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353 仇討ち
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ドラゴンを見たニャルルが、尻尾を膨らませて大剣を構えた。
「まてまてまてまて!そのドラゴンはもう死体だ!!」
「にゃんと!?」
ちと驚かせすぎてしまったようだ。
よく考えてみると、魔物で酷い目にあってる魔境在住の人にドラゴンを見せたのは大失態じゃねえか!ニャルルに悪いことをしたな。
「悪かった!魔物に村を襲われたって話しを聞いてたのに、軽い気持ちでこんなのを出しちまった。とにかくそいつはもう無害なので剣を収めてくれ」
「驚いたにゃ!でもこのドラゴンって、こがにゃんが倒したにゃ?」
「最初に少し話したろ?ドラゴンが無茶苦茶いる所から来たって」
ニャルルがコテッと頭を横に倒した。
「あー、にゃんか言ってた気がするにゃ!」
「まあ、これがその時の戦利品だな。ってことでドラゴンを食うぞー」
「ドラゴンにゃんて、まだ1回しか食べたことにゃいにゃ!!」
ん?北海道に住んでるなら結構頻繁に出没しそうなもんだけどな?
「ドラゴンって、この辺には飛んでこないのか?」
「来たら大惨事にゃ!!それに来るのはいつも黒龍だから、逃げるしかにゃいにゃ」
「黒龍が来るのかよ!そりゃキツいな」
「うちの村も黒龍にやられたにゃ」
なんだって!?
ニャルルの村を滅ぼしたのは黒龍だったのか。
知らなかったとはいえ、考えもせずにドラゴンを出した自分を殴りてえ・・・。
「本当にすまない!そうとは知らずドラゴンなんか出しちまって。ああ、でもニャルルの村の仇は討っといたぞ!もう黒龍が襲って来ることはないハズだ」
「にゃっ!?どういうことにゃ?」
「黒龍は俺が倒した」
「にゃんですとーーーーーーーーーー!?」
口で言うだけじゃ信じてもらえないか?
「嘘じゃないぞ?証拠を見せてやってもいい。天敵みたいなヤツだろうから、死を確認したいだろ?」
「見たいにゃ!」
「とりあえず風竜はしまうわ。んじゃそこに一目でわかる証拠を出すから、今度は驚かないでくれよ?」
「わかったにゃ!」
風竜をマジックバッグに収納し、代わりに黒龍の頭を地面に置いた。
「・・・・・・・・・・・・」
ニャルルが目をまん丸くして黒龍の顔を凝視している。
「黒龍にゃ・・・・・・」
「コイツで間違いないだろ?」
「ウチが最後にみたのは子供の頃だけど、絶対コイツにゃ!!」
「そうか。偶然とはいえ、知らずに仇討ちが出来てたみたいで良かったよ」
「黒龍を倒すにゃんて、こがにゃん強いにゃ!!」
「わぷっ!」
ニャルルが飛びついて来た。
うーむ、とりあえず先程の失態は挽回出来たかな?
・・・それにしてもだ。
二つのやわらかいモノが当たって気持ちはいいんだが、野性味のある匂いが非常に気になる!こりゃ後で綺麗に丸洗いしてやらんとダメだな。
「よし!話はこれくらいにして肉焼くぞー!」
「にゃっ!焼くにゃーーー!!」
「あ、そうだ。風竜と黒龍どっちがいい?やっぱ仇の黒龍か!?」
「ん~、そうにゃねえ・・・。黒龍を食べてウチも仇討ちするにゃ!」
「だよな!」
軍の皆の為に温存してたけど、仇討ちとなりゃ出すしかねえだろ!
黒龍は通常のドラゴンよか更にデカかったし、少しくらいなら誤差の範囲だ。
冷蔵庫から黒龍肉のブロックを取り出し、簡易厨房の台の上に乗せて切っていく。ついでにレバ刺しやホルモンやタンなども出して、黒龍カーニバルの布陣を敷いた。
「にゃんで厨房があるにゃ!?」
「細かいことは気にすんな!」
ニャルルからすりゃ意味不明だろうけど、ミスフィート軍じゃこんなのよく見る光景なのですよ。
肉を焼き始めると、爆発的な匂いが広がって行く。
「じゅるり・・・」
ニャルルはすでに涎が止まらんモードのようだ。
ちなみに黒龍の頭は、さっきマジックバッグに収納した。
活造りみたいにして食う趣味など俺には無い。
「完成ーーー!!よーし食うぞーーー!」
「やったにゃ~~~~~!!」
ナイフで切った黒龍ステーキを、少し緊張しながら口に運ぶ。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
二人とも泣いていた。
「ぐしゅっ、・・・凄いだろ?」
「にゃみだが止まらにゃいにゃ・・・」
もう言葉など必要無い。
ホルモン、タン塩と、どんどん焼いては食っていく。
今回はニャルルの仇討ちも兼ねているので米は無しだ。
その分肉を消費してしまうが、これは必要経費。
二人で食って食って食いまくった。
・・・・・
「ゲフッ、さすがにちょっと食いすぎた・・・」
「もう無理にゃ・・・、これ以上は仇討ちできにゃいにゃ」
腹が破れるほど食って動けなくなったので、二人共しばらく地面に転がっていた。
「さて・・・」
「にゃ?そろそろ出発にゃ?」
「いや、その前にやることがある」
マジックバッグから簡易お風呂セットを取り出した。
さすがにこんなモノは持ってなかったんだけど、旅の間に作ったのだ。
洗い場+浴槽+シャワー+すのこ+椅子の5点セット。
ただし今は魔境にいるので壁やカーテンなんてモノは無い。周囲を見渡せないと危険で風呂どころじゃないからだ。
「これはにゃんにゃ?」
「お風呂セットだな」
「お風呂!?こがにゃん、お風呂に入りたかったにゃ??」
「少し違うな。入るのはニャルルの方だ!」
「にゃっ!?お風呂はイヤにゃ~~~~~!!!」
試される大地にニャルルの悲鳴が轟いた。
「まてまてまてまて!そのドラゴンはもう死体だ!!」
「にゃんと!?」
ちと驚かせすぎてしまったようだ。
よく考えてみると、魔物で酷い目にあってる魔境在住の人にドラゴンを見せたのは大失態じゃねえか!ニャルルに悪いことをしたな。
「悪かった!魔物に村を襲われたって話しを聞いてたのに、軽い気持ちでこんなのを出しちまった。とにかくそいつはもう無害なので剣を収めてくれ」
「驚いたにゃ!でもこのドラゴンって、こがにゃんが倒したにゃ?」
「最初に少し話したろ?ドラゴンが無茶苦茶いる所から来たって」
ニャルルがコテッと頭を横に倒した。
「あー、にゃんか言ってた気がするにゃ!」
「まあ、これがその時の戦利品だな。ってことでドラゴンを食うぞー」
「ドラゴンにゃんて、まだ1回しか食べたことにゃいにゃ!!」
ん?北海道に住んでるなら結構頻繁に出没しそうなもんだけどな?
「ドラゴンって、この辺には飛んでこないのか?」
「来たら大惨事にゃ!!それに来るのはいつも黒龍だから、逃げるしかにゃいにゃ」
「黒龍が来るのかよ!そりゃキツいな」
「うちの村も黒龍にやられたにゃ」
なんだって!?
ニャルルの村を滅ぼしたのは黒龍だったのか。
知らなかったとはいえ、考えもせずにドラゴンを出した自分を殴りてえ・・・。
「本当にすまない!そうとは知らずドラゴンなんか出しちまって。ああ、でもニャルルの村の仇は討っといたぞ!もう黒龍が襲って来ることはないハズだ」
「にゃっ!?どういうことにゃ?」
「黒龍は俺が倒した」
「にゃんですとーーーーーーーーーー!?」
口で言うだけじゃ信じてもらえないか?
「嘘じゃないぞ?証拠を見せてやってもいい。天敵みたいなヤツだろうから、死を確認したいだろ?」
「見たいにゃ!」
「とりあえず風竜はしまうわ。んじゃそこに一目でわかる証拠を出すから、今度は驚かないでくれよ?」
「わかったにゃ!」
風竜をマジックバッグに収納し、代わりに黒龍の頭を地面に置いた。
「・・・・・・・・・・・・」
ニャルルが目をまん丸くして黒龍の顔を凝視している。
「黒龍にゃ・・・・・・」
「コイツで間違いないだろ?」
「ウチが最後にみたのは子供の頃だけど、絶対コイツにゃ!!」
「そうか。偶然とはいえ、知らずに仇討ちが出来てたみたいで良かったよ」
「黒龍を倒すにゃんて、こがにゃん強いにゃ!!」
「わぷっ!」
ニャルルが飛びついて来た。
うーむ、とりあえず先程の失態は挽回出来たかな?
・・・それにしてもだ。
二つのやわらかいモノが当たって気持ちはいいんだが、野性味のある匂いが非常に気になる!こりゃ後で綺麗に丸洗いしてやらんとダメだな。
「よし!話はこれくらいにして肉焼くぞー!」
「にゃっ!焼くにゃーーー!!」
「あ、そうだ。風竜と黒龍どっちがいい?やっぱ仇の黒龍か!?」
「ん~、そうにゃねえ・・・。黒龍を食べてウチも仇討ちするにゃ!」
「だよな!」
軍の皆の為に温存してたけど、仇討ちとなりゃ出すしかねえだろ!
黒龍は通常のドラゴンよか更にデカかったし、少しくらいなら誤差の範囲だ。
冷蔵庫から黒龍肉のブロックを取り出し、簡易厨房の台の上に乗せて切っていく。ついでにレバ刺しやホルモンやタンなども出して、黒龍カーニバルの布陣を敷いた。
「にゃんで厨房があるにゃ!?」
「細かいことは気にすんな!」
ニャルルからすりゃ意味不明だろうけど、ミスフィート軍じゃこんなのよく見る光景なのですよ。
肉を焼き始めると、爆発的な匂いが広がって行く。
「じゅるり・・・」
ニャルルはすでに涎が止まらんモードのようだ。
ちなみに黒龍の頭は、さっきマジックバッグに収納した。
活造りみたいにして食う趣味など俺には無い。
「完成ーーー!!よーし食うぞーーー!」
「やったにゃ~~~~~!!」
ナイフで切った黒龍ステーキを、少し緊張しながら口に運ぶ。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
二人とも泣いていた。
「ぐしゅっ、・・・凄いだろ?」
「にゃみだが止まらにゃいにゃ・・・」
もう言葉など必要無い。
ホルモン、タン塩と、どんどん焼いては食っていく。
今回はニャルルの仇討ちも兼ねているので米は無しだ。
その分肉を消費してしまうが、これは必要経費。
二人で食って食って食いまくった。
・・・・・
「ゲフッ、さすがにちょっと食いすぎた・・・」
「もう無理にゃ・・・、これ以上は仇討ちできにゃいにゃ」
腹が破れるほど食って動けなくなったので、二人共しばらく地面に転がっていた。
「さて・・・」
「にゃ?そろそろ出発にゃ?」
「いや、その前にやることがある」
マジックバッグから簡易お風呂セットを取り出した。
さすがにこんなモノは持ってなかったんだけど、旅の間に作ったのだ。
洗い場+浴槽+シャワー+すのこ+椅子の5点セット。
ただし今は魔境にいるので壁やカーテンなんてモノは無い。周囲を見渡せないと危険で風呂どころじゃないからだ。
「これはにゃんにゃ?」
「お風呂セットだな」
「お風呂!?こがにゃん、お風呂に入りたかったにゃ??」
「少し違うな。入るのはニャルルの方だ!」
「にゃっ!?お風呂はイヤにゃ~~~~~!!!」
試される大地にニャルルの悲鳴が轟いた。
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