尾張に帰ってガラスを持って来るという目標が出来た。
正直この国の未来が気になってしょうがないので、俺は間違いなく陸奥へ戻って来るだろうな。しかもその時はきっと清光さんと虎徹さんも一緒だ。あの二人がこんな面白い国に興味を持たないわけがない!というか俺が自慢する!!
清光さんはともかく、虎徹さんさえ一度連れて来ることが出来れば、転移魔法で簡単に行き来できるようになるのが大きい。そしてこの国にさえ来てしまえば北海道も目と鼻の先なのだ。あの二人にとってもメリットしかないだろう。
問題なのは信濃の国か・・・。
たしか三河は信濃とドンパチやってるって話だったと思う。
三河から信濃を通らずに陸奥まで行くのって、実は結構大変かもしれん・・・。
うーむ、まあその辺の話は尾張に帰ってからゆっくり考えよう。
「おーーーい!小烏丸!!」
お?やっと来たか。
んじゃ陸奥を出発する前に、皆でパーーーッと遊ぶとしますか!!
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