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324 聖帝を倒した後の勢力図
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聖帝軍がレイリア城まで来るまで一ヶ月以上もあり、今から張りつめていてもしょうがないので、その時が来るまで皆には普段通りの生活をしてもらうことになった。
だが俺だけは、聖帝軍を迎え撃つ為の策をギリギリまで練らなければならない。
俺がミスれば何人もの兵が死ぬ。
軍師というモノは、戦場での華々しさと同時に全兵士の命を預かる重要な役職なんだ。行き当たりばったりのイチかバチかの勝負なんて俺には無理。
聖帝の居城が何処にあるかなんだけど、前に密偵からの報告で場所を聞いた時、思わず『三好家じゃん!』って言葉が出てしまった。
その場所は、大阪と京都の間。
三好長慶の居城だった飯盛山城とほぼ同じ位置だ。
この世界ではなぜか城も日本風の名前ではなくなっているので、セルヴィアス城という名前に変化しているけどな。
なんで名前とか街なんかがカタカナになったのかは本当に謎だ。きっと時代の流れで変化して行ったのだろう。
聖帝が支配している領地なんだが、実に広範囲だということが判明した。
山城・丹波・和泉・河内・阿波・淡路・讃岐・播磨・大和の九ヶ国だ。
すなわち尾張換算だと、9万の兵を動員出来るということになるのが恐ろしい。
しかしその内の三ヶ国は四国なので、今回の戦いには不参加と予想している。
淡路はもしかしたら来るかもだけど、海を渡るならその分時間がかかるので、小国を踏みつぶす程度の気持ちでいるならば全軍までは動員しないと思う。
そうなると逆に、今回の戦いでは四国にいる兵は削れないということでもあるので、これが良かったのか悪かったのかは正直なんとも言えない。
聖帝を撃破した時にミスフィート軍が支配するであろう国の数があまりにも多すぎて、その統治を考えるだけでマジで頭がおかしくなりそうだ・・・。
領地が円の様になってるのならまだ良いんだけど、美濃・近江・伊賀・紀伊・摂津が他国ってのが厄介だ。変な感じに領地が伸びてしまうんだよなあ~。
これをどうにか円形に持って行かないと、たとえ統治に成功したとしてもどこかピリピリした感じになると思う。
しかし美濃・近江はともかく、紀伊・摂津・伊賀なんかは、日本の戦国時代のように一向宗みたいなのが統治している可能性がある。というか、強大な軍事力を擁する聖帝軍の支配下に無いわけだから、間違いなく何かがあるんだよ!
聖帝を倒した後は一向宗が相手か・・・。いや~、たまりませんなあ!
信長が比叡山を焼き討ちした気持ちがちょっとわかるかもしれん。自国の周りにポツポツと何ヶ所も宗教国家があるなんて、どう考えても気持ち悪いに決まってる。
いや、まあ、宗教国家と決まったわけではないんだけどさ。
とにかく平和を手にするには、どうにか領地を円形にしたい所だ。ぶっちゃけると背後から攻められないように近隣国も平らげたい気持ちがある。
は~~~、一向宗の門徒を根絶やしにするとか、嫌だなあ・・・。
聖帝を滅ぼした後、全てを放り投げて尾張に帰るって手も一応あるけど。
だがそれはちょっと弱腰すぎるというか、ミスフィート軍の大勢の家臣達を失望させてしまうだろう。俺はともかく、ミスフィートさんが領地拡大するチャンスを放棄した大名と呼ばれてしまう。いくら何でも、そんなの我慢出来るわけねえ!
そうなるとやっぱ、行き着くとこまで行くしかないよな・・・。
『天下統一がしたい』なんて野望は正直これっぽっちもない。少なくとも俺にはないし、ミスフィートさんにしても、そういう野心を持っている感じはしない。そして他の重臣達を見渡しても、破天荒ではあるけど平和主義に思える。
伊勢の兵達のことはまだよくわからないけど、自国を守るのに精一杯でそれどころじゃないって感じだ。
なのに戦争相手は巨大勢力の聖帝軍って、めっちゃ腑に落ちないんですけど!
もう今更なんだけどさ、こうなる前に尾張の国を完璧に仕上げたかった。領土を広げるなんてのは行き詰ってからで良かったんだ。
尾張はまだいいけど、伊勢なんてまるで発展させてないんだぜ?
ヒューリックの元領地である志摩の国だって、まだ一度も行ってないし。
なのに、だ!
負ければ破滅、勝てば超大国の二択を迫られている。
ならば、やるしかないじゃんねえ?
とにかく領土を円形にさえすればデッカイ尾張なんだ。こうなった以上、周辺国には悪いが、その形にしたいってくらいの我儘は通させてもらうしかねえ!
とはいえ、俺の一存じゃ決められないスケールの話しなので、これについては頃合いを見て皆と話し合うことにしよう。
背後に敵がいないって状況は皆も望む所だろうから、此方から攻め込むという俺の考えに共鳴出来るかどうかだろなあ・・・。
そうなると必要なのは大義名分か。
まあ強き者こそが正義って世界だから、深く考えずに攻め込んでもいいような気もするけど。
伊賀・紀伊・摂津は、危険な宗教国家ならば確実に滅ぼす必要がある。
美濃とは一度小競り合いしてるから、攻撃されても文句は言えまい。
近江はさっぱりわからん。
問題は四国か・・・。
そこまで攻め込んでしまうと、後戻りできなくなる可能性がある。
しかし聖帝が四国に逃げ込んでしまった場合、追いかけて行ってトドメを刺さんと大きな火種になってしまう。聖帝軍の残党がごっそり残るのも良くない。
海を渡った先にも領土を持つってのはなあ。
まあその辺のことは、その時になったら考えよう・・・。
だが俺だけは、聖帝軍を迎え撃つ為の策をギリギリまで練らなければならない。
俺がミスれば何人もの兵が死ぬ。
軍師というモノは、戦場での華々しさと同時に全兵士の命を預かる重要な役職なんだ。行き当たりばったりのイチかバチかの勝負なんて俺には無理。
聖帝の居城が何処にあるかなんだけど、前に密偵からの報告で場所を聞いた時、思わず『三好家じゃん!』って言葉が出てしまった。
その場所は、大阪と京都の間。
三好長慶の居城だった飯盛山城とほぼ同じ位置だ。
この世界ではなぜか城も日本風の名前ではなくなっているので、セルヴィアス城という名前に変化しているけどな。
なんで名前とか街なんかがカタカナになったのかは本当に謎だ。きっと時代の流れで変化して行ったのだろう。
聖帝が支配している領地なんだが、実に広範囲だということが判明した。
山城・丹波・和泉・河内・阿波・淡路・讃岐・播磨・大和の九ヶ国だ。
すなわち尾張換算だと、9万の兵を動員出来るということになるのが恐ろしい。
しかしその内の三ヶ国は四国なので、今回の戦いには不参加と予想している。
淡路はもしかしたら来るかもだけど、海を渡るならその分時間がかかるので、小国を踏みつぶす程度の気持ちでいるならば全軍までは動員しないと思う。
そうなると逆に、今回の戦いでは四国にいる兵は削れないということでもあるので、これが良かったのか悪かったのかは正直なんとも言えない。
聖帝を撃破した時にミスフィート軍が支配するであろう国の数があまりにも多すぎて、その統治を考えるだけでマジで頭がおかしくなりそうだ・・・。
領地が円の様になってるのならまだ良いんだけど、美濃・近江・伊賀・紀伊・摂津が他国ってのが厄介だ。変な感じに領地が伸びてしまうんだよなあ~。
これをどうにか円形に持って行かないと、たとえ統治に成功したとしてもどこかピリピリした感じになると思う。
しかし美濃・近江はともかく、紀伊・摂津・伊賀なんかは、日本の戦国時代のように一向宗みたいなのが統治している可能性がある。というか、強大な軍事力を擁する聖帝軍の支配下に無いわけだから、間違いなく何かがあるんだよ!
聖帝を倒した後は一向宗が相手か・・・。いや~、たまりませんなあ!
信長が比叡山を焼き討ちした気持ちがちょっとわかるかもしれん。自国の周りにポツポツと何ヶ所も宗教国家があるなんて、どう考えても気持ち悪いに決まってる。
いや、まあ、宗教国家と決まったわけではないんだけどさ。
とにかく平和を手にするには、どうにか領地を円形にしたい所だ。ぶっちゃけると背後から攻められないように近隣国も平らげたい気持ちがある。
は~~~、一向宗の門徒を根絶やしにするとか、嫌だなあ・・・。
聖帝を滅ぼした後、全てを放り投げて尾張に帰るって手も一応あるけど。
だがそれはちょっと弱腰すぎるというか、ミスフィート軍の大勢の家臣達を失望させてしまうだろう。俺はともかく、ミスフィートさんが領地拡大するチャンスを放棄した大名と呼ばれてしまう。いくら何でも、そんなの我慢出来るわけねえ!
そうなるとやっぱ、行き着くとこまで行くしかないよな・・・。
『天下統一がしたい』なんて野望は正直これっぽっちもない。少なくとも俺にはないし、ミスフィートさんにしても、そういう野心を持っている感じはしない。そして他の重臣達を見渡しても、破天荒ではあるけど平和主義に思える。
伊勢の兵達のことはまだよくわからないけど、自国を守るのに精一杯でそれどころじゃないって感じだ。
なのに戦争相手は巨大勢力の聖帝軍って、めっちゃ腑に落ちないんですけど!
もう今更なんだけどさ、こうなる前に尾張の国を完璧に仕上げたかった。領土を広げるなんてのは行き詰ってからで良かったんだ。
尾張はまだいいけど、伊勢なんてまるで発展させてないんだぜ?
ヒューリックの元領地である志摩の国だって、まだ一度も行ってないし。
なのに、だ!
負ければ破滅、勝てば超大国の二択を迫られている。
ならば、やるしかないじゃんねえ?
とにかく領土を円形にさえすればデッカイ尾張なんだ。こうなった以上、周辺国には悪いが、その形にしたいってくらいの我儘は通させてもらうしかねえ!
とはいえ、俺の一存じゃ決められないスケールの話しなので、これについては頃合いを見て皆と話し合うことにしよう。
背後に敵がいないって状況は皆も望む所だろうから、此方から攻め込むという俺の考えに共鳴出来るかどうかだろなあ・・・。
そうなると必要なのは大義名分か。
まあ強き者こそが正義って世界だから、深く考えずに攻め込んでもいいような気もするけど。
伊賀・紀伊・摂津は、危険な宗教国家ならば確実に滅ぼす必要がある。
美濃とは一度小競り合いしてるから、攻撃されても文句は言えまい。
近江はさっぱりわからん。
問題は四国か・・・。
そこまで攻め込んでしまうと、後戻りできなくなる可能性がある。
しかし聖帝が四国に逃げ込んでしまった場合、追いかけて行ってトドメを刺さんと大きな火種になってしまう。聖帝軍の残党がごっそり残るのも良くない。
海を渡った先にも領土を持つってのはなあ。
まあその辺のことは、その時になったら考えよう・・・。
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