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337 聖帝の怒り
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戦場で暴れていると、前方にピピン隊の姿が見えた。
ルーシーも一緒にいるな。
「うっわ、アレはえげつねえ・・・」
敵兵の正面にいたのはエレン。
エレンのタイマンは初めて見るなーとか思って傍観していると、エレンが敵兵の剣を刀で受け流した直後、他のメンバーが四方八方から斬りつけ、当然相手は何も出来ずに即死。
その直後、今度はキャンディーが敵兵の正面を担当して、先程と同じ様に皆で囲んで瞬殺する。それを延々と繰り返していた。
うん。アレをやられたら俺でも瞬殺されるかもしれん。
戦場では綺麗も汚いもないからな。とにかく勝てばいいんだ。
いや~、しかし良いモノを見させてもらったぞ。敵兵がそういう戦い方をしてくる可能性も十分あるわけだ。彼女らのお陰で、その戦法をとられる前に気付くことが出来たのは非常に大きい。
感謝の意味も込めて、ミスフィートさんに戦いの詳細を伝えといてあげよう。
「「うおおおおおおおおお!!!」」
ん?何があった!?・・・ああ!伏兵部隊が後ろから襲い掛かったのか!
これで皆も少しは楽になるかな?後はもう押し潰すだけだ!
それにしても、ミスフィートさんはどこ行ったんだよ!
本隊が見当たらないってことは、間違いなく大将自ら特攻かましてやがりますな。
まあ作戦の内容が、『機関車を突っ込ませた直後に総攻撃をかけ、立ち直る隙すら与えず一気に叩き潰す』だったので、大将が後ろでドーンと構える必要は無いんだけどさ・・・。
でも万が一ってこともあるんで、無茶はして欲しくないのですが!!
まあ、ミスフィートさんがその辺の兵隊程度に負けることなど有り得んか。
あまり心配ばかりしてると、むしろ俺の方が危ないよな。
・・・よし、俺は俺の戦いに集中しよう!
************************************************************
―――――聖帝視点―――――
「なにィ!伏兵だとお!?」
どこに隠れていた!?
森は徹底的に調べさせたから違う。そもそも敵の大軍がすぐ背後まで接近していて、気付かないなんて事が有り得るのか?
・・・・・・まさか、この草原の下か!!
森に注意を惹きつけた本当の理由は、草原に潜んでいる伏兵から目を背ける為!?
―――尾張の軍師は何者だ?
我の、いや、世界の常識がまるで通用しない相手。
絶対にただの尾張者ではないな。遥か遠方の・・・、文明が凄まじく発達した国の出身とみた。
あの高速の鉄の兵器など、近隣国がたかが数年で作れるとは到底思えぬ。東は越後、西は出雲まで密偵を飛ばしておるが、その様な危険な兵器が存在するという話など一度も聞いた事が無い。
可能性があるとすれば、北の果てか南の果て。
あの大量の照明に使った(中)魔石などは、買うとなると莫大な金が必要となる。理由は(中)魔石を内包している強い魔物が遠方にしかいないからだ。
だが遠方の出身ならば、安く仕入れる事も可能だろう。自らが魔物から入手するならば、金すら必要としない。
大量の魔石を所持したまま旅をして尾張に仕官。その地にて、己の知る知識を使い文明を発展させた。
まあ憶測にしか過ぎぬが、全くの見当違いという事は無かろう。
しかし、なぜ尾張についたのだ!!
我の元へ現れたならば、特別待遇で迎い入れたものを!その知識が手に入るのならば、何でも好きにやらせていた筈だ。
・・・いや、見た所尾張でも自由自在に動いておるな。
糞がッ!!!
何て邪魔な奴なのだ!あの軍師さえ存在しなければ、聖帝軍が苦境に追い込まれる事など有り得なかった!我が覇道を止められる者など存在しなかったのだ!!
周囲を見渡しても、ミスフィート軍の猛攻で我が軍が劣勢なのは明らかだな。
・・・・・・仕方あるまい。
まだ早いが、アレを使うしかこの窮地を切り抜けられぬ。
時間制限があり、日に一度しか使えぬが、今使わなければ壊滅必至だ。
そしてある程度暴れた後、頃合いを見て速やかに撤退する。
よし、では始めよう。
『我にひれ伏せ!我に恐怖せよ!我が覇道の前に敵は無し!』
************************************************************
―――――最前線で奮闘する小烏丸視点―――――
その声が戦場に響き渡ると同時に、辺り一面の空気が非常に重くなった。
「なっ!?」
優勢に戦っていた味方の動きが完全に停止する。
そしてある1点の方向から強烈な力の波動を感じた。
聖帝が何かやったのか!?
そういえば前にヒューリックが言っていたな・・・。
『非常に傲慢で残虐な、いけ好かない男ですぞ。我、いや、私も何度か顔を合わせておりますが、あ奴の傍にいるだけで空気が非常に重たく感じますな。怒声をあげれば、震えが止まらなくなる程の恐怖を撒き散らす、とても危険な男だ・・・』
「あの言葉の意味って、今感じるコレのことだったのか!近くにいるだけでプレッシャーが半端ない奴だって意味かと思ってたぞ!」
―――追い詰められた聖帝が使った奥の手。
撒き散らされた恐怖によって、優勢だった味方の軍勢は窮地に陥る事となる。
だがこの戦場で二人だけ、恐怖などモノともしない人間がいた。
ルーシーも一緒にいるな。
「うっわ、アレはえげつねえ・・・」
敵兵の正面にいたのはエレン。
エレンのタイマンは初めて見るなーとか思って傍観していると、エレンが敵兵の剣を刀で受け流した直後、他のメンバーが四方八方から斬りつけ、当然相手は何も出来ずに即死。
その直後、今度はキャンディーが敵兵の正面を担当して、先程と同じ様に皆で囲んで瞬殺する。それを延々と繰り返していた。
うん。アレをやられたら俺でも瞬殺されるかもしれん。
戦場では綺麗も汚いもないからな。とにかく勝てばいいんだ。
いや~、しかし良いモノを見させてもらったぞ。敵兵がそういう戦い方をしてくる可能性も十分あるわけだ。彼女らのお陰で、その戦法をとられる前に気付くことが出来たのは非常に大きい。
感謝の意味も込めて、ミスフィートさんに戦いの詳細を伝えといてあげよう。
「「うおおおおおおおおお!!!」」
ん?何があった!?・・・ああ!伏兵部隊が後ろから襲い掛かったのか!
これで皆も少しは楽になるかな?後はもう押し潰すだけだ!
それにしても、ミスフィートさんはどこ行ったんだよ!
本隊が見当たらないってことは、間違いなく大将自ら特攻かましてやがりますな。
まあ作戦の内容が、『機関車を突っ込ませた直後に総攻撃をかけ、立ち直る隙すら与えず一気に叩き潰す』だったので、大将が後ろでドーンと構える必要は無いんだけどさ・・・。
でも万が一ってこともあるんで、無茶はして欲しくないのですが!!
まあ、ミスフィートさんがその辺の兵隊程度に負けることなど有り得んか。
あまり心配ばかりしてると、むしろ俺の方が危ないよな。
・・・よし、俺は俺の戦いに集中しよう!
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―――――聖帝視点―――――
「なにィ!伏兵だとお!?」
どこに隠れていた!?
森は徹底的に調べさせたから違う。そもそも敵の大軍がすぐ背後まで接近していて、気付かないなんて事が有り得るのか?
・・・・・・まさか、この草原の下か!!
森に注意を惹きつけた本当の理由は、草原に潜んでいる伏兵から目を背ける為!?
―――尾張の軍師は何者だ?
我の、いや、世界の常識がまるで通用しない相手。
絶対にただの尾張者ではないな。遥か遠方の・・・、文明が凄まじく発達した国の出身とみた。
あの高速の鉄の兵器など、近隣国がたかが数年で作れるとは到底思えぬ。東は越後、西は出雲まで密偵を飛ばしておるが、その様な危険な兵器が存在するという話など一度も聞いた事が無い。
可能性があるとすれば、北の果てか南の果て。
あの大量の照明に使った(中)魔石などは、買うとなると莫大な金が必要となる。理由は(中)魔石を内包している強い魔物が遠方にしかいないからだ。
だが遠方の出身ならば、安く仕入れる事も可能だろう。自らが魔物から入手するならば、金すら必要としない。
大量の魔石を所持したまま旅をして尾張に仕官。その地にて、己の知る知識を使い文明を発展させた。
まあ憶測にしか過ぎぬが、全くの見当違いという事は無かろう。
しかし、なぜ尾張についたのだ!!
我の元へ現れたならば、特別待遇で迎い入れたものを!その知識が手に入るのならば、何でも好きにやらせていた筈だ。
・・・いや、見た所尾張でも自由自在に動いておるな。
糞がッ!!!
何て邪魔な奴なのだ!あの軍師さえ存在しなければ、聖帝軍が苦境に追い込まれる事など有り得なかった!我が覇道を止められる者など存在しなかったのだ!!
周囲を見渡しても、ミスフィート軍の猛攻で我が軍が劣勢なのは明らかだな。
・・・・・・仕方あるまい。
まだ早いが、アレを使うしかこの窮地を切り抜けられぬ。
時間制限があり、日に一度しか使えぬが、今使わなければ壊滅必至だ。
そしてある程度暴れた後、頃合いを見て速やかに撤退する。
よし、では始めよう。
『我にひれ伏せ!我に恐怖せよ!我が覇道の前に敵は無し!』
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―――――最前線で奮闘する小烏丸視点―――――
その声が戦場に響き渡ると同時に、辺り一面の空気が非常に重くなった。
「なっ!?」
優勢に戦っていた味方の動きが完全に停止する。
そしてある1点の方向から強烈な力の波動を感じた。
聖帝が何かやったのか!?
そういえば前にヒューリックが言っていたな・・・。
『非常に傲慢で残虐な、いけ好かない男ですぞ。我、いや、私も何度か顔を合わせておりますが、あ奴の傍にいるだけで空気が非常に重たく感じますな。怒声をあげれば、震えが止まらなくなる程の恐怖を撒き散らす、とても危険な男だ・・・』
「あの言葉の意味って、今感じるコレのことだったのか!近くにいるだけでプレッシャーが半端ない奴だって意味かと思ってたぞ!」
―――追い詰められた聖帝が使った奥の手。
撒き散らされた恐怖によって、優勢だった味方の軍勢は窮地に陥る事となる。
だがこの戦場で二人だけ、恐怖などモノともしない人間がいた。
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