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330 1日目終了。ひと時の休息
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弓の攻防は長時間続いた。
日が落ち始め、矢が見えにくい時間になっても攻撃は終わらない。
「クッソしつこいな!!いつになったら終わるんだよ!?」
「ハアッ、ハアッ、矢が見えなくて、ちょっと怖いんですけど」
この時間帯は確かに危険だ。よし、まだ早い気もするけど照明をONにしよう。
矢が見えなくて無駄に死ぬようなことだけはあっちゃいかん。
誰かに頼もうと思ったけど、照明の操作がよくわからなくて時間がかかるのもマズいと判断し、自分で照明を点灯して行った。明日は照明を知ってる者を近くに置いておこう。
この戦の為に用意した照明を全て点灯すると、照明をあてられた敵軍の驚く顔が見えた。俺としては当たり前感覚なんだけど、敵さんの驚く顔を見た感じ、照明デラデラの城や砦なんてのは一つも無かったのかもしれないな。
照明によって興を削がれたからか、聖帝軍の動きが止まって後ろに引いて行った。
とりあえず昼の部は終了かな?当然夜襲に備える必要はあるけど。
・・・・・
「皆の者、今日は見事な戦いであった!夜担当の兵達と持ち場を交代し、飯を食ってゆるりと休むが良い。まだ戦が始まったばかりで余裕がある故、たとえ夜襲があろうとも叩き起こすことはない!ただし、もし叩き起こされた場合は緊急事態だ。その時は速やかに行動せよ!」
「「ハッ!!」」
ミスフィートさんのスピーチによって、戦い疲れた兵達は城に戻って行った。
昼の部に参加していない兵達が持ち場を引き継ぐ。
とにかく敵の数が多いので、夜襲が来る可能性は結構高い。
まあその辺は聖帝の性格によるだろうな。
まだ初日と考えるか、手応えの無さに焦りを覚えるか・・・。
ふ~、さすがに疲れたんで俺もそろそろ城に戻るとしよう。
夜勤担当の兵達に、夜の見張りの心構えや夜襲がキツかった場合の対処方法などを伝えてからその場を後にした。
「よっしゃーーー!鳥の唐揚げキターーーー!!」
「おおっ!コレが噂の唐揚げか!」
「そういえば、伊勢の者達は唐揚げを食うのは初めてか」
「ヒューリック様は食べたことがあるのですか?」
「しばらく尾張にいたからな。一度食ったことがあるのだが驚くほど美味いぞ!」
「見た目が全然肉っぽくないのじゃが・・・」
食堂に入ると、男連中の話声が聞こえて来た。
今日は唐揚げか~。コカトリスの肉は貴重だからなかなか食えないんよね。
しかしナイスだ。無茶苦茶ハードだったんで、丁度肉が食いたかったんだよ!
いつもの席に座り、唐揚げが出て来た瞬間ガツガツと食べ始める。
「うおーーー!唐揚げうめーーーー!!」
「今日はみんな頑張ったもんね!働いた後は、お肉が美味し過ぎる!」
「これって、レイリア城で食べるの初めてじゃない?」
「前に食べた時は・・・、ミケネコ城だったでしょうか?」
「コカトリスって貴重だかんね~。この人数で食べたらすぐ無くなっちゃうし」
「そういえば、最近はダンジョンで補充してないのですか?」
「みんなこの城に来ちゃったじゃない。尾張に残った兵士達は城で待機しなきゃならないし、ダンジョンに行ってる余裕なんかないよ」
ちなみに同じテーブルに着いているのは、カーラ・チェリン・カトレアだ。
リタ・リナは夜勤組。ミスフィートさんとお嬢は別々のテーブルで食事中。
ボヤッキーは相変わらず男連中の中心にいて、最近はヒューリック達も加わり地味に勢力を増やしている。
でもルシオだけ、いつの間にかピピン隊と一緒の席に着くようになった。ピピン達にすごく懐かれているっぽい。イケメンだけあって女性達から大人気なのだ。
ピピン隊と言えばルーシーも一緒に行動することが多いんだけど、食堂では毎日違うテーブルに移動していてまるで落ち着きが無い。仲良しグループや座席ってのは大抵固定されるもんだろうに、性格が出てるよな~。
んで俺の話に戻るけど、1番前にあるテーブルが指定席状態だ。厨房にいる和泉ともよく会話するので、ココが1番都合良いんよね。
座席だけはミケネコ城の時から全く変わってない。性分なんだろか?
でも同じ行動を繰り返すってのは、実は非常に危険なんだ。
例えば、『毎日夜18時にテントで食事をして、1時間一人で筋トレして、21時に就寝する』ってのを繰り返していた場合、敵にその行動パターンがバレると、一人の時を狙って暗殺者を送り込まれたりね。
俺は軍師なので標的になるかは微妙だけど、大名は絶対に気を付けなければならないだろう。一応ミスフィートさんには警告してある。
城内にいる時なんかは構わないけども、戦場でテントなんかを使う時があったら、場所と時間の固定には気を付けるようにと。
つってもウチには建設を極めたエルフ達がいるんで、最前線でテントを使うような場面は無いかもしれんけどな。
それでも万が一のケースを警戒するに越したことはなかろう。たった一度の気の緩みが致命傷足りえるのだから。
食事の後、軽く明日の作戦会議をした。
敵の出方次第での対応になるので、戦前に話し合ったことのおさらいだな。
今更ジタバタしたって始まらない。もう作戦は綿密に練ってあるのだから。
あとは俺さえミスをしなければ、この戦は絶対に勝つ!
聖帝が本気で勝負をかけて来た時こそがミスフィート軍の勝機だ。
恐怖で支配して来たお前に、本当の恐怖ってヤツを教えてやろう。
日が落ち始め、矢が見えにくい時間になっても攻撃は終わらない。
「クッソしつこいな!!いつになったら終わるんだよ!?」
「ハアッ、ハアッ、矢が見えなくて、ちょっと怖いんですけど」
この時間帯は確かに危険だ。よし、まだ早い気もするけど照明をONにしよう。
矢が見えなくて無駄に死ぬようなことだけはあっちゃいかん。
誰かに頼もうと思ったけど、照明の操作がよくわからなくて時間がかかるのもマズいと判断し、自分で照明を点灯して行った。明日は照明を知ってる者を近くに置いておこう。
この戦の為に用意した照明を全て点灯すると、照明をあてられた敵軍の驚く顔が見えた。俺としては当たり前感覚なんだけど、敵さんの驚く顔を見た感じ、照明デラデラの城や砦なんてのは一つも無かったのかもしれないな。
照明によって興を削がれたからか、聖帝軍の動きが止まって後ろに引いて行った。
とりあえず昼の部は終了かな?当然夜襲に備える必要はあるけど。
・・・・・
「皆の者、今日は見事な戦いであった!夜担当の兵達と持ち場を交代し、飯を食ってゆるりと休むが良い。まだ戦が始まったばかりで余裕がある故、たとえ夜襲があろうとも叩き起こすことはない!ただし、もし叩き起こされた場合は緊急事態だ。その時は速やかに行動せよ!」
「「ハッ!!」」
ミスフィートさんのスピーチによって、戦い疲れた兵達は城に戻って行った。
昼の部に参加していない兵達が持ち場を引き継ぐ。
とにかく敵の数が多いので、夜襲が来る可能性は結構高い。
まあその辺は聖帝の性格によるだろうな。
まだ初日と考えるか、手応えの無さに焦りを覚えるか・・・。
ふ~、さすがに疲れたんで俺もそろそろ城に戻るとしよう。
夜勤担当の兵達に、夜の見張りの心構えや夜襲がキツかった場合の対処方法などを伝えてからその場を後にした。
「よっしゃーーー!鳥の唐揚げキターーーー!!」
「おおっ!コレが噂の唐揚げか!」
「そういえば、伊勢の者達は唐揚げを食うのは初めてか」
「ヒューリック様は食べたことがあるのですか?」
「しばらく尾張にいたからな。一度食ったことがあるのだが驚くほど美味いぞ!」
「見た目が全然肉っぽくないのじゃが・・・」
食堂に入ると、男連中の話声が聞こえて来た。
今日は唐揚げか~。コカトリスの肉は貴重だからなかなか食えないんよね。
しかしナイスだ。無茶苦茶ハードだったんで、丁度肉が食いたかったんだよ!
いつもの席に座り、唐揚げが出て来た瞬間ガツガツと食べ始める。
「うおーーー!唐揚げうめーーーー!!」
「今日はみんな頑張ったもんね!働いた後は、お肉が美味し過ぎる!」
「これって、レイリア城で食べるの初めてじゃない?」
「前に食べた時は・・・、ミケネコ城だったでしょうか?」
「コカトリスって貴重だかんね~。この人数で食べたらすぐ無くなっちゃうし」
「そういえば、最近はダンジョンで補充してないのですか?」
「みんなこの城に来ちゃったじゃない。尾張に残った兵士達は城で待機しなきゃならないし、ダンジョンに行ってる余裕なんかないよ」
ちなみに同じテーブルに着いているのは、カーラ・チェリン・カトレアだ。
リタ・リナは夜勤組。ミスフィートさんとお嬢は別々のテーブルで食事中。
ボヤッキーは相変わらず男連中の中心にいて、最近はヒューリック達も加わり地味に勢力を増やしている。
でもルシオだけ、いつの間にかピピン隊と一緒の席に着くようになった。ピピン達にすごく懐かれているっぽい。イケメンだけあって女性達から大人気なのだ。
ピピン隊と言えばルーシーも一緒に行動することが多いんだけど、食堂では毎日違うテーブルに移動していてまるで落ち着きが無い。仲良しグループや座席ってのは大抵固定されるもんだろうに、性格が出てるよな~。
んで俺の話に戻るけど、1番前にあるテーブルが指定席状態だ。厨房にいる和泉ともよく会話するので、ココが1番都合良いんよね。
座席だけはミケネコ城の時から全く変わってない。性分なんだろか?
でも同じ行動を繰り返すってのは、実は非常に危険なんだ。
例えば、『毎日夜18時にテントで食事をして、1時間一人で筋トレして、21時に就寝する』ってのを繰り返していた場合、敵にその行動パターンがバレると、一人の時を狙って暗殺者を送り込まれたりね。
俺は軍師なので標的になるかは微妙だけど、大名は絶対に気を付けなければならないだろう。一応ミスフィートさんには警告してある。
城内にいる時なんかは構わないけども、戦場でテントなんかを使う時があったら、場所と時間の固定には気を付けるようにと。
つってもウチには建設を極めたエルフ達がいるんで、最前線でテントを使うような場面は無いかもしれんけどな。
それでも万が一のケースを警戒するに越したことはなかろう。たった一度の気の緩みが致命傷足りえるのだから。
食事の後、軽く明日の作戦会議をした。
敵の出方次第での対応になるので、戦前に話し合ったことのおさらいだな。
今更ジタバタしたって始まらない。もう作戦は綿密に練ってあるのだから。
あとは俺さえミスをしなければ、この戦は絶対に勝つ!
聖帝が本気で勝負をかけて来た時こそがミスフィート軍の勝機だ。
恐怖で支配して来たお前に、本当の恐怖ってヤツを教えてやろう。
応援ありがとうございます!
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