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272 四人がシロネコ城に集結

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 それから数日経ち、トラネコ城とシロネコ城にも包みが届いた。

 当然ながら彼女らは、通信越しに目がキラキラしてるのが伝わって来るほどの素晴らしい反応を見せた。

 もう居ても立ってもいられないって感じで、カーラ・カトレア・リタ・リナの四人がすぐにシロネコ城にやって来たのだった。



「みんないらっしゃい!シロネコ城へようこそ!」

「おいーーーす!!チェリンはもう伝説のゴブリン武器貰ったの?」
「あははっ!着いた早々いきなりその話なのね!?私はすでに貰ったわよ!」
「なになに!?どれにしたのよ!?」
「はいカーラ落ち着いて!!武器は私の部屋に置いてあるから直接見せてあげるわよ!もうね、無茶苦茶格好良いのよ!?」
「おおっ!すぐ行こう!」
「カーラ、ちょっと落ち着きなさい!リタとリナはもう来ているの?」
「ちょっと前に到着したわよ。カトレアも元気そうね!」
「トラネコは平和そのものですので。でも兵は鍛えまくってますよ」
「もういつ戦争になってもおかしくないからね~」


 そんな会話をしながら三人はチェリンの部屋に向かった。



 ・・・・・



 部屋に入ってすぐに、壁に立てかけてあった大剣を手に取る。


「へーーーーっ!チェリンは大剣にしたのか!」
「私の服に似合うと思わない?」

「なるほどなるほど・・・。服に合わせて武器を選ぶのもアリってことね!」
「とても良く似合ってる!それにその大剣その物が素晴らしいですね!」
「無茶苦茶格好良いよね!?他の武器も全部凄いのよ!?」
「鑑定しても良い?」
「いいよ」


 カーラとカトレアが大剣を鑑定した。


「うっは!!まず大剣の名前が凄いし!インフェルノゴブリンの大剣って!」
「・・・これは強いですね!破壊強化(強)は便利な気がします」
「そうそう!主な使い道として、城門や防壁の破壊を考えているわ!重いから戦闘に使うには相当慣れなきゃ無理ね」
「アタシらには刀があるしな~。でもこれはこれで使いこなしたいね!」
「他の武器も見てみたいですね。小烏丸くんはどこに?」
「自分の部屋で付与でもしてるのかな?二人が到着したこと知らせなきゃね」
「よし!じゃあ小烏丸の部屋に突撃だー!」


 そんな流れで、小烏丸の部屋に移動することになった。





 ************************************************************





 トントントン


 ん?誰だろ?


「入っていいぞー」


 ガチャリ


「来たわよ!旦那様!」

「うおっ!!」


 カーラがダイブして来たので根性で受け止めた。
 なぜ毎度毎度突撃してくるのか!?


「二人共久しぶりだな!しかし通信した次の日に来るとは・・・」
「伝説のゴブリン武器なんて書いてあったら気になるってば!」
「お久しぶりです。早速チェリンに大剣を見せてもらいました」
「ほぉ~!鑑定もしたよな?凄かっただろ?」
「大剣の見た目も名前も性能も凄かった!伝説のゴブリン武器って種類がいっぱいあるのよね!?他のも見てみたいんだけど!」
「あー、そうだな。んじゃ弓の試射会も兼ねてお披露目すっか」


 ということで、この前集まったメンバーとリタ達も拾い、前回試射会をやった場所へと移動した。



 ・・・・・



 まずは前回の時のように、鎧を縦にずらーっと並べた。


「ゴブリン武器のお披露目の前に、骨弓の試射からやろうと思う。あ、いや、その前に普通の弓からやって威力の違いを比べようか」


 まず最初は、まったく強化してない普通の弓を射る。


 ビュン  カンッ!


「ふむ。強化も何もしてない弓だけど、一応刺さったな」

「まあ普通よね」
「すなわち他国の弓はこれくらいの威力なの?」
「いや、そうとも言い切れない。この弓は全く強化していないけど、他国にも付与魔法使いはいるだろうから、強化されている可能性は十分あるぞ」
「それもそうか~」


 チェリンもアイヴィーも尾張しか知らないので、そう思う気持ちはわかるんだが、まったく情報の無い他国の武器を見くびってはイカンな。

 次は服を着せたもう一つの鎧目掛けて射る。


 ビュン  カッ!


 矢は弾かれて地面に落下した。


「やったーー!流石は強化服!!!」
「こうして比べてみると、付与魔法による効果が実感できますね」


 カーラとカトレアが今の結果を見て喜んでいる。

 そうなのだ。今狙った鎧には一般兵用の強化した服を着せてあるのだ。
 もし今の矢が刺さっていたら、強化が足りていないということになる。なので矢を弾いてくれたのは、俺としても嬉しい結果だ。


「じゃあ次は矢威力強化(中)と命中強化(中)を付与した、一般兵用の弓でやってみるぞ」


 ビュン  カンッカンッ!


 矢は鎧を貫通して、その次の鎧に突き刺さる。


「おお~~~!流石は強化弓ね!」
「付与の効果をこれほど実感出来るのって初めてじゃないですか?」
「そういやそうかもな!ルシオの言う通り、今までは強けりゃそれでいいって、漠然とした考えだった所はある。さて、問題はこの強化弓を一般兵の服で防げるかどうかだ!」


 強化服には斬撃耐性++、衝撃耐性++、魔法耐性++が付いている。

 付与魔法をほぼ極めている俺でも、最大で+++までしか耐性強化が出来ない。
 すなわち衝撃耐性++でも、矢威力強化(大)くらいの力があると思うんだよね。


 『耐えてくれ!』と祈りながら、強化服を着せた鎧に向かって矢を放った。
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