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309 レイリア城と命名
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数日後、尾張の重臣達がレイリアの地に出来た新しい城に到着した。
俺が途中までバスで迎えに行ったんだけども、定員数に限りがあるので、ほとんどの兵士は途中から歩きだ。まあそれでもドワーフ達が頑張ってくれているので、既に線路はパラスナグア近くまで敷かれている。そこからの行程ならば、一ヶ月も歩くなんてことはないハズだ。
レヴィンにも連絡したので、準備ができ次第、続々と新しい城に兵士が集まって来るだろう。一般兵が住む為の施設は、城を完成させたエルフ達がそのまま続けて建造中。二手に分かれて城の防御を固める作業も同時に行っている。
これで出世できなかったら、どうすれば出世できるの?って程の獅子奮迅ぶり。まあ安心してくれ、出世の道は俺が強引にでも開くから!
「すごいお城じゃない!ミケネコ城に匹敵する大きさね!」
「ミスフィート軍の居城に相応しいだろ?」
ちなみに今話してる相手はチェリンだ。
予定では、リタとリナの代わりにチェリンをミルドナーガのクロネコ城主に据えて戦いの疲れを癒してもらおうと思ってたんだけど、チェリンがそれを嫌がったのだ。
自分だけ離れた場所にいるよりも、大勢の仲間と共にいる方が心が休まるというのもまぁわかる。それに冷静に考えてみると、聖帝軍との激戦に乗じて美濃が動く可能性も十分あるのだ。結局あっちも最前線なのに変わりないんで、全然心休まる場所じゃなかったみたいだ。
ということで話し合いの結果、侍大将であるドワーフのドワンゴをクロネコ城主にした。
ドランとガルダンなんかはこっちに連れて来たので、聖帝軍との戦でドワーフを纏めるのは、歴戦の猛者でもある彼らでも全然問題無い。ドワーフ兵の半数はクロネコ城に行ったけど、こっちにも十分な数がいるのでたぶん大丈夫だろう。
「景色も最高じゃない!」
「でも城といくつかの建物しかない」
「ん。ここじゃ買い物もできない」
「たしかに・・・、城の外にも売店が必要かもしれないわね~」
尾張の皆が感動したり足りない物を話し合いながら城に入って行く。
実際このレイリアの地には街が無いからな。
でも全兵士が到着し、説得隊に説得された住民たちが集まれば、ここに巨大な街が誕生するのは確実だ。といっても聖帝軍を撃破すればの話だけどな。
俺の構想としては、近場にエルフ達がどんどん建物を作っていき、そこに住む人達から家賃を徴収するスタイルで行こうと思ってる。
もちろん金を払えば、マンションの部屋や一軒家を買い取ることも可能だ。土地を購入して自分で家を建てるのも一応可能だけど、しょぼくれたポンコツハウスを建てられても困るので、その場合はウチのエルフに建築を依頼してもらう形にしよう。エルフ達も副収入は歓迎だろうから、快く引き受けてくれるに違いない。
城内の美しさや改装の要望などを聞きながら 玉座の間に到着した。
「なんかミケネコ城に帰って来たような感覚だな!」
「ん~、なんせミケネコ城を参考に作りましたからね。清光さんの描く玉座の間ってのがこのデザインなのでしょうけど、俺から見ても素晴らしい出来だと思っていたので、変にいじったりはしませんでした」
「アタシもこれで良いと思うよ。あ、隊長!わたあめ機出して!」
「それならここにピアノも置いて下さらない?」
「えーと・・・、前と全く同じ配置でいいな?」
ミスフィートさんがマジックバッグから玉座三点セットを取り出した。
内訳はピアノ・わたあめ機・動物乗り物だ。動物乗り物はしょっちゅう移動して歩くんで、気付くと行方不明になってるが。
そして玉座にお気に入りの敷物を敷いて腰かけた。
「うむ。ミケネコ城の玉座と全く同じ感じだな」
ふと思い出したような顔になり、王妃用の座席にゴブ夫くんを座らせた。
「いやいやいやいや!ブッサイクな王妃だな、オイ!」
「っていうか女だったの!?」
「ゴブ夫って名前だから、たぶんオスだと思うけど・・・」
「なっ!なぜ城に魔物がいる!?」
ん?ああ、ヒューリックはゴブ夫くん見たの初めてか。
「安心しろ!これは人形だ。等身大のアルティメットゴブリンだぞ!」
「ゴブリン!?こ、この様な凶悪なゴブリンが存在するのか!!」
「ダンジョンにいるのだ」
「ダンジョン!!なるほど・・・」
「ヒューリック、こんなの普通のダンジョンにはいないからな?とある超高難度のダンジョンにいるんだ。しかも深い階層に行けば、更にもっと凶悪なゴブリンが出現する」
「楽しかったな!また行きたいぞ!」
俺もそろそろダンジョンに行きたい気持ちはあるけど、聖帝軍を滅ぼさない限りそんな暇など無い。それに何かダンジョンと取引きできる材料が必要になる。バニラアイスでもOKだったから、面白い食材でも見つかればチャンスかもな。
「ところで城の名前はどうします?」
「名前か~!またネコにするか?」
「ここは尾張じゃないんだし、もうネコに拘らなくてもいいのではないかしら?」
「なるほど確かに・・・。ちなみにここは伊勢のレイリアという地です。元々この場所にはレイリアの砦があったのですが、それを壊して城にしたのですよ」
「ほ~~~!じゃあレイリア城でいいな!」
「すごく安直ね!でもレイリアって、ルーサイアみたいで好きな名前かも」
「私もそれで良いと思う!!」
まあそんなわけで、新しい城の名前は『レイリア城』に決定した。
俺が途中までバスで迎えに行ったんだけども、定員数に限りがあるので、ほとんどの兵士は途中から歩きだ。まあそれでもドワーフ達が頑張ってくれているので、既に線路はパラスナグア近くまで敷かれている。そこからの行程ならば、一ヶ月も歩くなんてことはないハズだ。
レヴィンにも連絡したので、準備ができ次第、続々と新しい城に兵士が集まって来るだろう。一般兵が住む為の施設は、城を完成させたエルフ達がそのまま続けて建造中。二手に分かれて城の防御を固める作業も同時に行っている。
これで出世できなかったら、どうすれば出世できるの?って程の獅子奮迅ぶり。まあ安心してくれ、出世の道は俺が強引にでも開くから!
「すごいお城じゃない!ミケネコ城に匹敵する大きさね!」
「ミスフィート軍の居城に相応しいだろ?」
ちなみに今話してる相手はチェリンだ。
予定では、リタとリナの代わりにチェリンをミルドナーガのクロネコ城主に据えて戦いの疲れを癒してもらおうと思ってたんだけど、チェリンがそれを嫌がったのだ。
自分だけ離れた場所にいるよりも、大勢の仲間と共にいる方が心が休まるというのもまぁわかる。それに冷静に考えてみると、聖帝軍との激戦に乗じて美濃が動く可能性も十分あるのだ。結局あっちも最前線なのに変わりないんで、全然心休まる場所じゃなかったみたいだ。
ということで話し合いの結果、侍大将であるドワーフのドワンゴをクロネコ城主にした。
ドランとガルダンなんかはこっちに連れて来たので、聖帝軍との戦でドワーフを纏めるのは、歴戦の猛者でもある彼らでも全然問題無い。ドワーフ兵の半数はクロネコ城に行ったけど、こっちにも十分な数がいるのでたぶん大丈夫だろう。
「景色も最高じゃない!」
「でも城といくつかの建物しかない」
「ん。ここじゃ買い物もできない」
「たしかに・・・、城の外にも売店が必要かもしれないわね~」
尾張の皆が感動したり足りない物を話し合いながら城に入って行く。
実際このレイリアの地には街が無いからな。
でも全兵士が到着し、説得隊に説得された住民たちが集まれば、ここに巨大な街が誕生するのは確実だ。といっても聖帝軍を撃破すればの話だけどな。
俺の構想としては、近場にエルフ達がどんどん建物を作っていき、そこに住む人達から家賃を徴収するスタイルで行こうと思ってる。
もちろん金を払えば、マンションの部屋や一軒家を買い取ることも可能だ。土地を購入して自分で家を建てるのも一応可能だけど、しょぼくれたポンコツハウスを建てられても困るので、その場合はウチのエルフに建築を依頼してもらう形にしよう。エルフ達も副収入は歓迎だろうから、快く引き受けてくれるに違いない。
城内の美しさや改装の要望などを聞きながら 玉座の間に到着した。
「なんかミケネコ城に帰って来たような感覚だな!」
「ん~、なんせミケネコ城を参考に作りましたからね。清光さんの描く玉座の間ってのがこのデザインなのでしょうけど、俺から見ても素晴らしい出来だと思っていたので、変にいじったりはしませんでした」
「アタシもこれで良いと思うよ。あ、隊長!わたあめ機出して!」
「それならここにピアノも置いて下さらない?」
「えーと・・・、前と全く同じ配置でいいな?」
ミスフィートさんがマジックバッグから玉座三点セットを取り出した。
内訳はピアノ・わたあめ機・動物乗り物だ。動物乗り物はしょっちゅう移動して歩くんで、気付くと行方不明になってるが。
そして玉座にお気に入りの敷物を敷いて腰かけた。
「うむ。ミケネコ城の玉座と全く同じ感じだな」
ふと思い出したような顔になり、王妃用の座席にゴブ夫くんを座らせた。
「いやいやいやいや!ブッサイクな王妃だな、オイ!」
「っていうか女だったの!?」
「ゴブ夫って名前だから、たぶんオスだと思うけど・・・」
「なっ!なぜ城に魔物がいる!?」
ん?ああ、ヒューリックはゴブ夫くん見たの初めてか。
「安心しろ!これは人形だ。等身大のアルティメットゴブリンだぞ!」
「ゴブリン!?こ、この様な凶悪なゴブリンが存在するのか!!」
「ダンジョンにいるのだ」
「ダンジョン!!なるほど・・・」
「ヒューリック、こんなの普通のダンジョンにはいないからな?とある超高難度のダンジョンにいるんだ。しかも深い階層に行けば、更にもっと凶悪なゴブリンが出現する」
「楽しかったな!また行きたいぞ!」
俺もそろそろダンジョンに行きたい気持ちはあるけど、聖帝軍を滅ぼさない限りそんな暇など無い。それに何かダンジョンと取引きできる材料が必要になる。バニラアイスでもOKだったから、面白い食材でも見つかればチャンスかもな。
「ところで城の名前はどうします?」
「名前か~!またネコにするか?」
「ここは尾張じゃないんだし、もうネコに拘らなくてもいいのではないかしら?」
「なるほど確かに・・・。ちなみにここは伊勢のレイリアという地です。元々この場所にはレイリアの砦があったのですが、それを壊して城にしたのですよ」
「ほ~~~!じゃあレイリア城でいいな!」
「すごく安直ね!でもレイリアって、ルーサイアみたいで好きな名前かも」
「私もそれで良いと思う!!」
まあそんなわけで、新しい城の名前は『レイリア城』に決定した。
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