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415 ピコピコハンマーを使った新ゲーム
しおりを挟むピコン!
「あーーーーーーーーーーっ!!」
「はい、シャイナの負け~!」
司令本部3号店が完成したので、軍の皆と飯を食ってから、ひと風呂浴び、俺達の住まいとなるVIPルームにいつものメンバーを集めて遊んでいる所だ。
さっきゴマちゃんにピコピコハンマーで殴られた時に『たたいて・かぶって・ジャンケンポーン』を思い出したので、皆に遊び方を教えてやったら、当然のように盛り上がった。
予想外にもナルティアが一番強くて現在7連勝中だ。俺もさっき負けた。というかチャミィに全力で勝つのも大人げないので相変わらず俺が最弱の地位をキープしているわけだが、いい加減俺も勝ちたくなったので、新しいゲームを提案することにした。
「皆聞いてくれ!ピコピコハンマーを使った面白いゲームは、実はまだ他にもあるんだ!」
「ほうほう、それは興味深いな」
「ナルっち強すぎだから、そっちのゲームやろうぜ!」
「賛成~~~!」
えーと、俺・ゴマちゃん・ニャルル・シャイナ・パメラ・チャミィ・ナルティア・フレイア・スカーレットで、全部で9人か。ちょっと多いけど、まあとりあえずやってみっか。
トランプの山から『K』『J』『2』『3』『4』『5』『6』『8』『9』を抜き取った。
「まずはカードの説明をするぞ。『K』を引いた人は大名だ。そして『J』を引いた人は軍師となる。それ以外のカードを引いたら敵兵な」
「にゃるほど・・・、『K』の人は偉そうだし『J』はずる賢そうにゃね」
「何となく当て嵌まってるだろ?じゃあ説明の続きをするぞ。あ、その前に全員場所を移動して円になってくれ」
皆が配置について円になったので、シャッフルしたカードをそれぞれに配って行った。
「よし、自分のカードを確認していいぞ!ただし他の人に見られないよう自分だけでこっそり見るんだ。ここで他人のカードを覗くのは卑劣な行為となるので絶対やらないように!」
ちなみに俺のカードは『K』だった。練習で運使ってどうするよ!?
「自分のカードを確認したらこうやって頭を伏せてくれ。土下座みたいだけど皆でやるから気にしないように!この時、顔の側面に腕を置いて、横から外側が見えないようにするんだ」
俺が実際にやってみせると、全員同じ体勢になった。
「ここで『K』と『J』のカードだった人だけ、こっそり頭を上げる!」
俺は『K』のカードだったから起き上がると、フレイアもむくっと起き上がった。どうやら『J』を引いたのは彼女だった模様。
「これは練習だから白状するけど、今回『K』を引いたのは俺で『J』を引いたのはフレイアだ。この時何をするのか説明するので、今回だけ皆頭を上げてくれ」
全員頭を上げたので次の説明に入る。
「よし、『J』を引いた軍師の出番だ!フレイア、この中の誰かを指差してくれ」
「指を差すだけ?えーと、じゃあ・・・」
フレイアが、ナルティアを指差した。
「軍師がナルティアを指名した。その時大名は、軍師の進言通りに行動しなければならない!」
ピコン!
「あいたっ!!」
円の中心に置いてあったピコピコハンマーを手に取り、ナルティアの頭を少し強めに殴った。
「そして敵兵を攻撃した大名と軍師は、サッと周りの人のように頭を伏せて知らんぷりするんだ。ハイ!全員頭を伏せてさっきの体勢になって。・・・んで、ピコンって聞こえたら心の中で10数えてから頭を上げてくれ。もうすでにナルティアを殴った時にピコンって鳴ってるから今から10な」
10数えてから皆が頭を上げた。
「さてここで殴られた人の出番だ。『K』と『J』を引いた二人を探り当てろ!すなわち、自分を攻撃してきた大名と軍師を見つけ出すんだ。そしてこの時どちらか片方でも見破れば、ピコピコハンマーで仕返しすることができるぞ!もちろん二人当てられたら二人とも殴っていいからな!」
当然俺とフレイアが犯人だとバレてるので、二人ともピコンとやられた。
「にゃはははは!思いっきり叩いたら仕返しも怖そうにゃ!!」
「そうそう!でも痛いくらいが盛り上がるから容赦なく引っ叩け!」
・・・・・
ピコン!
「いにゃっっ!!」
ピコン
「いっ、たくない。もうこれだけで大名が誰だかわかったわ」
うむ。チャミィ大名のへにゃへにゃ攻撃だけはバレバレなのである。
しかし皆慣れてきたようで、衣擦れの音や気配を察知して当てることが出来るようになって来た。殴られる角度もヒントになるので重要なポイントだぞ。ちなみに人数が多いので、犯人捜しの時に大名と軍師を逆に言ってしまっても有効となった。
お?『J』だ。久々の軍師だな。
頭を上げるとニャルルと目が合った。アホアホ大名か・・・、少し不安だ。
「プフッ、にゃはははは!ダメにゃ、笑いを堪えきれにゃいにゃ!こがにゃんが軍師って、にゃははははは!!」
「ちょ、おま!名前言ったらバレバレじゃねえか!」
「ぷっ」
「くくくく」
くそう!ニャルルのせいでもう全てが台無しだ。
確実に仕返しが来るけど適当に選ぶか・・・。
ゴマちゃんを指差した。
ピコーーーーーーーーーーン!!
「いってェ!!!」
「ぷぷぷっ」
「アーッハッハッハ!」
緊張感に包まれた室内に、けたたましい音が鳴り響いた。
ニャルルのアホーーー!!
もう完全にバレてて仕返し確定なのにクリーンヒットさせやがった!!
頭を伏せているお隣さんも笑いを堪えきれてないし・・・。
頭を上げると、背景に炎を揺らめかしたゴマちゃんがそこにいた。
「覚悟の上なんだろうな?」
「ゴマにゃん落ち着くにゃ!」
「待つんだゴマちゃん!ここは笑って許そうじゃないか。君に復讐は似合わない」
ピコーーーーーーーーーーーン! ピココーーーーーーーーーーーーン!
「ゴハッッッッッッッッッ!!」
「うにゃアアアァァァ―――――!!」
ゴマちゃん怒りのピコピコハンマーは強烈な一撃だった。
ちなみにニャルルは2発殴られていた。
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