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423 春到来。ナルティア軍の快進撃
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とうとう春になった。
まだ路面に雪が残ってるけど、足が雪に埋もれて体力を奪われる段階は越えたと言えよう。
秋の終わりからナルティア軍に入った新米兵士達も、厳しい訓練を乗り越え、まだ全然満足行く練度とは言えないが、付与魔法で強化された剣を持てば何とか戦える状態まで仕上げることが出来た。
しかしミスフィート軍との大きな違いに聖水の有無がある。すなわち大怪我をしたらそこで終了なのだ。
ぶっちゃけミスフィート軍の場合は何度でも蘇るゾンビ兵だったから、短期間で派手な戦をたて続けに行い、一気にジャバルグを壊滅させることが出来た。
しかしナルティア軍の場合、大きな戦があると兵士の消耗が大きくなる。なのでこちらから積極的に動いて、ゼネトス軍を削りながらどんどん兵士を増やして行く必要があるのだ。
定期的に行ってきた会議の結果、春の到来と共に、ゼネトス軍に気付かれる前に陸奥北部から街を落として行って、一気に兵の数を増やし、兵力差を埋めてから一大決戦に持ち込む作戦に決定した。
―――そして春の訪れと共に作戦を開始。
ナルティア軍は強力な武器に絶対の信頼を寄せていたのもあり、躊躇することなく北部から街を次々と落として行き、陸奥国の三分の一を手に入れた頃には兵士の数が4500まで膨れ上がっていた。
************************************************************
―――――司令本部5号店・会議室―――――
「ゼネトス軍が動きました!その数6000!総大将はゼネトスなので、恐らく全軍と推測されます!!」
ガタッ!
「とうとう来たか!!」
「うぇえええええ!まだ6000もいるの!?」
「6000って、非常にヤバくないですか?」
「くは~っ!ウチらは半数近くが入ったばかりの烏合の衆だってのに!」
そろそろだとは思ってたけど、来ちまったか・・・。
でもこればっかりはしょうがない。派手に領地を増やして行ったのだから想定内の結果だ。冬の間隠し通せたのだから大成功と言えよう。
もう少し兵の練度を上げておきたかった気持ちはあるけど、ココまでほとんど思惑通りに事が進んだのだから、それは高望みってもんだ。
国内で反乱を起こしたからには、不利な状況での大勝負ってのは必ず通る道。でもその不利を限りなく小さくすることは出来た。
「1000は初っ端に俺が削ってやる」
全員がこっちを見た。
「1000って、一人で??何か策でもあるのか!?」
「コイツを使う」
ビームライフルをポンポンと叩いた。
「ああ!!そういや武器だって言ってたな」
「そうなんですか!?いつも腰にぶら下げてるからずっと気になってたけど」
「たまにチャミィが持ってたから、オモチャかと思ってたよ!!」
「オモチャじゃねえよ!まあ、所謂奥の手ってヤツだ。マジで強力な武器だから期待していいぞ」
「ほお!!それを信じるならば4500対5000か。うん、頑張れば何とかなるかもしれんぞ!!」
単純な数字だけを比べればな。
「ナルティア、開戦と同時にいきなり見たこともない攻撃が飛んで来て、1000もの兵士を失ったらどうする?」
「どうって、・・・・・・呆然とするであろうな」
「そう。最初は100あった士気が50まで低下するだろう。そしてナルティア軍の士気は50の上昇だ」
「そうか!!ウチらの半数は新兵の烏合の衆だが、ゼネトス軍も力が半減するなら互角、いや、強化された武器を考えたらそれ以上だ!!」
「「おおおおおおおおおおおおおおお!!」」
まあそう単純なモノでもないんだけど、士気ってのは兵数よりも遥かに重要な要素なんだよね。
3人の男が100人の集団に囲まれたとする。
まあ普通なら数の暴力で終わる話だけど、戦闘開始前に囲んだ100人のうちの1人が不意打ちで3人の男にグシャグシャにされて凄惨な姿になったら、怒りよりも先に恐慌状態となるだろう。
ここで時間を置けば数の優位性を思い出すだろうけど、恐慌状態のうちにトンズラこいてもいいし、リーダー格を潰してしまえばまさかの勝利まで有り得るわけだ。
俺が聖帝軍にやったような機関車アタックはあまりにも凄惨すぎて参考にならんけど、ゼネトス軍が恐怖を感じたタイミングで一斉攻撃を仕掛ければ、敵は混乱状態のまま戦うことになるだろう。
ゼネトス軍を一気に崩壊させる最大の好機はココだ!
もしゼネトスが撤退を選択したとしても、執拗に攻め立てて戦力の大半を削り取る。奴らに戦力を立て直す時間を一切与えない。
・・・残念だったな、ゼネトスよ。
俺は正面からぶつかり合うような勝負はしない。
他にもやりようがあるのに一か八かの勝負を味方に強いるのは、無能軍師がやることだと思ってるんでね。
ナルティアを陸奥の大名にすることだけが俺の役目。どんな手を使おうが勝てば官軍なのはミスフィート軍ですでに証明されている。
となればもう、それをトレースするだけでいい。
「ナルティア、この戦いで一気に決着をつけるぞ!たとえゼネトスを取り逃がしたとしても、敵軍だけは必ず崩壊させる!」
「もちろんだ!必ず奴らを駆逐して、陸奥を平和な国にするんだ!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!」」
陸奥の国は広大だ。ゼネトス軍が来るまでまだ何日もかかるだろう。
追撃戦も想定して、決戦までに食料を大量に用意せんとな・・・。
まだ路面に雪が残ってるけど、足が雪に埋もれて体力を奪われる段階は越えたと言えよう。
秋の終わりからナルティア軍に入った新米兵士達も、厳しい訓練を乗り越え、まだ全然満足行く練度とは言えないが、付与魔法で強化された剣を持てば何とか戦える状態まで仕上げることが出来た。
しかしミスフィート軍との大きな違いに聖水の有無がある。すなわち大怪我をしたらそこで終了なのだ。
ぶっちゃけミスフィート軍の場合は何度でも蘇るゾンビ兵だったから、短期間で派手な戦をたて続けに行い、一気にジャバルグを壊滅させることが出来た。
しかしナルティア軍の場合、大きな戦があると兵士の消耗が大きくなる。なのでこちらから積極的に動いて、ゼネトス軍を削りながらどんどん兵士を増やして行く必要があるのだ。
定期的に行ってきた会議の結果、春の到来と共に、ゼネトス軍に気付かれる前に陸奥北部から街を落として行って、一気に兵の数を増やし、兵力差を埋めてから一大決戦に持ち込む作戦に決定した。
―――そして春の訪れと共に作戦を開始。
ナルティア軍は強力な武器に絶対の信頼を寄せていたのもあり、躊躇することなく北部から街を次々と落として行き、陸奥国の三分の一を手に入れた頃には兵士の数が4500まで膨れ上がっていた。
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―――――司令本部5号店・会議室―――――
「ゼネトス軍が動きました!その数6000!総大将はゼネトスなので、恐らく全軍と推測されます!!」
ガタッ!
「とうとう来たか!!」
「うぇえええええ!まだ6000もいるの!?」
「6000って、非常にヤバくないですか?」
「くは~っ!ウチらは半数近くが入ったばかりの烏合の衆だってのに!」
そろそろだとは思ってたけど、来ちまったか・・・。
でもこればっかりはしょうがない。派手に領地を増やして行ったのだから想定内の結果だ。冬の間隠し通せたのだから大成功と言えよう。
もう少し兵の練度を上げておきたかった気持ちはあるけど、ココまでほとんど思惑通りに事が進んだのだから、それは高望みってもんだ。
国内で反乱を起こしたからには、不利な状況での大勝負ってのは必ず通る道。でもその不利を限りなく小さくすることは出来た。
「1000は初っ端に俺が削ってやる」
全員がこっちを見た。
「1000って、一人で??何か策でもあるのか!?」
「コイツを使う」
ビームライフルをポンポンと叩いた。
「ああ!!そういや武器だって言ってたな」
「そうなんですか!?いつも腰にぶら下げてるからずっと気になってたけど」
「たまにチャミィが持ってたから、オモチャかと思ってたよ!!」
「オモチャじゃねえよ!まあ、所謂奥の手ってヤツだ。マジで強力な武器だから期待していいぞ」
「ほお!!それを信じるならば4500対5000か。うん、頑張れば何とかなるかもしれんぞ!!」
単純な数字だけを比べればな。
「ナルティア、開戦と同時にいきなり見たこともない攻撃が飛んで来て、1000もの兵士を失ったらどうする?」
「どうって、・・・・・・呆然とするであろうな」
「そう。最初は100あった士気が50まで低下するだろう。そしてナルティア軍の士気は50の上昇だ」
「そうか!!ウチらの半数は新兵の烏合の衆だが、ゼネトス軍も力が半減するなら互角、いや、強化された武器を考えたらそれ以上だ!!」
「「おおおおおおおおおおおおおおお!!」」
まあそう単純なモノでもないんだけど、士気ってのは兵数よりも遥かに重要な要素なんだよね。
3人の男が100人の集団に囲まれたとする。
まあ普通なら数の暴力で終わる話だけど、戦闘開始前に囲んだ100人のうちの1人が不意打ちで3人の男にグシャグシャにされて凄惨な姿になったら、怒りよりも先に恐慌状態となるだろう。
ここで時間を置けば数の優位性を思い出すだろうけど、恐慌状態のうちにトンズラこいてもいいし、リーダー格を潰してしまえばまさかの勝利まで有り得るわけだ。
俺が聖帝軍にやったような機関車アタックはあまりにも凄惨すぎて参考にならんけど、ゼネトス軍が恐怖を感じたタイミングで一斉攻撃を仕掛ければ、敵は混乱状態のまま戦うことになるだろう。
ゼネトス軍を一気に崩壊させる最大の好機はココだ!
もしゼネトスが撤退を選択したとしても、執拗に攻め立てて戦力の大半を削り取る。奴らに戦力を立て直す時間を一切与えない。
・・・残念だったな、ゼネトスよ。
俺は正面からぶつかり合うような勝負はしない。
他にもやりようがあるのに一か八かの勝負を味方に強いるのは、無能軍師がやることだと思ってるんでね。
ナルティアを陸奥の大名にすることだけが俺の役目。どんな手を使おうが勝てば官軍なのはミスフィート軍ですでに証明されている。
となればもう、それをトレースするだけでいい。
「ナルティア、この戦いで一気に決着をつけるぞ!たとえゼネトスを取り逃がしたとしても、敵軍だけは必ず崩壊させる!」
「もちろんだ!必ず奴らを駆逐して、陸奥を平和な国にするんだ!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!」」
陸奥の国は広大だ。ゼネトス軍が来るまでまだ何日もかかるだろう。
追撃戦も想定して、決戦までに食料を大量に用意せんとな・・・。
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