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264 訓練の日々
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シェルフィーユに来てから二ヶ月が経った。
ここではルーサイアほどやることが無いので、基本的に訓練の毎日だ。
「なかなかやりますわね!想像以上ですわ!」
「ベアトリーチェさんこそ、本当に強い!!」
兵達に見せて参考にさせたかったので、今回は城外の訓練場でお嬢とルシオが模擬戦をやっている所だ。
お嬢が強いのはわかっていたが、ルシオが思いの他強くなっている。
ダンジョンでの一ヶ月の修行は、相当彼を強くしたようだな。
「強いのは知っていたけど、お二人ともこれほどとは・・・」
「本当にすげえ!!」
「たまに攻撃が見えなかったりするんだが俺だけか?」
「いや、俺もだ」
「聖帝軍も皆こんなに強いとしたら、俺達には少し厳しいぞ!?」
「いや、いくら何でも皆これほど強いなんてことはないだろう。攻撃が見えないのは刀の軽さも関係してるだろうし」
いいね!兵隊に良い刺激となっている。
わざわざ城外で試合を見せた甲斐があったってもんだ。
「ね、ねえ小烏丸」
「ん?どうした?チェリン」
「なんか・・・、二人とも私より強くなってない?」
「どうだろうな?俺の見た所、チェリンの腕前も引けは取らんと思うぞ。ただ、お嬢はまだ本気を出していない感じだ」
「アジトにいた頃は私の方が強かったのになあ」
「お嬢は刀で完全に化けたな。というか剣が合わなかったのだろう」
「ぐぬぬぬ・・・、私もうかうかしてられないわ!」
「ハハッ、後で稽古してやろうか?」
「是非ともお願いするわ!」
そして数分打ち合った後、ルシオが大地に膝を落とした。
「それまで!」
「ふ~~~っ!なかなか手強かったですわ!」
「ハアッ、ハアッ、ハアッ。参りました!もう少しやれると思っていたのですが、流石はベアトリーチェさんです!」
「ワタクシも何度かヒヤッとさせられましたわ!ルシオがこれほど成長していたとは、ワタクシもまだまだ修行が足りないですわね!」
「「うおーーーーーーー!!」」
パチパチパチパチ
兵達も今の立ち合いに感動したみたいだ。
正直俺も体がウズウズして来たもんな。
それからチェリンと立ち合い稽古をして、その時見つけた弱点や癖なんかを指摘する。
「チェリンは攻撃した後が問題だな。大振りな攻撃が多いので、攻撃を外してしまうと態勢が乱れているんだ。すなわち相手が受けの達人ならば、その隙を狙われてしまう。んで、その修正方法は二つある。大技を使わないってことじゃないぞ?刀を振った後、迅速に態勢を立て直すか、そのまま連撃に移行するかの選択だ」
「う~ん・・・、私って大振りする癖がついちゃってるから、どうせなら連撃の方が向いてるのかもしれない」
まあ本当はどっちも出来るようになるのが1番なのだけれど、まず連撃が出来るようになってからでも良いだろう。
「じゃあ軽く手本を見せよう」
右上段からの袈裟斬り、左下段から足への一閃、そのまま一回転し左下段からの振り上げ、反動を利用して腕をぐるりと回転させて右側面からの一閃。
「・・・とまあこんな感じだ」
「なるほど!!足への一閃からの一回転は、低い体勢だから隙にはならないのね!?」
「足を狙われた場合、後ろに下がるかジャンプするか武器で防ぐか、何にしても体勢が乱れるからな。相手の避け方次第でこちらも攻撃を変化させるのが理想だ。相手がジャンプした場合は振り下ろしが来るかもしれんから一回転は拙い。相手が下がった場合は突きの方が効果的だろうし」
「なかなか難しいわね・・・」
「普段から状況判断を重視しながら、色々な組み合わせを試してみるといいさ。訓練しとけばいざって時に体が勝手に動く」
練習したことのない技をぶっつけ本番でやったら、そればかりを考えてしまって上手くいかん。そんなんで斬られたらちょっと間抜けすぎるからな。
「じゃあ最後に一つ、ジャグルズ戦でも見せていない秘奥義を見せよう」
「秘奥義?」
「まあこれも連撃の一つなんだけど、それを極限まで高速化させた技だ」
ふーーー、久々だから綺麗に決まるかどうか。
刀を上段に構え普通に振り下ろす。
シュッ
―――次の瞬間、刃を上向きにしたポーズで静止している小烏丸がそこにいた。
「・・・え?今刀を振り下ろしたわよね?」
「これが秘奥義、『燕返し』だ」
「まったく意味がわからないよ!!」
綺麗に決まったので、ドヤ顔の赤い流星がそこにいたそうな。
「相手が剣を振り下ろしたら、その時どうする?」
「そんな隙見逃すわけないでしょ。勿論攻撃するわよ」
「それだ。相手のその思考を狙うのが『燕返し』よ」
今度は少しゆっくりと燕返しをやって見せた。
「なるほど!!上段からの振り下ろしは見せかけで、真の狙いは高速の振り上げなのね!?」
「初撃を高速でやったらただの連撃なので、緩急の差が秘訣だな」
「わざと手抜きした攻撃をして相手を誘う・・・。いいかも!!」
ただこの技を使うタイミングがなかなか無いんだよなー。
強敵とのタイマンって状況で、力量も互角の相手じゃないとイカン。
雑魚が相手の場合、普通に斬った方が効率いいんよね。
・・・とまあ、そんな感じでチェリンを少し鍛えることにした。
ここではルーサイアほどやることが無いので、基本的に訓練の毎日だ。
「なかなかやりますわね!想像以上ですわ!」
「ベアトリーチェさんこそ、本当に強い!!」
兵達に見せて参考にさせたかったので、今回は城外の訓練場でお嬢とルシオが模擬戦をやっている所だ。
お嬢が強いのはわかっていたが、ルシオが思いの他強くなっている。
ダンジョンでの一ヶ月の修行は、相当彼を強くしたようだな。
「強いのは知っていたけど、お二人ともこれほどとは・・・」
「本当にすげえ!!」
「たまに攻撃が見えなかったりするんだが俺だけか?」
「いや、俺もだ」
「聖帝軍も皆こんなに強いとしたら、俺達には少し厳しいぞ!?」
「いや、いくら何でも皆これほど強いなんてことはないだろう。攻撃が見えないのは刀の軽さも関係してるだろうし」
いいね!兵隊に良い刺激となっている。
わざわざ城外で試合を見せた甲斐があったってもんだ。
「ね、ねえ小烏丸」
「ん?どうした?チェリン」
「なんか・・・、二人とも私より強くなってない?」
「どうだろうな?俺の見た所、チェリンの腕前も引けは取らんと思うぞ。ただ、お嬢はまだ本気を出していない感じだ」
「アジトにいた頃は私の方が強かったのになあ」
「お嬢は刀で完全に化けたな。というか剣が合わなかったのだろう」
「ぐぬぬぬ・・・、私もうかうかしてられないわ!」
「ハハッ、後で稽古してやろうか?」
「是非ともお願いするわ!」
そして数分打ち合った後、ルシオが大地に膝を落とした。
「それまで!」
「ふ~~~っ!なかなか手強かったですわ!」
「ハアッ、ハアッ、ハアッ。参りました!もう少しやれると思っていたのですが、流石はベアトリーチェさんです!」
「ワタクシも何度かヒヤッとさせられましたわ!ルシオがこれほど成長していたとは、ワタクシもまだまだ修行が足りないですわね!」
「「うおーーーーーーー!!」」
パチパチパチパチ
兵達も今の立ち合いに感動したみたいだ。
正直俺も体がウズウズして来たもんな。
それからチェリンと立ち合い稽古をして、その時見つけた弱点や癖なんかを指摘する。
「チェリンは攻撃した後が問題だな。大振りな攻撃が多いので、攻撃を外してしまうと態勢が乱れているんだ。すなわち相手が受けの達人ならば、その隙を狙われてしまう。んで、その修正方法は二つある。大技を使わないってことじゃないぞ?刀を振った後、迅速に態勢を立て直すか、そのまま連撃に移行するかの選択だ」
「う~ん・・・、私って大振りする癖がついちゃってるから、どうせなら連撃の方が向いてるのかもしれない」
まあ本当はどっちも出来るようになるのが1番なのだけれど、まず連撃が出来るようになってからでも良いだろう。
「じゃあ軽く手本を見せよう」
右上段からの袈裟斬り、左下段から足への一閃、そのまま一回転し左下段からの振り上げ、反動を利用して腕をぐるりと回転させて右側面からの一閃。
「・・・とまあこんな感じだ」
「なるほど!!足への一閃からの一回転は、低い体勢だから隙にはならないのね!?」
「足を狙われた場合、後ろに下がるかジャンプするか武器で防ぐか、何にしても体勢が乱れるからな。相手の避け方次第でこちらも攻撃を変化させるのが理想だ。相手がジャンプした場合は振り下ろしが来るかもしれんから一回転は拙い。相手が下がった場合は突きの方が効果的だろうし」
「なかなか難しいわね・・・」
「普段から状況判断を重視しながら、色々な組み合わせを試してみるといいさ。訓練しとけばいざって時に体が勝手に動く」
練習したことのない技をぶっつけ本番でやったら、そればかりを考えてしまって上手くいかん。そんなんで斬られたらちょっと間抜けすぎるからな。
「じゃあ最後に一つ、ジャグルズ戦でも見せていない秘奥義を見せよう」
「秘奥義?」
「まあこれも連撃の一つなんだけど、それを極限まで高速化させた技だ」
ふーーー、久々だから綺麗に決まるかどうか。
刀を上段に構え普通に振り下ろす。
シュッ
―――次の瞬間、刃を上向きにしたポーズで静止している小烏丸がそこにいた。
「・・・え?今刀を振り下ろしたわよね?」
「これが秘奥義、『燕返し』だ」
「まったく意味がわからないよ!!」
綺麗に決まったので、ドヤ顔の赤い流星がそこにいたそうな。
「相手が剣を振り下ろしたら、その時どうする?」
「そんな隙見逃すわけないでしょ。勿論攻撃するわよ」
「それだ。相手のその思考を狙うのが『燕返し』よ」
今度は少しゆっくりと燕返しをやって見せた。
「なるほど!!上段からの振り下ろしは見せかけで、真の狙いは高速の振り上げなのね!?」
「初撃を高速でやったらただの連撃なので、緩急の差が秘訣だな」
「わざと手抜きした攻撃をして相手を誘う・・・。いいかも!!」
ただこの技を使うタイミングがなかなか無いんだよなー。
強敵とのタイマンって状況で、力量も互角の相手じゃないとイカン。
雑魚が相手の場合、普通に斬った方が効率いいんよね。
・・・とまあ、そんな感じでチェリンを少し鍛えることにした。
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